足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1726 ~ フクロウの羽散乱玄倉 ~

2020年12月27日 | 野鳥

観察月日  2020.12.13.晴 15℃

観察場所  山北町 玄倉

 走る車の中から丹沢湖面を見ると、鏡の様に乱れが

無く静かだ。

 皆さんに“今日の観察コース”を相談すると、オシドリ

を期待して周遊コースを歩く事になった。それが、大当

たり。オシドリの群れが飛来したかと思うと湖面に舞降

りた。だが、そこは光量の少ないダムの遥か対岸、そ

れでも、Birderに変身した私には満足であった。

 先を行くS.Sさん親子が落石防止の金網の所で、立

ち止まっている。

「金網の所に,羽が散乱していて・・・」と言われて、皆

集まる。やや時間が経ているのか、羽の数は少なくば

らけている。

 「これ、猛禽類に襲われたと言うより、哺乳動物のよう

だ。」と、Wさん。“羽のとれ方が違う”と言う。

 「フクロウの羽ですね。羽の表面はビロードのように滑

らかなので、飛んでいる時、空気に当たっても音が立ち

ません。手に取って見るといいですよ」とビジターのNさ

ん。「新幹線のパンタグラフに使ってあるのですって」誰

かが呟いた。仲間はいろんな事を知っているものです。

 フクロウの初列風切羽の外弁にギザギザの構造(セレ

ーション)があり、飛ぶ時気流の逆流を防ぎ風を切る音

を小さくするのだと言われる。私はそれを見たいと、採

集した3本の羽を並べてみたがセレーションが見当たら

ない。私の羽は、次列風切羽だった様だ。もし、初列風

切羽の人がいたらルーペで見る事を進めたい。

 パンタグラフの様に生物の体の構造や形態を応用した

工学技術を(バイオミメティクス)といい、暮らしの中に見

られます。

オシドリの群れは、ダムの遥か遠い対岸近くだ。

800mmで引っ張って見たが、光線が最悪で色も出ない。

やがて飛び立ち、行き帰を繰り返す。

S.Sさんが「野鳥の羽が散乱していて・・・・・」(フクロウの尾羽)

金網の場所に、羽が散乱していた。

集まって、意見交換。観察力・思考力の発揮場面だ。

実物大羽図鑑のフクロウの羽を見たら、初列風切羽に、セレーションがはっきりと。

 

マスク姿の仲間たち。


No. 1725 ~ 私の ヤマドリ いろいろ ~

2020年12月19日 | 野鳥

観察月日  2020.12.13.晴 15℃

観察場所  山北町 玄倉

 「ヤマドリかしら!」S.Sさんの呟きに、「ハッ」として、林道脇

の山の斜面を見上げたがその気配は無かった。「そこですよ。

すぐ目の前の・・・」と言われて、視線を落とし目の前3m程にあ

る崖崩壊防止ネットのなかを見ると、焦げ茶の鱗模様のヤマド

リの♀が落葉を突きながらゆっくり歩いていた。人間が金網ゲ

ージの中に居ると見ているのか落ち着き払った感じだ。

 2015.12.13.ダムの方向から飛来、私達の頭上を越え着地

したのも、♀であった。毎月、第2日曜日に集合しているが、偶

然にも重なった。

 私は一時期、伊勢原市のグリンハートスクールの校長をしてい

た。対象は小学生、月一回、午前はみどりの学習、午後は農作

業、秋には子供が抱え切れない程の白菜が出来た。2007.12

.8.にみどりの学習で、市の鳥「ヤマドリを知ってますか」と聞い

た所「知らない」と返って来た。そこで自然観察をしながら、落葉、

木や草の実、小枝等を拾い集め、ヤマドリの剥製を見ながら

、画用紙に表現してみた。私はその頃、伊勢原のヤマドリを探し

て大山を中心に歩いたが、生息は確認出来なかった。

 その前年、瀬谷区みどりの成人学級で市民の森を歩き、落葉

や木・草の実等を拾い、模造紙上に立体的にヤマドリを造ってみ

た事があった。5組出来たが、大人の人達の自然に対する高ま

りを感じた。

 2017.2.8.伊勢原のSさんからヤマドリの写真が送られてきた。

大山寺の下で出会ったと言う。グリンハートスクールの先生をし

てくれた人だ。

私、石割り山の旧登山道を登り、同じ道を下山した時、足元に

尾羽が落ちていた。山に居る間にヤマドリが通り、尾羽を置い

て行ってくれたのだ。

オシドリの群れが見れるかどうか、ダム沿いの道を行く。

「ヤマドリが」と言われて見ると、フェンスの向うに・・・・

2015.12.13.に、ダムの畔でヤマドリに出会っている。

2007.12. 8.伊勢原市 グリーンハートスクールの子供たちが市の鳥ヤマドリを表現。

2006.12.8.横浜市瀬谷区成人学校で、模造紙に立体的にヤマドリを作った。

盛り上がりと よろこびが! ヤマドリが、今にも歩き出しそう・・・・・。

2017.2.8.伊勢原のSさんより ヤマドリの写真が送られてきた。大山寺下石段の登山道で撮影。シダを突いて渓谷へ歩いていったという。 私もよく歩くコースだ。

2016.7.7. 石割山旧登山道。登りには無かった。下りの時に落ちていた。ヤマドリからのプレゼント!

 

 

 

 

 

 


No. 1724 ~ 三畝塚古墳を訪ねて ~

2020年12月14日 | 日記

観察月日  2020.11.26.晴 20℃

観察場所  伊勢原市 日向新田

 行く先の景色を、何も示さぬコロナ対策では、家への閉じ

籠りも限度。以前尋ねた事を思い出し、三畝塚古墳へと出

掛けてみた。

 バスを降り西へ振り返ると、大山が大きく迫り、その山裾

が緩い斜面となって足元まで続き、広々とした田園を作り

上げている。行く先は渋田川にそそぐ名も無き小川沿いの

道を、私は北に向かい、古墳を目指して歩いている。

 以前来た時には田んぼがそろそろ終わる頃、右側の荒れ

野の中にそれらしいものが感じられ、草を搔き分け行った

記憶が残っているがそれらしい気配が感じられない。気が

付いて見たら、新しい家が立ちその陰になっていた。

 古墳の中心と思われる位置に植えられたエノキが大木に

成り、枝を広げて古墳を覆っている。その根元に石碑が立

っている。

 昭和35年耕地整理で農道を造る折り発見され、円墳横穴

式で、側面は直立の石積みで天井は大石で覆われていた。

6世紀頃と推定、この地方の豪族のものであったらしい。瑠

璃勾玉、直刀、金環等々出土したようで、石室は河原の石

によると言われているが、破壊され残っていないという。近

くの日向川の物であれば、緑色凝灰岩の緑模様が美しかっ

たであろうに。何処へ行ったのであろうか。

 無造作に置かれた大石には、寄り添う様にヤブランが、チャ

の花が、その表面にはハラビロカマキリの卵が産み付けられ

ていた。

大山が大きく 迫り、その山裾が足元の水田まで、続いて見える。

新しい家の陰になっていた。

古墳

石碑の文面は よく見えないい。

大石に寄りそう ヤブラン。

茶花が人里を 偲ばす。

ハラビロカマキリは何を思う。

 


No. 1723 ~ テントウムシの祭りだ ~

2020年12月05日 | 昆虫

観察月日  2020.11.8.晴 24℃

観察場所  山北町 玄倉

 「風の様に、何か顔に当たるのだけど」誰かが呟いた。

 暫く振りに、玄倉川沿いの林道を歩いている。車で玄

倉に付いた時は気温18℃、日中は24度と上がり、そ

の空気の中を同じ方向を目指して、風のように流れて

行くのは、小さな虫たちナミテントウムシであった。

 林道を歩いた始めは、左程感じない程度であったが、

進むにつれ気になる様になった。やがて林道に立つ電

柱が見えると、虫たちの流れは変わり、乱舞となり多く

の虫は電柱に着地するものの、歩き回って落ち付かな

い。最近では林道の電柱も金属製の物も現われ、そち

らの方がより集まるようだ。

 11月に入り、晴天、風なし、気温高く暖かな日、林道

を歩いていると、このような現象に出会う。私は「今日は、

テントウムシのお祭りだ」と、独り言を言ってしまう。

 殆どがナミテントウムシの集団で、越冬の為の行動と

言われるが、良くは解っていないと思われる。

 先へ進むと、サンショウの葉にアゲハチョウの5令幼

虫が2匹いた。越冬蛹に間に合うのか心配になった。

フクラスズメの5令幼虫もいたが、成虫越冬に時間が

あるのか、尚心配だ。

 シロヨメナ、リュウノウギク、ヤクシソウ、アキノキリン

ソウ、リンドウの花に秋を惜しみつつ、現在進行形の

1日を過ごす事が出来た。

暫く振りの 玄倉林道歩きだ。

風の様に ナミテントウが飛ぶ。

電柱で お祭りだ!

アゲハ5令幼虫が心配だ。

フクラスズメの幼虫も心配だ。

シロヨメナ・・・・・・・・・。

リンドウが多い。

いい空気を吸って 仲間たち。