足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1539 ~ メグスリノキ・クロジ他 ~

2017年12月18日 | 植物

観 察 月 日   2017.12.5 晴 14℃

観 察 場 所   厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 

 「今年は珍しく、紅葉したじゃないですか」Mさんが呟いた。

 そうなんです。毎年この木の前を歩いているのに、キレイ

に紅葉したのを見て無いのです。

 ここは県の木を集めた見本園で、植栽された当時の様子

は解らないが、今では大方の木は大木になっているのに、

此のメグスリノキは、樹高は精々2m程、枝の広がりも少な

い。すぐ隣のチドリノキは大きく枝を広げ、メグスリノキに覆

い被さっている。太陽の恵みを受けず、成長出来なかったの

だろう。毎年秋が来ても斑な色付けしか出来ない、気の毒な

木であったのだ。それが、今年は何故か陽の当たりが良く、

全葉が赤く紅葉したのだ。

 少し離れた所に、見上げる程に大きく成長したイイギリがあ

る。今年も赤く色付いた実を穂状に付けているが、黄色く紅葉

した大きな葉で覆い隠されている。まだ完熟前で、野鳥に食べ

ては欲しくないのだろう。好んで食べるヒヨドリが一羽偵察に来

たが、間もなく飛び去った。

 緑化見本園の奥まった所に、時折カメラを構え待っている人

達の居る場所がある。邪魔をしてはと思い、一度も寄った事の

ない所だ。

 今日も寄るつもりは無かったが、誰もいない上静まりかえっ

ていたので、立ち寄って見た。すると藪の奥から小動物が出て

来たように見えた。レンズを通して見ると、クロジの♂だ。続いて

♀も。時折人がいたのは、こんな機会を待っていたのだろうか。

「珍しく 紅葉したじゃないですか」Mさんが つぶやいた。

みつば と名の付く方言名が多い。

ヒメアカボシテントウが 日向ぼっこをしていた。

穂状の紅い実は 黄葉した葉に隠されて。

偵察にきた 一羽のヒヨドリ。

藪から出て来たのは クロジの♂でした。

後からクロジの♀?も。

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No. 1533 ~ 秋から冬へのレース ~

2017年11月29日 | 植物

観 察 月 日   2017.11.19.晴 10.2℃

観 察 場 所   厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 大木の木々の葉が、赤や黄色に染まる。

 「紅葉がきれいですよ!」と言われて窓ガラス越しに見ると、

朝の低い陽が逆光となって葉を通過し、私の目に入った。ここ

は、北アメリカピレネー国立公園ロッジ付近の風景。

と言いたいところだが、ここは自然環境保全センターでの風景

なのである。どこかアメリカの広大さを感じさせるのは、この樹

種が北アメリカ原産モミジバフウ別名アメリカフウだからである。

葉の形は、モミジバにある様に掌状で五つに切れ込み、葉身は

20cmにもなる。だがモミジ=カエデと大きく違うのは、カエデ

は対生であるのに、モミジバフウは互生なのだ。葉は濃赤紫

色に色付いているが、葉に隠れて太陽に当たらなかった所は

黄色で、こんな所が秋になると紅葉するヒントがチラチラと見

える。

木々は冬を目前に色付くかと思うと、ヒイラギは濃緑の葉陰

に白い清楚な花を咲かせる。遠い昔の頃から、節分には前面

に出る、誰でも知っているであろうヒイラギも、花の頃は振り

向きもせずつい通り過ぎてしまう。

樹木園を歩くと、ケンポナシの果実が多数落ちていた。土を

払って口に含むと、甘さと香りが広がった。私の知り合いは、

その味と香りを「ラ・フランス」だと言う。果肉が種子のあると

ころに付くのではなく、果梗の部分に付くと言う変わった形だ。

はたして、誰が種子を散布してくれるのだろうか。

アメリカ国立公園ロッジの窓から見た?

モミジバフウ。アメリカフウの葉は色付いて。

ヒイラギの花は秘かに咲き・・・

ケンポナシの味は、誰のために・・・

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No. 1530 ~ シロダモ・アズマヤマアザミ ~

2017年11月08日 | 植物

観 察 月 日   2017.10.31.曇 12℃

観 察 場 所   厚木市 七沢林道

 「10月は雨の無かった日は、3日だけ」とTVのお姉さんが

話していた。七沢林道は山が深く、平地より雨が多い。山は

雨水を持ち切れず、枯れ沢や山の斜面から大量の水が流れ

出している。林道は全面川となり、GORE-TEXの登山靴に

任せて流れの中央を歩いた。

 途中、主なく朽ち果てた民家があり、いつの間にか周囲が

シロダモの若木や高木に囲まれる様になった。

 時折銀白色の葉裏を覗かせるが、節々に黄色の花の塊り

を付けている。雄花を付けた雄木だ。近寄って見ると、1cm

程の紅い実を付けた雌木もあった。実の近くに花もあったが

雄花と違い疎らで少ない。実は去年の10~11月に咲いた花

のものだ。同じ枝に、花と同時に液果の実が見られるとは、

不思議な感じがする。キイロスズメバチが何匹も吸蜜に来て

いるが、花粉に塗れで体が霞んで見える。冬を越す女王蜂

で、懸命に体脂肪を補給しているのだ。

 山の神隧道を抜けると山も谷も険しく風景も変わった。空気

は冷たく、手もかじかみそうだ。この時期になると、花は殆どな

い。それでも林道脇に、私の背丈ほどもあるアズマヤマアザミ

が花を付けているが、先端部分はシカに食べられ切れている。

 「花に、マルハナバチが何匹も来てますよ」とRさん。近寄って

見ると、花の中に頭を突っ込み長い口吻を伸ばし吸蜜している

様だが動きが無い。でわ!とRさんが指を触れると激しく反応、

飛び去った。

 若いハチで、冬に備え体力を付ける為、懸命に吸蜜していた

のだ。

林道は 川となっている。

民家の周りの 満開のシロダモ。

雄木 花の塊

雌木 紅い実と 雌花が見える。

キイロスズメバチの体は花粉で霞む。

山の神隧道を抜けると 空気が変わる。

シカに食べられた アズマヤマアザミ。

「花に マルハナバチが来ていますよ!」と Rさん。

若いハチだ。 冬を目前に給油に懸命。 レンズを寄せても反応ナシ。

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  No. 1527 ~ ノイバラ・アオツヅラフジ ~

2017年11月05日 | 植物

観 察 月 日   2017.10.11.曇 22℃

観 察 場 所   清川村 宮が瀬

 林道にノイバラの大きな株が枝を広げ、その先々に紅く染め

た実を鈴なりに付けている。ノイバラは良く見掛けるが、案外実

付きが悪く、こんなにも見事なものは少ない。実の赤い色に誘

われて4~5粒口に入れて見ると、酸っぱい汁が口の中に広がっ

た。まだ完熟ではなかったのだ。

 実は果梗から素直に球形の小さな果実になり、その先端は褐

色の蕚が小さな名残を残し、その中央に雌蕊が突き出ている。

果実のように見えるが蕚筒が肥大して出来たもので、植物学上

では偽果という。皮をむいてみると、種子に見えるがこれも瘦果

(そうか)で、11個入っていた。その一つを割って見ると、中には

薄皮に包まれた胚、植物体が用意されていた。

 トンネルを抜けると雲は切れて、青空が覗いた。林道の右側は

切り落とした様な崖、遥か下に七沢川上流の水音が微かに聞え

、左の山側はマタタビが蔓を伸ばして林の木々を登り、そして山

沿いに降りて来る蔓に混ざって、アオツヅラフジが黒い実をまと

めながら登って行く。

 アオツヅラフジが、観察会のコース上にあると必ず取り上げら

れる植物だ。実を指でつぶし液状の果肉を取り覗くと、円形で扁

平状の核果が現われた。丸まった芋虫にも見えるが、ジュラ紀

の古生物アンモナイトに似ているので、話題となる。自然が作る

造形は、不思議さ、面白さを掻き立てる。

ノイバラの実を 細かく見ると・・・

外側の皮を むいて見ると・・・・

11個入っていた。

そう果を 割って見たら・・・・

アオツヅラフジ

まるまるイモムシ・アンモナイト あなたはどっちを選ぶ。

アンモナイトの化石と並べて見た。

★ あなたは どう思う?

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No. 1526 ~ ナンバンハコベ・アケビ ~

2017年10月21日 | 植物

観 察 月 日   2017.10.11.曇 22℃

観 察 場 所   清川村 宮が瀬

 Rさんが立ち止まり、手の平の種を数えている。

 そう言えば、夏の頃、林道側面の石積みした上から、ナンバン

ハコベの蔓が束になって下っていた。蔓には直径1cm程の白い

花が咲いていた。ばらけた扇子を思わせるような細く切れた花弁

が5枚、その変わった花の形から、南国風という意味で“南蛮”と

付けたらしい。

 今は黒い球形の果実になっていて、お盆の様な蕚の上に乗って

いて、完熟すると上半分が横にさけ、蓋の様に開いて細かな種子

がこぼれ出る。現在は裂開していないが、Rさんは実をつぶして、

出て来た種子を数えているのだ。

 「黒い細かな種子が、39個でてきましたよ」Rさんが顔を上げ、私

の方を向いた。私も数えてみると43個、Uさんは42個、種子の数は

この辺りなのだろう。近頃林道の各所でナンバンハコベの群落が目

立つようになった。種子の多さと、発芽がいいのだろうか。

 林道の中央に、艶のある黒い種の塊りが落ちていた。種子を含ん

だテンの糞で、中味はアケビの様だ。

林の袖を見上げると、林道へ張り出した枝から蔓が下がり、5枚の小

葉と3個のアケビが付いていた。果皮は白味を帯び、その奥に白い

果肉が覗いていた。

再び路上のテンの糞に目をやると、黒紫色の種子の端にゼリー状の

白い部分があり、アリの好物だ。テンが運んだ種子を、次はアリに運

ばせ遠くへ散布させようと言う、アケビの周到な作戦が見える。

手の平の種を、数えている。

夏の頃は、ナンバンハコベの花盛り。今は・・・・・・

種の数を 数えたら・・・・・

林道の真ん中に テンの糞が・・・・

見上げると アケビが・・・・

再び 林道上のテンの糞へ ・・・・アケビの種子散布作戦が見えて来た。

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