足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1746 ~ ウツボグサが咲いた ~

2021年08月08日 | 植物

観察月日  2021.8.8.台風。34℃

観察場所  Yokohama

 退職後、丹沢山麓を歩き始めた頃には、ウツボグサは普通

に見られ、特別引きつけられる野の草ではなかった。

 そんなある日、グリンインストラクターの人達と歩いていた時、

畑の片隅にあったウツボグサを見つめ、懐かしそうに話し始

めた人がいた。

 “学校の勉強が終わり、家に帰る畑道に、ウツボグサを見付け

ると、その花穂を覗き込み「これ、歯抜けばあさんよ!」「これ、

歯抜けじいさんだ!」と大はしゃぎをしたものです。“と、話してく

れたのは鍛代さんであった。彼女は、大山に近い郷に、今も住

んで居られる。  当時の子どもには図鑑等無い。教えてくれる

大人も、いない。だから、四角い花穂から"抜け、抜けに花が出

る様子から「歯抜け爺さん・歯抜け婆さん」と呼んでいたに違い

ない。試みに”日本植物方言集成”を開き全国の方言名を調べ

てみた。身近の草なので、“1017の方言名が載っている。中で

も"花穂の形から”と思われる“✕✕枕”“こむそう”、“吸い花、蜜

吸い・・、ちちぐさ、うばちち、・・”等身近なもの等いろいろだが

、その中で人間を、育てているに違いないのだ。

 これを切っ掛けに、身近な自然を庭の中に取り戻そうと少々

あがいている。

 今更ながら、“歯抜け爺さん”になる訳を、見つめてみよう。

こんな景色に 出会った時の事であった。

庭のウツボグサの開花 花が1輪だけ咲いた。

次の花は 花穂の中から 蕾の頭が覗いている。

蕾が 顔を出した。

こうして、1輪、1輪と ばらばらに咲いていく。 だから、歯抜けを重ねていく。