足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1659 ~ 草原が広くていいね!(ミニ観)~

2019年07月30日 | 昆虫

観察月日  2019 7.21.曇 25.5℃

観察場所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 “ハート印カメムシ”先月の異常な産卵行動には、驚いた。今月はミズキ

の葉裏に産んだ卵を、大事に々に哺育している。

 ニイニイゼミの透き通った、その上転調を繰り返す鳴き声が頭の上から降

りて来る。「セミたちの夏が、やっと来たのだ」と思わず口走った矢先に、クモ

の網にニイニイゼミの後羽が一枚揺れていた。空間に出たばかりなのに、セ

ミからクモへと命の移行があったとは、自然は厳しいものだ。

 「ジャノメチョウをまだ写した事が無いんです!」立派なカメラを下げた (I)さん

が、私に話しかけて来た。その願いが聞えたかのように足元の草原から綺麗

な雌が飛び立ち、アザミの花に止まった。

 以前に比べると、ジャノメチョウに出会う機会が少なくなった。それは、減り行

く自然の中でも目立つのが草原で、そこは、ジャノメチョウの棲息環境だからだ。

 飛び立ったジャノメチョウは、アゲハチョウ等とは違い空へは飛ばず、草原の

上を着かず離れず波型に飛ぶ。そこは生活の総てが、行われている場所だか

らだ。

少し日差しの少ない草原では、ジャコウアゲハの飛翔が見られた。何故だろうか。

自然環境保全センターは、広い異環境の草原が用意され、生物観察には素晴ら

しい場所と言える。

今月の産卵は 正常だ

ニイニイゼミの 抜け殻が。

クモの網に 後ろ羽一枚が揺れて。

広い草原 いいね! ジャノメチョウが飛ぶ。

ジャノメチョウ ♀

少し日差しの弱い草原で ジャコウアゲハが飛んだ。 何故だろうか?

ハンゲショウの草原。

★広い草原は いいね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


No. 1658 ~ 玄倉だより (2)~ 

2019年07月27日 | 昆虫

観察月日  2019 7.14 曇時々小雨 20℃

観察場所  山北町 玄倉

 雨が降ったり止んだり、はっきりしない天侯の中、登り坂の秦野峠林道

を小菅沢橋に向かって歩き出した。

 「開会式・・ダムサイド・・集合して下さい」スピーカーの声が山にこだまし

、言葉が切れ切れになって流れて来る。

 「これ、年によってあったり、気付かなかったり」Oさんが呟く。林道のガー

ドレールに沿って、ノハラナデシコが点々と続く。花は直径1㎝、色は撫子

色、花弁に白い斑点があり美しい。その小さな花弁の上に雨水が、小さな

水晶玉を造っている。

 穂が出るにはまだ早いススキの繁みが続く。雨粒の付く葉表の裏を覗く

Rさん。「成虫は光らないオバボタルが。雨宿りかな?」

隣のススキの葉表には、セマダラコガネがいた。葉にもコガネの背羽にも、

雨粒がついている。この昆虫は濡れても気にならないらしい。

 雨を避けた場所にある1本のススキには、黒く艶のある立派な触肢を 持つ

ワカバグモの雄がいて、上方に向い盛んに振り回す。見ると上には雌がいて、

求愛ダンスの最中なのだ。私にはボクシングのスパーリングと重なり微笑んで

しまったが、どちらも真剣行動なのだ。     

 サルトリイバラの葉裏に、アケビコノハが静止していた。

 「これに出会いたかった!写真では知っていたが、」とWさん。「本には歩いて

いる写真が無い。載せてほしい。」と続けた。 

 聞えたのか?アケビコノハの幼虫が、歩き始めた。

ダムから スピーカーの声。

ノハラナデシコが。

オバボタル。

セマダラコガネ。

ワカバグモ

アケビコノハ。

歩き出した。

アケビコノハ が 歩く

 

 


No. 1657 ~ 玄倉だより (1)~

2019年07月25日 | 植物

観察月日  2019 7.14 曇時々小雨 20℃

観察場所  山北町 玄倉

 雨粒がフロントガラスを叩く。

 「あら!丹沢湖カヌーマラソンの→印の標示があるわ!」とRさん。私は

気付かなかったが、「車と人が溢れているのではないか?」と心配の気持

ちになった。

 玄倉に着いてみると、案の定、車と人が溢れ、元ビジターの入口には、

“満車”の立て看板が立ち車を止められず。失礼な!

 車を反転し駐車スペースを探す。Rさんが係員と話し、自然観察グルー

プの駐車場所を確保して先ずは安心。

 「ビジターセンターを早々と閉鎖していなければ、多くの人の役に立ったの

に」「公共施設の県民に対する役目とは、サービスとは?」元ビジター開館

以来の観察ボランティア仲間のひとりごと。

 元ビジターの庭のススキの茂みを覗くと、葉裏にヒグラシが雨を避けてか

、下っていた。

 林道を行くと、トンボが飛び立ち5m程のたかさの葉上に止まる。ウスバキ

トンボだ。雨に濡れ、避けずに止まっている。

 暗い林床に淡い紅色のランを見付けた。地表から少し茎をもたげた先、花は

横に筒状3cmのベニシュスラン。Wさんが「目立ち過ぎて、ラン誘拐者に会い

そう」と心配の表情。

先月見たアシナガバチの巣は、蛹は羽化した様だが成虫不在。

玄倉は,車と人で大混雑。

庭のススキの葉裏に ヒグラシが 雨を避けてか。

ウスバキトンボは 雨に濡れて。

ベニシュスラン が!

フジウツギが花を付けて。

アシナガバチノ巣には成虫がいない?

今日も 元気な 観察グループ。


No. 1656 ~ つゆの中休みに虫は 3 ~

2019年07月22日 | 昆虫

観察月日  2019 7.10.晴 25℃

観察場所  秦野市 渋沢丘陵

 

 午後になると青空は一層広がり、陽差しの時間も長くなった。嬉しいのは

私だけではなく、生き物みんながそれを感じているのだろう。

 早速道端の刈り残されたノアザミの花に、アゲハチョウが飛んで来た。暫

く振りの御馳走なのか、花の中へ伸ばしているストローに力が入っているの

が解る。

 私の気分も晴々してきたので、散策路を外れ林の中の小道に入ってみた。

春先は地表にまで陽が届いていたのだろうが、林の中は薄暗い。           

林の木々を見上げてみると、落葉広葉樹の葉は広がり、天井を作ってい

る。足元に目をやると、オオバギボウシが大きな葉を精一杯広げ、花穂

を長く伸ばし薄紫の花を付けている。

 林の中を見回すと、草や低木に覆われ、その上を着きつ離れつ飛ぶ

キチョウが目に入った。

 「それ、キタキチョウの間違いでは!」の声が聞こえそう・・。

 「今日から、キチョウではなく、キタキチョウと呼びますよ」と指導員。

何の疑問も質疑も無かった或る日ある時のある観察会の一駒。これで

いいのか?私の頭の片隅に残っている。これは、又の機会に。     

ネムノキの幼木の葉先に一瞬止まり、すぐ舞い上がって再び止まり腹

部を曲げて産卵、後、飛び上がった。葉先には命が宿った白く輝く卵が

目に焼き付いた。

キチョウも今日の晴れ間を待っていたのだ。

午後になっても晴れ間、陽も差す。

ノアザミにアゲハチョウが やって来た。

散策路を離れて、林の中の小道へ。

林床を キタキチョウが飛ぶ。

ネムノキの幼木の葉に 産卵。

飛び立った跡に 卵が見える。

 

ルーペで見ると。

 


Mo. 1655 ~ つゆの中休みに虫は 2 ~

2019年07月19日 | 昆虫

観察月日  2019 7.10.晴 25℃

観察場所  秦野市 渋沢丘陵

 スーパーを覗いてみると、キュウリやナスの値段が高い。家の

菜園のナスやキュウリもならない。日照不足でナスは枯れそうだ。

庭で余暇に作っている遊び百姓は良いが、本業の農家の人にとっ

ては大変な事だ。

 畑では、種が終わったナタネの枯れた株が、山積みされている。

暫く振りの晴れ間に、農家の人も出て来て畑仕事に忙しそうだ。

それを見ながら舗装された道路を行くと、右から降りる丘を石済み

で止め、その上からコマツナギの茎が道路へ30cm程下がる様

に伸びている。葉の脇から赤紫色の花穂が立ち上がり、私の足

を止めた。

「出会ったのは、暫く振りの気がする」今日は囁く相手のいない

独り言だ。でも、空気の振動が伝わったのか、1匹のルリシジミ

がそれに応えて飛び立った。

 私はシジミチョウを目で追った。チョウは細かな羽ばたきで、

頭上を一回りすると、赤紫の花へ止まった。私はカメラを構えフ

ァインダーを覗いた。吸蜜かと思った私の頭は、ずれていた。

 今日は暫く振りのつゆの晴れ間だ。チョウだってやらなきゃな

らない事が山積みだ。花穂の上部の蕾に、腹部を曲げて押し当

て、探りながらの産卵を始めた。チョウは産卵し、葉上で休み、花

で吸蜜し、再び産卵し・・・半日程続いた。チョウもつゆの晴れ間

を、ずっと待っていたのだ。

つゆの晴れ間に、農家の人も忙しそう。

石積みの土手に コマツナギの花が!

空気の振動で ルリシジミが飛び立った。

そして産卵を 始めた。

蕾と蕾の間に 丁寧に産み込まれた 卵。

可愛い一令幼虫もいた。