大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・イスカ 真説邪気眼電波伝・17「ギルドの徴は赤マント!」

2018-01-18 13:56:12 | ノベル

イスカ 真説邪気眼電波伝・17

『ギルドの徴は赤マント!』

 

 

 あろうことか真っ赤っかのマントだ!

 

 ただでさえ目立つことが苦手なオレが赤マントなんだぜ!

 それもダースベーダーみたいな黒鎧の上からなんだから、もう死んでしまいたいくらいに恥ずかしい! チョー恥ずかしい!!

「フフ、顔まで赤くしなくてもいいのよ(*^^)v」

「い、言うなああああ!」

 

 装具屋で買ったのが、このお揃いの赤マントだ!

「ギルドの徴に、なにか身に付けるアイテムないかな~?」

 新品の銀鎧をキラキラさせながら、ブスがオヤジに聞いた。

「そりゃ、揃いの鎧でしょう」

 商売熱心なオヤジは、いいカモが来たと、二割増しくらいに禿げ頭をテカらせて応えた。

「う~ん、鎧はもう買っちゃったからね……この銀鎧もオキニだしい……なんかカスタムアイテムでないかしら?」

「それなら旗指物になさいまし、サービスでギルド名を入れさせてもらいますよ」

「それは勘弁して!」

 オレは胸の前で×に腕を組んだ。桃太郎じゃねーんだからゼッタイNG!

「わたしもイヤ! 旗指物って、なんだか雑兵とか足軽でしょ、わたし姫騎士なんだから!」

「さようでございますね……なら、これなどいかがでございましょう?」

 そう言ってオヤジが取り出したのが、この赤マントだ。値段は旗指物の三倍する。

 オレはピンときた。オヤジはハナから赤マントを勧めるつもりだったんだ。いきなり出しては「高い!」と言われることを見越して、揃いの鎧⇒旗指物⇒赤マントの順で見せたんだ。クールでカッコはいいが高額な鎧、実用的で安いけど見っとも無い旗指物、んで(本命の)赤マント。鎧と旗指物でNGなブスにはすばらしく見える。

「いいわね、これ!」

 案の定ブスがその気になる。

「あ、でも、バトルの最中に剣とか鎧とかにひっかかって危ねーんじゃ……」

「大丈夫ですよ、ポリゴン抜けしますから」

 モノも言いようだ、髪の毛が体に突き抜けたりするポリゴン抜けは、現在のPCでは髪の質感とならんで描画のネックになっている。いわば欠点で、ケラケラとメリットみたいに言うもんじゃねー。

「そうだ、これにギルド名入れてもらおうよ! ギルド・ブス!」

「やめてええええええ!」

 

 で、無地の赤マントを翻しながら転送ゲートに向かうオレタチだ。

 

「さ、それでは四十九層目指して出発だーーー!」

 ブスは右腕をブゥーーーンと回して、階層ボタンを押そうとした。

 癪だけど、可愛くてカッコイイ……じゃなくて、攻略なんかに行きたくねーーー!

 

 ピコピコピコピコ ピコピコピコピコ ピコピコピコピコ…………

 

 急にアラームが鳴りだした。

「え、なに? なんなの?」

 ブスの手が停まって、オレもキョロキョロ……しながら思いついた!

「そ、そーだ! すまないブス、オレってタイマーかけてたの忘れてた!」

「タイマー?」

「ああ、リアルが疎かになっちゃいけないからタイマー掛けたんだ。学校の成績もイマイチだし、すまん、落ちるわ!」

「え、あ、ちょっとナンシー!」

 

 オレは、めずらしく寝落ちすることなくログアウトした。

 

 しかし、あのアラームは……?

 

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高校ライトノベル・小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・28『自衛隊体験入隊! その2』

2018-01-18 05:59:12 | 小説・2

大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・28
『ああ、自衛隊体験入隊! その2』
    


☆体験ピックアップ その二

 昼からは「障害走路」

 隊旗を持ったあたしを先頭に、あやめ、はるな、長曾我部先輩、淀先生と続いて「エッチ、エッチ、エッチネ、ソーレ!」と掛け声も勇ましく、500メートルほど駆け足。なんか藪の入口みたいなとこに着いた。

「ただいまより障害走を実施する。障害走とは……(あとは言葉が難しいんで、よう分からへん)……以上。かかれ!」

 指導教官の説明のあと、返事だけはかっこよく、障害走にかかる。説明は、よう分からへんけど、見たら一目瞭然。簡単に言うたら『サスケ』の予選みたいなもん。メニューは以下の通り。

1 :飛び越え障害(これは簡単、20センチほどの柵越え)
2 :ロープ(4メ-ターほどのロープを登って降りる)
3 :丸太橋(8メーターほどの丸太の上を駆け足)
4 :囲壁(2メーターほどの壁を勢いつけて乗り越える)
5 :柵(50センチほどの木の柵を5つほど乗り越える)
6 :壕(要は小さな堀に飛び込んで出てくる)
7 :跨ぎ障害(40センチほどの鉄の柵を、いくつも跨いで走る)
8 :高鉄条網(高い鉄条網を、40度ぐらいの勾配でかけられた板に載って乗り越え)
9 :水平棒(ようは雲梯の親分)
10:壕飛越(6でやったような壕を飛び越える)
11:低鉄条網(やっとくぐれるぐらいに張った鉄条網を這いながらくぐる)


 要は障害物競走。

 ただ、これを全行程走って5分以内に終わらんとあきません。一発でクリアしたんは予備自衛官の淀先生だけ。あやめがドンケツで7分30秒。全員が時間以内にできるまでやります。
 何回やったかは内緒ですけど、5時になるとラッパが鳴って国歌君が代が流れます。ほんなら本職さんと淀先生は不動の姿勢になり、微かに見える日の丸が下ろされるのを、なんちゅうかキリっと見つめます。
 これは強制されませんでした。
 せやけど、本職さんらがやってると、長曾我部先輩が、これに倣い、気いついたらみんなでやってました。

 宿舎に帰ってびっくり。

 朝、きちんとメイキングしたベッドがメチャクチャ。シーツも枕もめくられ放られ。
「やりなおし、かかれ!」
 で、もっかいやり直し。理由はシーツが2センチずれてたから。厳しい~!

 晩御飯はフライの寄せ上げ、大盛りごはん、お味噌汁、サラダ。訓練はともかくご飯は美味しい。

 あくる日、起床にまつわるゴタゴタは省略。トラックに乗って別の演習場へ。途中一般道を法定速度を守って走るよって、車が何台も追い越していく。ガラの悪そうな兄ちゃんらが「おお、自衛隊にも可愛い子おるやんけ!」嬉しいような、腹立たしいような……。

 演習場に着くとエンピいう歩兵用の小さなシャベル渡されて、ひたすら壕掘り。一人一つずつ。どうやら、これがタコツボいうもんらしい。案外大変で、淀先生は30分ほどでやってしもたけど、全員が出来たんは、もうお昼前。

 で、昼食(なんや食べてばっかり)飯盒炊爨でカレーを作って食べる。本職さんらといっしょに喋りながら食べる。食事のときは指導教官の人らが付いてくれはって、最初はぎこちなかった会話も自然になってきた。戦時中の女学生やる言うたら、女性隊員の人で詳しい人が居てて、昔の軍事教練の基本姿勢なんか教えてくれはった。えらい詳しい思たら、夕べうちらの話を聞いて、資料室で調べてくれはったそうです。感謝!

 昼からは戦車に乗せてもろた!

 正式には戦車とちごて、歩兵支援戦闘車「ライトティーガー」いうらしいです。鉄の塊が、あんな速いとはびっくりでした。

 たった二日、それも、あたしの役作りのために、みんなもいっしょにやってくれて大感謝です。自分でも分かってきました。身のこなし方が、今までのはちゃういうことが。
 コンクールの日程言うたら、本職さんらが、観に来てくえはるそうで、ただでも少ないコンクールの観客動員に繋がると、嬉しなりました。


  文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ) 

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