ルーツな日記

フジロックが終わり、サマソニ ブログと化しておりますが、
よろしくお願いいたします。

@東京JAZZ(Sly & The Family Stone)

2008-08-31 14:01:01 | ソウル、ファンク
東京JAZZ最終日です。今、ロベン・フォードが終わりました。この後サム・ムーア、そしてスライ! 超楽しみです。昨日に比べて席も前の方ですし。はたしてスライはどんなステージを見せてくれるのか?見届けます。



帰宅後追記:

とりあえず今日はスライについて。

*ネタばれになるので、ブルーノートへ行かれる方は読まないことをお勧めいたします。セットリストは最後につけておきます。


会場の多くがスライを観に来ていたようで、始まる前から興奮を抑えきれぬかのように手拍子が沸き起こる。そんななか客電が落ち、ファミリーストーンのバンド・メンバーがいよいよ登場。ローズ・ストーン(vo,key)が居ます。シンシア・ロビンスン(tp,vo)も居ます。ジェリー・マルティーニ(sax)も。この3人はオリジナル・メンバー。しかしまだスライは出てきません。

1曲目は彼らの出世作「Dance To The Music」。冒頭のシンシアの雄たけびが“祭”の始まりの合図のはずが、マイクがオフ気味で彼女の声がほとんど聞こえません…。頼みますよ、東京JAZZさん、いいところなんですから…。ま、セット後半からは聞こえるようになりましたけど。

さて、そんなことはお構いなしにファンキーな演奏を披露するバンドに1曲目から総立ちで盛り上がる客席。何せメンバーは違えど、伝説のファミリーストーンですからね。バンドは流石に上手かったですよ。ですがちょっと手堅すぎるかな、という感じも。もっと熱い演奏を期待していたのですが、普通に上手いバンドって感じでした。やっぱりね、ウッドストックの映像で見たようなフレディ・ストーン(g)とラリー・グラハム(g)がグルングルン踊りながら弾くみたいなのを期待するじゃないですか、ま、この二人は今のファミリーストーンに居ないんですから仕方ないですけどね…。

ですが今のファミリーには新しいストーンが居ます。それはヴォーカリストのリサ・バンクス・ストーン。ローズ・ストーンの娘さんだと思うのですが、良い声してましたね。この人がヴォーカルパートの大部分をカヴァーし、しっかりその役目を果たしていました。彼女のおかげでスライの居ないステージもだいぶさまになっていた感じです。

そして3曲目、ギタリストが「Don't Call Me Nigger, Whity」のイントロを弾き始めたとき、おもむろにスライ登場。あれ?思ったより早いな、というのが私の正直な印象。ですが早く出てくれることにこしたことはないですよね。当然湧き上がる観客。それを喜ぶスライの様子はちょっと感動的でした。よくぞ来てくれました!日本にもあなたを待ち望んでいた人が沢山いたんですよ!

ラメラメに着飾った本物のスライ・ストーン。まだ60代のはずですがかなり衰えて見えるその容姿は、隠遁時代の苦労を物語るようでもあり、何やら得体の知れない危険な香りを発散しているようでもあり、伝説の人とただ一言では済ませられない凄みを感じました。

さて、スライ登場と同時に一旦曲を止め、彼がステージ中央のキーボードに腰を下ろしたところで、あらためて「Don't Call Me Nigger, Whity」を仕切りなおし。と言うことは、もしかしたらスライ登場のタイミングは決まってないのかもしれませんね。気分しだいみたいな。それもスライらしくていいですけど。

ブルージーにアレンジされた「Don't Call Me Nigger, Whity」ではスライの声はよく聞こえませんでしたが、「Family Affair」以降はちゃんと歌っていました。正直こんなに歌ってくれるとは思っていなかったので嬉しかったです。ときおり椅子を回転させたり子供じみた気まぐれを見せたりしていましたが、それもスライらしさでしょうか?

そして我々観客はスライの一挙一動に目が釘付けになっていますから、彼が声を張り上げただけで「オー!」、立ち上がっただけでまた「オー!」って感じ。さらにスライは「Sing A Simple Song」の演奏を止めて「ヤーヤーヤー」という部分を観客に歌わせといて、自分は「Stand!」のイントロを弾き始めるみたいな。でもこれは演出として洒落てましたけどね。なにせみんなが待ち望んだ大名曲「Stand!」ですから!

今日のハイライトはやっぱり「Stand!」でしょうね。メロウな前半からカオスにファンクする後半。この曲をスライの生歌で聴けるとは、本当に感無量です。 そして「If You Want Me To Stay」を挟んで興奮の「I Want To Take You Higher」。サビの「ハーイヤー!」の部分ではスライも立ち上がってピース・サインを掲げていました。

やっぱりこの曲でのピース・サインはウッドストックの映像で彼らの虜になった私のような者にはあの場面を思い出すようで感激ですよ! 私も大声上げてピースしましたよ! まさかスライと一緒にこの曲でピースをする日が来るとは…。

そしてステージを去るスライ。彼がステージに居た時間、そうですね、だいたい35分ぐらいでしたかね。充分です。その後はバンドだけで「Thank You」。アンコールもバンドだけで「I Want To Take You Higher」のサビ部分だけをまわしながら各々のソロで見せ場を作り、そして終了。リサの突き抜けるような高音域と、ジェリー・マルティーニのタンバリン捌きが美味しかったかな。


で、結局スライはどうだったのか? よく分かりません…。もちろんパフォーマンスは衰えていますが、それは百も承知の話ですしね。それでも全盛期の片鱗はしっかり見せてくれたと思います。張り上げた声はスライ独特の艶が健在でしたし、“Higher”などここぞという時の高揚感は流石。そしてとにかくオーラが凄かった。まるでぶっとんだ仙人のような。ある種の“象徴”のような境地に達しています。でもスライはそれでいいと思います。彼の存在そのものがファンクなのですから。見れたという事実が家宝です。


1. Dance To The Music
2. Everyday People
3. Don't Call Me Nigger, Whity
4. Family Affair
5. Sing A Simple Song
6. Stand!
7. If You Want Me To Stay
8. I Want To Take You Higher
9. Thank You
- Encore -
I Want To Take You Higher

間違っていたらごめんなさい。
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@東京JAZZ(8月30日)

2008-08-30 18:14:26 | フェス、イベント
東京JAZZを観にきています。ハンク・ジョーンズ&ロン・カーターの交響楽団との共演が素晴らしかった!もちろん上原ひろみも。これから夜の部です。やっぱりソニックブルームが楽しみです。ライヴ・レポはまた後程。



帰宅後追記:

HIROMI'S SONICBLOOM は期待通りの素晴らしさでした。でも今日のベスト・アクトはリシャール・ガリアーノ、もしくはミシェル・カミロ。この2組は他を圧倒するほどに素晴らしかったです! どちらか一方を選ぶのはちょっと難しいです。ちゃんと予習して行ったのですが、期待を遥かに超える素晴らしさ。百聞は一見にしかずとはこのことですね。情熱的な演奏と肉感的なリズムに興奮しまくりでした! 世界は広いですね。詳しいレポはまた後日。さて、明日はスライです!

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東京JAZZ予習:スライ&ザ・ファミリー・ストーン

2008-08-30 10:29:06 | ソウル、ファンク
Sly & The Family Stone / Stand!

東京JAZZ予習特集第6弾にして最終回、スライ&ザ・ファミリー・ストーンです!

やっぱり何と言っても今回の東京JAZZ、我々黒人音楽ファンにとっての最大の関心事はスライ・ストーンですよ! それも音楽そのものより、まずスライは本当に来るのか? 仮に来たとしてステージに上がるのか? さらに上がったとして何分間ステージ上に居るのか? 期待より不安のほうが圧倒的に多かったりします…。

さて、スライ・ストーンはジェイムズ・ブラウンと並び証されるファンクのオリジネイター。黒人白人、男性女性が混同したファミリー・ストーンを結成し、ロックとファンクを結びつけ、西海岸のドラッグカルチャーの空気を吸った新しいブラックミュージックを作り上げた偉人です。ですがそのファンキー振りはドラッグ癖での逮捕暦はもちろん数々の奇行でも知られたり…。

で、最近のスライと言えば、何と言っても06年のグラミー賞ですよね。豪華ゲスト達が次々にスライの代表曲を歌い継ぎ、最後にスライ本人が登場。80年代後半から姿を消していたスライですから、およそ20年振りぐらいの大舞台への復帰だったのではないでしょうか。ラメラメの服にモヒカンという姿は衝撃的でした。しかもステージに居た時間が短かった…。

その後も、フェスへの出演やツアーなどをこなしていたようですが、バック・バンドに任せ、本人は20分程度しか出てこなかった…、なんて日もあったらしく、相変わらずスライらしい奇行振りのようです。

さて、気になるのはそのバック・バンド。現在ブルーノートのサイトにアップされている来日メンバーはこんな感じ。

スライ・ストーン(ヴォーカル、キーボード)
ローズ・ストーン(ヴォーカル、キーボード)
リサ・バンクス・“ストーン”(ヴォーカル)
アンソニー・ステッド(ヴォーカル)
シンシア・ロビンソン(ヴォーカル、トランペット)
マイク・リンタ(トロンボーン)
ジェリー・マルティーニ(サックス)
トニー・イェーツ(ギター)
ピーター・イェーツ(ベース)
レミリオン・“スパイダー”・デュボース(ドラムス)

残念ながらオリジナル・メンバーのフレディー・ストーン(g)、ラリー・グラハム(b)、グレック・エリコ(ds)はいませんよ。もちろんアンディ・ニューマークも。だからといってまるっきり別バンドかと言われるとそうでもなかったり。

シンシア・ロビンソンはスライがファミリー・ストーン結成前から活動を共にしていた女性トランペッター。特徴的なカナキリ声である意味ファミリー・ストーンの顔的存在。そしてジェリー・マルティーニもオリジナル・メンバー。ローズ・ストーンはスライの妹でやはりオリジナル・メンバー。ちなみにリサ・バンクス・“ストーン”はローズの娘さんですかね?

この“ストーン”ですがスライの本名ではありません。本名はシルヴェスター・スチュワート。“ストーン”という言葉はドラッグを連想させるそうで、こんな名前を名乗るスライは流石といったかんじ。ですが彼の親族が皆“ストーン”を名乗るというのはどうなんですかね? ま、流石はファミリーな“ストーン”と言うことですかね。

その他のメンバーについては、残念ながら私はよく知りません。ですが私はめちゃくちゃ楽しみです! スライのバンドが悪かろうはずはありませんし、仮にスライ本人が20分しか出てこなくても、フェスの持ち時間を考えれば万々歳です。その前に本当に来るのか?入国できるのか?という不安はありますけどね…。

ですがね、もう出る出ないに限らず楽しみましょうよ! お祭りみたいなものですから。「Stand!」、「Everyday People」、「Sing A Simple Song」、「Thank You」、「I Want To Take You Higher」、「Love City」といった名曲が聴けるんですから。何より「Dance To The Music」冒頭でのシンシア・ロビンソンの煽りが生で聴ければそれで充分ですよ!

いよいよ明日です。いろんな意味で伝説を作ってください! それがスライです!
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@東京JAZZ(DANIEL POWTER)

2008-08-29 19:40:12 | SSW
またまた東京JAZZ CUICUIT に来ています。今日は丸ビル。先程エリック・ダリウスが終わりました。これからダニエル・パウターです。正直あまりよく知りません…。なので今回は3階から観てみることにしました。なかなか壮観です。


帰宅後追記:

エリック・ダリウスは残念ながらバックはカラオケでした。ですが彼のサックスは素晴らしかったです。もし生バンドだったら相当気持ち良いだろうなと思わせる快演でした。アリシア・キーズの「If I Ain't Got You」も演ってました。サックスで聴くこの曲もなかなか。やはり名曲ですね。

ダニエル・パウターは流石に人気がありました。吹き抜けの5階まで観客で埋まってました。エレピの弾き語りで数曲。大ヒット曲「Bad Day」も演りました。いい曲ですね。他の曲では最前列の女性客を1人ステージに上げ、自分の隣に座らせながら歌うというサービルも。突然そんな境遇に置かれた女性は感激のあまり涙を流していたようです。アンコールも有りで、グランド・ピアノの弾き語りで1曲歌ってくれました。無料ライヴですから30分程の短い時間だったと思いますが、ナイスガイな若々しさが爽やかなライヴでした。もちろん歌も良かったです!

私はこの後、国際フォーラムのネオ屋台村に行ってセク・ケイタSKQのライヴを観るつもりだったのですが、雨が酷かったので諦めました…。

さて、東京JAZZの本編は今日から始まっていますが、私は明日からです。ちょ~楽しみです。それにしても関連イベントを連日見たり、梯子したり、フェスっぽくて楽しいです!


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東京JAZZ予習:デヴィッド・サンボーン

2008-08-29 15:27:53 | ジャズ
DAVID SANBORN / HERE AND GONE

東京JAZZ予習特集第5弾、デヴィッド・サンボーンです!

8月29日、30日、31日の3日間、東京国際フォーラムで開催される『東京JAZZ2008』。その3日間連日で登場するのがデヴィッド・サンボーン。まさに今年の東京JAZZの顔ですね。

私も今まで観たい観たいと思いながらチケ代が高かったりでなかなか観に行けなかったデヴィッド・サンボーン。ついに生であのアルト・サックスを聴く日が来ました。超楽しみです!


さて、今年リリースされたデヴィッド・サンボーンの最新作「HERE AND GONE」。これは素晴らしいです! デヴィッド・サンボーン流のソウル/ブルース・アルバムと言ってもいいような作品。1曲目「St. Louis Blues」からサックスがブルージーに歌いまくります。

そしてゲストが凄い。まず「I'm Gonna Move to the Outskirts of Town」でエリック・クラプトンがギターと歌で参加していることにはさほど驚きませんが、「Brother Ray」でサンボーンのサックスにスライド・ギターで絡むのはなんとデレク・トラックス! これはクラプトン繋がりでしょうか?

そして「I Believe To My Soul」を歌うのはジョス・ストーン! このジョスの歌がいい! 私はこの曲大好きです。オリジナルはレイ・チャールズですが、私はダニー・ハサウェイのヴァージョンで好きになりました。ジョスの歌にはダニーのような高揚感はありませんが、彼女ならではのブルージーな味わいが堪らなく良いです。

さらに最後の曲「I've Got News For You」を締めるのはサザン・ソウル・レジェンドのサム・ムーア。ハリのある高音ヴォイスでジャズ・ブルースを貫禄たっぷりに歌っています。

ですがサンボーン節に本当にやられるのは派手なゲスト参加なしの「Basin Street Blues」や「What Will I Tell My Heart」といったスロー・ナンバーだったりします。ブルーに泣きまくるサックスの音色はため息ものです。

ちなみにプロデュースはかのフィル・ラモーン。ソウル/ブルースと言ってもさほど濃くなりすぎず、ジャズ・テイストをしっかり残した上で必殺のサンボーン節を炸裂させるという憎い仕上がりになっています。バックにはスティーヴ・ガット(ds)、クリスチャン・マクブライド(b)といったお馴染みの人達が参加しています。

92年のファンキーな傑作「UPFRONT」でサンボーンを好きになった私にとっては、前作「CLOSER」では若干“枯れ”を感じもしましたが、いやいやまだまだ流石はデヴィッド・サンボーンですよ! ブルースじゃなくてファンキーなのが聴きたかったとおっしゃる方々も沢山いらっしゃるかと思いますが、ブルージーに吹きまくるサンボーンもかなりファンキーですよ!


さて、ブルージーと言えば、今年の東京JAZZにはロベン・フォードが出演します。彼はバター・フィールド・ブルース・バンドのマイク・ブルームフィールドに憧れてギターを志したそうですが、実はデヴィッド・サンボーンは一時期そのバター・フィールド・ブルース・バンドに在籍していました。もちろんソロ・デビュー前の話です。と言ってもブルームフィールド脱退後のバターフィールド・ブルース・バンドですけどね。ちょうど彼等がオーセンティックなブルースからの脱却を図っていた頃で、ブラス・ロックの先駆けと評価される67年の3rdアルバム「THE RESURRECTION OF PIGBOY CRABSHAW」の完成にサンボーンも一役かってるんですよね。そして69年にはこのバンドでかのウッドストック・フェスにも出演してたり。

サンボーンは今でこそフュージョン界の顔ですが、デビュー前にはリトル・ミルトンのバンドに在籍していたり、10代でアルバート・キングと共演したりと、そのルーツは意外とブルースなのかもしれませんね。

東京JAZZでもそんなブルージーなブロウを響かせてくれることでしょう。やっぱり彼を堪能するなら金曜日の『MASTERS' GALA』でしょうね。残念ながら私はその日は行けないんですけど。私が観れるのは土曜日のハンク・ジョーンズとの共演。『GREAT AMERICAN STANDARDS』ということなのですが、どうなんでしょう? やっぱりブルージー&ソウルフルなプレイが聴きたいですね~! 「HERE AND GONE」収録曲も充分スタンダードだと思うので、よろしくお願いします…。

そして気になるのはサム・ムーアとの共演は有るのか?ま、あまり期待せずに臨みましょう。とにかく楽しみです!


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@東京JAZZ(at GINZA APPLE STORE)

2008-08-28 19:15:49 | フェス、イベント
はい、また東京JAZZ CIRCUIT 2008 に来ています。今日は銀座アップル・ストアー・3Fです。今、トーマス・エンコ・カルテットが終わったところ。ドラムが格好良かったです。これからフレドリカ・スタール。殆ど追っかけです。
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東京JAZZ予習:サム・ムーア

2008-08-28 14:35:11 | ソウル、ファンク
SAM & DAVE / THE ORIGINAL SOUL MEN(DVD)

東京JAZZ予習特集第4弾は、サザン・ソウル・レジェンド、サム・ムーア!!!!

もう説明不要ですが、ちょろっと書いておきますか。1935年フロリダ州マイアミ生まれ。61年にデイヴ・プレイターと共にサム&デイヴを結成。62年にデビュー。65年にはメンフィスのスタックス・レコードと契約。(正確にはアトランティックからスタックスに預けられたそうですが。)「ホールド・オン」「ソウル・メン」などのヒットを飛ばし、オーティス・レディング達とスタックスの黄金時代を築き上げます。またそのエキサイティングなパフォーマンスからかダブル・ダイナマイトなどと呼ばれたり。81年に解散。さらに残念ながらデイヴは交通事故で88年に亡くなられています。

サム&デイヴ解散後のサム・ムーアは、そこかしこでそのレジェンドなオーラと衰え知らずの歌唱力で存在感を示してきましたが、ソロ・アルバムを発表したりといった大々的な活動は無く、彼の活躍を期待するソウル・ファンをやきもきさせていました。ですが06年に豪華ゲストを招いて製作された「OVERNIGHT SENSATIONAL」でついに完全復活。同年ブルーノートで来日。さらに翌07年にもブルーノートで来日。そして今年はブルーノート&東京ジャズと。毎年ペースで来日し、日本のソウル・ファンを楽しませてくれています。

私は06年にブルーノートへ観に行きましたが、それはそれは素晴らしいソウル・ショーでした。もちろんもう若くはありません。70歳を超えてますからね。それでも圧倒的な歌唱力です。新作からはもちろん、スタックス時代の代表曲、さらには他アーティストや企画盤にゲスト参加した思い出深い曲まで、本物のソウルとはこういうものか!と思わせる感動的なライヴでした。

あのライヴがまた観れるだけでワクワクしてきますが、今回はクラブ公演ではなく、国際フォーラムという大舞台。しかも同じステージにあのスライが立つとあってはサムも燃えないわけがありませんよね。ま、二人の共演は多分無いと思いますが…。

さて、写真のDVDは最近発売されたサム&デイヴの映像集。これが凄い! 彼らの全盛期である60年代の溌剌としたライヴ映像がたっぷりと収録されています。ま、もちろん時代が時代ですから、ライヴと言ってもテレビ収録用のものがほとんどですし、いわゆる“口ぱく”もあります。それでも彼らの凄みは充分以上に伝わってくるのです。

デイヴの荒っぽくも温かみのあるソウルフルな歌唱にも耳を奪われますが、何よりサムの人間離れした歌唱力に圧倒されます。曲が進むにつれこの人は本当に凄いなと。伸びまくる高音域とあの半端無いキレはなんなんでしょうね? 圧巻は69年のエド・サリヴァン・ショーから「Soul Sister Brown Sugar / Lucky Ol'Sun」。とくにスローの「Lucky Ol'Sun」は鳥肌物。

もちろん名曲バラード「When Something's Wrong With My Baby」も泣けます。サムの凄いところは、自分で感情たっぷりに歌い超盛り上げた瞬間にフェイクのようなタイミングで「アハハ!」とか笑ってるんですよ。そんなところが“濃いな~!”と思ったり。

そしてやっぱり二人の絡みが素晴らしい。1曲目「Soul Man」から二人のコンビネーションに目は釘付けです。声質の違いからくるケミストリーはもちろん、お互いを刺激しあうように高揚感を増していく黒人ならではのソウルの発散が凄まじい。そしてあの時代ならではの二人のダンスにも注目。エンターテイナーというより原始の魂がほとばしっています!最高!

もちろん若きスティーヴ・クロッパー擁するMG'Sがバックを付けた映像もあります。そして曲間にはサム・ムーア本人はもちろん、スタックスの経営者の一人だったアル・ベル、MG'Sのドナルド・ダック・ダン、後にサム&デイヴを参考にブルース・ブラザーズを誕生させるダン・エイクロイドなどのインタヴューもたっぷり収録されています。しかし私は英語がダメなのに輸入盤を買ってしまい、お話の内容はさっぱり分かりません…。でも曲はほとんど完奏されますし、間にインタビューが挿入されることもありません。さらに曲目だけを連続で見るモードもありで、音楽DVDとしては理想の形と言えるのではないでしょうか? おそらく日本盤を買えばドキュメンタリーとしても充分楽しめると思います。

そして何故かボーナス映像にはこの映像集を見た直後には出来の悪いパロディーに見えてしまうブルース・ブラザーズの「Soul Man」も有ります。とは言えバックのブルース・ブラザーズ・バンドも併せて格好良いですけどね。

さらに『THE ROOTS OF SAM AND DAVE』と題されて収録されたゴスペルのJACKIE VERDELL & BROTHER JOE MAY って凄いですね。痺れました!


さて、最近のサム・ムーアー、実はデヴィッド・サンボーンの最新作「HERE AND GONE」で1曲「I've Got News for You」を歌っているんですよね~。と言うことは、東京JAZZでの共演も有るんですかね?



~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!


 06.11.18 サム・ムーア@ブルーノート東京 ←06年の来日公演レポート
 06.11.19 サム・ムーア@ブルーノート東京 2 ←06年の来日公演レポート、その2
 06.10.25 サム・ムーア(「OVERNIGHT SENSATIONAL」) ←06年の来日決定時の記事

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@東京JAZZ(FREDRIKA STAHL)

2008-08-27 19:05:45 | フェス、イベント
また『東京JAZZ CIRCUIT 2008』 を観に来ています。今日は銀座プランタン。もちろんフレドリカ・スタール。昨晩とは曲目も微妙に違いましたし、屋外ならではのカジュアルな雰囲気が楽しめました。写真はサイン会の様子。



帰宅後追記:
 
やっぱり野外は良いですね、独特な雰囲気があって。バンド・メンバーは昨晩と一緒でしたが、グランドピアノが無い代わりにエレピが2台ありました。このバンド・メンバーはインターナショナルな方々で、ドラムスはイタリアの方、ベースはブラジルの方、ギターはノルウェーの方、そしてピアノは日本人、さらにフレドリカはスウェーデン出身、だそうです。今回は外ということで多少PAに難がありましたが、それでも流石に素晴らしいライヴを披露してくれました。曲目は昨晩同様に新作からの曲が中心だったと思いますが、最後に同じスウェーデン出身のカーディガンズのヒット曲「Love Fool」を演りましたね。可愛くもコケティッシュなサビがフレドリカに似合っていました。後半はラテンのノリになってギターとドラムスのソロをフューチャーする辺りもスリリングで最高でした。丸ビルでのスタイリッシュなライヴも素敵でしたが、ストリートの喧噪と風を感じるなかでのジャズ・ライヴも格好良かったです。ジーンズ姿のフレドリカも可愛かったです。

ライヴの後はサイン会があったのですが、これがなかなか盛況でした。通りすがりに足を止め、フレドリカの歌声に耳を奪われ、一気にファンになってその場でCDを購入された方も結構いらっしゃったのではないでしょうか? 彼女の声にはそれだけの魅力がありますよね~。

で、私はその後、丸ビルへ急ぎ、同じ『東京JAZZ CIRCUIT 2008』プログラムのベルモンド・クインテットの演奏を堪能いたしました。いや~、何か楽しいですね。そして明日のフレドリカ・スタールは銀座アップル・ストアーです。いったいどこまでフレドリカで引っ張るんでしょうか?このブログ…。





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@東京JAZZ(FREDRIKA STAHL)

2008-08-27 02:01:45 | ジャズ
FREDRIKA STAHL / TRIBUTARIE

今日はフレドリカ・スタールを観に昨日に引き続き丸ビルで行われている『TOKYO JAZZ CIRCUIT 2008』へ行ってきました。フレドリカ・スタールは最高でした! アルバムで聴く以上に透明感溢れる歌声に引き込まれました。そしてジャズならではのビター・テイストの中にも女性らしい甘さがある。しかも容姿はモデルみたいに素敵ときます。立ってるだけで絵になりそうな人が、うっとりするような歌を歌っているんですから、通りすがりの人達も思わず釘付けですよね。

曲目は新作「TRIBUTARIES」からの曲が中心で、「Monumental Mismatch」「Irreplaceable」「Stuck on a Stranger」「So High」など7曲程を歌ってくれました。今回はプロモーション来日的でありながら、ドラムス、ベース、ギター、ピアノというバンドを従えてのライヴでした。ピアノは日本人の方でしたけど。新作ではブラスやストリングスなどを上手く取り入れていますが、シンプルなバンドセットのスリリングでライヴ感抜群の演奏は、彼女の歌声にまた違った光を与えていたことと思います。

特に印象に残った曲は「So High」と「Irreplaceable」。「So High」は既に試聴して知っていましたが、良い曲ですね。彼女のソング・ライターとしての魅力にあふれています。そして「Irreplaceable」はライヴならではのスピード感が圧巻でした。さらにサビの開放感。この曲での彼女の歌声は本当に美しかったです。それとほとんどの曲は立って歌っていましたが、2曲程ピアノを弾きながら歌っていたのも印象的でした。ライヴ終了後はお楽しみのサイン会!

そしてフレドリカ・スタールの後に登場したトランぺッター、ニコラ・フォルメルのライヴもしっかり堪能いたしました。

さて、明日27日はフレドリカ・スタールは銀座プランタンです。多分行きます。

写真はライヴ終了後に購入し、サインを頂いた新作「TRIBUTARIE」。まだしっかりと聴いてませんのであしからず。でも凄く良いことは間違いないです!
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東京JAZZ予習:フレドリカ・スタール

2008-08-26 09:40:06 | ジャズ
FREDRIKA STAHL / A FRACTION OF YOU

東京JAZZ予習第3弾。今回は本編ではなく関連イベントの『TOKYO JAZZ CIRCUIT 2008』に出演するフレドリカ・スタールです。

はじめこのプログラムの出演者写真を見たとき、一癖ありそうな男性陣に混じって綺麗な女性が一人居るな~、ぐらいに思っていたのですが、フレドリカ・スタールだったんですね! デビュー・アルバムのジャケ写(写真)と比べると随分大人っぽくなってて驚きました。

06年にフランスの名門ジャズレーベル「Vogue」から弱冠22歳でデビューした女性ジャズ・シンガーのフレドリカ・スタール。彼女はスウェーデン生まれのフランス育ち。写真の1stアルバム「A FRACTION OF YOU」はフレンチ・ジャズ界からの新星として日本でも強烈なインパクトを持って紹介されました。

彼女の魅力はまずその声。ま、シンガーですから、当たり前ですけどね。ジャズならではの色っぽさと大人びた表現力の中に可愛さを垣間見せるそのアンニュイな歌唱には心を奪われずにいられません。そしてソング・ライターとしての資質。何せデビュー・アルバムから全曲自作曲で構成され、そのジャジー・テイストで統一されながらもバラエティ豊かな曲調からは彼女の豊かな感性が溢れ出るようなのです。この辺りはピアニスト兼アレンジャーであるトム・マククランの手腕によるところも大きいのでしょうね。

ストリート的なスウィングにのせて小悪魔的に歌われる1曲目「A Little Kiss」。いきなりこの曲で彼女の歌声に引き込まれます。基本的に英語ですが、途中でフランス語が入るところがなんとも粋。そしてラテンのリズムにのるフランス語詩がやたらにコケティッシュな「Ou Veux-Tu Aller?」も面白い。さらにオーセンティックなジャズ・ナンバー「Please Let Me In」での堂に入った歌い口に驚かされ、ポップ・ソングとしても魅力的な「Destiny」で彼女の曲作りにおいての非凡さと今後の可能性を思い知らせれます。またこの「Destiny」で感じる独特な透明感は北欧出身ならではですかね。ブルージーな「Seems So Simple」では一瞬ブルースを歌うにはちょっと軽すぎるかな?と思ったりもしますが、そこに徐々に惹かれていくから不思議。とどめは、しっとり、うっとりなスロー・ナンバー「Try Again」。これはね~、ホント聴き惚れますよ。そして全体を通してバックの出過ぎず引き過ぎず、絶妙に彼女の歌を引き立てる演奏がまた良いです。若干、小奇麗にまとまりすぎている感もあるんですけど、そこにフランスらしいセンスとある種の清々しさを感じもします。

実は既に2ndアルバムも輸入晩では発売されているのですが、残念ながら私はまだ未聴です。そこで彼女のサイトで数曲試聴してみたんですが、これが「A FRACTION OF YOU」は単なるプロローグに過ぎなかったと思いたくなる程、シンガー・ソング・ライターとしての魅力が開花していそうなのです! この作品で新人ジャズ・シンガーの一人という立場から一皮剥けるのではないでしょうか? これはいずれ買わねば…。


さて、『TOKYO JAZZ CIRCUIT 2008』ですが、これは実は全て無料プログラム。それぞれが短い時間とは言え、ただでフレドリカ・スタールが観れちゃうんですから、東京JAZZさんありがとう!ですよ。 で、フレドリカ・スタールの予定は以下の通りです。

8月26日(火)18:30~19:00 丸ビル 1F マルキューブ
8月27日(水)18:00~     プランタン銀座
8月28日(木)19:30~     Apple Store,Ginza
8月30日(土)14:20~     東京国際フォーラム 地上広場

う~ん、全部行っちゃおうかな~? あ、30日は本編と被ってるからダメか…。実はこのフレドリカ・スタール、本来的には『FRENCH JAZZ QUARTER 2008』という日仏交流150 周年を祝したイベントとして来日します。このイベントが『TOKYO JAZZ CIRCUIT 2008』に組み込まれているということらしいです。彼女の他にもフレンチ・ジャズの猛者達が多数出演するようです。残念ながら私は知らないアーティストばかりなのですが、フレドリカ・スタールと合せて楽しもうと思っています。

フジとサマソニは日英交流150周年で、東京JAZZは日仏交流150周年ですか。でもサマソニもフランスのアーティスト結構多かったですけどね…。実は今、フランスが熱い?

ちなみにフレドリカ・スタールは08年12月にビルボードライヴ公演が決まっております。
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