風の数え方

私の身の回りのちょっとした出来事

ラジオ体操の香り

2006年08月21日 | 清水ともゑ帳
ポポと朝の散歩をしているときに、ふいに思い出したことがある。
以前、庵原(いはら)に住んでいたころ、同じアパートの主婦友達二人と、5月から11月ごろまでの半年間、毎朝散歩へ出かけていた。
庵原にはみかんやお茶、野菜をはじめ、バラやイチゴ、イチジク、梨などのハウスや畑があちこちにある。

あるとき散歩の途中、Yちゃんが、
「あっ、これ、ラジオ体操のにおいだ」と言い出した。
それは、イチジクの香りだった。
彼女は子どものころ、この甘い香りを吸込みながら、ラジオ体操に通った記憶があるのだそうだ。
それを聞き、三人でイチジクハウスの前にしばらく立ち止まり、芳香を胸に満たした。

庵原には四季の移ろいを感じられるものが、色濃く残っていたように思う。
ここ数年、季節の香りから少しばかり遠のいてしまった気がする。
ふとそんなことを思って、今日は散歩がてら、庵原のパン屋さん「シュクール」へ寄ってみようと思ったけれど、月曜日の今日は定休日であることに気がついた。
近いうちに、出かけてみよう。
できれば早朝、イチジクの香りが立ち込める時間に。