野々池周辺散策

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2017年もKTMの勝利に終わった、AMAスーパークロスレース

2017-05-08 06:11:28 | モータースポーツ
2017年AMAスーパークロスレースは5月6日の最終戦ラスベガスをもって終了した。
今年のチャンピオンは欧州KTMのワークスライダー#1R.Dungey選手となったが、その最終戦は見応えあるものだった。このレースで優勝してもR.Dungey選手の位置次第ではチャンピオンを獲得できない瀬戸際に追い込まれていたKawasakiワークス#3Eli Tomacs選手と、一方、R.Dungeyは9ポイントのマージンを上手く使ったら良いので圧倒的に優位な位置にいる。ポイント差で圧倒的に優位なR.Dungeyだが、E.Tomacsとの最終戦はお互いに相譲らず、両者息詰まるレース展開にパソコン画面にくぎ付けになった。これがチャンピオン争いの醍醐味だろう。良いレースを見せてもらった。
  450SX Highlights: Las Vegas Finals - Monster Energy Supercross 2017
  
   

結局、2017年スーパークロスレースは終了し、その結果をマシンメーカー毎に総合順位づけるすると、1.KTM,2.Kawasak,3.KTM,4.Husqvarna,5.KTM,6.KTM,7.Honda,8.Husqvarna,9.Yamaha,10.Kawasakiとなった。KTMとHusqvarnaは兄弟会社でマシンの基本仕様はほとんど同じなので、上位10位中にKTM/Husqvarna連合軍が6車を占め、昨年の上位10位のマシン中KTM/Husqvanaが4車だったことを勘案すると、世界のモトクロスレースの最高峰クラスにあるスーパークロスレースでは完全に欧州車が制覇した。これで、モトクロスを筆頭とするオフロード車のカテゴリーでは、かって昔の王者だった日本メーカーを蹴散らし、欧州マシンの頂点が揺るぎないものとなり、名実とともに、欧州社の優秀性を示す結果となった。

モトクロス専門誌「Motocross action」誌や「DIrt Bike Magazine」誌の評価においても、ここ数年のNo1マシンは欧州のKTMマシンであることを思えば、モトクロスの世界の頂点に立つのはごく自然の道だったのかもしれない。モトクロスのバイクは二輪の原点の一つである競争するために、そのレースに勝つためだけに、開発販売されるマシンだから、技術的合理性にそって設計されている。本来、技術的合理性の追及は日本の二輪企業が得意とするところで、その技術的優劣を競うレースに勝つことで、日本企業は、その優秀性を世界中に認知されてきた歴史がある。その日本企業が左程の規模にない欧州企業に頂点を奪われ続けて5年、モトクロスバイクを開発しつづけた日本の優秀な技術者達は悔しくないのだろうか。一般的なオンロードバイクは複数年度の期間を置いて仕様変更される事が多く、各社の谷間に販売された最新バイクはベストバイクになることが概して多いのとは異なり、モトクロスバイクは勝つために毎年、大変更もしくは小変更なりの改良をされて市販されるので、毎年各社の取組や技術力が問われる。ましてやモトクロスバイクの大市場である、アメリカ市場に焦点を合わせて開発されているので、雑誌社の評価ライダーも真剣になって甲乙をつけざるを得ない。そんな厳しい環境で、KTM の優秀性は証明され続けてきた。

話は変わるが、「トヨタも勝てない「スズキ」インド戦略の要諦」に、ブランディングを確立するためには、「独自性と持続性」「伝説(ストーリー)」「希少性」の3要素が必要と書いている。技術的合理性が求められるレースの世界で、圧倒的強さをもってその「独自性」を確保し、その強さの結果から得られた「伝説」によって世界中の多くのユーザーやファンに支持されてきた日本企業はこれからどの方向に進むんだろう。
コメント
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