足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1304 ~ 太陽エネを使う モンキチョウ ~

2015年03月02日 | 昆虫

観 察 月 日  2015.2.15 晴 12℃

観 察 場 所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 枯れ草の中から突然2匹のキチョウが飛び出した。二匹は戯れ

て飛び、一匹は少し先の枯れ草の中に落ちる様に止まった。

 「今日は2月にしては陽射しが暖かい。成虫で越冬しているキチョ

ウは、こんな日には飛び出すだろう」季節のささやきが私の頭を

過った。

 1~2歩進み遠目で見ると、それはキチョウではなく、モンキチョウ

♂と解った。

 「モンキチョウは成虫越冬だったかな?」隣で蝶の図鑑を見ている

Rさんに問い掛けると、「違います」と返って来た。

 私には子供の頃持ち歩き、頭の中に沁みついた程の昆虫図鑑があ

る。それは昭和8年発行 原色千種昆虫図譜 三省堂 には、カラー

の標本と共に、“モンキテフ(ヲツネンテフ)とあり成虫で越冬する”とあ

る。そう言えば、とんでもなく早く飛び出したり、冬枯れの枯れ草の中

で寒さに耐えて止まっていたりするのに出会う事がある。当時の人は

こんな経験から予想したのだろう。

 昭和29年発行 原色日本蝶類図鑑 保育社 私が若い盛りの頃持

ち歩いた図鑑だ。そこには(オツネンチョウ)と付加しているものの、

“成虫越冬は誤りで、オツネンチョウの名は抹殺されるべき”との言葉

が見られる。自然は時々刻々解明されて行くものだろう。

 止まったモンキチョウを見ると、枯れ草の中に斜めに翅を畳んで止ま

っているのに気が付いた。今日は暖かいとは言えチョウにとって温度は

不足している。この時期、太陽の南中高度は40度だ。太陽の熱エネル

ギーを得る為、翅の傾きを合わせているのだ。

 早く出過ぎた冬を、克服するすべをモンキチョウは身に付けているの

かも知れない。

野山は枯葉色一色だ。

枯葉色の中から 黄色のチョウが飛び出した。 「キチョウだ!」・・・・・

予想外れの モンキチョウ♂であった。

近付いて見ると 枯れ草の中に斜めになっている。

どうしたのだろう? 冬 12時なのに人の影は長い!

飛び立って また別の場所に落ちるように止まったが ・・・・

また 斜めに止まっている。 同じように! 何故!

                            * 翅の向きを 太陽の高度に合わせているのだ!

 


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