足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.912   ~ 口吻が異常に長いガガンボ ~

2010年10月28日 | 昆虫






日 20101013  晴 20

所 山梨県 上野原 向風

 山風呂という由緒ありげな集落を過ぎると登山道だ。   

暗い急登の道端に、そこだけ明りを灯した様に、タイアザミが花

 を付けていた。突然、1匹の昆虫の飛翔が目に入ったが、薄暗く

 その種類が解らない。花へ来たのでコシボソヒラタアブの仲間が

 頭を過ったが、意外にもガガンボの仲間であった。

帰宅後、ストロボ撮影した映像を精査して驚いた。

ガガンボなので足が細く長く、胸部は発達し、細い2枚の翅、

そして飛翔をコントロールする2本の平均棍は当然だが、口吻が異
常に長く、体長の
2倍強には意外であった。

 多くのガガンボの口吻は、それ程長くなく、この種のガガンボは、
長い時間の中で、足がずんずん長くなるにつれて、口吻も伸長した
のであろうか。こんなにも長くては、活動し難いであろうし、破損
をしないかと、余計な心配さえしたくなる。

 口吻は1本の管に見えるが、基は上顎や下顎等幾つかの口の器官
を集め成り立っている。ここでも、自然は不思議を生み出す造形
作家なのだ。

 

 

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Mo.911  ~ アカハライモリと草もみじ ~

2010年10月26日 | 野生動物




日 20101023 快晴 17

所 群馬県 片品村 (尾瀬ケ原)


「初霜、初氷だよ」鳩待峠駐車場の管理人が教えてくれた。

 峠から山の鼻へ至るコースの木道は、霜が降りてプラチナの延べ
板に変わり、うかつに歩くものなら滑って転倒しそうだ。足元に
気を配りながら、山の鼻に着く。

 左には至仏山が近くに迫り、右は燧ケ岳が遠く望まれる尾瀬ケ
原はセピア色に染まり、風は無く、空気は春の様に暖かい。

 草もみじの中に、1ヶ月ほど前には花を付けていたエゾリンド
ウも種を散らす準備に入っている。

 「サンショウウオが泳いでいるわ」「ここにも、あそこにも・
・」

前方では、木道の上から池糖を覗き込み、はしゃいでいる人達が
いた。

 それは、赤く色付いたヒツジグサの葉の下を、足を使い、体を
巧みにくねらせて泳ぎ回る、数多くのアカハライモリであった。
赤い腹は見えないが、体は丸々と太り脂肪を蓄えているのが解る。
尾瀬には、生き物達にとって試練の雪と氷の季節がそこまで来て
いるのだ。

 「明日にも雪が来てもおかしくない」昼食をとった食堂の店員
が呟いた。尾瀬の食堂や殆どの小屋は、今日で店仕舞いだ。

 

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No.910   ~ 幸運!.ツキノワグマに出会った ~

2010年10月25日 | 野生動物






日 20101023 快晴 0

所 群馬県 片品村


早朝気温7℃、木々が緑の藤原を出発、鳩待峠を目指し奥利根ゆ
けむり街道を車は走る。最高点は伸六峠、地図上では
1600m余だ
ろうか。高度が上がるにつれて気温は下がり
2℃、名所の照葉峡の
紅葉は今が盛りだ。

 尚も峠に向けて走ると、温度計は0℃を指し、道端に降りた霜が
朝日に輝く。裸木が目立つ様になり、紅葉前線の山登りが目に見え、
伸六峠も間近になる。

 「あれ!クマじゃないか」黒い塊が動く。車との距離30m程だ。
時計は
730分、標高約1550m。此処は車の交通量も少なく間もな
く閉鎖、歩行者など無い奥山だ。“クマの行動は早朝と日没後が最
も活発だ”と聞いた事を思い出していた。 

 「仔グマだよ」「でも大きいね」「今年生まれでなく、2歳位か
な」

 仔グマは、我らの車に気が付かない。何かを見付けたのか、草の
中の匂いを嗅いでいる。その間、
30秒程だったろうか。仔グマは仔
イヌの様に跳ねながら右側の藪の中に消えた。母グマに呼ばれたの
だろう。

 私は、望遠レンズのカメラを持っていたのを忘れ、無意識にシャ
ッターを押したコンパクトカメラに、仔グマらしい黒い塊が1コマ
写っていた。

 

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No.909  ~ シモバシラの花も見よう ~

2010年10月20日 | 植物







日 20101013 晴 25

所 山梨県 上野原 能岳


薄暗い山道の斜面に白い穂状の花を立ち上げているのはシモバシラであ
った。

 丹沢山麓でこの花を見ようとしても、限られた場所だ。ところが、中
央線沿線の低山を歩いてみると、尾根道でよく出会う。

 シモバシラと言うと、真冬に根に近い茎に出来る「霜の花」が有名だ。
確かに不思議な自然現象だし、造形的で美しい。その上冬になると
TV
取り上げられるので、映像の上で知っている人は多い。ところで、植物
本来の器官である「花は?」と問うたらどう返って来るだろうか。

 花も、それに匹敵するほどの美しさと不思議さを持っている。

 植物の高さは40~90cm、花穂は12mm余りで一方向を向いて花を付
ける。花は
7mm程で、雄蕊は4本、雌蕊1本が花より大きくと飛び出し、
際立って目を引く。

 咲き始めの時の雌蕊は棒状で先は閉じている。その時期は、雄蕊の茶色
の約から白い粒の花粉がこぼれ、訪花した昆虫の体に花粉を付け他の花へ
と託す。やがて雄蕊の花粉が尽きる頃、今度は雌蕊の先が二つに開き、他
の花の花粉を受ける。シモバシラも、ルーペの世界でなければ知る事の出
来ない自然のいとなみを、繰り返しているのだ。

 

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     No.908   ~ ヘクソカズラの昔話し ~

2010年10月19日 | 植物


                                                            緑色型幼虫

                                 褐色型幼虫

日 20101010 雨後晴 19

所 山北町 玄倉


 ヘクソカズラは漢字で「屁糞蔓」で解る様に、何とも言えぬ強烈な臭
いがする。そこで、人から嫌われる植物の一つだ。

 昔々、ヘクソカズラには、強烈な臭いは無かったのだろう。

 昆虫は、生きて行くための栄養素を外から採っている。植物を食べ、
それを生み出している昆虫の種類は多い。昆虫にとって植物は有難い存
在であるが、植物にとってはいい迷惑だ。そこで、いつの頃か捕食者に
対して防衛するため、匂い物質という毒を獲得したのであろう。

ところが、それで安泰とはいかなかった。その匂い物質に、挑戦する
昆虫が現れたのである。他の昆虫達が食草としないヘクソカズラへ目を
付けたのが、スズメガの仲間のホシホウジャクだ。だが、何の手だても
せず体内に取り入れたら、それは死を招き種が滅びてしまう事につなが
る。ホシホウジャクは、毒性を体内で分解する酵素を獲得することによ
り、解決したようだ。

昆虫と植物は、長い長い時間の中のシーソーゲームなのであろうか。

 

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