足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1585 ~ フィールドの7月 ~

2018年07月30日 | 昆虫

観察月日  2018.7.27 晴 29℃

観察場所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 5月、ハルジオンの咲く花畑をミニ観の人達と、「そろそろ、ヒ

メジョオンにバトンタッチをする頃だね」そう呟きながら歩いた。

あれから1~2カ月、広場の風景は今どうなっているのか、行っ

てみた。

 ほうきの様に枝を広げた“アレチノギク”、円錐状に枝を整え

た"オオアレチノギク”や“ヒメムカシヨモギ”が草原の前面に並

び、夏の草原の風景を描き上げている。

 5月の時の様に草原を縦断仕様と一歩足を踏み入れたが、

草丈が膝より高く、引き返した。

 足元の暗い草陰の中から、オトギリソウの茎が伸び黄色の

花が一輪開いていた。草を揺らすと、若草色をした10mm程

のバッタが跳び出す。オンブバッタの子供なのだろう。草の中か

ら急に2m程飛び立った茶色の大形のバッタがいた。体長10㎝

もあるショウリョウバッタだ。他のバッタに比べ成長が早い。

 一段と伸びたススキの葉裏を覗いて見ると、黒い頭に毛深い

2本の角、どこか、“可愛い”クロコノマの幼虫が3匹いた。

 毎年“秋のミニ観”では、ケンポナシの果軸(実が付く枝の部

分)を味わうのを楽しみにしている。果軸を見ると、茶色に変化

し少し膨らみ掛けて見えた。が、果実の横にカメムシの幼虫が

いるのを見付けた。昨年の秋、他の木で成虫を見付けた「オオ

ツノカメムシの幼虫」だと言う事を思い出した。

草原は 夏の景色に変わっていた。

オトギリソウが覗く。

大きい ショウリョウバッタ の♂が 葉の陰に。

幼虫の時 意外に赤色の ササキリ。

クロコノマ幼虫。

ケンポナシの果軸が・・・

オオツノカメムシの 若令幼虫がいた。

★成虫は 大きい きれいな カメムシだ。


No.1584  ~ クロイトトンボ ~

2018年07月26日 | 昆虫

観察月日  2018.7.15 晴 30.1℃

観察場所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 夏の頃になると、旧玄関脇の池にイトトンボが現われる。眺め

ていると、「これ、何トンボですか?」と聞かれた。

 私は、トンボ屋さん(トンボを専門にしている人)ではないので、

「さあー、イトトンボの仲間なんでしょうね」と返事をした。

 さて、目の前にいるイトトンボだが、池にいる状態を肉眼で見た

のでは、細かい所は解らないが、腹部第8,9節の鮮やかな青が

目立つ。だが、腹部末端が鮮やかな青を彩るイトトンボは多数い

る。その中で、体全体的に黒色が強いのがクロイトトンボだが・・・

考えてしまう。ネイチャーガイド・“日本のトンボ”に左右の上付

器が「ハ」の字状に開いてとあった。これは、肉眼でもはっきり

見えた。

 池では、クロイトトンボが色々な生活様式を見せてくれる。雄

が雌を把握して連結し、交尾に移るところに、単身の雄が現わ

れ騒動が・・・。トンボの世界も大変なものだ。

それを乗り越え、トンボ特有のハート形の交尾を終えると、連結

したまま雄は産卵を促し、雌は腹端を水中に入れイヌタヌキモ

の茎に卵を産み込み始めた。

 雄は自分の遺伝子を次の世代に繋げようと、懸命なのだ。

クロイトトンボだ。

独り者の♂が 邪魔に入った。

何とか解決 ハート型の交尾。

そして 産卵。

イヌタヌキモ の茎に卵を産み込む。

はかない 一生か?


No.1583 ~ 7月のミニ観 ~

2018年07月24日 | 昆虫

観察月日  2018.7.15 晴 30.1℃

観察場所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 建物の壁面に、中形のセミの抜け殻を見付けた。まだ、アブラ

ゼミもミンミンゼミの鳴き声はしない。近寄ってアンテナを見たら、

アブラゼミであった。

 毎年この時期のミニ観では、エサキモンキツノカメムシの産卵

哺育を観察している。いつものミズキの木へ行って見ると、1匹の

雌は1令幼虫を哺育していたが、もう1匹の雌の卵はまだ孵化し

ていないが、その半分ほどの卵の色は茶に変色し、寄生蜂に寄

生されている事を物語っている。それでも親は体の下に抱いてい

る。自然は、複雑な事をする物だ。

 谷戸の入り口で、ルリボシカミキリが飛んだ。Yさんが、2009年

7月号のミニ観だよりを持って来ていた。そこには、初めてルリボ

シカミキリに出会った事が書かれていた。

 谷戸に降りると、Kさんが「カブトムシがいるわ」とクヌギの根際

を指さした。大学のフィールドによくいるので目についたという。

雄が雌を頭から抱えていた。

 構内にはデーターマツが多く、大木になっている。「シカの毛か

付いている!」又もKさんが見付けた。よく見ると、シカの雄の角

砥ぎで樹皮が削られていて、樹脂が噴出し、毛が付着しているの

だ。ケヤキ広場へ来た所で、又々、Kさんがしゃがみ込み、地面を

見つめ追っている。その先は、クチクラだけになったニイニイゼミ

の頭部を、クロヤマアリが運んでいた。

アブラゼミは アンテナの3節が太く長い。

すぐ近くに、羽化したばかりの アブラゼミがいた。

エサキモンキツノカメムシ 1れい幼虫を。

半分程 寄生。

ルリボシカミキリを 一時採集。

「カブトムシが!」 

[シカの毛が!」

アリが運ぶ!

 

★ 暑さに ご注意を!

 


No. 1582 ~ 7月の玄倉 ~

2018年07月22日 | 昆虫

観察月日  2018.7.8 曇 28℃

観察場所  山北町 玄倉

 246号を右折すると急に雨が落ちてきた。玄倉に付くと雨は小

降りとなり、先に来た人達はケヤキの木の下で待っていた。

 雨も止み、ビジターの池に行くと、先月産卵したモリアオガエル

の卵塊はしぼみ、新しい卵塊があり、今年は計8卵塊となった。

 建物の前に野鳥が落ちていた。「オオルリの♀で、幼鳥の様だ」

とWさん。「建物のガラスの当たったのかしら?」と誰かが。ガラス

を見たが、衝突の跡は付いていなかった。

 裏のエノキの枝にテングアワフキがいて、2秒~10秒の間隔で

腹部末端から水滴を落とす。

 林道へ出ると、エビガライチゴの花が終わっていた。が、イチゴ

が見えない。Uさんが刺の枝の中から探して来た。一粒口に入れ

ると、甘みは柔らかく、少々酸味がして、美味しかった。

 すぐ横にサルナシの蔓があり、実はまだ青いが鈴なりだ。来月は、

野のサルと競争になりそうだ。若いUさんが採ろうと葉を掴むと、

「む、む、む・・・」手を放して後すざりをした。そこには、ムモンホソ

アシナガバチが巣を造っていた。「巣は細く成長する筈。これも来

月が楽しみ」と私。

 先を歩いていた人達が、キハダの木の所で立ち止まり、何かを見

ている。葉には、アゲハチョウ型の幼虫が止まっていた。「これ、

ミヤマカラスアゲハの幼虫ですよ」と私。Sさんがスマホから、その

成虫を検索した。「すごい、きれい!」皆 感激!

「野鳥が落ちている!」

エビガライチゴ だ。

サルナシ

ムモンホソアシナガバチ

ミヤマカラスアゲハの幼虫

自然関心人間の仲間たち

 


No. 1581 ~ 石割山山麓を歩く ~

2018年07月20日 | 植物

観察月日  2018.6.23 曇 24℃

観察場所  山梨県 石割山

 山中湖の民宿に泊る。早朝湖に行くと、富士が墨絵

の様に浮かんでいた。

 宿に戻ると「ここは15℃だから、湖は2℃低いから13℃

で寒かったでしょう」と宿のお母さんが呟いた。 

 この日は一昨年入り掛けた石割山への裏道へ行ってみ

た。パーキングを出ると、以前と比べ道幅が拡張され小石

が敷かれ、感じが違う。道沿いにウツギが連なり、今が花

盛り、下界とは1ヶ月以上も遅い。フジイバラが私たちを呼

ぶ。

 「アサギマダラが!」との声に振り向くと、まだ蕾のリョウ

ブの花穂に止まる。

 「こんな所に、ツメゴケが!」とYさんが道路脇を覗き込む。

「暫く振り!」と私も覗き込む。地上に他のコケと共に生え、

褐色の子器は、形が指先に生える爪に似ているので、名が

付いたらしい。私の好きなコケで、ツメと言うよりは“グロー

ブ”と口ずさんでしまう。

 山を削った道を、厚い板で補強した場所があり、そこには、

クジャクシダが密生していた。心休まる工事に嬉しくなった。

 これから道は細くなり、尾根へ向かう登山道に入る所で、

林道新設工事が始まり、登山道は切断されていた。

 “ここも、開発か!” 心が暗くなった。

フジイバラの大きな株があり、花が大きくきれいだ。

アサギマダラ

こどもの頃に使った 野球のグローブだ!

アジアンタムの飾り。

墨絵の様な 富士!

ここも開発か!

★ No. 1580 は欠番にしました。