足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1630 ~ 私のミニ観3月 ~

2019年03月26日 | 野鳥

観察月日  2019.3.17 晴 13.3℃

観察場所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 メジロの群れが吸蜜に飛び回っていた。私はミニ観に使う、

写真パズルを作ろうと望遠レンズを向けた。

 “春めき桜”と言えば、南足柄市が誕生の地、狩川堤防の

「春木道」が有名で、3月13日に満開の中を歩いて来たばか

りだ。この日は強風の為かメジロは見掛けなかった。

 さて、保全センターでメジロの撮影を始めたのは10時01分、

シャッター音がし、場所を移動しながら撮影を続けても、メジ

ロは気にせず飛び去ろうとしない。花が多く蜜が豊富なのだ

ろう。次の予定があるので撮影を止めたのは10時11分。メ

ジロ吸蜜の映像は40コマ程になった。

 そして、撮影を終えて、何故、どうして、と不思議に思えた

事があった。

 それは3月2日、ウメの花に吸蜜に来ていたメジロを撮影し

たが、その時と比べて、サクラでは吸蜜の姿勢が全く違って

いた事だ。

 メジロは花から花へと素早く動き、体を真横から垂直へと

連続的に不自然と思える姿勢を取りながら吸蜜に励んでいる。

 その訳は、メジロ自身と言うよりは、サクラの花の造りや仕

組みにメジロを動かす秘密がある様だが、解るだろうか。

ミニ観では、先ずはススキの原をみんなで歩いた。1月、カ

ヤネズミの巣の跡を探し、みんなで考えや疑問を出し合った

が、2カ月経った今日も、カヤネズミの話題に集中した。だが

ススキの原は、立ち止まってはいない。ススキ自身、ヨモギ、

・・・・・生き物達と季節は待っていない。観察の目線を切り

変えよう。

”春めき桜”にメジロの群れが。

3月13日 ”春木径”を歩いたばかりだ。

3月2日 ウメの花の蜜を吸うメジロ。

サクラの蜜を吸うメジロ。

サクラの蜜を吸うメジロ。

1個の花芽から7~8本の花が!

ススキの原では 今日もカヤネズミで盛り上がり!

だけど、ススキの原は 止まっていない。


No. 1629 ~ クヌギカメムシ ~

2019年03月24日 | 昆虫

観察月日  2019.3.15. 晴 15℃

観察場所  大和市 泉の森

 「何年か前、泉の森でクヌギカメムシの変わった産卵の様

子を見た」と言う人の呼び掛けで、4か月前の12月21日そ

れを見ようと来たのだ。

 クヌギカメムシは、コナラ、クヌギの樹皮の割れ目に卵を産

みこむ。この日は、雑木林に付くと、それぞれが手分けして、

先ずはクヌギカメムシを探す。と言っても、殆どの人がクヌギ

カメムシを見た事がない。そこで、それぞれの人の頭にある

カメムシをものさしにしてカメムシを探し、クヌギカメムシかど

うか確かめた。そして、何匹かのクヌギカメムシの産卵に出

会う事が出来た。

 だが、その産卵の様子から、楕円形のゼリー状物質と共に

カメムシの卵も生み出され、それが帯状に連なっている構造

を理解するには、けやきの会の人には難しい点があった。

 それを理解するには孵化した幼虫の状態を観察するのが良

いと、(会の観察日)3月の第3金曜日に来る事に決めたので

ある。

 今日は見覚えのあるクヌギやコナラに産み付けられた卵塊

を探し、幼虫に孵っているか探す事にした。

 それぞれがルーペで覗くと、

「幼虫になっている」「大きいのと小さい幼虫がいる」「脱皮がら

があるよ」「ゼリーが見つからない」「・・・・」賑やかな呟きが飛び

交った。

 12月の産卵したての卵塊を頭に描いて見ても、中々しっくりと

こない。ゼリーは食べ尽くされ、幼虫も2令、3令とばらついている。

 クヌギ、コナラを見上げたが、まだ冬芽は開いていない。もう少し

幼虫達はこのまま待ち、やがて芽がほころびると若葉へと登って

行くのだ。

4か月前の 12月21日泉の森の雑木林。

クヌギカメムシが 産卵していた。

卵塊。 

2019.3.15 泉の森で、ぜりーがない、2令、3令の幼虫。

「大きいのと、小さいのが」「ゼリーがない」 観察時期が遅すぎた!

★ 又、来年のお楽しみ!


No. ~ めざめの季節 ~

2019年03月23日 | 昆虫

観察月日  2019.3.12 晴 18℃

観察場所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 キタテハが目の前を横切り、ススキの枯れ草の中に吸い

込まれ消えた。

冬の間は枯れ草の中で、低温と乾燥に耐えていたのであろ

うが、今日の異常な高温に刺激されて飛び立ったのだ。そ

れが、一匹ではなく何匹もが飛び立っては消える。実際には

消えたのではなく、赤褐色の地に黒点を散りばめた羽が、枯

れたススキに融け込み姿を消す状態になるのだ。

今日もオオカマキリの卵嚢が目に付く。殆どが真二つに割

られ、卵のある中心部がえぐられている。

卵の落ちている場所はススキの原の東側で、夏の頃、オオ

アレチノギクやヒメムカシエモギが高く抜け出し花を付け、オ

オカマキリが登っていた。餌となる昆虫を捕食するのに、絶

好の場所だったのだろう。

 

ススキの原へ入ると、枯れ草色が広がる中に、白緑色が占め

る場所があった。若いヨモギの群落で、ススキがまだ眠ってい

る間にいち早く成長し、生命を引き継いで行こうという、戦略ら

しい。生きる力の詰まった若いヨモギを摘み、餅草団子にした

先人の知恵が頭を過った。

とは言っても、ススキは眠っている訳ではなく、根際を良く見る

と既に若緑に色付き、成長の兆しは見えている。これからは、

植物たちの成長競争が激しくなるのだ。

谷戸の池では先月ヤマアカガエルが産卵し、漆黒色のオタマ

ジャクシに成長している。今月はヒキガエルの産卵時期に当たる。

別の池では雄のヒキガエルが鳴き会ってるのが遠望出来た。

近づいて見ると、雌雄が抱接しているのが2組、単独の雄が

6匹。今夜当たりが産卵の初日になるだろう。

ススキの原。

キタテハが飛び立った。

今日もオオカマキリの卵のうを。

昨年の8月 オオカマキリがいた。

ヨモギが芽を出す。

ススキも芽が。

ヒキガエルが

 

 

 


No. 1627 ~ 玄倉だより3月 ~

2019年03月22日 | 植物

観察月日  2019.3.10.晴 10℃

観察場所  山北町 玄倉

富士山頂から少し離れた右上にレンズ雲があり、それが富

士の山腹にねずみ色の薄い影を落としている。

 湖に目をやると、左岸近くにオシドリの群れがいて、近くに

いる釣り人を気にしていない。それなら〝少しは、近付けるか

“と車道を急ぎ足で行ったが、オシドリはいち早くそれを感じ、

岸を離れて泳ぎ出した。

 元センターの庭のミツマタは花盛りだ。「もう花に、ワカバグ

モが来ているわ」Rさんが呟く。まだ花に来る虫は見掛けない

のに、落葉の間で越冬していたワカバグモは、ミツマタの春を

感じ木枝を登って来たのだろうか。

 バス停の前には、いつも見慣れている山があり、季節によっ

て、桃、若葉、濃緑、赤、焦げ茶と衣替えをするのを楽しみにし

ている。

 「あら、山頂付近が黄色に染まって見えるが、何かしら?」O

さんが見上げている。

 来月になると、ヤマザクラが点々と咲き、山肌を桜色に染め

るのだが、今は焦げ茶一色で、山頂付近が黄色に染まって見

えるのは不思議な事だ。今まで一度も話題に登った事がない

“出来事”と、双眼鏡で皆がそこへ“ピント”を合わせた。

 「ミツマタの花だ」「高木のない所が、黄色よ」「いつ、あの山頂

に登ったのかしら」「・・・・・・」皆それぞれに驚きの声を上げた。

丹沢ではミツマタが急速に増えている様に思えるのだが、これ

も自然の成り行きというものだろうか。

 林道を詰めると「ウオん、グウウ、・・・」の鳴き声が岩間にする。

タゴガエルだ。今年の産卵期は雨が少なく大変だったろう。卵塊

も見え、卵径3.0mmとカエルとしては大きく、45卵と数は少な

かった。

オシドリは岸から離れた。

ワカバグモ

目の前の山

山頂の ミツマタ。

フサザクラ 咲き始める。

タゴガエルの卵塊。

3月の 仲間たち


No.1626 ~ 雨で春は進む ~

2019年03月19日 | 植物

観察月日  2019.3.9.晴 13℃

観察場所  清川村 宮が瀬

 谷川の水は止まり、湖の水位も下がり、ほこり色の山々、

“雪の無い2月”を書いた頃は、生き物達が耐えている姿

が見えた。その後何度か雨があり、湖の水位は余り変わ

ってはいないが、山々のほこり色は取れ、木々の枝先は

ほんのり紅く染まり、春を感じる景色に変化した。

 先ずは私達を迎えてくれたのは、キタテハだ。枯葉の中

で寒さと乾燥に耐えていた彼女も、季節の変化に感じて飛

びだして来たのだ。そして、ススキの枯葉のやぐらに止まり、

羽を開いて太陽からのエネルギーを何カ月振りに吸収して

いるのだろう。

 谷川が枯れ、♀を待ちわびていたヤマアカガエルの♂達は

どうしているか、橋の上から覗いて見た。

 「すごいですよ!水面全体が黒く変わっていると思ったら、

それが全部卵塊ですよ!」とRさん。雨に誘われて♀が出て来

て、産卵したのだ。それにしても、卵塊の数の多い事、その数

だけ、♀がやって来た事になる。

 林道脇の斜面では、アオイスミレが花柄を四方に伸ばして花

を付け、ヤマネコノメも雄蕊を伸ばし黄色に染めている。落葉に

紛れていたムカゴネコノメも花を付け、4枚の蕚片を箱型に直立

させ、8個の雄蕊が黄色の葯を付け、小人の国のお弁当箱に見

えた。

 成虫越冬したテングチョウが飛び立って、ハコベの花にストロー

を伸ばし、ルリタテハは、白く浸み出したコンクリ壁に止まる。

 「この幼い草、何だったかしら?」Rさんが呟く。私は頭の中のフィ

ルムを昨秋まで戻す。「そうだメハジキだ」花の時期以外は目に止

まらないものだ。

迎えてくれたのは、キタテハだ。

ヤマアカガエルの卵塊で溢れていた。

アオイスミレ

ヤマネコノメ

ムカゴネコノメ

ユリワサビ

ハコベの花の蜜を吸う テングチョウ。

ルリタテハ

メハジキ