観察月日 2021.4.18.晴 21℃
観察場所 秦野市 くずはの家
「タマムシの体、緑や赤の色に輝いて、綺麗ですね!」
受講者から声が漏れて来た。
ここは、枝を大きく広げたクスノキ広場だ。私を中心に
半円形に位置した自然観察指導員を目指す人達の中程
に、(前号のタマムシを撮影、A3×9倍大に伸ばした)写真
を地上に置き、問題を提示した所だ。
「死んで地上に落ち、半年以上も経っただろうに」「色が
あせず、変わらないのは、何故だろう」「それは、染色では
なく、構造色だから」「特定の波長の光を反射する事で色
を付けるらしい」タマムシの体の色の不思議さは、その辺
でモヤモヤと終わりとなった。
タマムシの体は硬い構造で覆われ、その体の表面を覆っ
ている薄くて硬い膜状のものを、“クチクラ“と呼ばれている。
昆虫はクチクラと言う薄くて軽くて丈夫な皮膚を発明した事
により、地球上で最も栄えている位置にあると言われている。
クチクラは、上クチクラ、中クチクラ、下クチクラの3層構造
から出来ているが、3層合わせても0.2mm程に極薄いと言
われる。光はその層を通過、反射して光の色を造っていると
言えそうだ。
タマムシの体色は総て構造色では無い事に、A3×9倍に伸
ばして初めて気付いた。それは眼球だ。構造色であったら、
役をはたせない。
こんな微細な所まで、考えて造られているのに、驚いた。
クスノキ広場で 野外講義。
半年以上風雨にさらされても、
いろは褪せない、変わらない。
構造色って 何だろう。 羽の表から見る。
羽の裏から見ると、色も模様も違う。
A3×9倍の、大きく伸ばして初めてきずいた。
目は、構造色ではない。何故だ。色が変わっている。
元気な時は、何色だった。