足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1579 ~ 6月のミニ観 ~

2018年06月29日 | 植物

観察月日  2018.6.10.晴 18℃

観察場所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

ついこの前、ハルジオンの白い花が草原を飾っていたのに、いつ

の間にか、ヒメジョオンの白い花にバトンタッチされていた。

 ヒメジョオンは、植物世相史(松田修著)によれば、江戸時代末期

安政年間にアメリカとの交通により、アロエ、カンナ、キャベツ等と

ヤナギバヒメギクの名で観賞用として渡来したもので、明治に入り

各地に広がったと言われる。

 ハルジオンと比べ花期が遅く、花に訪れていたベニシジミも、羽

表面の赤色の面積が減り、黒い部分が多い夏型となり季節が動い

ている事を物語っている。

 池に浮かぶスイレンの葉上に、腹部末端ニ節を鮮やかな空色に

染めたイトトンボが、“スウー”と現われた。上付属器が「ハ」の字状に

開いているので、クロイトトンボだろう。

 視線を上げると、コシアキトンボの♀が休んでいた。腰の当たりが

♂は白く、♀は黄色で、「パッ」と明りを付けた感じがする。子供の頃

はその明りからの連想から、“ロウソクトンボ”と呼んでいた。

 谷戸へ入るとハンゲショウが白く染まり始めていた。隣を歩いてい

たY子さんが、「これ、サンパクソウとも言うんですよね」と話しかけて

来た。穂状の花が伸びる頃になると、上から3枚の葉が白色に染ま

るのだと言う。 「なるほど!」

 季節は夏に向かって、確実に動いている。

ヒメジョオンに バトンタッチ。

ベニシジミも 夏型に。

スイレンの葉に 現われた。

明かりを 付けたように!

ハンゲショウが きれいだ。

サンパクソウ なるほど!

自然関心人間 集まれ!

 


No. 1578  ~ 6月の玄倉 ~

2018年06月26日 | 昆虫

観察月日  2018.6.10.曇。一時雨 22℃

観察場所  山北町 玄倉

ビジターセンターにYさんいた頃、突如池の上に張り出した枝に、モリ

アオガエルが現われ、産卵を始めた。それまでは記録に無い物をと、

どうした事かと頭を傾けた。

 今年も5湖の卵嚢が産み付けられ、いつの間にかモリアオガエルが

いて、産卵が当然の感じになってしまった。

 池にはまだ変態して無いヤマアカガエルのオタマジャクシが泳ぎ、

幼いヤマカガシが慌てて池の中から抜けだした。

 元センターの裏庭には、先月アカボシゴマダラの蛹が、エノキの枝

に下っていた。無事羽化したのか心配で回って見ると、見事な抜け殻

が風に揺れていた。

 林道に出ると、ススキの葉陰にカノコガが何匹も休む。つゆに入る

今頃は、カノコガの季節なのだ。

 林道脇のシデの林を見上げると、テイカカズラの花が下っている。それ

が単なる花の集まりで無く、私には自然野外劇場の緞帳に見えた。

 「あれは何ですか?」と藪の中を指さして聞いて来た。暗いヤブの中に

白い輪が何本も絡み合っている。これには、先日Yさんから手紙を貰った

ところだ。ヒモワタガイガラムシで白い帯状の中には沢山の卵が産み込

まれている。

 白いガードレールに黒いよごれの塊りが目立ち、それに触れるとパツと

四方に散る。チャタテムシのⅠ種だ。

ことしもモリアオガエルのらんのうが5個。

幼い ヤマカガシが オタマジャクシを狙う。

アカボシゴマダラの 抜け殻。

テイカカズラの花。

ヒモワタカイガラムシ。

チャタテムシで遊ぶ。

ミヤマホウソの花に ハナバチが。

スミナガシの1例幼虫が いるよ!

自然大好き人間!

★ 今日も 晴れやか!


No. 1577 ~ 頭高山を歩く Ⅱ ~

2018年06月15日 | 昆虫

観察月日  2018.6.2.晴 24℃

観察場所  秦野市 頭高山

 渋沢丘陵に向かう急坂の舗装道路を歩いて行くと、前方の

路面に、ヤンマが止まっているのに気付き、立ち止まった。

 飛び立つ様子も感じないので、膝をつき、両肘も付いてトン

ボの目線でカメラを覗くと、額は青く、複眼は深山の湖を思い

出させる濃い青に“ドキッ”とさせられ、ヤンマの名が吹き飛び

出て来なかった。

 ヤブヤンマの雌の頭部の色は雄の青色とは全く違い、くすん

だ黄緑色で、幼虫時代過ごした池のある藪から遠くへは離れ

ない。

雄は活動的とはいえ、池等無い尾根道に近い、それも舗装の

路面に止まっているのはどうした事だろう。手を伸ばして見た

が飛ばないので、指先で摘まんで見たがおとなしい。翅や体

に傷跡もない。理由が解らないまま、傍らの茂みにあるヤマア

ジサイの枝に止まらせた。始めは翅を震わせ体温を上げる動

きを見せたが、静かになったので、その場を離れた。

 尾根道を行き、雑木林に入ると、ムシヒキアブの動きが目に

止まる。気になり出すと、藪のススキの葉上、低木の葉の上に、

そこにもここにも、陽の当たる場所にも、暗い日陰にも、密かに

止まっている。休んでいるのかと思うと、0~3m当たりを昆虫が

飛ぶと急発進し、捕獲すると近くの葉上に戻ってくる。

 小さな昆虫から、ハチやガ、仲間のムシヒキアブまで捕食する

恐ろしいギャング的存在に思えたのだが、どうだろうか。

前方に ヤンマが?

額は青 複眼は濃い青に ドキッ!

ヤブヤンマを放した。 

ガをもっている ムシヒキアブの一種。 

仲間のムシヒキアブを捕食中!

大型のムシヒキアブが 小さな虫を捕食。


No. 1576 ~ 頭高山を 歩く ~

2018年06月13日 | 昆虫

観察月日  2018.6.2.晴 24℃

観察場所  秦野市 頭高山

 

 先月の“小さい昆虫も面白い”に続いて、再び歩きたくなった。

 ゆっくりと歩くと、今日も色々な昆虫のしぐさが目に入って来る。

「あれ!このチョウは!」とUさんが立ち止まった。私は戻って見

ると、雑木林の下草に止まっている“ミズイロオナガシジミ”であ

った。開長35mm程、シジミチョウの中では大きい種類だ。和名

にある様に、羽は薄水色で、紺色の稲妻模様、尾状突起をひら

ひらさせている。

 ここはコナラやクヌギの雑木林沿いにある道路、道沿いは草や

低木が茂り、林の中には強い風が入らぬようカバーされている。

茂みを覗きながら行くと、次々に“ミズイロオナガシジミ”が目に入

り、どれも新鮮だ。この雑木林の中で育ち誕生し、茂みに出て休

んでいるのだ。彼等の活動時間は日没前と日の出後の時間帯な

のだ。ゼフィールスと呼ばれる仲間のオオミドリシジミも現われた。

 頭高山近くで、おじいさんと孫娘の二人に出会った。共に専門な

ネットを持っていたので「採れましたか?」と聞いたら、お孫さんが

可愛く頷いた。ゼフィールスに出会い、チョウが好きになった事だ

ろう。

 山頂ではジャコウアゲハが飛び、オオバウマノスズクサには孵

化したばかりの幼虫と、産んだばかりの卵があり体長1.5mmの

ヒメアリが寄り添って見えた。レンズで寄ると、意外にも卵殻に穴

を開け頭を中に入れ捕食している。「今し方、命が誕生したばかり

の卵なのに」私の心は一瞬凍結しそうになった。だが、ヒメアリの

世界観は、そこに卵があれば、それは必須アミノサンに見えたの

であろうか。

雑木林の縁を囲む ”みどり”の中にあった。

”ミズイロオナガシジミ” だ。

今日は ”ミズイロオナガシジミ” デーだ。

”オオミドリシジミ♀” も 現われた。

可愛い孫娘を連れて 「きっと 自然が好きになる」

食草の上に 孵化したばかりの幼虫が!

“命を吹き込んだばかりの卵に“ 命は何処へゆく・・・・・・・・・・

後ろ羽を失った ジャコウアゲハの♀、 それでも命を繋ぐために 頑張る!!

 

 

 


No. 1575 ~ 5月の玄倉 ~

2018年06月03日 | クモ

観察月日  2018.5.13 曇 16℃

観察場所  山北町 玄倉

今朝は富士山に、二重の笠雲が掛かっている。午後は雨

になりそうだ。

 元ビジターセンターの裏にあるエノキで越冬したアカボシ

ゴマダラの幼虫を見ている。先月は、やっと芽吹き始めた

小さな葉の上に幼虫は乗っていた。エノキは細い木で、若

芽が開いたが葉の数が少なく、蝶になれるのか心配した。

 今月は蛹の季節、ドキドキしながらエノキの所へ行ってみ

た。みんなの目で蛹か幼虫かと探して見たが、見つからな

い。「これは餌が足りなかったか」とあきらめかけたその時、

頂上の細い枝でOさんが蛹を発見。「緑の葉が風に揺れて

るのかと思った」と。地面に落ちているのも発見、蛹になれ

たのは2匹であった。

 「アラ!ミツマタに種が出来るの?」不思議に溢れた声はO

さんだ。花は毎年すぐ目の前で見ているが、種の事を考え

た人は、一人もいなかった。見落としが露見。クサギカメム

シが吸汁。

 建物の板壁にはヒラタグモの巣が多い。クモは糸で作った

敷布と掛布の間に入っている。Oさんが巣を指先で押すとク

モが頭を出した。が、その横に小さなトビムシの一種も体を出

した。トビムシの暮らしは土の中と思うが、高さ1m50cmの

クモの巣の中に居たのだ。

 林道では、ピースをする種が散乱、見上げるとイタヤの大

木が。

キハダは花盛り、ハキリバチが蜜と花粉を集めに来ていた。

みどりの蛹が そよ風に揺れて

みんなで 蛹の捜索

ミツマタの 実

ヒラタグモの巣

指で軽く押すと クモとトビムが頭を出す。

イタヤカエデの種が 散乱

今日も 西丹沢玄倉に集まる