大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『ストロベリーナイト/つやのよる』

2013-01-27 08:22:40 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『ストロベリーナイト/つやのよる』


これは、悪友の映画評論家 滝川浩一が個人的に仲間内に流している映画評ですが、もったいないので本人の了解を得て転載したものです。


☆ストロベリーナイト
 テレビシリーズの映画化は、前作を見とかんとツライでっせと……まぁ、言わずもがなな事をいつも書く訳ですが。本作は大丈夫だっせ。
 いやいや、細かい設定や人間関係の機微はテレビシリーズか原作シリーズを知らないと判らんのですが。一番重要な「姫川玲子」の心の闇は 全シリーズを見ていても解らないんで、結局一緒なんです。
 誉田哲也の原作シリーズは今の所 6冊…まだ 続いて行くみたいです。原作には書かれているのかもしれませんが、“姫川玲子”は高校生の時にレイプされてそれがトラウマになっている捜査一課の敏腕刑事という設定。しかし、彼女の抱えている心の闇は本当にそれだけなのか?ってのがテレビシリーズからずっと続いている疑問で、本作にも解答はありません。
 映画の構造は、これまでのシリーズに必要以上に寄りかからず、一本の独立したストーリーに成っていて、これは原作の優れた所なのか 監督(「キサラギ」の佐藤祐市ですけぇ)の手柄なのかは判りませんが、わかりやすい構造になっています。まぁ、結子ちゃんが巧いから……ダハハハハ、西島君他姫川班のチームワークも良いし、他の皆さんもキャラがたっとります。
 今作では大沢たかおが儲け役、可哀想なのは菊田君(西島)、 シリーズ最終回で玲子ちゃんとええ雰囲気やったのに 大沢たかおに引導渡されちまいました。なんぼなんでも涙無くして(特に男は…)見られないシーンがございます。 まぁ、大見得切った大沢君でもあかんのは見えとりますがね、玲子の抱えている“闇”の全貌がみえないと 近づく男はみんな抹殺です。いますよねぇ こんな女性 コエェヨ~。
 ストーリーは細部に渡って穴のないように組み上がっています。そういう意味でも あまりストレスはありません。オススメであると申し上げます。ただ、全編 雨が降りっぱなし“インビジブル・レイン”が原作タイトルなので その“インビジブル”をどう解釈するかで雨の意味が変わるんですが……ですがぁ……何ちいますか~ ただ、淡々と降ってるだけなんだよなぁ。
 アタシャ勝手に D・フィンチャーの“7”の雨を意識してるんだと決め込んでたんどすが…う~ん、違うんかなぁ。“7”の雨は「悪意」「毒」「隠れ蓑」……ってな意味合い、本作の雨からは何も感じない。さて、誰の責任? 竹内結子の責任でない事だけは確かですが…テレビで「アフター・インウ゛ィジブルレイン」ってのをやっとりましたが、原作はどない続いていくんでしょうねぇ。読んでいる人の感想によると 姫川玲子は全く竹内結子のイメージじゃないそうで…それじゃ意味ねぇじゃんってんで 今んとこ読む気無しであります。アハハ……。

☆つやのよる
 なんか、日本の映画のストーリーじゃねぇなぁって感じです。しかし、邦画でしか有り得ない雰囲気でもある。設定はフランス映画なんかによくある形なんですが、ひとつひとつのエピソードが どうしょうもなく日本的なんです。
 伊豆大島に病気で死にかけている「艶」という女がいる。なかなか女の顔が出て来ないのだが、性的に奔放な女であったらしく、死の直前まで男を追いかけまわしていたらしい……さて、彼女には夫(阿部寛)がいる。彼は この女に散々振り回され 人生をグチャグチャにされた筈なのに 何故か献身的に看護している(相当歪んではおりますが)、彼は これまでに妻が関係した男達に「艶はもうすぐ死ぬ」と連絡する。さて、連絡を受けた男達はどうするのか、そして 現在 その男共の横にいる女達にも余波が及んでいく……ってなお話。
 ザックリ 切り捨てるなら、出来の悪い短編私小説を一人の女を中心に据えて振り回した物語。なんで私小説大嫌いオヤジの私がこんな映画を見んといかんかったのか……編集部Y美! ええ加減にせえ!
 まぁ、J・ロバーツの「飲んで食って恋して」??覚えてない、あの中年女の ええ年しての自分探し物語ほどには頭には来んかったですけどね。阿部寛の劇的に痩せてやつれた姿と、とうとう妻が死んで その通夜……棺桶の妻に向かって「ざまぁみろ!○×△□◇#&@☆!!」と叫ぶ姿に感銘受けちまいました。  登場人物達が それぞれ状況に差はあるものの基本的に泥まみれに成っている中、この夫だけが なんだか小さな幸せを掴めそうな結末には笑っちまいました。 まぁ、一番の失敗は私に無理やりこの映画を見させた編集部方針にある…とだけは申しておきます。こんなん好きな方もおらしゃりますでっしゃろから 全否定はいたしませんが…アタシャもうお断りでありま。聞いとるか? Y美ちゃん


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高校ライトノベル・ライト古典・わたしの徒然草72『賤しげなる物』

2013-01-27 07:31:56 | エッセー
わたしの徒然草72
『賤しげなる物』
    

徒然草 第七十二段

 賤しげなる物、居たるあたりに調度の多き。硯に筆の多き。持仏堂に仏の多き。前栽に石・草木の多き。家の内に子孫の多き。人にあひて詞の多き。願文に作善多く書き載せたる。
 多くて見苦しからぬは、文車の文。塵塚の塵。


 徒然草は、清少納言の枕草子を意識していると時に言われるが、この七十二段などは枕草子のスタイルそのものである。清少納言も四百年の後のオッサンのエッセーのモチーフになるとは思わなかっただろう。しかし鴨長明と並んで日本三大随筆になるんだから、やはり兼好というオッチャンは偉い!
 わたしも時々AKB48のタイトルや、歌詞をモチーフに小話を書くが、やっぱグレードがちがう。
 この『わたしの徒然草』は兼好のオッチャンが十四世紀にものしたもののモジリである。
 ちなみに「わたしの徒然草」で検索すると二百六十万件も出てくる。兼好のオッチャンにあやかっている人はかなりおられるようである。ちなみに、わたしの『わたしの徒然草』は第九位……いささか前フリが長い。

 正直、この段を読むと、わたし自身のことを「賤しげなる者」と非難されているような気がする。原文は「賤しげなる物」で「者」ではなく「物」であり、状態を賤しげであると言っているに過ぎず、人格である「者」を否定しているわけではない。

 ガラクタが多いのはいかんと兼好のオッチャンは言い切る。同じことをカミサンも言う。
 カミサンは物離れのいいたちで、暇さえあれば家の中を片づけ、捨てている。テレビが地デジになったとき、カミサンは家中のアナログテレビを「捨てる!」と宣言した。わたしは「もったいない、モニターとしては、まだ使える」と主張した。で、その場は収まったが、折に触れて「捨てろ!」と言われる。あるとき「なに言うてんねん、これなんかテレビデオやねんぞ。これ捨てたらビデオが観られんようになる」と抗弁した。
「ほんなら、溜まったビデオごと捨ててしまい!」
 やぶ蛇であった。カミサンはとうに数百本のビデオを惜しげもなく捨てていた。テレビデオごときものを捨てるのになんの躊躇もない。
 で、わたしは、このビデオを鑑賞しているのかと言えば、もう二十年以上観ていないものばかりである。
「三年間、一度も使わなければ、それは不要品である」
 という理屈があるらしい。このデンでいくと、わたしの持ち物の九十パーセントは不要品である。十二台もあるゲーム機、と、それに見合ったゲームソフトやゲーム小物、十一領のヨロイ、二百あまりのプラモデル、劇団をやっていた頃の衣装、小道具、数千冊の本……書き出してみると、カミサンの小言もむべなるかなではある。

 解せないのは子孫(こまご)の多さである。
 兼好のオッチャンの時代は子孫が多くて当たり前の時代である。あらゆることに平衡感覚に秀でた人ではあるが、この段のこの部分は、やや異様である。ひょっとしたら、兼好のオッチャンが生涯独身であったことと関係しているのかもしれない。

 人にあひて詞の多き……巧言令色少なし仁である。
 これは、少し耳が痛い。現職中は「男のオバサン」と言われるぐらい喋る男であった。
 人を相手にする仕事をしていたので、相手が単数であれ複数であれ、その場の空気を読んで、会話に間が開かないように気をつかい、時に「気をつかうレベルを超えて」喋ってしまう。
 ただ、これだけは言える。場の空気や人の気持ちに心を配り話ができる人は極めて少ない。わたしの浅い経験則であるが、職場での地位の高い人間ほど、その傾向が強い。もう還暦が目前であるが、そういう地位の人は、もともとそうであったのか、地位がそうさせてしまったのか見極めがつかない。おそらくは複合的な問題ではあるのだろうけど、幾人かの首長さんや、首相に顕著に「人にあひて詞の多き」人がいる。地位が高いぶん、社会的な影響力、もっと直裁に言えば害毒のある人々で、歴史用語ではデマゴーグという。
 逆に、話の名手がいる。むろん面識はないが、司馬遼太郎・小松左京・桂米朝のお三方で、企んだわけではないが、お三方とも大阪の人間である。歴史的には吉田松陰・羽柴と名乗っていたころまでの秀吉などがこれにあたる。
 わたしの少し上の全共闘世代もよく喋った人々であったが、戦時中の軍人のよう雄弁であるが、エキセントリックでもあった。酒性度や揮発性の高い言葉を使い、よく自分自身の言葉に酩酊していた。
 今でも、こと言葉や会話について、自分は発展途上人であると思っている。

 多くて見苦しからぬは、文車の文。塵塚の塵。
 前半は、よく分かる。わたしなどは、図書館や書店に並んでいる本を見ているだけで心が豊かになっていくような気がする。気がするだけであって、大方は錯覚である。その錯覚が、わたしの本棚の大半を占めていて、最近、自分の本棚に限っては自己嫌悪の対象になり果てている。
 後半の塵塚の塵は分かりにくいかもしれない。
 日本は、前世紀までは、あちこちにゴミの不法投棄があった。子どもの頃は、不法投棄されたゴミは宝の山で、怪しげなものを拾ってきては親に叱られたもので、ある時などは不法投棄されたバッテリーを分解して、中の硫酸でやけどをしたこともあった。
 大人になってからは、不法投棄は宝の山ではなくなった。幹線沿いに廃棄された自動車、産業廃棄物などなど不穏でさえあった。そんな中、指定された日に指定された様式で塵塚に集積されている様は見苦しからぬ様である。


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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『ライフオブパイ』

2013-01-25 19:08:42 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『ライフオブパイ』


 これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので、本人の了解を得て転載したものです。



 なんと表現すればよいのか……。

 究極に美しい画面に映し出されるのは、う~むむぅ ファンタジーであり、人が生きるための哲学であり、人と神(と書くより、まさに“GOD”)との純粋な出会いの物語である。
  私の拙い文章で この映画を語る事に逡巡を覚えるが……とにかく、読んでいただきたい。
 
 原題、そのまま“LIFE OF PI” すっかり大人になったパイも登場するが、少年パイがインドで成長して 一家がカナダに移住決意するまでと、船が沈没して救命艇で227日漂流、メキシコに漂着するまでがメインのお話。パイは10代の後半という所、半生にもならない時間だが、まさしく“LIFE”なのである。
「虎と少年が 一艘のボートで漂流する」物語なのだが、そこに至るまでの幼年期から青年前期を丁寧に描いてある。少年パイの聡明さ 好奇心の形、父親の薫陶、母の優しさ……これらが後に続く漂流譚に決定的な意味を持つ。
 少々脇道にそれるが、“聖書”が日本に入ってきた時、“GOD”に「神」と訳したのがそもそもの間違い。日本人にとって「神」とは あくまでも「神々」であって“絶対者”“創造主”を意味しない。逆に言えば、だからこそ 全くの異教であるキリスト教も「神々の一」として受け入れられたとも言える。
 パイも 宗教観のベースはヒンドゥー教であり三千数百の神々がおわす。少年パイは宗教に対してニュートラルであり、キリスト教にもイスラムにも素直に興味を持ち、吸収する。
 船が沈んで漂流するうち、再度 嵐に出会う。その嵐の中にパイは“GOD”を見る。ヴィシュヌでもヤハウェでもアラーでもない、ただ“GOD”としか表現できぬ存在を感じる。
 いやいや、けっして宗教映画ではないが、へたに説教臭い映画よりも よっぽど信仰へと至る道が示されている。原作は2冊あり、上巻まる一冊、少年パイの生活が描かれているらしい(購入したけど未読)、監督アン・リー(ブロークバック・マウンテン)は この部分の映像化の方にこそ、後半の漂流譚以上の神経を使っている。監督候補の中にナイト・シャマランがあがった事もあったようで、これこそ天の配剤 シャマランなんかに撮らせたら駄作にすらならなかっただろう。
 アン監督は 「今作のためにこそ3Dがあった」的な事を語っているが、これは業界発言。2Dを見た(3Dは吹き替えのみだったしね)が、充分に美しく 深度のある画面……殊に水(海)の表現が素晴らしい、パイの目の前で沈みゆく船の残酷な美しさ、パイが“GOD”を感じる海は真逆な砂漠を思わせる。母なる海でありながら圧倒的な荒涼を見せる、それは絶対的な不毛であり、死の荒野である。 “唯一神”のイメージは砂漠にしか生まれない、原作者ヤン・マーテルにはこの確信があり 監督はそれを映像化する事に腐心している。
 後半の映像の肝は3Dなんかではなく“CG合成”の信じがたいまでの進化である。パイと共に漂流するベンガル虎(なんと“リチャード・パーカー”という名前、この名前には物語で語られる以外に意味があるのだが……それはパンフレットで読んで下さい)はまことに生きていて 救命艇の中にリアルに存在している、ここまでくると 映像マジックと言うより“奇跡”である。監督の手腕と共にCG技術者に万雷の拍手を贈りたい。
 台湾に有る、おそらく世界最大の撮影用プールと、ブルーバック合成があれば作られる映像ではあるが、天才的センスとこだわり無くして創造しうる画面ではない。断るまでもないが、頭ではカラクリが解ってはいても、スクリーンに現れた海は本物としか思えない、圧倒的存在感である。
 物語終了間近、パイの口から全く違うもう一つの物語が語られる。まるでミステリーだが、ここでどちらが真実なのかなどと考える必要はない。このもう一つのストーリーは、あくまでも パイと虎との絆を補強するものと捉えたい。
 元より、本作をご覧になった方の感性の問題である。感性の在りようによって 総てのシーンは様々にそ
の意味を変化させるだろう。優れた映像は、優れた本と同じく 触れた人々に その人にしか見えない世界を開いて見せる。どうか 存分に奇跡の映像をお楽しみ下さい。そして本作があなたの中に何を刻むか……それは あなただけの宝物になるのです。


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高校ライトノベル・ライトエッセー『青年という言葉の現在』

2013-01-24 08:37:02 | エッセー
ライトエッセー
『青年という言葉の現在』




 青年と言う言葉をあまり耳にしなくなった。

 わたしだけの感想だろうか。

 マスコミや、社会は、これに変わる言葉として「若者」を使うようになってきた。
「近頃の若者は、車をもちたがりませんね」等と使う。

 青年と言う言葉は、どこか昭和の匂いがする。
「青年団」という言葉……あまり聞かなくなった。大昔は「若者組」「若衆組」「若連中」などといい、村や町の活動の中核であった。祭りや、村同士のもめ事などでは、この「若者組」の発言権が強く、西郷隆盛などは、かなりの大人になっても「よかにせどん」の代表で、西南戦争は、この延長線上にあったといっていい。
 昭和は、この「青年」と「民主」が結びついた団体が、かなりあった。

 青年とは、教科書的に言えば「15、16歳から34歳または39歳頃までの性的成熟伴う急激な身体的変化が現れ、心理的には内省的傾向、自我意識の高まりがみられる時期。不安・いらだち・反抗など精神の動揺が著しい」というような言葉でくくられる。
 ルソーはこれを「第二の誕生」と呼び、ゲーテは「疾風怒濤の時代」、レヴィンは「境界人」(マージナル=マン)と呼んだ。
 近頃の若者は、この「第二の誕生」を、なかなかしない。「疾風怒濤」なんて死語。今の若者には「そよ風」がよく似合う。ただし空は青空ではなく、曇り空であるが。
 浅間山荘事件の指揮を執った佐々淳行さんなどは、あれだけ鎮圧にご苦労されたのにもかかわらず。「若者には、あれぐらいな元気がなきゃいけませんなあ」とおっしゃっている。

 大阪市立桜宮高校で、不幸な事件がおこり、体育科の募集が停止になり、その説明・説得のために市長自らが、同校におもむき生徒達に話をした。わたしは、この市長に懐かしい青年性を感じた。自分の信じることを(正しいかどうかは別にして)現場に行き、演説するのは、いかにも青年らしい。そして、ほとんど言いっぱなしで、同校を後にしたことも青年らしい。
 一時間足らずの話のあとで、女生徒二人が手を上げて発言をした。いまの若者にしては勇気のある行為だったと思う。その後生徒達は記者会見も開いた。
 不謹慎と、お叱りを受けるかもしれないが、行儀がいいと思った。
 わたし達の時代なら、市長は、あのままでは帰れなかっただろう。軽くて、そのまま全学集会、当たり前で大衆団交、他校との連携、授業ボイコット、中ノ島あたりで、高校生決起集会。それに、大学の学生組織の連帯活動ぐらいには発展しただろう。おことわりしておくが、事の善し悪しを言っているのではない。青年とは、そういうものではないだろうかという輪郭をなぞっているのである。

 わたしの知人に、広い意味で青年である人が何人かいる。その多くが、学校の先生である。この人達の共通点は部活に熱心であるということである。部活を、まるで自分の人生のようにしてしまっている人もいる。同種の部活をやっている顧問同士のキズナは深く、互いに、身内の中では切磋琢磨されているが、自治体全体の部活のことは、あまり視野にはない。だから停滞、あるいは漸減の傾向に歯止めがかからない。

 フェイスブックやツイッターでよくグチをこぼされる。ネットというのは怖いもので、回り回って、わたしのパソコンの画面に映し出される。

 ああ、直接言うたらええのに。そう思うことがしばしばである。
 
 彼らの青年性は、「否定をいたく好むこと」に特化している。異分子は否定、それもネットで行う。わたしの青年性は、高校生の時のままなので、直接言う。その場では、なにも返ってこない。なんともタヨリナイ。

 先日、自分が顧問をしている部の批判をネットでやっている人に出会い困惑した。現場で生徒や、他の顧問に言った気配が、ほとんど感じられなかった。むろん学校や、個人を特定されるような書き方はしていないが、関係者が読めば、すぐ、それと知れてしまう書きようであった。

 わたしは、自分の中の青年性を持て余している。直接、現場で発言してしまうことがしばしばであった。

「破壊分子」「デマゴーグ」「裏切り者」「造反」こういう言葉で返されることが有った。正直血が騒いだ。

 先般、こう言われた。

「ここは、あなたの発言の場ではない」

 店先で、いきなりシャッターが降ろされたような、感じがした。

 別の場では、発言に反論もなく。ネットでさんざん書かれた。そのことごとくが匿名である。中には文面から個人が特定できるものもあったが、何とも言えない寂寥感であった。

 人間、いくつになっても青年性は残していていいと思う。
 ただ、匿名で否定するのではなく、青年らしく正面から言ってもらいたいものである。

 とりとめがない事を書いてしまったが、還暦を前にして、ちょっと青年を考えてしまった一月の下旬である。
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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『東京家族』

2013-01-20 08:35:26 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『東京家族』


 これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に流している映画評ですが、もったいないので、本人の了解を得て転載したものです。


 今年は小津安二郎生誕110周年、「東京物語」が60周年(私と同い年…どうでもよろし)
 
 山田洋次がこれをリメイクすると発表したのは2009年か10年だったと思う。11年4月クランクインを目指していたが、3月11日東日本大震災で製作が延期、台本も書き直された。奇しくも12年8月、英国映画協会が10年ごとに“世界映画50選”を発表する中で、 「東京物語」が1位を獲得した。
 小津安二郎、東京物語、現代の巨匠・山田洋次と揃えば こりゃあ誰も抗えない。パンフレットも立派なら、その内容は讃辞に満ちている。映画関係者で意義を唱える人は皆無だろう。
 映画館は60~70代の観客で7割の入り、一番大きな部屋で八尾の小屋という条件からすれば上々のスタートだろう。
 今後の口コミ次第だが、若年層に訴求する所までは行かないだろう。 映画は「東京物語」のリメイクというよりも、その骨格をトレースしながら、戦後の日本の家族を描いた小津作品に対して、3・11以後の日本の家族を描こうとしている。山田洋次らしい秀作と言えるが、万雷の拍手……と言えるのか?
 まず、ハッキリと断言するが台本が不出来だ、意あって届かず……空回りしている。
 妻夫木と蒼井以外(正蔵は埒外)の役者はほぼ全員「東京物語」を意識しすぎて極めて退屈な演技、特に中嶋朋子は考え過ぎて迷路にはまったんじゃないかとさえ思える。
 妻夫木、蒼井は その点捕らわれる事なく自然な演技で好感できる。この二人と早くから接点のある 母役・吉行和子がまず目覚め、次いで橋爪功が浮上してくる。空回りで退屈な前半と打って変わって、後半は人物に血が通い始める。
 台本からすれば「世紀の大凡作」で終わるはずの作品が 一番若い二人によって救われたと言える。  小津の「東京物語」においても、父・笠智衆と 戦死した次男の妻・原節子のエピソードが最重要ポイントであり、ここを生かすための前半であるともいえる。そう! あまりにも皆が絶賛するので誰も口に出来ないが「東京物語」だって前半は退屈なのだ。東京での生活に汲々としている長男、長女に自らを見いだしながらも 彼らには共感したくないという心理が働くのかもしれない。
 私見を言わせて貰うならば、「東京物語」は戦後の日本だからこそ意味を持った、「東京家族」はそれを3・11以後の日本に重ねたが そこに錯覚があった。恐らく山田洋次は東北を丹念に見て回った事であろう、直に接する悲惨は彼の中に大きな傷をつけたであろう事は間違いない。
 あえて こんな言い方をすれば「お前は日本人じゃない」としかられそうだが……第二次大戦は日本人全てに拭えぬ傷を負わせた。それからすれば、あの超規模の大震災であろうとも一地方の災害に過ぎない。そんな感覚であってはいけないのは明白……なら、それを喚起するための作品はもっと別な姿を取るだろう。少なくとも本作にその力は無い。監督の想いは空回りしているとしか言えない。
 実は、もっと非道い感想を持っているが、これは書かんときます、自分でもそこまでの悪意は口にしたくありません。
 あえて、ここまで3・11に踏み込まなければ、もっと評価できたかもしれないが、それにしても小津安二郎に対するリスペクトと同量以上の山田洋次オリジナルが提示されなければ、今度は「単なるコピー」と評価しただろう。
 もう一つ、私見を言うならば……小津安二郎はヨーロッパでまず認められ、日本人の彼に対する評価はそれに引きずられている。 小津タッチといわれる独特の技法・語り口は見事ではあるが、映画のエンタメ性を否定した所に立脚している。趣味の問題もあるのだが、そうまでして求められる「リアル」を積極的に認める気にはならない。
 何度も書いているが、私は「私小説」なるものが あまり好きではない。人生のすれ違い、残酷、悲惨、愚かしさ…全部 自前か周囲にあるものでたりている、読みたければドキュメンタリーを読む。映画についても同じように言える。元々こういった作品に興味が無いとだけはおことわりしておきます。


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高校ライトノベル・らいと古典・わたしの徒然草71『名を聞くより』

2013-01-20 07:55:25 | エッセー
わたしの徒然草71
『名を聞くより』
    

徒然草 第七十一段

 名を聞くより、やがて、面影は推し測らるる心地するを、見る時は、また、かねて思ひつるままの顔したる人こそなけれ、昔物語を聞きても、この比の人の家のそこほどにてぞありけんと覚え、人も、今見る人の中に思ひよそへらるるは、誰もかく覚ゆるにや。
また、如何なる折ぞ、ただ今、人の言ふ事も、目に見ゆる物も、我が心の中に、かかる事のいつぞやありしかと覚えて、いつとは思ひ出でねども、まさしくありし心地のするは、我ばかりかく思ふにや。


 この段は、思索的である。

 三つのことを言っている。
 第一は、名前を聞いただけで「ああ、こんな感じの人か」と思うけど、当たったためしがない。ごく当たり前なことだけど、かみしめると味わいがある。
「かおる」という名前がある。源氏物語にも出てくるユカシイ名前である。わたしの旧友に、咲花かおるという宝塚の女優さんのような名前の女の子がいた。この子は会ってみると、めずらしく名前のとおりの可愛い女子高生であった。しかし、長じて、わたしの劇団に入って分かった。自他への規律心が強く、有り体に言えば「やかましい子」であった。大分類するとAKB48の高橋みなみに似ている。
 しかし、一般に「かおる」というのは、名前だけでは男女の区別もむつかしい。
 ちょっと兼好のおっちゃんの意図からは外れるが、名は体を表さないが、時代と、その空気を表すものがかなりある、という話をしたい。
 子どもの頃、年寄りの名前は簡単だった。女性に限って言っても、くめ・とら・よね・ちず・はな・とめ・よし・しま……など二音の名前が多かった。人が呼ぶ場合、頭に「お」お尻に「ちゃん」が付く。例えば「よね」は「およねちゃん」である。安物の時代劇で、「名はなんと申す」と聞かれ「はい、およねでございます」ときたら、もう嘘である。自称では「よね」である。で、こういう名前は明治の中頃までである。
 その後、女性の名前は「~子」が流行りになる。古来、女性の名前に「子」が付いたのはお公家さんちの娘だけであり、庶民が付けることはなかった。明治も中頃過ぎになると遠慮もなくなり、まずお金持ちの娘たちに付き始め、大正頃からは庶民も遠慮無く付け始め、長らく女性の名前の定番になった。昭和三十三年・三十四年生まれの女性に「美智子」が多いのも時代的な背景がある。言うまでもなく、今の皇后陛下のお名前にあやかったもので、「美智子」は、人柄はともかく時代はよく分かる。親日国で有名なトルコでも、この年代生まれの女性に「MICHIKO」あ多い。
 昭和の終わり頃から、お人形さんや、タレントさん、アニメの主人公のような名前が流行った。「真央」や「みなみ」「ゆうな」「りか」が、その代表である。
わたしの予想であるが、ここ数年はAKB48の選抜メンバーの名前が流行るのではないかと思うのだが、いかがであろう「敦子」「優子」などが復権するかもしれない。「みなみ」はアニメキャラのそれではなく、アイドルの名前として。
 しかし、名は体を表さないのは、兼好のオッチャンの時代も、今も同じではある。

 第二、第三は、今昔の違いはあるが、見たり聞いたりしたことに思いをいたすということである。
一昔前、落語ブームがあった。わたしもそのブームに乗った一人で、米朝さんの古典落語全集を持っている。
「天狗さばき」という古典がある。ある男が、おもしろい夢を見て目覚める。よほどおもしろかったのであろう。寝ながらケタケタと笑っていた。で、目覚めてカミサンに聞かれる「どんな夢みてたん?」 ところが男は、夢の中味は忘れてしまって説明ができない。「そんな、わてにも言えんような夢みてたんかいな!」と叱られる。同じ長屋の男が間に入り、「まあまあ……で、どんな夢みたんや?」 男は答えることができず、次々に大物が仲裁に入る。大家が、町奉行の奉行が、そして最後に鞍馬の天狗まで出てきて、「で……どんな夢を見たんじゃ?」になり、答えられず天狗に懲らしめられているところで、カミサンに起こされ「えらいうなされて、あんた、どんな夢見たん?」と落ちになる。
 そして、この落語に接したものは、アハハと笑いながらも「そういうことってあるよな」と、自分に引き込んで感じてしまう。
 今の芸人さんたちにも、わずかに、こういう人は存在するが、大半は相方や客をいじるか、極端にキャラを誇張して、笑いをとる。そこには場合によってはイジメのタネになりそうなスラプスティックなギャグも多く。昭和生まれのわたしは笑えない。
 昔、石原裕次郎や加山雄三の映画を観たアンチャンたちは、映画館を出てくる時には、なんだか、目の配り方や、姿勢までもが、石原裕次郎、加山雄三になって映画館から出てきた。
 今、映画館から出てくる人は、感動はしているが「カメラワークがどうたら……脇の弱さは制作費が……」などと評論しながら映画館から出てくる。

 第三は、今目にしたこと、聞いたことが「同じようなことがあったよなあ」というデジャブ=既視感(きしかん)である。
 現代、このデジャブの感覚が弱くなってきてはいないだろうか。大きくは、アジアの某国が、我が国固有の領土を蚕食している状況。「ああ、十九世紀から二十世紀にかけてよくあったよなあ」とデジャブを感じる。そして、それが、政治家を含め一部の人が言うように、互いに共通の歴史認識(持てっこない)や、話し合いでことが片づくと思う空しさを通り越した怖ろしいまでの想像力の欠如。デジャブを持てる人は、こういう領土問題が、過去どう展開・解決をしてきたか、よく分かる。
 小さくは、昨年父が亡くなった時のことである。父は2011年11月11日という、まことに覚えやすい日にポックリ逝った。朝の九時に突然死を知らされ、夜の九時には葬儀ののだんどりが終わっていた。介護付き老人ホームに預けっぱなしにしていたので、どうにもならない後悔と悲しみにうちひしがれたが、身内には、いっさいそんなそぶりは見せなかった。孫やひ孫までの、つましい家族葬で送ってやった。
 葬儀の日。火葬場に行く小型バスのウィンドウに映った自分の顔は、幼い頃祖父や祖母が亡くなったときの父や母の顔によく似ていて驚いた。一種のデジャブである。
 大事なデジャブであると思った。だから、息子や孫やひ孫のデジャブにしてやろうと、一周忌のプランを考えている。


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高校ライトノベル・ライトエッセー『高校生の芝居なんか見たないわ』

2013-01-19 14:47:12 | エッセー
ライトエッセー
『高校生の芝居なんか見たないわ』




「高校生の芝居なんか見たないわ」

 と、ニベもない返事が返ってきた。
 こいつとは、四十年来のつきあいで、互いの腹の内や、弱点の2/3は分かり合えている仲である。

 高校生のときに、好きな女ができ、駆け落ちの資金を作るため、大阪万博の工事現場で働き百万の資金を稼いだところで、互いの両親が知るところとなり、オジャン。その金を北の新地で三日で使い果たしたという、当時としても、かなり桁外れなオトコであった。
 
 大学の頃に、こいつと知り合った。

 わたしは、当時大学には籍があるだけで、劇団・青年舞台に在籍しながら劇団・大阪小劇場を主催し、出身高校の演劇部の世話まで、お節介にやいていた。
 橋下元知事が廃止した、府立青少年会館が隆盛で……ちなみに、廃止されたころは、もっと隆盛で、大阪で唯一の、青少年の文化拠点であった。劇団新感線が、ここから始まったと言えば、その存在価値が分かっていただけるだろうか。
 そこの小ホールを借りて本番の朝、仕込みの最中に、こいつは現れた。劇団の女優のカレ……オトコとして。
 で、気が付いたら、いつのまにか、いっしょに芝居をやっていた。
 ガタイとツラのいかついやつで、二十歳ぐらいまでは刃傷沙汰が絶えなかった。文武両道のオトコで、演劇部とアメフトを兼部していたという。
 大学を出て、親との契約で11年ほどは、まっとうな紙屋のサラリーマンをやっていた。なにやら悪魔が王様と契約したのに似ている。
 あやうく課長になりそうになりかけて退職し、コックとして腕を上げながら、芝居や、映画の評論家として名を成す……ことが嫌いで、匿名や、ゴーストライターとして、映画、演劇の評論家として、研鑽を積んできた。
 もう、今年仲良く還暦になるので、わたしが、あちこちで名前を明らかにしてきている。本人も迷惑そうな顔をしなくなったので、正体をバラしてもいいだろう。

 滝川浩一という。

 今は、表の稼業は「志忠屋」という、レストランのオーナーシェフで、いかついツラをえびす顔に見せる術も覚えた。で、裏稼業が映画・演劇評論家。と、もう一つは表現のしようがない。伝説の梁山泊にでも据えておくと収まりのいいオトコである。

 親友ではあるが、こと評論に関しては、情け容赦がない。わたしが昨年出した小説を正面からケナシタのは、このオッサンだけである。
 一昨年、大阪府高等学校演劇連盟のコンクールで某校が、わたしをコーチとして、わたしの『すみれの花さくころ』という芝居を演った。本選に、ただ一つの既成作品として、出場し、作者のわたしが見ても一線を越えた出来で、上演後、安堵と疲れの入り交じった顔でロビーに出るドアを開けると、このオトコが立っていた。よみうり文化ホールのロビーへの出口は三カ所ほどあるが、このオトコは、わたしが出てくるドアを正確につかんでいた。

「おめでとう、大橋。近畿大会出場を祝して飲みにいこう!」

 わたしは微熱があったので、その祝勝会は断って、家に帰った。帰ると顧問の先生から選外になった電信をいただいた。後日審査の内容を知らされた。

――作品に血が通っていない。行動、思考回路が高校生のそれではない――

 不審死の志望診断のように言語明瞭、意味不明であった。わたし自身それまでに千本ほどの高校生の芝居を観、また審査もしてきたが、こんな無責任な審査は初めてであった。
 オトコに言うと、『走れメロス』の冒頭のメロスのような顔になった。
 
 明くる年、わたしの芝居が、また本選に出た。
 わたしは、父の葬儀と重なったので、カレが代わりに見届けてくれた。今度はメロスの顔にはならなかった。
「言いたいことは分かる。工夫もしてある。せやけど伝わってこん」
 是々非々のはっきりしたオトコである。
 言外に、もう高校生の芝居なんか、二度と観いひんど! という気持ちがこもっていた。
 だから。去年のコンクールには誘わなかった。

 今年、2013年の1月、大阪は高校生の演劇発表会が三回もある。主催者も連盟の広報もネットを通じた宣伝、情報提供をしないので、その内容は読者のコメントに頼らざるを得なかった。わたしは、三つのうち、一つを観にいこうと思っている。
 で、借りた本を返しに行ったついでに言ってみた。

「観にいかへんか」

 やつは、ギロリと一瞥をくれると、閻魔大王のように静かに、腹に響く声で言った。
「高校生の芝居なんか観たないわ。大橋の作品で、大橋が演出でもするんやったらべつやけどな」

 これには二つの意味がある。

 一つは、文字通り、高校生の芝居なんか観たくない。という意味。
 もう一つは、わたし自身が、いつまでも高校演劇に関わっていることへの警句である。つまり、高校生の芝居を観たり、それに関する駄文(このエッセーのような)に残り少ない人生をかけていることへの苦言である。
 わたしの人生の残り時間は、平均年齢から類推して二十年である。古い言い方をすれば、人生の玄冬(青春・朱夏・白秋の後)である。オッサンの言う意味はよく分かる。

 大昔、八戸北高校が『手のひらの雪ひとつぶの溶けるまで』という名作を全国大会で演った。大阪の四天王寺高校が、同じ頃『夢の中のナイフ』という名作を演った。主演は当時高校生であったベテラン女優の秋野暢子であった。この数百本に一本の名作を期待して、わたしは、高校生の芝居を観てしまう。嗚呼。

※嗚呼とは「ああ」と読む。電信の末尾にWWWなどとすることと大差ないが、こだわりとして。


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本文中、滝川がケナシた本ですが、滝川がケナス程度には面白い本です。本当に面白くなければ、無言でシカトされます。
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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『TED』

2013-01-18 13:48:11 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『TED』
    

 これは悪友の映画評論家、滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので、本人の了解を得て転載したものです。


 この映画が R-15指定 (15歳以下入場禁止)なのに、去年6月 全米公開となるや7週間にわたってボックスオフィス10位以内、興行収入2億$超(年間でも7位……R-15作品としては空前絶後)のメガヒットになった訳は…そらもう、嫌っちゅうほど判らして貰いました。これはアメリカなら当たらんのがおかしい!アメリカ人のど真ん中 ドッキュ~ンです。
 ただし、日本人には ジョークがキツすぎる(ドラッグ/下ネタ/スカトロ)のと、役者の使い方(本人が本人役で出ているが、粗方(あらかた)の日本人にはノラ・ジョーンズ位しか判らない)やネタの中身がコア過ぎてついて行けないでしょうねぇ。これが 面白くって 笑い転げていられる人はむちゃくちゃアメリカ映画とテレビ好きに限られる。
 そんな人は おらんとは思うが……テディベアと人間のCG合成ファンタジーではありません。あくまで、大人が自ら許せるジョークの範囲内で楽しむ作品です(アメリカじゃ 相当ガキ共が見に行ったらしい)くれぐれも あなたの天使のようなガ……お子さんの無垢な魂に傷を付けないように ご用心下さいませ。
 現在のアメリカお馬鹿映画の典型ですが、「最終絶叫計画」だとか、安易なゾンビ/ホラーとは一線を画しています。それだけは本作の名誉の為に申し添えておきます。

 多少 下品な大人の童話だと、笑ってスルーしていただければ幸いでありまする。〓


※TED=テディーベア
 1902年、S・ルーズベルト大統領は趣味である熊狩りに出掛けたが、なかなか獲物の熊が見つからない。そこで同行していたハンターが年老いた雌熊(一説には傷を負った子熊)の熊を追いつめて最後の一発を大統領に頼んだが、S・ルーズベルト大統領は「瀕死の熊を撃つのはスポーツマン精神にもとる」として撃たなかった。このことが同行していた新聞記者によって新聞に掲載され、このエピソードにちなんで翌年バーモント州のおもちゃメーカーが熊のぬいぐるみにルーズベルト大統領の通称である「テディ」と名付けて発売した。

※R-15指定
 アメリカの、映画視聴制限。15歳以下の子どもは観てはいけないという指定。


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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ読書感想『ライアンの代価』

2013-01-18 11:11:14 | 読書感想
タキさんの押しつけ読書感想
『ライアンの代価』
    

 これは、悪友の映画評論家、滝川浩一が個人的に流している読書感想ですが、もったいないので本人の了解を得て転載したものです。


 年末から読み出して、漸く文庫四冊読了、本を読む時間が殆どなかったので、えらく時間を食っちまいました。
 
 トム・クランシー(マーク・グリーニー共著)の“ジャック・ライアン 新シリーズ 第二弾”…ハリソン・フォードの「パトリオットゲーム」「今、そこにある危機」の原作シリーズです。
 原作は映画(「レッド・オクトーバーを追え」 アレックス・ボールドウィン主演 も含む)三本の後も続いており、「今、そこにある危機」でCIA副長官になったジャックは大統領にまで上り詰める。新シリーズ 一作目「デッド オア アライブ」では、引退して回顧録の執筆を始めているが、自分の後の現大統領・キールティ(おそらく民主党、白人だがオバマを思わせる)の政策が全く気にくわない…で、とうとう再選に打って出る。その間、クラーク、ディンゴ、ジャックjr達 ザ・キャンパスはテロリスト(ヴィン・ラディンを思わせる)を追う。

 前作では、少々 もたついた雰囲気があったが(キャラクターがそれぞれ歳を食い、その分jrが成長しているので、どうしても説明調子になる) それも払拭されて、クランシー本来の語り口調が戻った。
 大統領選もたけなわ、ジャック優勢で推移しているが、キールティのパトロンである富豪が、ジャックとクラークの過去のいきさつに気づき、クラークを陥れて それにジャックを絡めて追い落とそうと画策する。クラークは絶体絶命の窮地に……同時進行でクーデターを目論むパキスタンの将軍とタジキスタンの原理主義者がとんでもないテロを画策、クラークのいないザ・キャンパスはこの陰謀を食い止める事ができるのか……と言うお話。
 正直 ラストにとんでもない御都合主義が飛び出すが、往年のストーリーテリングと構成の巧みさでグイグイ引っ張って行く。本作の続編、アメリカでは昨年末既に発売されており“THREAT VECTOR”直訳したら「脅迫のベクトル」とでもなるんですかね。今度の相手は中国! いや、人事(ひとごと)ではありませぬゾ!御同輩。
 しかし、日本語タイトルの陳腐はどないかならんのかい! 本作の原題は“LOCKED ON”……こっちの方がよっぽど内容にマッチしている。いやはや、映画の宣伝部といい、出版社の企画室といい、何でこんなにセンスが無いんでしょうね~。次回作のタイトル…何とつけるやら、想像するに「ライアンのウンタラ」になるんですかねぇ、やめてほしいなぁ。
 クランシーは執筆にあたり、まず現世界情勢のデータを並べ(殆どは新聞、雑誌から得られるデータだが、彼の元には情報機関からの生データも集まると言われる) それらが有機的に繋がった時に執筆を始める。「今、そこにある~」の時、意図的にCIAが情報を提示したが、見事にその裏を読み解かれたという事もあった。この当時の政権が民主党(カーターだったと思う)だったってのが笑わせる。 日本人はケネディの幻に騙されている人が多いので、民主党=リベラル=正義なんぞと素朴に信じている阿呆が大半なのだが……そういう人はアメリカ史を読み返してみると良い。アメリカが戦争を始める時の政権は殆どが民主党であり、共和党はその尻拭いをさせられている図式がクッキリ浮かぶはずだ。アメリカン・リベラルの主張は絶対鵜呑みにしては成らない。
 
 日本人の大多数が未だに信じている「地球温暖化」の大嘘も 元をたどればゴアが「不都合な真実」なんてな本とフィルムで作り上げた大嘘なんだって事、今や常識でっせ! いつまでも寝とったらアカンよ~!!  何も「クランシー絶対」「クランシーは神の視線だぁ」なんぞと言うつもりはないし、民主党より共和党の方が正しいと言う気も無い。(日本人にとっては共和党政権の方がやりやすいのは確かだけどネ) ただ、民主党の一部には「お前、コンミイか?」ってな奴らが多いのも確か……日本のアメリカ占領時代をみても、GHQの中でも「民政局」なんてなアメリカ本国にいられなくなった左翼のたまり場だったのは今や自明、そいつらが日本で何をしたか……まぁ 色々な本を読んで下さい。
 国際政治の現場は国益がぶつかり合う所、何が正しいのか一概には断定出来ない。立場が異なる人々の思惑の絡まりが読み解ければ理解はできる。クランシーの小説は“国際政治の読み解きツール”として使える。この点に関して、あまりアメリカの価値観に偏った見方をしていると警戒する必要は無い。勿論、読み方にもよるが、まぁ そこは常識ってやつです。
 本作で言えば、パキスタンと言う国が「テロ支援国家」呼ばわりされながらも、片足は西側民主主義に置いていて、日本の新聞だけから情報を取っていると訳が解らなくなるのだが、その辺りの事情が良く解る。 とことんアメリカ大嫌いな向きには「何 言ってやがる」ってなもんでしょうが、そういう偏見の無い人には池上彰張りに分かりやすく、しかも最高のエンタメ作品です。一読オススメ〓


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高校ライトノベル・『式年遷宮』って知ってますか……?

2013-01-17 16:53:21 | エッセー
『式年遷宮』って知ってますか……?   


 今年は、伊勢神宮の式年遷宮の年です。

 ……これで分かる人は、かなりのご年配か、相当な歴女か、近鉄電車の車内ですることがなく、吊り広告を見ている人か。

 伊勢神宮は20年に一度内宮・外宮共にお社(やしろ)を建て替えます。
 日本の神道には教義がありません。清浄で清々しくあれば、そこに神ががいまします。だから、伊勢神宮は、日本でもっとも古い神社でありながら、建物は一番新しいのです。
 
 20年には意味があります。

 一人の若い職人が一人前になるのに、それぐらいかかります。
 最初は、親方の下っ端として働き、次の遷宮では、一人前の職人として働き、その次ぎ、運が良ければ親方として遷宮の差配ができます。
 つまり技術の伝承がうまく繋げるスパンが20年なのです。わたしは、三回前の遷宮の年に生まれました。二回前の遷宮は、NHKの『新日本紀行』で知り、なるほどと思うと同時に、自分の人生の節目が遷宮の年にあたる奇すしさを感じました。
 前回の遷宮は、仕事に追いまくられ、嗚呼もう不惑の年(古いなあ)、オッサンになったもんだと思いました。そして今回還暦の年に遷宮を迎えます。
 あいかわらずオッサンであることに安堵と無念さの両方があります。
 わたしは浄土真宗仏光寺派の門徒であります。親鸞さんの言葉を借りれば「善人なをもて往生す、いわんやオッサンにおいてをや」と諦観しております。さて、次の遷宮は……間に合いますでしょうか。


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高校演劇・しおしおさんからのお便り

2013-01-15 10:41:34 | 評論
しおしおさんからのお便り

 しおしおさんから、北摂フェスティバル=大阪高校生演劇フェスティバルin池田の情報をいただきましたので、ご紹介します。


 まず、大阪高校生演劇フェスティバルin池田(北摂フェスティバルです。名前が変わりました。)ですが、

1月27日(日)9時30分開演
開場:池田市民文化会館小ホール

1:淀川工科高等学校「よだかの星」…10時~

2:池田高等学校「サンジュウアゴ」…11時20分~

3:山田高等学校「祭」…13時20分~

4:桜塚高等学校「言いたいことはなんですか?」…14時40分~

5:追手門学院高等学校「KI・ZU・な ~鬼さんこちら」…16時~

です。
北摂に劇場がある関係か、淀川工科さん以外はB地区の学校です。
淀川工科高校さんと追手門学院高校さんは府大会に出場しているので(淀川工科高校さんは演目が違いますが)広い地区から観に来る可能性はありますが、やはり多くの学校に参加してもらう努力をするべきだと思います。
地区大会の会場で使用しているので当たり前なのかもしれませんが、毎年B地区の学校が大半を占めてしまうのはちょっと…という気がしてなりません。


上にも出ていますが、「今年大阪の南で演劇祭を!」という顧問の先生の熱意によって「泉州学生演劇祭」が行われました。
第一回ということで、いろいろ苦労されたと思いますが、高校演劇にとどまらず、中学演劇部も参加するという新しい取り組みに驚きました。
来年は大学の演劇部にも参加を呼び掛けるようです!
これが北摂や市立、私立の演劇祭のように長く続いていけば素晴らしいことだと思います。
自分も観ましたが、

そして、南に行く大変さを知りました……

最後になりますが、伝統校も進学校化の影響かおそらく以前のような圧倒的な練習時間が取れなくなってきているのだと思います。
それがすべてとは言いませんが、それがかつてのように近畿大会に進めなくなっている一因だと思います。
ほかの学校も苦しいことに変わりありませんが、これをチャンスとらえて意気込むくらいの気持ちで練習に取り組んでくれればと思います。
もちろん伝統校と呼ばれる学校の皆さんも逆風に負けずに、すばらしい作品を生み出していってほしいです。

ながながと生意気な文章、申し訳ありませんでした。
それでは。。。


☆地域での貴重な取り組み
 しおしおさんは、泉州学生演劇祭を観にいかれたようです。高校演劇にとどまらず、「中学演劇部も参加するという新しい取り組みに驚きました。来年は大学の演劇部にも参加を呼び掛けるようです!」と、熱く語っておられます。
「レベルはともかく開場が一体となってよかったと思います」としめくくられています。

 大阪の高校演劇は、大阪府高等学校演劇連盟の活動だけに頼らず、新年2013年の1月に、北部・中部・南部で、独自の取り組みが行われています。まずは南部の泉州学生演劇祭は初の試みとして成功されたので、けっこうなことだと思います。とにかく観にきていただくことが大事なので、観客の方々を集められたということで、成功として良いと思います。

 以前投稿された方も触れておられますが、大阪は、北高南低の傾向にあります。コンクールのI地区の予選参加校の多さ(13校) A地区の少なさ(5校 F地区の2校を入れて、やっと7校)にまず現れています。
 シード制の弊害もあり、G地区などは参加11校の中から3校も本選に出場でき、その格差は、ほぼ3倍です。これを上演作品のレベルの問題で納得しよう(シード校が出るのは、それだけ地区全体のレベルが高いのだから、格差はあっていい。という考え)というムキがありますが、わたしは賛成しかねます。泉州学生演劇祭にも、現れているように、活性化の努力はなされています。また、いままで評判にもならなかった学校が大化けして、とても面白い作品を、もってくることもあるからです。また、伝統校、常連校といわれた学校が、突然コンクールにも参加しなくなったりしたことが過去にはありました。
 あらかじめ、あの地域は大したことはないと決めてかかるのは、どうかと思います。

☆常連校の問題
 どこの都道府県でも、そうですが、常連校に向けられる目には厳しいものがあります。
「なんで、あの学校ばかり」「近畿にいっても賞もとられへんのに」などという声を聞きます。伝統校には、二つの意味で気の毒です。

①選ぶのは審査員です
 常連校が裏から手を回して……そんなことを思っている人は、いないでしょう。また、あり得ない話です。
 選ばれてしまうことに問題があります。審査員に「あの学校はスゴイに違いない」という思いこみがあります。審査基準がないために、この思いこみで選ばれてしまいます。数ある部活の審査に審査基準が無いのは演劇だけです。勢い、審査員の思いこみと主観だけで選ばれてしまいます。それで「うちは、すごい演劇部だ」と思いこんでいる伝統校は気の毒です。

②芝居の中味
 僭越な申し上げようですが、もう千本以上高校生の舞台を観てきたわたしには、いわゆる伝統校の芝居がスゴイとは思えません。
 本が書けていません。演技、演出が幼すぎます。
 本が書けていない証拠は、他校(日本全国の)で、再演されることが、まず無いことです。面白がっているのは、狭い高校演劇の世界しか知らない高校演劇マニアと、審査員だけです。
 高校生の感性は敏感で、すごいと思ったら模倣します。試しに、伝統校の上演作品の作者名で検索してみてください。意外なぐらいありません。
 また、マスとしての観客が増えません。軽音のスニーカーエイジの1/10、高校野球の1/100にも届きません。一般の高校生や観客には、高校演劇は面白くないものに成り果てています。
 演技も、モニターで聞けば分かります。伝統校の芝居を音声だけで聞いていると、自己解放と役の肉体化、役としてコミュニケーションがとれていないため、ひどくつまらなく聞こえます。観客席で観ていると、道具や照明に幻惑されて、スゴイと感じている審査員と高校生と顧問がたくさんいることに気が付きます。いつも例えますが、ユニホームだけ立派な野球部に似ています。 
 自慢ではありませんが、わたしの本は、過去に把握しているだけで、168ステージの上演実績があります。しかし、うちのカミサンも高一の息子も、わたしの本を読みませんし、上演校(例えば、名古屋音大のミュージカルコースの学生たちの上演でも)のDVDを観たことがありません。先日めずらしく自作上演のDVDを観ているわたしの横に息子が座りました。
「でや、オモシロイやろ」
「べつに……○○のコンサートのDVD観たいから、空くのん待ってんねん」
 で、くさったわたしは、こう言いました。
「ほんなら、そっち先に観いや」
 息子は、ていねいに、わたしのDVDを取りだし、○○のコンサートのDVDを観はじめました。
「わあ、すごいやんか!」
 洗い物をしていたカミサンが手を止めて、息子と並んで、目を輝かせて観ておりました。
 では、うちの息子やカミサンが芝居に全く興味がないかというと、そうでもありません。吉本コメディーは観ますし。勘三郎さんの芝居は切符を買って観にいきます。
 ちなみに○○と書いたJポップのグループは、匿名の必要があるからではなく、何度聞いても、わたしがグループ名が覚えられないからであります。くどくなりますが、Jポップもジャズもロックも否定はしません。ただ、芝居ばかりやっていたわたしは、そのへんのことを理解する脳みそが未発達なままなのです。本当に芝居が好きな人、例えば亡くなった勘三郎さんなどは、そういう舞台の板の上に載るものなら、あらゆるものに精通していらっしゃいました。

☆広報の問題
 2013年の1月は、大阪の北部・中部・南部で大きな発表会がありました。しおしおさんが書かれていた北摂フェスティバルなどです。このいずれもが連盟の広報には出てきません。「公演の紹介」というコーナーはあるのですが、なにも出てきません。担当の先生がご多忙なことは分かりますが、できたら紹介していただきたいものです。
 ついでに、コンクールの日程、時程ぐらいは、載せていただきたいものです。昨年のコンクールでは混乱いたしました。また、わたしと同様に混乱した一般の観客の方がいらっしゃったことは、昨年ブログで紹介した通りです。

 また、この三つの発表会の主催者から、ネットに情報が流されなかったことも残念です。幸いにしおしおさん始め、お三方から情報がえられましたので、ブログ新小規模演劇部のマネジメント2に載せることができましたが、あくまで二次資料に過ぎません。主催される方が、正確な情報を流されることを期待します。

☆南北問題
「そして、南に行く大変さを知りました……」
 しおしおさんは、こう感想を述べられています。会場は高石駅の真ん前なのですが、大阪の北部から行けば、こういう感想になるでしょう。また、南部の高校などが、独自にやられる行事なのでなんら問題はありません。
 問題は、コンクールの本選会場です。箕面のメイプルホールは、大阪の中部の人間でさえ遠く感じます。
 南部の方から見れば、僻遠の地でしょう。なんせ、兵庫県の川西に行くよりも時間がかかります。
 大阪全体に思いをいたされ、再来年以降再考されることを期待します。


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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『ゲキ×シネ髑髏城の七人/ルーパー』

2013-01-13 08:35:52 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『ゲキ×シネ髑髏城の七人/ルーパー』


 この映画評は、我が悪友の映画評論家、滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので。本人の了解を得て転載したものです


☆髑髏城の七人 

 ゲキ×シネ、訂正!
 学生・身障者のみ1000円、一般2200円(それでも300円安くなりました)でした。その他の割引は無しです。ごめんなさい。

 今回のドクロは“ワカドクロ”を名乗って、その名の通り ドド~ンと若返りました。初演から97年版の『得体の知れない熱気』が戻って来ました。
 メインキャラの捨之介/天魔王は従来一人二役(古田新太が出とちりしたため、懲罰的配役で始まったが、これが見所になってました)が、今回 小栗旬・捨之介/森山未來・天魔王に別れた。この線に沿って、メインストーリーは残しつつ脚本を大幅に書き直した。作者・中島/演出・いのうえ 共に大興奮しているのが伝わって来る。
 役者達は終始 苦しみ悩んで演じたようだが、その試行錯誤は大正解だった。
 まず、早乙女太一が相変わらず汗一つかかず高速殺陣を見せると共に凄みを見せつける。何なんだ この貫禄は…恐れ入りました。
 勝地涼も橋本淳の嵌り役“抜かずの兵庫”を大熱演公演中もムードメーカーだったようで、そんな所まで橋じゅんの役割を担ったらしい。
 小池栄子の“極楽太夫”にも新設定…これが泣かせる、この設定 面白いんだけど 今までには入り込む隙間が無かった。
 仲里依紗はもっとあばれるかと思ったが、それほどでも無かった。あまり乗っていなかったように見受けられる。
 全体のイメージとして、髑髏城の持つ熱気が戻っており、古田新太/橋本淳の大御所がいない分、ギャグの量が減って、その分 感動作になっている。特に後半、劇場中がグスグスいっている。泣かせる演出がことさらにある訳ではないが、勢いで感動に飲み込んで行く。生え抜きの劇団員の肩の力の抜けたサポートが抜群で、若い客演陣の熱演を支えている。
 劇団員の中では高田聖子が アッと驚く役どころ……するってぇとクライマックスの百人斬りで……と思っていたら、そこはサラッと身をかわしてましたけどね。
久し振りにリピートしたい舞台です(今更〓) 絶対毎日どこかしら大きく変化が有った筈で、リピーターの楽しみ満載間違い無しです。実は、古田新太/橋本淳のいない髑髏城ってどないよってんで 舞台は見てないんですよね…いやぁ、惜しい事しました。

☆ROOPER
 
 なぁ~~んも 考えんと見る分には、役者は揃っている(E・ブラント最高!)し、雰囲気もあって面白い映画ではあります。……しっかぁ~~し、アカン!こんな設定認められまへん。
 ご存知でしょうが「時間テーマSF」です。基本的にターミネーターと同じなんですが……時間旅行が可能な未来、一般には禁じられており 犯罪組織のみが ある目的の為に時間旅行を利用している。まず、その利用目的が?????…何をいうとるやら、説得力無し。
 30年過去に殺し屋が待ち構えており、送られてきた人間を即座に殺して処分する。この殺し屋、30年後には自らも過去に送られ処刑される決まりになっており…つまり、過去の自分が未来の自分を処刑しなければならない。B・ウイルスはこの決まりを作ったボスを殺す為に確信犯として過去に戻る……ここまで書いただけで、SFファンなら「そらぁ アカンがね」とお気づきの筈、タイムパラドックスの法則から そんな事は絶対出来ない。
 ターミネーターは同じ設定ながらシリーズ5作を持ってしても結論を出さない事によってギリギリリアルを保っているが、本作には ハッキリした結末が付けてある……この結末も有り得ない。 リアルを保つ為、アクシデントがあると ブルースの記憶が曖昧になる(バック・トゥ・ザ・フューチャーで写真の人物が薄くなって行くのと同じと思えば良い)なんてな仕掛けが有ったりするが、彼は あるものを見る事によって克服する(あり得ない)。 まぁ、役者が巧いのと ストーリーテリングがテンポ良く運ぶので見続けさせられる。
 私も あり得る設定をあれこれ考えながら見続けていましたが…あっきまへん、J・G・レヴィッツ(30年前のブルース)のラストの選択で総てがオシャカ! これが通るのは“ディアボリス”(キアヌとパチーノの「悪魔物語」)みたいな作品で、しかも この選択が有効なのは未来においてに限られる。
 SFファン以外にはチンプンカンプンかも……ですが もう少しお付き合いを、過去の改変で 同一時間軸上の未来を変える事は出来ません(これを言っちゃうとお仕舞いですけどね)。
 それは事象が変化したのではなく、 無数に有る「在りうる別な時間軸上の未来」に移るだけなので なんの解決にも成らない。結局 「なぁんでぇ」っちゅうのが結論です。この映画を楽しみたければ 一切の理屈に蓋をして、映っているママを受け入れる以外無し。 SFファンとしては辛い選択になってしまいます。

 怒り狂うか ニッコリほくそ笑むかは、見る方にお任せいたします。私は…?


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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『96時間/リベンジ』

2013-01-11 16:29:39 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『96時間/リベンジ』


 この映画評は、悪友の映画評論家、滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので、本人の了解を得て転載したものです。


 本年一発目は3本です。大事を取って2日に分けました。

 まずは、リーアム・ニーソンの最強(凶)おとんがイスタンブールで暴れまわる“96時間~リベンジ”前回、誘拐されて泣いているしかなかった娘のキムが大活躍! 面白かったし、今作だけでも楽しめるけど…やっぱり事前に前作チェックは必須です。
 邦題の付け方の弱点がモロに出ておりまして、原題“taken”誘拐ってぇ意味ですが、前作ではパリで娘が誘拐され、身の代金目当てでなければ(人身売買)96時間以内に見つけないとトレース不能になるってところで邦題にも意味があったが、今回はタイムリミットにあまり意味無し。さりとて今更「taken2」には戻せない。まぁどうでもよろしいけどね。
 オヤジのアクションが、前作では最上級応用編だったのが、今回は娘共々の戦いとあって全くの基本編。しかし、情報工作現場で実際に使われるテクニックとあって、興味のある向きにはぞくぞくのお楽しみ。前作ご覧の方々には100%オススメの一本です……って事で、以下 妄想的ウダウダです。
 リーマンショックでガタガタに成ったアメリカ……公開される映画が大作である程、資金ショートして中途半端な作品に堕していった。以降作られた作品も「アメリカは悪魔に取り付かれた」だの「何をどうしても無駄だぁ」っつう映画が多数。ゾンビやヴァンパイヤの大流行はその証拠だと言われたりします。  70年代のように「なんとなく左寄り社会」でもないので、ニューシネマ的な物は出て来ない。一部にラディカル左翼が語り口を甘装った映画を作るが、大衆からは相手にされない。 「ノーカントリー」では、アメリカは生活不適応な国として描かれ、バットマンですら闇に消えた。ハビエル・バルデムの“牛の屠殺器具を使う殺し屋”やヒース・レッジャーの“ジョーカー”はアメリカを襲う悪魔~アメリカに向けられる悪意(端的にはイスラム原理主義)の仮託であり、それに対してアメリカは無力なんだ…といった気分が横溢していた。

 しかぁし!

 こんな気分のまま いつまでもいられないのがアメリカ人気質、誰もが この閉塞感の破れる日を待ちわびていた。にも関わらず、誰一人そんなものを作れる者は居なかった。007が50周年目指して再起動し始めてはいたがアメリカの復活が「いつ、如何にして、どの程度…」に対する答えが無かったので“カジノ・ロワイヤル”一作をもってリブートとは成らなかった。 続く“慰めの報酬”でリブート終了かと思いきや、結局リブートは今回の“スカイフォール”を持って3部作となったのはご存知の通り。いずれにせよ007はイギリスの話であり、直接アメリカの映画都合には入らない。
 そんな時、いち早く「強いアメリカ、不屈のアメリカ人……しかも、オ・ヤ・ジ!!」を余す所なく描いて見せたのが、誰あろうフランス人のリュック・ベッソンだったってのが、皮肉であります。何の事ぁない、アメリカだって外圧が無ければ身動き取れなかったってのが 痛快なような情けないような……。  前作“96時間”は、そんなエポックメーキング…というよりは、もっと大きな意味を持ってスクリーンに登場したのであり、この規模の作品としては 有り得ないメガヒットとなった。どれだけアメリカ人がこのような映画を待ちわびていたかの証拠であった。
 以降、アメリカは威信を取り戻したとばかりに大作企画が次々に復活した。……とは言え、まだまだ気分的な範囲に止まっているのが現実(こういうタイミングでは共和党政権である事が必須) だから ついでに左翼までが勢いづいてしまっている。アメリカのリベラルなんてな“羊の皮を被った狼”……今回の選挙で共和党が勝っていれば(日本にとっては共和党の方がやりやすいってのもあって)と、今更ながらに残念に思うが あれだけ失政続きのオバマすら倒せないんじゃどうしようもない。
 映画世界でも、殊にドキュメンタリーや短編に左翼の台頭が激しく、未だに「地球温暖化」だの「犯罪者の権利」だのと言っている。始末の悪い事に、まだまだ騙されたままの人々が世界中に多数いて、これらの作品はミスリードを続けている。
 そこで、今回の第二作にこの状況を打ち破る起爆剤になって…なんぞと思っている訳ではない。前作はたまたま前述のようなポジションにはまってしまっただけであって、R・ベッソンにしてもそこまでの覚悟があった訳ではあるまい。
 ただ、彼がどう考えようとも前作にはそれだけの突破力と影響力があった訳で、それからすると本第二作は単なるアクション続編に成ってしまっていると言わざる得ない。もとより脚本・企画(ベッソン)の責任でも、作品の責任でもない。アクション作品としては一級品であり、アメリカでも既にメガヒットをもって受け入れられている。しかも本作は大人が見に来る作品である所から、後日 全く違った意味でのエポックになるのかもしれない。

 以上、多分に舌ったらずのウダウダでした。今年はこの観点から、まず アカデミー賞を再確認してみます。今年は“ユダヤ寄り”復活の予定の年であり、それが果たせないとなると、アカデミー協会への左翼浸透の傾向もあって、そのせめぎ合いが表面化するかもしれません。ノミネートが噂される作品名からも混乱が予想されるので…さて、如何 相成り増すやら。
 しからば、明日『ゲキ×シネ 髑髏城の七人』『ルーパー』にて、ご機嫌お伺い申し上げます。

 情報: ゲキ×シネが一般映画と同じ価格になってました。各種割引も適用されています。但し、劇団・新感線作品に限ってだと思います。


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高校ライトノベル・セレクトエッセー・1『四つ葉のクローバー』

2013-01-05 23:03:11 | エッセー
セレクトエッセー・1
『四つ葉のクローバー』
    



 四つ葉のクローバーを摘んだことありますか……?


 ものごころがついたころ、社宅のとなりにKちゃんという可愛い子がいました。
 苗字は、昨年までAKB48のセンターをやっていた子と同じです。

 よく、ママゴトのつきあいをさせられました。犬の散歩のつきあいもさせられました。
 ぼくよりも一個としうえということもありましたが、とにかくKちゃんにはかないません。

 笑顔がとびきりいいのです。ちょっと不二家のペコちゃんに似ていました。
 ちょっぴり右のくちびるが上がってえくぼの笑顔になります。とてもチャーミングでした。

 ときどき、空き地や公園でお花摘みなんかもやらされました。

「四つ葉のクローバー探そ」
「うん」
 頼まれる……というか、笑顔で命じられるとことわれませんでした。

 Kちゃんは、すぐに四つ葉のクローバーを見つけます。
 ぼくは、一つも見つけられませんでした。

 Kちゃんは、中学に入ったころに引っ越ししました。
 中学では、学年もちがい、あまり会うこともありませんでした。
 ただ、うわさでは、勉強もよくできて、可愛さにみがきがかかり、男の子にも評判でした。
 
 そんなKちゃんが、まぶしくて口もきけませんでした。
 ぼくには、Kちゃんは四つ葉のクローバーでした。

 高校に入って、教室で友だちとしゃべっていると、視線を感じました。
「むっちゃん、ちゃうのん……?」
 教室の入り口で、目を細めてKちゃんがいました。

 まさか、同じ高校だとは思わなかったので、ひさびさに話しました。
「なんで、そんな目ぇ細めんのん?」
「うん、ちょっと目ぇわるなって、メガネ替えてるとこ」

 話題は、いつのまにか四つ葉のクローバーの話になりました。
 
 四つ葉のクローバーというのは、偶然にはできないそうです。
 葉っぱの出る成長点というところを、適度に踏みつけられてできるそうです。
 中には、せっかく四つ葉になったところを、踏みしだかれるものもあるそうです。

 だから、人が適度に歩いて踏みつけていそうなところがポイント。
 Kちゃんは、十何年かぶりで、右のホッペにえくぼをつくって、教えてくれました。

 ぼくは、Kちゃんの卒業式で、送辞を読みました。
 送辞を読んで、席にもどる途中、ほんのちょっとKちゃんと目が合いました。
 あいかわらずの、細目。でも、緊張して笑顔ではありませんでした。

 それが、Kちゃんを見た最後になりました……。

「Kちゃん、亡くなったんやて」
 母がひっそりと言いました。

 脳腫瘍だったようです。

 視力の低下が止まらないので、専門の先生に診てもらいました。
 もう、手遅れだった……お通夜から帰ってきた母が、そう言いました。

 四つ葉のクローバーは、適度に踏みつけられることでできます。
 
 Kちゃんは、とても大事なことを教えてくれました。

 生きていたら、この三月で還暦。
 四つ葉のクローバーの還暦になるんやなあ……。

 そんなことを思い出した……お正月のしめくくりでした。

 

 
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高校ライトノベル・ライト古典『わたしの徒然草・70』

2013-01-03 08:58:20 | エッセー
わたしの徒然草70
『菊亭大臣(きくていのおとど)』
    

徒然草 第七十段

元応の清暑堂の御遊に、玄上は失せにし比、菊亭大臣、牧場を弾じ給ひけるに、座に著きて、先づ柱を探られたりければ、一つ落ちにけり。御懐にそくひを持ち給ひたるにて付けられにければ、神供の参る程によく干て、事故なかりけり。
いかなる意趣かありけん。物見ける衣被の、寄りて、放ちて、もとのやうに置きたりけるとぞ。



 元応というのは1319年から、1320年までの元号で、後醍醐天皇の即位を祝ってつけられた。
で、その後醍醐さんの即位を祝うパーティーで、菊亭大臣という琵琶の名人が玄上という国宝級の琵琶が無くなったので、代わりに牧場という琵琶の名器を演奏することになった。
 で、菊亭大臣という人は、なかなかの人。事前に、天下の名器と言われる牧場をチェック。すると柱というパーツが外れていることに気づき、持ち合わせていた補修道具の中から接着剤を出して、くっつけ、本番に支障が出ることはなかった。

 これには、二つの意味がある。
 一つは、天下の名器といえども、故障することがある。「いかなる意趣かありけん」とあるので、誰かが、悪意をもってやったことなのかもしれない。しかし、そういうことも含めて故障や事故の可能性はあるものである。
 もう一つは、天下の名人というのは、いかなる状況にも備えておくものである。という心構えの大切さである。

 徳川家康という、いろんな意味で名人だった人は、戦に行くとき、薬と鎧(よろい)の補修道具を欠かさなかった。自分や供回りの者たちが体調を崩したり、戦の最中に鎧が壊れても(鎧というのは、頑丈そうで、案外壊れやすい。紐一本切れても、場所によっては一発で使い物にならなくなる)すぐに手当ができるようにしていた。
 わたしも、現役で芝居をやっていたころ、裁縫セットと、クレパスを必ずガチ袋(道具係の腰袋)に忍ばせておいた。裁縫セットは、衣装に故障が出た時や、道具の補修のため。
クレパスは、道具を立て込んだ時に、傷や汚れが付いたとき。あるいはコントラストが弱く書き割りの絵に弱さを感じたときに、補正をしたり、立体感を強調したいときに使う。
 教師でいたときは、担任をしている生徒の記録のル-ズリーフを常に携帯していた。ルーズリーフは便利なもので、必要に応じてページが増やせる。連絡や、問題の多い生徒のページはすぐに増える。このルーズリーフには、生徒の連絡先(家庭、保護者の職場など)から、毎日の出欠、考査・科目ごとの成績、本人や保護者と連絡をとったときの記録。立ち話程度の指導にいたるまで記録してあり。生徒や保護者、管理職を始めとした同僚と話をするとき、絶対に「ちょっと待ってください」と言わないためであった。
放課後は、必要のある生徒の記録を更新する。

 ある年、担任をしていた生徒が「人身事故を起こした!」と、管理職から自宅に電話があり、帰宅して、そのことを家人に伝えられ、学校にとって返したことがある。
 学校に戻ると、「死によった」と言われ、もう一方の管理職からは「バイクの安全指導はやってたんやろな!?」と糾弾するように聞かれた。死んだ生徒への想いはカケラもない。しかし、担任であるわたしが来るまでに、府教委や、新聞社から、しつこく安全指導について聞かれたようである。無理もないと言えないこともあるが、「これが、学校か……」と思ったことも確かである。そのとき、このルーズリーフが大いに役に立った。
 今は、個人情報の管理がうるさく、教師が個人的に、このような記録をとることは許されないだろう。

 国旗国歌に関わる法律ができたころのことである。府教委が、国旗の会場掲揚、国歌の斉唱を通達してきた。かなりの人数の教師が、これに抗議し、胸に青いリボンを付け、校門前で、国旗掲揚、国歌斉唱に反対するビラを配った。
 開式の時間になっても半分以上の教職員が会場に居なかった。開式直前に、講堂の照明が一つも点いていないことに気がついた。大あわてで、舞台ソデの配電盤に行ったが、体育の道具でいっぱい。式服のまま、かき 分けるようにして配電盤に行き、館内と舞台の照明を点けた。
 別に、体育館や舞台が薄暗かろうが、府教委、学校としては構わない。
 日の丸が掲揚され、国歌が斉唱されればいいのである。
 わたしは、けして、何事につけても名人ではない。しかし、卒業式が薄暗い中で行われて良いと思えるほど、無神経でもない。

 卒業式ついでに。卒業式で「仰げば尊し」を唄う学校は、かなり少なく、公立の学校では、その年々に生徒にアンケートをとり、その時々に流行っている「卒業ソング」を唄う。
「卒業ソング」には、桜・友だち・旅立ち・未来・果てしない道・思い出・かみしめて、などの単語が出てくるが、わたしが知っている限り「先生」「師」という単語は出てこない。
 日本人というのは、集団としても個としても、かなりの「名人」であると思うのだが、名人必携の何かが欠落しているように思える。


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 高校演劇に適した少人数戯曲集です。神奈川など関東の高校で人気があります。
 60分劇5編入り 定価1365円(本体1300円+税)送料無料。

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