足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1738 ~ タマムシの体色は 構造色? ~

2021年05月27日 | 昆虫

観察月日  2021.4.18.晴 21℃

観察場所  秦野市 くずはの家

 「タマムシの体、緑や赤の色に輝いて、綺麗ですね!」

受講者から声が漏れて来た。

 ここは、枝を大きく広げたクスノキ広場だ。私を中心に

半円形に位置した自然観察指導員を目指す人達の中程

に、(前号のタマムシを撮影、A3×9倍大に伸ばした)写真

を地上に置き、問題を提示した所だ。

 「死んで地上に落ち、半年以上も経っただろうに」「色が

あせず、変わらないのは、何故だろう」「それは、染色では

なく、構造色だから」「特定の波長の光を反射する事で色

を付けるらしい」タマムシの体の色の不思議さは、その辺

でモヤモヤと終わりとなった。

 タマムシの体は硬い構造で覆われ、その体の表面を覆っ

ている薄くて硬い膜状のものを、“クチクラ“と呼ばれている。

昆虫はクチクラと言う薄くて軽くて丈夫な皮膚を発明した事

により、地球上で最も栄えている位置にあると言われている。

 クチクラは、上クチクラ、中クチクラ、下クチクラの3層構造

から出来ているが、3層合わせても0.2mm程に極薄いと言

われる。光はその層を通過、反射して光の色を造っていると

言えそうだ。

 タマムシの体色は総て構造色では無い事に、A3×9倍に伸

ばして初めて気付いた。それは眼球だ。構造色であったら、

役をはたせない。

 こんな微細な所まで、考えて造られているのに、驚いた。

クスノキ広場で 野外講義。

半年以上風雨にさらされても、

いろは褪せない、変わらない。

構造色って 何だろう。 羽の表から見る。

羽の裏から見ると、色も模様も違う。

A3×9倍の、大きく伸ばして初めてきずいた。

目は、構造色ではない。何故だ。色が変わっている。

元気な時は、何色だった。

 

 


No. 1737 ~ 続 玄倉だより 4月 ~

2021年05月04日 | 昆虫

観察月日  2021.4.11.晴 14℃

観察場所  山北町 玄倉

 今年は、楽しみにしていた玄倉での二度目のお花見は、葉桜と

なり消え失し、その上コロナと来ては、恒例の“花と団子の集い”

も出来づ、寂しい事になった。

 いつもの様に元センターの建物を一回りする。

 「こんな綺麗な・・・・」の声にみんな集まってくる。ごろ石の混ざ

る土の上にタマムシが転がっていた。

 「タマムシだ」「これ、箪笥に入れて置くと、衣装持ちになるのよ

ね」タマムシの名は、誰でも知っているし、昔から伝えられている

話は、みんな知っている。

 この辺で次の話題に移るのが、良くある観察会だが。

 「このタマムシ、去年の夏の頃からここに転がっていたのよね。

まるで生きている姿をしていて、不思議?」

 「生きていた時の色がしていて、不思議?」

 「色が、キラキラ光って見えるのが、不思議?」

 沢山の不思議が見つかった。

 その上、2匹も見つかった。幼虫はサクラ、ケヤキ、カシ、エノキ等

の枯れた木の中で育つ。この辺りの林は、弱っているのだろうか。

 以前、炭焼き小屋に積んであった原木に産卵していた何匹もの

タマムシに出会ったことがあった。

”花と団子の集い”はコロナで、中止した。

「こんな綺麗な・・・・」みんな寄って来た。

”タマムシだ!”

みんなから、沢山の不思議が!

以前、炭焼き小屋の原木で産卵・・・・・・・

今日は、沢山の不思議が見つかって楽しかった。