足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1714 ~ 続 自然環境保全センターを歩く ~

2020年08月27日 | 植物

観察月日  2020.8.18.晴 38℃

観察場所  厚木市 七沢

 「暑いですから、熱中症にならない様に気を付けて下さい」

職員の方に送られて,センターのフィールドに降りて行った。

 池や湿地を巡る小道を、日陰を選ぶように歩く。道の両側

の草地を「よくもまあー、これほど」声が出る程掘り返されて

いる。

 “Y の 12“の標識まで歩いてくると、〝踊り場”を作ったかの

ように土が掘り返されている。“イノシシ”の仕業だが、この酷

暑の中餌を探すには良くも働くものだ。その先を行くと、草刈

り機のエンジン音が聞こえて来た。“つゆ”の間伸びきった草を、

二人の作業員の方が刈っている。手元の温度計は38℃を指した。

「御苦労様です」と声を掛けたが大変な仕事だ。

 この暑さの中、元気に花を付けているのは、“キツネノマゴ”だ。

観察路の路に沿って続いている。花は8ミリ程と小さいが、穂状

を作る蕚や苞にポツポツと開く花は唇形花で、下唇は広く、白い

模様が密腺を示し、昆虫に呼び掛けている。ハラナガハナバチ、

ハキリバチの仲間、キタキチョウ、イチモンジセセリ等、暑さに負

けず賑わっている。

 ニイニイゼミが落ちていた。微かに足を動かす。もう、アリ達が来

ている。目が回りそうな暑さだが、季節は秋へと動いているのだ。

イノシシが造った”踊り場"だ。

真夏の草刈りは、大変だ!

野草で花を付け、元気なのは”キツネノマゴだ。

昆虫達で 賑やかだ。

キタキチョウが蜜を吸いに。

イチモンジセセリも吸蜜に。

ニイニイゼミが 落ちていた。 季節は進んでいるのだ。

 

 


No.1713 ~ 自然環境保全センターを歩く ~

2020年08月26日 | 昆虫

観察月日  2020.8.18.晴 38℃

観察場所  厚木市 七沢 

 コロナ感染症は、一向に治まりそうもない。感染力を持

つ“陽性者に体調の変化が無い”と言うのがコロナの特徴

で、予防をするのが難しい。休止していた“ミニ観”は再び

休止となった。しばらくお逢い出来ないのが残念だ。

 私も、しばらく保全センターのフィールドにご無沙汰して

いるので、今日は連絡方々歩いて見た。

 先ずは玄関前の池を覗いて見た。シオカラトンボ♂とシ

ョウジョウトンボ♂が水面に刺してある篠竹に、仲良く止

まっている。自然が用意してくれたこの平和な情景。私

は、コロナの事も忘れ、しばし、たたずんだ

 ガマの緑の茂みに、鮮やかな若緑の小さな陰が流れ

た。 “キイトトンボ♂”だが、暫く振りの出会いの気がする。

 県内では、過去には休耕田を始め幅広く棲息していた

が、近年では特に減少が著しいと言う。現在、厚木市は

安定発生産地と言われている様だが。

 戦前、横浜の子供の夏の遊びと言えばトンボ捕りであ

った。小学生は長いもち竿を振り回し、トンボを追って走

り回った。だが、上がる前の子には無理があった。その

頃の横浜の街中には、区画は出来ていたが家が無く、

ぽつんと草原になった場所があった。幼児はその草原で

イトトンボ捕りをした。黄、紅、青、緑のイトトンボを捕まえ、

満足した記憶が私にもある。だが、水辺は何処にあった

のか不思議だ。

 後、鹿柵の道を歩く。柵を利用してかオオカマキリが

アブラゼミを捕獲していた。

先ずは、玄関前の池を覗く、コオホネの花が。

シオカラトンボ♂とショウジョウトンボ♂が。

葉蔭から キイトトンボ♂が。

鹿柵の道を歩く。

オオカマキリがアブラゼミを捕える。

ナツアカネ♀は、林の中でえさを取る。

オオツマグロヨコバイは、木の汁を吸う

 


No. 1712 ~ 続玄倉だより8月 シダを食す幼虫 ~

2020年08月20日 | 昆虫

観察月日  2020.8.9.晴 27℃

観察場所  山北町 玄倉

 「ミミズクが、部屋に飛び込んできたんですよ」と、この春、

農工大生になったKさん。皆目を丸くすると「鳥では無いん

です、昆虫です」と、写した写真の説明を始めた。毎月、誰

かが“生き物ニュース”を紹介する。

 今日はどんな生き物と出会うか楽しみだ。林道を行くと、柔

らかな色をしたシダの群落があり、そこで皆の足が止まった。

 「シダの葉が食べられていなければ、このイモムシ目に付か

なかったわ」その一言で〝皆の足が止まった“のだ。シダと同

じ緑の体色、そこに黒い何本もの横縞模様、シダの羽片に重

なって、姿が融け込む。

 丹沢大山山麓の林道を歩いていると、明るく開けた、崖が崩

れて岩が転がる様なところで、このシダの群落に出会う。だが

杉林の林床を埋める様な群落があったりもする。成育場所は

異なるが、若い葉がほころびる様子はワラビを思わせるが

、腺毛が密集している。和名”ヒメイワワラビ“もそんな事から

付いたのだろうか。

 ところで、この幼虫は羽化すると、小形のガになり、和名は

“マダラツマキリヨトウだ。葉を広げたばかりのところには、小さ

な幼虫がいた。体に縞模様が無くても、シダに融け込んでいる。

 天敵の目から姿を消す術を身に付けた“マダラツマキリヨトウ”、

生き物の世界は不思議いっぱいだ。

「ミミズクが 部屋に入って来たんですよ」 とKさん。

「食べられていなければ 目に付かなかった」

ヒメイワワラビの群落。

葉の伸び始めは ワラビに似て。腺毛に注目。

若令幼虫には 横縞模様がない。

天敵から姿を消す。 不思議の世界があるものだ。

丹沢のみどりの中で、いい空気をいっぱい吸って! 今日も元気な仲間です。

 


No. 1711 ~ 玄倉だより 8月 バッタ脱皮 ~

2020年08月15日 | 昆虫

観察月日  2020.8.9.晴 27℃

観察場所  山北町 玄倉

 “今日も猛暑”だとTVから聞える。246号線を行くと「もう

32℃よ」とRさんが言う。清水橋を倉玄へ向かうと「30℃」

に、9時30分玄倉着、気温は28℃に。丹沢の山懐は素

晴らしい。空気が、冷たい水が、神奈川県の街を、都市

を、潤している事を心に留めておこう。

 元ビジターセンターの前庭、草原にしゃがみ込み何か

を見ているSさんが、目に止まった。

 「白い色のバッタって、いるんですか?」と聞かれてそ

の場へ行って見る。若緑のショウリョウバッタが草に止

まり、

その下に“脱ぎ捨てたばかり”の薄く透けた殻があった。

白いのは脱皮殻だったのだ。

 昆虫は外骨格を持つ動物なので、それを脱がない限り

成長出来ない。昆虫の皮膚は、体腔と皮膚を隔てる膜の

外側にある真皮細胞は、普通硬いクチクラ層と結合してい

るので、その内側に新しいクチクラを作り、その外側の古

いクチクラを脱ぎ棄てないと、大きく成れない。

 その指令はと言うと、昆虫の脳から、前胸腺から分泌さ

れるホルモンによる事が解っている。

 「いよいよ、クチクラが分離する時がくると、昆虫は”ムズ

ムズ“感じるのかしら」思わずこんな会話が飛び出した。

 これからの時代、興味ある事が続々と解って来るに違いない。

ショウリョウバッタの脱皮

アオスジアゲハ5令幼虫

Tさんが、アサギマダラの蛹化の様子を動画で撮影。見せていただいた。すばらしい!

ネムの木の枝に幼鳥が

ガの蛹 羽化した跡

 


No. 1710 ~ 続 コロナ感染症と庭 ~

2020年08月13日 | 植物

観察月日  2020.8.11.晴 37℃

観察場所  横浜市

 今年の“つゆ”は長かった。が、8月1日朝は小雨、それが

急速にあがって青空、「暑いなー」と思っていたら、あっ気なく

TVから「つゆ明け」が聞えた。そして、毎日の暑さ。庭の黒土

は水を蓄える事なく、既にカラカラ、乾燥だ。

 今日は猛烈な暑さだ。高温注意情報が出る。伊勢崎市では、

40.5℃を記録した。この暑さでは、庭へ出るのも躊躇してしまう。 

 庭の小道では、ヤマユリ、オオバギボウシの花は終わり、背

の低いオオキツネノカミソリ、キツネノカミソリが、赤い花を付け

始めた。 

 オオキツネノカミソリは友達から貰ったもので、今では思い出

の植物だ。キツネノカミソリは、横浜近郊の里山でもよく見掛け

たが、最近ではぐっと少なくなった。それは宅地造成のた

め消え失せた物、畑地を支える斜面の草地を赤く染め上げて

いたものだが、石積に変わったりして見られなくなったのは残

念だ。

 何年か前、山梨へ仲間の人を誘ってオオムラサキの観察に

出かけた事があった。八ヶ岳が遠くに見え、川を挟んで田んぼ

が続き、周囲の丘は雑木林、そこを滑る様にオオムラサキが

飛んだ。カメラで追うといつの間にか私道になり、古い農耕機

小屋の近くにナツズイセンの群落があった。中国渡来の物だが、

蒸し暑い日本の夏に定着して見えた。

ヤマユリ、オオバギボウシ 跡の庭 小さく見えるキツネノカミソリ

オオキツネノカミソリ

オオマツヨイグサ

ナツズイセン

今年は シオカラトンボが良く飛んでくる