「厳重注意、三菱自動車の記者会見」
少し前だが、親友のブログ「Sam'sダイアリー」に、ダイハツ軽4の新車を購入したと書いてあった。それは良かったねと思って購入動機を読んでいたら、なんと前車の三菱EKワゴンのミッショントラブルで店の対応が最悪だったので、ダイハツに買い替えたとある。今時、こんな四輪販売店があるのかと唖然として読んだが、何か釈然とせず気になっていた。ところが、20日の新聞各社の電子版に「三菱自動車へ厳重注意、国交省、リコール対応等で」と報道されている。国交省によると、「三菱自動車側からエンジンが停止する前に油圧の警告ランプがつくという説明を当初は受けていたものの、後からエンジンが停止するまでランプが点灯しないケースがあったと報告してきたり、三菱自の社内調査でエンジンオイルが70分で漏れるという結果が出ていたにもかかわらず、「徐々に漏れる」という曖昧な説明をされたりしたという。」 つまり、SamさんのEKワゴンと同じ、エンジンからのオイル漏れという重大不具合に対する品質認識が極めて甘かった。更に悪く言うと、品質不具合の深刻さが既に判明していたのに顧客にも、報告義務のある国へも隠した。
やはり、「企業体質はそんな変わり得ず、期待するほうが無理か?」と改めて痛感した。
Samさん(エンジン開発の経験豊富な技術者)の三菱車不具合を簡単に書くとこうだ。
「『EKワゴン』は購入して9年目になるが 8月に車検を受けたばかりで、運転は娘と家内のみ。買って1度も「高速道路」を走ったことがない。走行距離は『53,421km』『この距離でトランスミッションが壊れるか???』 整備担当者から故障の経緯説明があったが当然納得がいかない。走行距離も少なく チョイ乗り程度の車が!!!そして 最終的に 『どうされますか? 修理されますか?』その値段が42万円。
「チョッと待て!!!』 これが走らないにしても「高速道路」で故障していたら『大事故になっていたかも知れないのに!!! ・・・その言いぐさはないやろ!!』
これまで、エンジンのオイル漏れで「オイルシール」交換5万円弱、これも今まで経験したことが無い。
~で なんだかんだで 今回の『ダイハツ ムーブ』 になったわけ。 『ミツビシ』は懲りた。いろんな意味で!!!」
知らぬ存ぜぬで、責任を顧客に押しつけていたが、結局、不具合が明らかになり、三菱自動車に対し、国土交通省が異例の口頭による厳重注意に踏み切った。2000年の自動車業界始まって以来の大不祥事(リコール隠し)トラブルが続く体質が改善されていない点を重視され、経営危機を経ても教訓を生かせず、意識改革が進まない深刻な事態に陥っている、と報道されている。
メーカは販売店からの不具合報告が来なければ不具合など知り得ないが、少なくとも顧客に責任はないはずで、どこに市場不具合票が飛んで消えるのだろうか。自動車も機械製品だから100%壊れない等とは言い切れないので、3σ、はたまた6σの品質基準を設けて生産するものの、不具合防止は100%できない。そのために、設計や製造に纏まった責任が認められれば早急な市場対応が義務づけられ、個別の市場対応をせざる得ないケースだって十分にある。その対応を確実に行うことで顧客との信頼性を築いてきたのが自動車業界の歴史。
自動車業界は日本の経済界を牽引するリーダー格であり、常にその動向は注目され続けてきた。
それまで市場から何ら問題視されなかった自動車業界へ信頼性を崩したのが、一自動車メーカの汚点に端を発した、2000年の三菱のリコール隠し。その後、自動車業界は業界全体の問題として捉え、市場からの信頼を再度取り戻すべく、その期待に真摯に応えるべく対応を採ってきた。例えば、品質に関する部門を会社組織の筆頭に置いている企業が多いのも、その表れでもある。市場で発生した問題、特に市場不具合は経営トップが周知すべき事として内規に盛り込まれているはずだし、市場不具合対応もトップの早急な判断が求められてきた。
その当時の状況を以前のブログ「不祥事」にも書いているので再掲してみると、『当時、「三菱のリコール隠し」は刑事告発までに発展し、国交省はリコール監査を全自動車メーカに対して徹底的に実施した。三菱より遥かに事業規模の大きいトヨタ、日産からリコール隠しに類する不祥事等は聞いたこともなく、ルールに基づいた対応さえしておれば特段に問題となるものではなかったのだが。
三菱自動車は三菱重工業の関連企業だったこともあり、重工業と名のつく傘下企業は更に詳細に調査されたようだ。
重工業と名のつく企業は同質の問題を内在させていると邪推されたのだろうか。当時社長が言っていた「川崎は重工業でも柔らか頭の柔工業です」と冗談を言いながら監査をうけた。それでも、担当以前の過去の言質や不具合の流れ等をしつこく調査された記憶がある。結局、三菱自動車以外からはリコール隠しに類する指摘はなかった。
三菱自動車のリコール隠しの本質は当時新聞等に詳細に報告されており、公表された一部を記述すると、
「元々持っていた三菱自動車の企業風土に加え、開発過程での品質テストがおろそかになった」、「部門間の人事異動が乏しいため、相互チェックが働かない」「三菱のディーラーは与えられたノルマをこなすだけで、接客態度もよくなく、市場不具合の流れが確立されていない」「「命令―服従」の組織構造においては、部下が自社の反倫理的情報を収集しても、それが上司によって強圧的に抑圧されたり、また上司がそれを故意に聞き流したりして既存の情報網から濾過してしまう可能性があった」
つまり、三菱自動車のリコール隠しは、徹底した縦割り社会が形成された中で、部門毎の情報の抱え込み、つまり官僚的な要素を強く持った企業だった事に加え、事業トップが市場不具合を認めない等々がリコール隠しの主因と分析されていた。』
つまり、今回の不具合は一企業の固有の体質だろう。
三菱自動車は2000年、長期間にわたる組織的なリコール隠しが明らかになり当時の社長が辞任。この後グループ会社のトラックが脱輪事故を起こし、04年に2度目のリコール隠しが発覚。2件の事故では、元社長らが業務上過失致死罪などに問われ、有罪判決が確定。うち1件を巡っては東京高裁が「リコールをしていれば事故を防止できた」と指摘した。さらに、90件以上の欠陥隠しを繰り返していたことが04年から05年にかけて次々と判明。リコールの対象車両は延べ250万台以上に上り、消費者の三菱車離れから経営危機に陥った経緯がある。三菱自動車は「お客様第一」「安全第一」を掲げ、品質を統括する専門部署などで対応する姿勢をみせてきたが、リコールの認定範囲を渋ったり不具合を過小評価したりする体質が変わっていないことが今回改めて露見した形となった。如何に経営トップが代わっても同じ企業内でたらい回しする限りは、体質は変わり得ないことを今回の事例は示している。
今の日本市場に限ることではないが、ユーザーと企業との密接な接点をどのように具体的に構築していくかが問われ、いち早くユーザの信頼を勝ち得た企業が勝組みとなっている。例えば、日本の自動車販売店では、既にハード(商品)を店頭には並べず、遊び等のサービスを主体に販売を展開しているメーカもあって、ユーザから好評を得ている。ハードを主体にすると、どうしても鼻の差の競い合いに目が行き易く欠点を隠そうとなり易いが、そんなことより、ユーザーの興味は企業に対する信頼性の高さにある。
少し前だが、親友のブログ「Sam'sダイアリー」に、ダイハツ軽4の新車を購入したと書いてあった。それは良かったねと思って購入動機を読んでいたら、なんと前車の三菱EKワゴンのミッショントラブルで店の対応が最悪だったので、ダイハツに買い替えたとある。今時、こんな四輪販売店があるのかと唖然として読んだが、何か釈然とせず気になっていた。ところが、20日の新聞各社の電子版に「三菱自動車へ厳重注意、国交省、リコール対応等で」と報道されている。国交省によると、「三菱自動車側からエンジンが停止する前に油圧の警告ランプがつくという説明を当初は受けていたものの、後からエンジンが停止するまでランプが点灯しないケースがあったと報告してきたり、三菱自の社内調査でエンジンオイルが70分で漏れるという結果が出ていたにもかかわらず、「徐々に漏れる」という曖昧な説明をされたりしたという。」 つまり、SamさんのEKワゴンと同じ、エンジンからのオイル漏れという重大不具合に対する品質認識が極めて甘かった。更に悪く言うと、品質不具合の深刻さが既に判明していたのに顧客にも、報告義務のある国へも隠した。
やはり、「企業体質はそんな変わり得ず、期待するほうが無理か?」と改めて痛感した。
Samさん(エンジン開発の経験豊富な技術者)の三菱車不具合を簡単に書くとこうだ。
「『EKワゴン』は購入して9年目になるが 8月に車検を受けたばかりで、運転は娘と家内のみ。買って1度も「高速道路」を走ったことがない。走行距離は『53,421km』『この距離でトランスミッションが壊れるか???』 整備担当者から故障の経緯説明があったが当然納得がいかない。走行距離も少なく チョイ乗り程度の車が!!!そして 最終的に 『どうされますか? 修理されますか?』その値段が42万円。
「チョッと待て!!!』 これが走らないにしても「高速道路」で故障していたら『大事故になっていたかも知れないのに!!! ・・・その言いぐさはないやろ!!』
これまで、エンジンのオイル漏れで「オイルシール」交換5万円弱、これも今まで経験したことが無い。
~で なんだかんだで 今回の『ダイハツ ムーブ』 になったわけ。 『ミツビシ』は懲りた。いろんな意味で!!!」
知らぬ存ぜぬで、責任を顧客に押しつけていたが、結局、不具合が明らかになり、三菱自動車に対し、国土交通省が異例の口頭による厳重注意に踏み切った。2000年の自動車業界始まって以来の大不祥事(リコール隠し)トラブルが続く体質が改善されていない点を重視され、経営危機を経ても教訓を生かせず、意識改革が進まない深刻な事態に陥っている、と報道されている。
メーカは販売店からの不具合報告が来なければ不具合など知り得ないが、少なくとも顧客に責任はないはずで、どこに市場不具合票が飛んで消えるのだろうか。自動車も機械製品だから100%壊れない等とは言い切れないので、3σ、はたまた6σの品質基準を設けて生産するものの、不具合防止は100%できない。そのために、設計や製造に纏まった責任が認められれば早急な市場対応が義務づけられ、個別の市場対応をせざる得ないケースだって十分にある。その対応を確実に行うことで顧客との信頼性を築いてきたのが自動車業界の歴史。
自動車業界は日本の経済界を牽引するリーダー格であり、常にその動向は注目され続けてきた。
それまで市場から何ら問題視されなかった自動車業界へ信頼性を崩したのが、一自動車メーカの汚点に端を発した、2000年の三菱のリコール隠し。その後、自動車業界は業界全体の問題として捉え、市場からの信頼を再度取り戻すべく、その期待に真摯に応えるべく対応を採ってきた。例えば、品質に関する部門を会社組織の筆頭に置いている企業が多いのも、その表れでもある。市場で発生した問題、特に市場不具合は経営トップが周知すべき事として内規に盛り込まれているはずだし、市場不具合対応もトップの早急な判断が求められてきた。
その当時の状況を以前のブログ「不祥事」にも書いているので再掲してみると、『当時、「三菱のリコール隠し」は刑事告発までに発展し、国交省はリコール監査を全自動車メーカに対して徹底的に実施した。三菱より遥かに事業規模の大きいトヨタ、日産からリコール隠しに類する不祥事等は聞いたこともなく、ルールに基づいた対応さえしておれば特段に問題となるものではなかったのだが。
三菱自動車は三菱重工業の関連企業だったこともあり、重工業と名のつく傘下企業は更に詳細に調査されたようだ。
重工業と名のつく企業は同質の問題を内在させていると邪推されたのだろうか。当時社長が言っていた「川崎は重工業でも柔らか頭の柔工業です」と冗談を言いながら監査をうけた。それでも、担当以前の過去の言質や不具合の流れ等をしつこく調査された記憶がある。結局、三菱自動車以外からはリコール隠しに類する指摘はなかった。
三菱自動車のリコール隠しの本質は当時新聞等に詳細に報告されており、公表された一部を記述すると、
「元々持っていた三菱自動車の企業風土に加え、開発過程での品質テストがおろそかになった」、「部門間の人事異動が乏しいため、相互チェックが働かない」「三菱のディーラーは与えられたノルマをこなすだけで、接客態度もよくなく、市場不具合の流れが確立されていない」「「命令―服従」の組織構造においては、部下が自社の反倫理的情報を収集しても、それが上司によって強圧的に抑圧されたり、また上司がそれを故意に聞き流したりして既存の情報網から濾過してしまう可能性があった」
つまり、三菱自動車のリコール隠しは、徹底した縦割り社会が形成された中で、部門毎の情報の抱え込み、つまり官僚的な要素を強く持った企業だった事に加え、事業トップが市場不具合を認めない等々がリコール隠しの主因と分析されていた。』
つまり、今回の不具合は一企業の固有の体質だろう。
三菱自動車は2000年、長期間にわたる組織的なリコール隠しが明らかになり当時の社長が辞任。この後グループ会社のトラックが脱輪事故を起こし、04年に2度目のリコール隠しが発覚。2件の事故では、元社長らが業務上過失致死罪などに問われ、有罪判決が確定。うち1件を巡っては東京高裁が「リコールをしていれば事故を防止できた」と指摘した。さらに、90件以上の欠陥隠しを繰り返していたことが04年から05年にかけて次々と判明。リコールの対象車両は延べ250万台以上に上り、消費者の三菱車離れから経営危機に陥った経緯がある。三菱自動車は「お客様第一」「安全第一」を掲げ、品質を統括する専門部署などで対応する姿勢をみせてきたが、リコールの認定範囲を渋ったり不具合を過小評価したりする体質が変わっていないことが今回改めて露見した形となった。如何に経営トップが代わっても同じ企業内でたらい回しする限りは、体質は変わり得ないことを今回の事例は示している。
今の日本市場に限ることではないが、ユーザーと企業との密接な接点をどのように具体的に構築していくかが問われ、いち早くユーザの信頼を勝ち得た企業が勝組みとなっている。例えば、日本の自動車販売店では、既にハード(商品)を店頭には並べず、遊び等のサービスを主体に販売を展開しているメーカもあって、ユーザから好評を得ている。ハードを主体にすると、どうしても鼻の差の競い合いに目が行き易く欠点を隠そうとなり易いが、そんなことより、ユーザーの興味は企業に対する信頼性の高さにある。
とっくに車は手元にありませんが、実費で交換したので請求します。
しかし、「ミッション」が壊れた時も、「メーカーに問い合わせする」と言いながら、
「ダイハツ」が下取車として引き取りに行くと、何も言わずに渡していました。
本来であれば、壊れた「ミッション」を「メーカー」に送り、調査するのが当然と思っていましたので
販売店の対応も疑います。・・・と言う事情で「ダイハツ」にしました
今は腹立たしい思いです!!!
当たり前のことだが、社会では信頼が大切です。
人倫に反する行動は必ずしっぺ返しがあります。世間はうまくできている。
こんな会社が今だ存続しているのが不思議ですね。
水増し請求といい、この系列はどうかしていますよ。