観 察 月 日 2014.3.24.晴 15℃
観 察 場 所 厚木市 不動尻
山の神隧道を抜け、大山、大山三峰の山懐の不動尻にきた。
山の谷筋を見上げる林道脇には、1m程の雪が残り、林道は
川の様に融け水が流れていた。その雪面には、オオバヤシャ
ブシの古い堅果が落ち、無数のフサザクラの種子が散っていた。
今日の一番の見所は、オオバヤシャブシの花だ。谷太郎川へ
の斜面から、10mもあろう高さの大木が枝を広げながら、林道
まで上がって来る。花びらを持たない花なのに、大山三峰を黄色
く霞んで見せるのは、4~5cmもの雄花の集まりが太く弓なりに
曲がり、それが枝々に無数に付け、風に揺れると黄色い花粉が
流れる様に見えたからだろうか。
オオバヤシャブシの枝先を見ると、先端には伸び始めた葉が、
次に雌花の集まりがあり、その次に雄花の集まりとなる。
オオバヤシャブシの黄色と同じ位の量のフサザクラの赤色が、
歩く速さに比例して山の景色を流し染めてくれる。
道端の斜面を、枝々に黄色の花粒を付けているのはダンコウ
バイだ。ダンコウバイは雌雄別株で、この木は雌株であった。花
被(花弁と蕚片を合わせたもの)が6個、雌花には仮雄蕊(葯が
ない)外側に6個、内側に3個(花糸の両側に黄色の腺体があ
る)その中心から柱頭が伸びている。
一年振りの不動尻は静寂そのもの、ミソサザイの囀りだけが深
い谷底から昇ってきた。
1m程の 雪が残る。
オオバヤシャブシの堅果とフサザクラの種だ。
オオバヤシャブシが谷から伸び上ってくる。
向うの山は三峰
花の数が多い
雌花と雄花の位置。
古い幹は皮がはがれる。
フサザクラは今が 満開。
ダンコウバイは落葉低木。
雌雄別株で この木は雌株。
雌花の花の作り。
不動尻で出会った人は 熟年の男性一人と若い女性一人だけであった。