ルーツな日記

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ノラ・ジョーンズ探検隊 その12

2017-04-13 17:39:05 | ソウル、ファンク
ADAM LEVY / GET YOUR GLOW ON

初期ノラ・ジョーンズのギタリストと言えばアダム・レヴィ。ハンサム・バンドのリード・ギタリストとして、ノラ・ジョーンズの歌世界をサポートしてきました。1st作「Come Away With Me」から、3rd作「Not Too Late」まで参加していますが、スタジオ作以上にライヴDVD作品などで見せるジャジー&ブルージーなギター・プレイは、ノラのスモーキーな歌声と共に、初期のライヴ・サウンドをビターに彩る要となっていました。私はハンサム・バンド時代のノラのライヴを観ていないので、今となってはそれが悔やまれてなりません。ビデオで見られる、口を半開きにしながら官能的にソロを弾くアダムの姿、より感情が入ってくると舌をベロっと出しながら陶酔的にソロを弾く彼の姿は、そのエモーショナルな音色と共に、個人的にノラのライヴにおける見所の一つだったんですけどね。

さて、アダム・レヴィは、ノラとはデビュー作から関わっている最初期メンバーですが、そのデモ録音ともいわれる「FIRST SESSIONS」には参加していなかったようですね。ですがノラ曰く、「アダム・レヴィとはニューヨークで暮らし始めた最初の日に会った」とのこと。名刺を差し出して「ギタリストが必要なら僕に声をかけて」と言ってきたとか。そして実際にライヴにギターが必要になり、ノラはアダムを呼んだそうです。しかもノラにリー・アレキサンダーを紹介したのはアダムだそうなので、「FIRST SESSIONS」の頃も、すでにノラと音楽仲間だったんでしょうね。

ちなみに、その「FIRST SESSIONS」には、ジェシー・ハリスとも関係が深く、後々までノラの音楽を影で支えるトニー・シェアーが参加していますが、このトニー・シェアーは、当時ローパドープに在籍していたセックス・モブのベーシストでして、実はセックス・モブの98年のデビュー作「Din of Inequity」に、アダム・レヴィがギタリストとして参加しているのです。当然、トニー・シェアーとアダム・レヴィは旧知の仲だったと思われるわけで、この辺りの網の目のようなNY人脈は面白いですね〜。

さて、そんなアダム・レヴィ、03年のソロ作「Get Your Glow On」です。ちょうどハンサム・バンド真っ盛りの頃の作品ですからね、しっとりとしたジャジー&ブルージー・サウンドかと思いきや、これが意外とソウル寄りなんですよ。1曲目「Bib Front」からホーン隊が彩るファンキー・グルーヴ。ドラムはメンフィス・ソウルの敏腕スティーヴ・ポッツ!! ゴフィン&キング「No Easy Way Down」はホームズ・ブラザーズの参加を得て滋味溢れるサザン・バラードに。ボブ・ディランのカヴァー「Tonight I`ll Be Staying Here With You」はオーティス・クレイがディープ・フィーリングを散らつかせながら爽やかに歌う。良い塩梅に鳴るオルガンはノラ・ジョーンズ作品でもお馴染みのロブ・バーガー。ミーターズからの影響を伺わせる「Trash-Talking Pixie」や、待ってましたのブルージーなスロー「Pursuit of Happiness」など、インスト曲も味わい深い。全体的な印象として適度にポップな仕上がりですが、そんななか、ノラ・ジョーンズがエルヴィス・プレスリーの「Love Me Tender」をしっとりと歌い上げる。効きますね〜。魔法の様です。やっぱりノラの歌声が入ると、グッと染み入ります。

もちろん主役アダム・レヴィのギターもそこかしこで絶品のフィーリングを聴かせてくれます。エレキ・ギターによるブルージーなソロや、軽快なバッキングも良いですが、「Graveyardville」や「Acoustic Glow」でのアコースティックな味わいもなかなか。プロデューサーはジェイ・ニューランド。ノラ・ジーンズの初期作品にも関わっている人ですが、ブルースにも強い人ですね。


あ〜、それにしてもアダム・レヴィがいた頃のノラ・ジョーンズを見逃したことが返す返す悔やまれます。まあ、仕方ないんですけどね…。



そんなアダム・レヴィが、なんと、ノラ・ジョーンズの来日と時を同じくして来日です!!

4月15日 Adam Levy & 井上大地 "Tangled up in Guitars 2017" @青山 CAY
4月21日 Adam Levy & 井上大地 "Tangled up in Guitars 2017" @大阪 Music Bar SORa





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