ルーツな日記

年が明けて心機一転、頑張ります!!
ルーツっぽい音楽をルーズに綴る。
よろしくお願いいたします。

2012年 ベスト・アルバム 第1位!!

2013-04-01 17:19:06 | 2012年総括
LEONARD COHEN / OLD IDEAS

ようやく辿り着きました。2012年「ルーツな日記」ベストアルバム第1位、レナード・コーエンの「OLD IDEAS」です!!

もうすぐ80歳になるレナード・コーエンの8年振りとなった最新作。シンガー・ソング・ライターの前に詩人であり、また小説家でもあり、禅僧でもあるというレナード・コーエン。私も彼のことをそれほど熱心に追いかけて来た訳ではありません。もし表現者としての彼の魅力を全て理解しようとすれば、特に私のように英語を理解出来ない者にとってはおそらく雲を掴むような話になってしまうでしょう。ですがそんな私にもレナードは語りかけてきます。優しく、闇のように深いバス・ヴォイスで。

とにかくこの声ですよ! その低い響きは聴く者の五感を包み込み、深淵な世界へと誘い込む。それは非現実的であり魔術的。年齢を重ねるごとに深みを増すそんなレナードの歌声にただただ酔いしれてしまいます。そしてバックの演奏も見事。プロデュースはパトリック・レナード、エド・サンダース、アンジャニ・トーマス等が楽曲ごとに受け持っているようですが、独特の枯れた色合いから浮かび上がる陰影の濃いある種のムードで全体が貫かれ、楽曲を聴き進めるごとにその世界観に飲み込まれていくよう。もちろんその世界観を支配するのはレナードの歌声ですけどね。そしてその歌声に対比するような女性コーラスも特筆もの。シャロン・ロビンソン、ウェッブ・シスターズ、ダナ・グローヴァー達による柔らかく麗しいそのハーモニーはまるで女神の囁きの様でもあり、それがレナードの孤独感を伴ったある種の悟りのような歌声を際立たせます。

もちろん楽曲も良い! 特にパトリック・レナードとの共作となる「Show Me The Place」と「Come Healing」の2曲はレナード・コーエン独特のゴスペル的な情緒が濃密に感じれれ、素晴らしい!の一言。またブルージーな感覚が甘味に響く「Darkness」や、寂れた酩酊感を伴う「Amen」、長閑なカントリーがまるで危うい誘惑のように感じる「Banjo」なども見事。ですが正直、歌詞については日本盤の訳詞を読んでもその深い意味まではよく分かりません。訳者の方も歌詞そのものだけではなく、英文ライナーに載せられた歌詞の草稿のような断片をも頼りに色々と悩みながら訳されたそうです。その訳詞を読みながら考えを巡らしつつ作品を楽しむのも良いでしょう。ですが私は、敢えて何も考えず、ただただ、楽曲とサウンド、そしてレナードの声に没頭するのも有りだと思います。

邪念を捨てて、どっぷりと聴き込むことの出来る大傑作です!!
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2012年 ベスト・アルバム 2位~4位

2013-03-23 16:32:32 | 2012年総括
第2位

JOHN BOUTTE / ALL ABOUT EVERYTHING
ニューオーリンズ好きの間ではアーロン・ネヴィルに並ぶ“ニューオーリンズの声”として知られるジョン・ブッテ。そのハスキーな声質が素晴らしいのはもちろんなのですが、歌い回しや音程の取り方なんかも独特で、聴けば聴く程に味が滲みてくるシンガーです。今作はジャズとリズム&ブルースの絶妙な案配により、ブッテの魅力をたっぷりと詰め込んだ1枚。もちろんニューオーリンズの空気も爽やかに運んでくれる。例えばデイヴ・バーソロミュー作「The Grass Is Greener」ではジェイムス・アンドリュース(トランペット)とトロンボーン・ショーティ(トロンボーン)の兄弟による掛け合いが楽しい!しかもここでオルガンを弾くのはジョン・クリアリー、ベースはジョージ・フレンチですよ! アル・グリーンの名曲「Take Me To The River」はレイモンド・ウェバーのドラムスにカーク・ジョセフのスーザフォンが絡む強力グルーヴ。メンフィス・ソウルをこう料理しますか! そしてハイライトはアラン・トゥーサン作の「War Is All Over」ですかね。この曲は初めて聴きましたが、誰かのカヴァーでしょうか?書き下ろしでしょうか?よく分かりませんが、重厚なメロディーラインが印象的な曲。こういった重たい雰囲気の曲でのブッテの歌唱と言うのも相当深いものがあります。そして深いと言えばレナード・コーエンのカヴァー「Hallelujah」。これなんかは素晴らしすぎて言葉になりません!!

第3位

ERIC BIBB / DEEPER IN WELL
パークタワー・ブルース・フェスティヴァルで来日した頃はまだまだ若手(ブルースの世界では)なイメージだったエリック・ビブも、もう60歳を超えてるんですね。私も彼を熱心に追いかけて来た訳ではないのですが、今作はルイジアナ録音と聞いて思わず手が伸びてしまいました。これが良い!! 冒頭の「Bayou Belle」からスワンプ臭の漂うアコースティック・ブルース。まずエリックの歌声が良いですね。フォーキーな味わいから滲みでるような、ねっとりとしたブラック・フィーリングが堪りません。バックにはダーク・パウエルやセドリック・ワトソンといったケイジャン周辺のアーティストも参加していまして、彼らのフィドルやアコーディオン等の音色が彼の地特有の湿地帯の空気を醸す。そしてハーピストのグランド・ダーモディの活躍も特筆物。この人はエリックの過去作にも名前を見るハーピストで、おそらくルイジアナの人という訳ではないと思われるのですが、その音色が醸す豊かな倍音はまるでスワンプの奥地から漂うようで、この作品を一層味わい深いものにしています。また、オリジナル曲からトラディショナル、タジ・マハールやボブ・ディランまでを並べながら一つの大きな流れとして聴かせる、エリックならではのブレンド感覚も秀逸。それもこれもエリックの静かながら説得力のある歌声こそが成せる技。そんなエリックのフォーク・ブルース・フィーリングが、スワンプの秘境に溶け込んだような素晴らしいアルバムです。

第4位

BUDDY MILLER & JIM LAUDERDALE / BUDDY AND JIM
私の大好きなバディ・ミラーとジム・ローダーデイルの共演作。タワレコでこのジャケを観た瞬間に即買いでしたね。両者共オルタナ・カントリー/アメリカーナ系の重要人物ですが、バディ・ミラーは近年ロバート・プラントのプロデュースを手掛けたことで日本のロック・ファンの間でも知名度が随分と上がったのではないでしょうか? ジム・ローダーデイルもグラミーの受賞歴もある大物ですからね、もう少し日本でも人気が出ると良いんですけど…。ま、それはさておき、この共演作ですよ。もちろん共演は初めてではありませんし、ほとんど盟友と言った雰囲気ですが、二人名義での正式作と言うのは多分これが初めて。逆に今までなんで無かったんだろう?と思ってしまいます。二人の共作「I Lost My Job Of Loving You」から始まる男臭いカントリー・ロックに、まるでこれまで二人の歩んで来た道のりと、現在の立ち位置までもがくっきりと描かれているよう。スチュアート・ダンカン(フィドル&マンドリン)、デニス・クロウチ(ベース)を始めとするバックの演奏も素朴なやさぐれ感があって良い。これぞアウトロー・カントリー!! 痺れます!
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2012年 ベスト・アルバム 5位~10位

2013-03-17 01:13:33 | 2012年総括
第5位

RUTHIE FOSTER / LET IT BURN
リズム隊にラッセル・バティステ(ds)&ジョージ・ポーター・ジュニア(b)を向かえたニューオーリンズ録音。かの地の空気を吸いつつ南部のソウル/ゴスペル/フォーク/ブルースを彼女流にブレンドさせたようなルーツ・サウンドがことの外心地良い。土っぽくも昂揚感のあるデイヴ・イーズリーのペダル・スティール・ギターが特に印象的。ルーシーの歌声もジワジワとブラック・フィーリングが染み出るようで素晴らしい。ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマをゲストに招いた「The Titanic」でのスピリチュアルなゴスペル・フィーリングはまさに本領発揮の味わい。黒人シンガーとしてはユニークな立ち位置に居るように感じる彼女ですが、このソウルフルな歌声はまさに本物! 聴けば聴く程コクが深まります。



第6位

OLD CROW MEDICINE SHOW / CARRY ME BACK
これは格好良い!! オルタナ・ブルーグラス!こういうのを待っていたんです。やはりドン・ウォズがプロデュースした前作は奇麗に纏まり過ぎでした。今作は1曲目「Carry Me Back To Virginia」から血湧き肉踊るリズムに思わず踊り出したくなってしまいます。やはりメディシン・ショウを名乗るからにはこういった猥雑な空気がないとね。この曲のようなアップテンポ曲における、プリミティヴなオールド・スタイルに現代的なエッジを効かせたようなグルーヴはある意味パンキッシュと言えるかも。それもそのはず、プロデュースを務めたのはフロッギング・モリーの元ギタリスト、テッド・ハット。彼はフロッギング・モリーはもちろんドロップキック・マーフィーズなんかも手掛けてますからね。とは言え、スロー・ナンバーも味わい深く秀逸で、ひなびたカントリー/ブルーグラスなフィーリング豊かな作品です。


第7位

THE LITTLE WILLIES / FOR THE GOOD TIMES
なんだかんだ言って、カントリーを歌うノラ・ジョーンズが大好きなんです!! 私が彼女の新作「LITTLE BROKEN HEARTS」を好意的に受け入れられたのも、その直前にこのアルバムがリリースされていたからかもしれません。特にハンク・ウィリアムス曲「Lovesick Blues」の味わいは格別。もちろんジム・カンピロンゴのギターも相変わらず強力。気心知れた仲間が寄り集まって大好きなカントリーを演る。そんな肩の力の抜けた楽しげな親密感も素敵。それでも単なる趣味で終わらないのは、やはりノラ・ジョーンズの歌声が醸すマジックなのかもしれません。


第8位

ALICIA KEYS / GIRL ON FIRE
私がビヨンセと並んで大好きなアリシア・キーズですが、どうしても前作「THE ELEMENT OF FREEDOM」は好きになれませんでした。なので今作もさほど期待はしていなかったんですけどね。そんな気持ちで聴いたこの作品、第1印象は前作の延長線上というイメージであまり良くなかったのですが、何故か後を引く。そしてまた聴きたくなってしまう。また聴くとさらにもう一度聴きたくなって、結局毎日のように聴き続けてしまうと言う始末。しかも聴けば聴く程、好きになっていくというスルメ作品。アリシア・キーズならではのしっとりした昂揚感が素晴らしい!! 前作には希薄だったねっとりとした黒さが感じられる。特に後半に固められた「Tears Always Win」、「Not Even The King」、「That's When I Knew」、「One Thing」辺りのミドル/スローは至福。


第9位

HIROMI THE TORIO PROJECT FEATURING ANTHONY JACKSON & SIMON PHILLIPS / MOVE
いや~、上原ひろみは素晴らしい!! もちろんアンソニー・ジャクソンもサイモン・フィリップスも凄い訳ですけど、これの青写真を描いた上原ひろみの凄まじさっていうのは筆舌に尽くし難いものがあります。トリオというスタイルでのこの密度!! 堪りませんね~! 朝起きてからの1日の流れを表現した作品だそうですが、目覚めの曲である1曲目「Move」からもの凄いテンションで駆け巡っていく。これが目覚めの曲ですか?っていうねじれ具合に上原ひろみの脳の中っていったいどうなってんの?と、ちょっと覗いてみたい気分に。


第10位

THE LIFE & TIMES OF ... / HOT 8 BRASS BAND
07年のデビュー・アルバム「ROCK WITH THE HOT 8」も最高だったニューオーリンズのブラス・バンド、ホット8ブラス・バンドによる待望の2作目。スネア、バスドラ、スーザフォンが絡み合う、ストリート/パレード仕様のリズムはこれぞブラス・バンド!! ギラついた音色で切れ込んでくるホーン隊は若さに溢れる瑞々しさですが、そのアンサンブルには独特のルーズさがあり、それこそニューオーリンズそのもの。しかもそんな伝統的なスタイルを踏襲しつつも、現代に響くヒップな感覚に溢れてる。ベースメント・ジャックスの「Bingo Bango」をカヴァーするセンスにもやられます。
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2012年 ベスト・アルバム 11位~20位

2013-03-10 15:21:45 | 2012年総括
第11位

CODY CHESNUTT / TIL I MET THEE
コディ・チェスナットの10年振りとなる2ndアルバム。宅録&ローファイな前作とは打って変わって、今作はまるでマーヴィン・ゲイが乗り移ったかのようなピュア・ソウル。1曲目から声の響きとそのフィーリングにやられます。録音はメンフィス・ソウル雄、ハイ・レコードが誇るロイヤル・スタジオ。オールド・ソウルへの深いリスペクトと、しかしそれだけでは終わらない彼自身の真摯なソウルを現行シーンに投げかけた快作。


第12位

BOB DYLAN / TEMPEST
近年のボブ・ディランの充実振りには恐れ入ります。この「TEMPEST」がリリースされた2012年はデビュー50周年、72歳ですよ!しかも今作10曲中、14分弱のタイトル曲を始め半数の5曲が7分を越える大作ですからね、その気合いの程が伺い知れます。ボブの歌声は相変わらずボブにしか成し得ない境地に達した味わいですし、バックの渋いスウィング感がまた堪らない!


第13位

NORAH JONES / LITTLE BROKEN HEARTS
ナチュラルな癒しの代名詞のようだったノラ・ジョーンズが、お化粧を濃くして若干の妖気すら感じさせるあちら側の住人に変貌したような今作。とは言え、前作、いや前々作辺りからその兆候は見え隠れしていましたし、それ故に何処か不安定な印象も受けていたところでしたので、この振り切れ方は逆にノラらしくて私は歓迎しています。デンジャー・マウスとの共同作業も確実にノラの世界観をより深いところからくみ上げるのに成功しているのではないでしょうか。


第14位

DIRTY DOZEN BRASS BAND / TWENTY DOZEN
カトリーナ直後に発表された前作はその痛みを伴った「WHAT'S GOING ON」でしたが、結成35周年を飾るこのアルバムは祝祭感に溢れたもの。特に「Paul Barbarin's Second Line」~「E-Flat Blues」~「When The Saints Go Marching In」のメドレーはこれぞニューオーリンズな素晴らしさ!


第15位

JOHN FULLBRIGHT / FROM THE GROUND UP
オクラホマ出身のシンガー・ソング・ライター、JOHN FULLBRIGHT(ジョン・フルブライトと読むのでしょうか?)。ライヴ盤に続いて、スタジオ作としてはこれがデビュー作となる期待の若手。瑞々しくも塩辛さと苦みのある歌声が芳醇なアメリカーナを紡ぐ。ギラついたブルース感覚や、アメリカン・ロックな一面も見せますが、スローナンバーも相当に味わい深い。グラミー賞にもノミネートされましたし、今後もっともっとクローズアップされてくるのではないでしょうか?


第16位

ME'SHELL NDEGEOCELLO / POUR UNE AME SOUVERAINE A DEDICATION TO NINA SIMONE
生誕80周年を迎えるニーナ・シモンをトリビュートしたミシェル・ンデゲオチェロのアルバム。ジャズやR&Bを静かに包み込むようなスピリチュアルな空気感が素晴らしい! 暖かい昂揚感の滲みるミシェルの歌声に耳を奪われます。シネイド・オコーナーのゲスト参加も特筆もの。


第17位

CEDRIC WATSON & BIJOU CREOLE / LE SOLEIL EST LEVE
ケイジャン/ザディコ界の王子ことセドリック・ワトスン。アコーディオン、フィドル、ラヴボード等からなる土臭いザディコのリズムとメロディーに思わず踊り出したくなってしまいます。そしてローカル色濃厚なポップさが返ってディープです。何よりも鄙びた伝統的なスタイルと、それだけでは終わらない創造性豊かなミクスチャー感格とのバランスも見事。


第18位

GALACTIC / CARNIVALE ELECTRICOS
前作「YA-KA-MAY」に続いてまたしても傑作を送り出したギャラクティック。カーニバルをテーマに、マルディグラはもちろん、サンバも飲み込み、バイレファンキ辺りも視野に入れてそうな、ヒップ感覚横溢この上ない彼らならではのガンボ・ファンク祭!


第19位

CAROLINA CHOCOLATE DROPS / LEAVING EDEN
バディ・ミラーをプロデューサーに向かえたキャロライナ・チョコレート・ドロッップス。 前作からメンバーが一人変わっていますがサウンド的にはさほど変化は無い印象。って言うか変わってもらっては困りますよ!この現代にいにしえの黒人ストリングス・バンドが甦る奇跡のサウンドが! 素朴な弦楽器の音色とプリミティヴこの上ないリズム、その上を踊る野趣溢れるヴォーカル。それらをイマジネイティヴに聴かせる現代的な解釈も光ります。


第20位

ALAN EVANS TRIO / DROP HOP
2012年、ソウライヴやレタスの新作もありましたが、私はアラン・エヴァンス(ds)のトリオ作品に興奮させられました。敢えてオルガン・トリオですからね、ソウライヴを一度リセットしたかったのかな?なんて思ったり。特にミーターズのファンクネスを現代的なキレでアップデートしたようなインスト・ファンクがめちゃくちゃ格好良いです。低音を効かせた荒々しい音質も最高! もちろんアランのドラミングも超ファンキー!
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2012年 ベスト・アルバム 21位~30位

2013-03-07 21:31:22 | 2012年総括
第21位

KELLY JOE PHELPS / BROTHER SINNER & THE WHALE
じっくりと聴きたいフォーク・ブルース。土っぽくも鮮やかなスライド使いも素晴らしいく、穏やかながらある種の境地を感じさせる孤高の歌声にも痺れます。

第22位

BOBBY WOMACK / THE BRAVEST MAN IN THE UNIVERSE
ラスト・ソウルマン、18年振りの復活作となったこのアルバム。プロデューサーとしてデーモン・アルバーンが関わっていることも話題になりましたが、何よりもボビーのソウル・ヴォイスが凄まじい程に魔力的。

第23位

DR. JOHN / LOCKED DOWN
ブラック・キーズのダン・オーバックがプロデュースしたドクター・ジョンの新作。現代的に歪んだレトロ・ソウル&ブルースにドクターのドロドロしたフォンク感が映える。ダン・オーバックの手腕以前に、その目の付けどころがお見事。

第24位

RICKIE LEE JONES / DEVIL YOU KNOW
リッキー・リー・ジョーンズの妖気めいた才気にやられるカヴァー・アルバム。ストーンズ曲「Sympathy For The Devil」からその世界観に引き込まれます。プロデューサーはベン・ハーパー。

第25位

HERITAGE BLUES ORCHESTRA / AND STILL RISE
いにしえのブラック・ミュージックに敬意を表しながら、豊かなブレンド感覚で現代のブルースとして鳴らしたようなこのトリオの作品は面白かった!

第26位

GRACE POTTER & THE NOCTURNALS / THE LION THE BEAST THE BEAT
相変わらずグレイス・ポッターの気合いの入った歌声には痺れます。楽曲も粒ぞろいですし、骨のあるバンドグルーヴを感じさせてくれるます。前作に比べると若干躍動感に欠ける感はありますが、流石のクオリティーですね!

第27位

JON CLEARY / OCCAPELLA!
ジョン・クリアリーによるアラン・トゥーサンのトリビュート作。一部を除いてほぼ一人多重録音で制作された、ジョンのミュージシャンシップとセンスが伺われる好盤。

第28位

MICHAEL KIWANUKA / HOME AGAIN
今後の活躍も楽しみなマイケル・キワヌカのデビュー作。オーガニックな黒さが深い味わいを醸すこの歌声は、まるで現代に産み落とされた突然変異のような魅力。

第29位

AVETT BROTHERS / CARPENTER
新感覚のフォーク/ブルーグラス・バンドとして知られるアヴェット・ブラザーズですが、基本的に良い曲を書き、歌心を大切にしているバンドですよね。

第30位

ROYAL SOUTHERN BROTHERHOOD / ROYAL SOUTHERN BROTHERHOOD
デヴォン・オールマン、マイク・ジトという次代を担うサザン/ブルース・ロッカーにネヴィル・ブラザーズのシリル・ネヴィルが加わるという強力グループ。ですがシリル・ネヴィルらしさを求めるとちょっと物足りないかな…。



もう3月になってしまい、今さら感が半端ありませんがめげずにやらせて頂きます。「ルーツな日記」的2012年、年間ベストアルバム30選です!! 毎年の通り、特に何かのデータを集計した順位ではありません。単なる私自身の個人的な趣味と気分で選んだベスト30です。一種の余興みたいなものですので、気楽な気持ちで楽しんで頂ければ幸いです。では、2~3日かけて順次発表してまいりますのでお楽しみに!
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2012年 ベスト・ソング

2013-02-22 16:53:22 | 2012年総括
2012年の個人的ベストソング。私は普段アルバム単位で聴き流すような聴き方をすることが多いので、その中から特定の1曲を取り出して繰り返し聴くことはあまりないのですが、それでもやはり、突出して印象に残る曲と言うのはあります。という訳で、今回は2012年、最も印象に残った5曲。



第1位 Meiko / Stuck On You
ミーコのこの曲はホントよく聴きました。アルバム「STUCK ON YOU」かrのタイトルトラック。ちょっと気分が塞いでいてもこれ聴けば元気になるんですよね~。
http://www.youtube.com/watch?v=6jcvodNBTuA



第2位 Priscilla Ahn / やさしさに包まれたなら
これもよく聴きました~。アルバム「Natural Colors」からユーミンのカヴァー。元々好きな曲ではあったんですけど、プリシラの歌声が最高なんですよ。これには癒されました。ま、ベスト・ソングにカヴァー曲を選ぶのもどうかと思いますけどね…。
http://www.youtube.com/watch?v=1vf9dWv3dwQ



第3位 Cody Chesnutt / Til I Met Thee
あのデビュー作からの変貌に驚いたコディ・チェズナットのこの曲。素晴らしいですね! まるでマーヴィン・ゲイが乗り移ったかのようです。もちろん曲も良い!!
http://www.youtube.com/watch?v=PHBqWnKIZwo



第4位 Leonard Cohen / Show Me The Place
アルバム「Old Ideas」から。2012年で一番滲みた曲。80歳に近い詩人レナード・コーエンのバス・ヴォイスにただただうっとりです。
http://www.youtube.com/watch?v=WCtoVoE5Mm4



第5位 Natalie Duncan / Devil In Me
http://www.youtube.com/watch?v=JX_b1KU3GWY
2012年、一番の衝撃はこの曲だったかも。
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2012年 ベスト・アルバム リイシュー編

2013-02-17 18:48:10 | 2012年総括
VA / COUNTRY FUNK 1969-1975
「ルーツな日記」が選ぶ2012年リイシュー・ベスト10、第1位はLIGHT IN THE ATTICが編んだカントリー・ファンクのコンピ盤です。今回選んだ10枚の中で間違いなく今年一番聴いたアルバム。これにはハマりました!

まず、ここで言うカントリー・ファンクって何だろう?って思いますが、要は概ね70年代前半を中心にしたスワンプ・ロックです。スワンプ・ロックと言ってもレオン・ラッセルに代表されるLAスワンプではなく、本物のスワンプ、米南部湿地帯ロックです。つまりトニー・ジョー・ホワイト、ボビー・チャールズ、デイル・ホーキンス、ボビー・ジェントリーなど有名どころから、ジム・フォード、ラリー・ジョン・ウィルソン、ジョニー・ジェンキンスと言った隠れスワンプ名盤を残したマニアックな方々まで、これぞスワンプ!と言った人選です。

さらにジョニー・アダムス(ニューオーリンズのソウル・シンガー)、ボビー・ダーリン(ポップ・スターとして輝かしい奇跡を残したシンガー)、リンク・レイ(ピート・タウンゼントやジミヘン等にも影響を与えたエレキギターのパイオニアと言われる人)、マック・デイヴィス(プレスリー「In The Ghetto」の作者としても知られるカントリー・シンガー)など、この辺りは個人的にはスワンプ・ロックというイメージはなかったんですが、ここに納められている楽曲はスワンプ臭ムンムンなものばかり。もう盤の節々からスワンプの泥が溢れ出しそうなディープ・コンピです。

しかも“カントリー・ファンク”と名付けられるぐらいですからどれもファンキーなんですよ!ファンキーと言っても南部独特のねっとりとしたファンク・フィーリングなんですけど、それが堪らなく腰にくる。この辺りのスワンプロックをさほど掘り下げて聴いてこなかった私などにとっては目から鱗の格好良さでしたね。正直、John Randolph Marr、Gray Fox、Cherokee、Dennis The Fox、Gritzといったアーティスト達は、このコンピで初めて知りました。しかもそのどれもが格好良い!いやはや、スワンプの沼は想像以上に深いです。

もちろんスワンプですからルイジアナ/ニューオーリンズ色も濃かったり。トニー・ジョー・ホワイト、ボビー・チャールズ、ジョニー・アダムスはもちろんですが、デイル・ホーキンスもルイジアナ出身ですからね。さらにジョージア界隈のブルースマン、ジョニー・ジェンキンスが歌う「I Walk On Gilded Splinters」はドクター・ジョンの曲ですし、逆にリンク・レイの「Fire And Brimstone」は後にネヴィル・ブラザーズが「YELLOW MOON」でカヴァーするあの曲。私はネヴィルズ版の「Fire And Brimstone」が大好きだったのですが、そのオリジナルをここで初めて聴くことが出来、感無量でした。なんか独特の怪しさがあって格好良いです。

ちなみにジョニー・ジェンキンスの「I Walk On Gilded Splinters」を含むセッションではまだオールマン・ブラザーズ・バンド結成前のデュアン・オールマンやブッチ・トラックス、ジェモーなどが参加し、これがオールマン結成の契機になったなんて言われていますね。

それにしても最高ですね、スワンプロック。もちろん、厳密に言えばスワンプロックの分類には入らない楽曲も含まれているのかもしれません。なにせ私が勝手にスワンプ!スワンプ!と騒いでるだけで実際は「カントリー・ファンク」ですからね。ですが“スワンプ”というキーワードで語るのに充分な一種独特のムードで貫かれた愛すべき1枚です。

第2位

TAJ MAHAL / THE HIDDEN TREASURES OF TAJ MAHAL 1969-1973
第2位はタジ・マハールの2枚組レア音源集。やっぱりタジ・マハールは初期が良いよね!って言う人には堪らない発掘盤。アウトテイク集となる1枚目のジェシ・エド・デイヴィスを擁する前半の格好良いこと! なんでこれが未発表なんでしょう? そしてチューバ隊を率いたスタジオ録音も荒々しいノリが素晴らしい! でも楽しみにしていたアラン・トゥーサン絡みのニューオーリンズ録音はとりあえずスタジオを使ってみました程度な印象で、トゥーサン色は全く感じられずちょっぴり残念。でもこんな音源が残っていただけでなんかロマンを感じます。そして70年のロイヤル・アルバート・ホールでのライヴを納めたディスク2。こちらもジェシ・エド参加で最高です!

第3位

DAN PENN / THE FAME RECORDINGS
未発表音源を集めた「HALL OF FAME」やジョージ・ジャクソンの第2集「LET THE BEST MAN WIN」など、2012年も英ACE/KENT周辺のフェイム音源発掘にはやられっぱなしでしたが、その中でも特に印象的だったのがダン・ペンのフェイム録音集。全24曲中シングル・リリースされた「Take Me (Just As I Am)」を除く全てが未発表音源とのこと。ソングライターとして辣腕を振るっていた頃に、これ程の録音が残されていたと言う事実に驚かされます。サザン・ソウルの裏側を見せられた思いであり、若きダン・ペンの歌声と名曲の数々に心がマスルショールズへ飛んでいきそうです。(行ったことないですけど…。)

第4位

VA / BOPPIN' BY THE BAYOU
英エイスが編んだ50~60年代のルイジアナ産ロックン・ロール・コンピ。これも興味深い1枚。正直、私などは存じ上げないアーティストがほとんどなんですが、それ故にルイジアナの知られざる深部を覗いた気分で楽しめました。それにしてもこの時代、ルイジアナにもエルヴィス・フォロワーのようなロックン・ローラーが沢山居たんだと思うとちょっと面白い。既に第2集も出ているようなので、そちらもチェックしないと…。

第5位

LOU JOHNSON / SWEET SOUTHERN SOUL
「ATLANTIC R&B BEST COLLECTION 1000」シリーズからの1枚。このルー・ジョンソンのフェイム録音が素晴らしいのはもちろんなんですが、このアトランティック創立65周年を記念してのソウル名盤千円放出という素晴らしい企画全体に拍手。これはホント話題になりましたよね。まだ続編が続いているようなので、今後の展開にも期待です。

第6位

MAGIC SAM / LIVE 1969 RAW BLUES!
シカゴ・ブルース、ウェストサイド派の寵児マジック・サムが亡くなるおよそ4ヶ月前、1969年7月11日カリフォルニア州バークレーにおけるライヴの発掘音源。同時期のアン・アーバーを収録した名ライヴ盤にも収録されてない曲も含む全17曲。とにかくマジック・サムの勢い溢れるギターが凄い! 音質はいまいちですけどね…。

第7位

JOHN HIATT / PAPER THIN FM BROADCAST OTTAWA, CANADA, JANUARY 4TH 1989
ジョン・ハイアットのザ・ ゴーナーズを率いた89年のライヴ音源。サニー・ランドレスのスライドもたっぷり!! こちらはALL ACCESSというレーベルが出しているシリーズ物のようで、他にもエミルー・ハリスやタウンズ・ヴァン・ザントなどのライヴ音源がリリースされてまして、これからも目が離せません~。

第8位

VA / BLUES A RAMA LIVE AT TIPITINA'S NEW ORLEANS 1989
こちらはニューオーリンズのブラックトップがリリースしていたライヴ・シリーズの復刻版。未発表テイクなどはありませんが、永らく廃盤で手に入りにくかったものなので嬉しいですね~。特に私の大好きなとアール・キングが3曲収録された第5弾とスヌークス・イーグリンが5曲収録された第6弾のパッケージは個人的に燃えました。

第9位

CAROLE KING / THE LEGENDARY DEMOS
キャロル・キングのブリル・ビルディング時代及び1stソロ作「TAPESTRY」期のデモ音源集。作家時代のデモ音源は過去にも世に出てるのでそれ程驚きませんが、「Pleasant Valley Sunday」や「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」のデモには流石に胸が躍ります。

第10位

DAVID RUFFIN / "DAVID" UNRELEASED LP & MORE
元テンプテーションズのリード・シンガー、デヴィッド・ラフィンの幻の3rdソロ作と言われる69年の未発表作にボーナストラックを加えてHIP-O SELECTがリリース。これは元々2004年にリイシューされたもので、その時は確かネット・オンリーだったように記憶しているのですが、今回、あらためてお買い求めしやすくなって再登場した感じ。
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2012年 ブライテストホープ

2013-02-14 16:19:47 | 2012年総括

MICHAEL KIWANUKA / HOME AGAIN
NATALIE DUNCAN / DEVIL IN ME

昨年、2012年も沢山の新しいアーティストとの出会いがありましたが、その中でも「ルーツな日記」的ベスト・ニュー・アーティストは?と問われれば、この2人と答えます。という訳で、遅ればせながら昨年のブライテストホープ企画、まずはマイケル・キワヌカです。

英ノース・ロンドン出身の黒人シンガー・ソング・ライター。デビュー・アルバムのリリース前から英BBC「Sound Of 2012」のトップに選ばれるなど、注目されていたマイケル・キワヌカ。そしてこのデビュー作「HOME AGAIN」。ここで聴ける彼の素朴且つ穏やかな歌声の中に潜む深いフィーリングは、ただソウルフルというだけではなく、何処か浮世離れしたピュアネスを感じさせ、それはヒップホップが全てを飲み込んだような黒人音楽界にあってまったくもって特異な存在と言えるでしょう。両親はウガンダからの移民だそうで、そのアフリカン・スピリッツが彼の個性の大きな一因になっているのでしょうね。昨年のフジロックで観たステージも素晴らしかったです。疲れた体を彼の暖かい歌声が癒してくれました。そして今年4月にはビルボードライヴでの再来日も控えています。


http://www.youtube.com/watch?v=TpoVVdL3lDA
「HOME AGAIN」の1曲目を飾る「Tell Me A Tale」のライヴ映像。この曲は70年代のニューソウルな息吹を感じさせられて格好良い!

http://www.youtube.com/watch?v=cnRsdSRFYHw
「I'm Getting Ready」。こういうアコギ弾き語りこそ彼の魅力ですよね。こういうフィーリングを末永く持ち続けて欲しいです。



そしてもう一人はナタリー・ダンカン。英ウェスト・ロンドンはノッティンガム出身の女性シンガー・ソング・ライター。あのジョー・ヘンリーがプロデュースしているということで手にしてみた彼女のデビュー・アルバム「DEVIL IN ME」(写真)。そのタイトルトラックとなる1曲目「Devil In Me」の冒頭、彼女がアカペラで歌うその歌唱を聴いた瞬間、体が凍り付くような衝撃を覚えました。傷心と憂いを絞り出すかのように歌われるその歌声に。ジャズとブルースの狭間で悪魔と対話するような曲調もさることながら、彼女のその歌唱の凄みががただ事じゃない。聴けば聴く程引き込まれていきます。まったくもって恐るべき新人さんです。この曲があまりに凄すぎて、返ってそれ以降の曲に物足りなさを感じてしまうほど。でもこの1曲で彼女に対する期待値というのは個人的にMAXなのです。(アルバムの出来としては個人的にはちょっと不満だったりするんですけどね…。)

今年に入ってようやく日本盤でも彼女のデビュー・アルバム「DEVIL IN ME」がリリースされましたし、今月半ばにはビルボードライヴでの初来日も控えいますからね、これから日本でナタリー旋風が巻き起こるかもしれません。っていうか来日はもうすぐですね。もちろん私も観に行きますよ! 彼女の歌声を、生で、間近で見れると思うと、今からゾクゾクしてしまいます。


http://www.youtube.com/watch?v=JX_b1KU3GWY
「DEVIL IN ME」、素晴らしい! これで23歳ですからね~。末恐ろしいです。


http://www.youtube.com/watch?v=72YaaQnj9MI
ドラムンベース界を代表する鬼才ゴールディ。この曲「Freedom」でフューチャーされている強烈な女性ヴォーカルが、実はこのナタリー・ダンカンと知ってさらにびっくり。格好良いですよ!



なんか結局ビルボードライヴの宣伝のようになってしまった感もありますが、別に回し者ではありません。
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2012 天に召された偉人達

2012-12-31 23:40:07 | 2012年総括
LEVON HELM / DIRT FARMER

残念なことに、2012年も沢山のアーティストが天に召されました。仕方ないこととはいえ、とても悲しいですね。特に4月半ば、長きに渡った癌との闘病生活が最終ステージにあるとのオフィシャルサイトによる発表の後、程なくして亡くなられた元ザ・バンドのレヴォン・ヘルム。彼の死程沈痛なものはありませんでした。ここ数年来日の噂も有っただけに、本当に残念でなりません。結局、私は一度も彼の姿を生で拝むことは出来ませんでした。でも彼のドラムも歌声も、ホント大好きでした。


ETTA JAMES / THE DREAMER
1月20日、白血病の合併症により亡くなられたブルースの女王エタ・ジェイムス。享年73歳。08年の映画『キャディラック・レコーズ』でビヨンセが彼女の役を演じて話題になったのも記憶に新しいですね。写真の作品は昨年リリースされ、最後のアルバムとなった「THE DREAMER」。彼女独特のブルージーなしゃがれ声は健在。ガンズ・アンド・ローゼス「Welcome To The Jungle」など意欲的なカヴァーも印象的でした。


THE JONNY OTIS STORY VOLUME 1 1945-1957: MIDNIGHT AT THE BARRELHOUSE
エタ・ジェイムスが亡くなられる3日前に90歳で亡くなられたジョニー・オーティス。R&B勃興期にアーティスト発掘や作曲、プロデューサーとして多くのシンガーを売り出しただけでなく、自らもバンド・リーダーとして活躍し、ゴッドファーザー・オブ・リズム&ブルースと呼ばれる偉人です。実はエタ・ジェイムスを見いだしたのもオーティスでした。14歳のエタをモダン・レコードと契約させデビュー曲「The Wallflower」のヒットを演出しました。写真は英ACEからリリースされたコンピレーションで、彼自身の名義による「Harlem Nocturne」、ビッグ・ママ・ソートンの「Hound Dog」など、彼が手掛けたヒット曲も収録されたアンソロジー。


TERRY CALLIER / SPEAK YOUR PEACE
70年代のニュー・ソウル期から独特のフォーキーな質感で人気を博したテリー・キャリアー。10月28日逝去。享年67歳。90年代に入ってクラブ界隈から再評価され、ジャイルズ・ピーターソン経由で復活してからも独特の存在感を発揮していましたね。数年前までちょくちょく来日していた印象でしたが、私はいつか観に行こうと思いつつ、結局観ることが出来ませんでした。残念です…。写真はインコグニートのブルーイがプロデュースした02年作。


MEMPHIS HORNS / MEMPHIS HORNS
サザン・ソウルに無くてはならないホーン・セクション。その筆頭と言えるのがメンフィス・ホーンズ。スタックスやハイを彩った彼らの音色こそサザン・ソウルの要と言えたかもしれません。そのメンフィス・ホーンズのサックス奏者アンドリュー・ラヴが4月12日、メンフィスの 自宅で亡くなられたそうです。享年70歳。


BOOKER T.&THE MG'S / MELTING POT
5月13日、BOOKER T.&THE MG'S のベージストとして、STAXの黄金時代を築いたドナルド・ダック・ダンが亡くなられました。来日中のことでした。ブルーノート東京での素晴らしいステージを終えたその翌朝、宿泊先で亡くなられていたそうです。日本のファンにとって、彼の死は忘れられませんね。世界最高峰のベーシストの一人でした。


MICKEY BAKER / ROCK WITH A SOCK
ミッキー&シルヴィアとしての活動でも知られるケンタッキー州生まれの名セッション・ギタリスト、ミッキー・ベイカー。11月27日に亡くなられたそうです。享年87歳。


LOUISIANA RED / LOUISIANA RED SINGS THE BLUES
2月25日、ドイツの病院で亡くなられたルイジアナ・レッド。享年79歳。50年代から活動していたアラバマ州出身のブルースマン。マディ・ウォーターズに影響を受けた豪快なスタイルは、ただ荒々しいだけじゃない味がありました。72年リリースのこの「LOUISIANA RED SINGS THE BLUES」でもマディの「Rollin' Stone」をドロリとしたフィーリングで披露しています。晩年はドイツで活動していたそうです。


EARL SCRUGGS WITH FAMILY & FRIENDS / THE ULTIMATE COLLECTION LIVE AT THE RYMAN
今やブルーグラスの代名詞、5弦バンジョーにおける3フィンガー奏法を確立し、ビル・モンローと共にブルーグラスの基礎を築いた偉大なるバンジョー奏者。3月28日、老衰にて亡くなられたそうです。88歳でした。一つの歴史の終演を感じさせられます。


DOC WATSON / DOC WATSON
5月29日、89歳で亡くなられたドク・ワトソン。フラット・ピッキング・ギターの第1人者として、ブルーグラス/カントリー・シーンに偉大な足跡を残し、後続ギタリストにも多大な影響を与えました。


TREME BRASS BAND & MARDI GRAS INDIANS / TREME TRADITIONS
ニューオーリンズのブラス・バンド文化における、象徴的な存在でもあったライオネル・バティストが7月8日に亡くなられました。81歳だったそうです。バスドラを担ぐ彼の勇姿、忘れられません。2003年にはトレメ・ブラス・バンドの一員として来日もしました。増上寺周辺をパレードもしましたし、虎ノ門 JTアフィニス・ホールでのコンサートも素晴らしいものでした。バスドラを担ぐ彼の勇姿、忘れられません…。


VA / CHESS NEW ORLEANS
9月15日、ニューオーリンズのシンガー、ジェイムズ"シュガー・ボーイ"クロフォードが亡くなられました。享年77歳。ディキシー・カップスやドクター・ジョンからシンディー・ローパーまで、数えきれないアーティストにカヴァーされ、今やニューオーリンズ・クラシックとなった「アイコ・アイコ」のオリジナルはこの人の「Jock-A-Mo」でした。写真はその「Jock-A-Mo」を含む彼のチェス録音を数曲収録したコンピレーション盤。



FRANK FROST & JERRY McCAIN / SOUTHERN HARP ATTACK
アラバマが生んだ名サザン・ハーピスト、ジェリー・マッケインが3月28日に亡くなられたそうです。81歳でした。50年代から活躍しトランペット、エクセロ、レックス等に録音を残しました。「She's Tough」「Steady」などはサザン・ハープ・クラシックとして有名。写真のアルバムはアーカンソー出身のフランク・フロストとの「SOUTHERN HARP ATTACK」。と言っても両者の60年代、ジュウェル録音を纏めたコンピ盤で、共演盤ではありません。とは言え、極上の南部ブルースとハープの魅力が味わえます。



RAVI SHANKAL / FULL CIRCLE
ジョージ・ハリスンが師と仰ぎ「ワールド・ミュージックのゴッド・ファーザー」と讃えた、シタールの世界的奏者ラヴィ・シャンカールが、12月11日、カリフォルニア州の病院にて亡くなられました。享年92歳。ノラ・ジョーンズのお父さんでもあります。



MAJOR HARRIS / THE BEST OF MAJOR HARRIS NOW AND THEN
70年代にデルフォニックスのメンバーとして活躍し、ソロ転向後も「Love Won’t Let Me Wait」などのヒットを出したフィリー・ソウルの名シンガー、メイジャー・ハリス。11月9日、心不全及び肺不全のため亡くなられました。65歳でした。



FONTELLA BASS / FREE
65年の大ヒット「Rescue Me」で知られる女性ソウル・シンガー、フォンテラ・バスが12月26日に亡くなられました。心臓発作から生じた合併症のためだそうです。写真は72年作「FREE」。ニューソウル的な深みを感じさせる作品で、後にフリー・ソウル界隈でも再評価された名作です。エリカ・バドゥにも影響を与えたと言われる名シンガーでした。



TERRY HUFF AND SPECIAL DELIVERY / THE LONELY ONE
聴く者の胸を鷲掴みにするほど甘く切ないファルセットと、ぴょんとカールしたナマズ髭で愛されたテリー・ハフ。12月14日に65歳で亡くなられました。大腸がんを患っていたそうです。76年発表の「THE LONELY ONE」は『70年代スウィート・ソウルの至宝』とまで謳われた名作中の名作。ファルセットがシャウトのように感極まっていく様は何度聴いてもゾクゾクさせられます。プロデュースはアル・ジョンソン。



MARVA WHITNEY / I AM WHAT I AM
ジェイムス・ブラウン一座のディーヴァにして『ソウルシスターNO.1』と呼ばれたマーヴァ・ホイットニーが12月22日、肺炎の合併症で亡くなられたそうです。68歳。写真は06年の復活作「I AM WHAT I AM」。全面バックアップをしたのは日本が誇るオーサカ=モノレール。翌年にこの組み合わせでフジロックに出演したのも記憶に新しいですね。あの時の貫禄のステージは本当に素晴らしかったです。



CHUCK BROWN / WE'RE ABOUT THE BUSINESS
5月16日、ゴッドファーザー・オブ・ゴーゴーとして知られるチャック・ブラウンが亡くなられました。享年75歳(76歳という説も)。




他にも、ジョン・ロード(ディープパープルのキーボード奏者)、ピート・コージー(マディ・ウォーターズやマイルス・デイヴィスの電化作品でも知られるギタリスト)、クリス・エスリッジ(ザ・フライング・ブリトウ・ブラザースのベーシスト)、デイヴ・ブルーベック(名曲「Take Five」でも知られるジャズ・ジャイアント)、ビッグ・ジム・サリヴァン(ジミー・ペイジ、リッチー・ブラックモアの師匠格でもあるギタリスト)、デイビー・ジョーンズ(モンキーズ)、ウィンストン・ライリー(ジャマイカの音楽プロデューサー)、ジム・マーシャル(ギターアンプ「マーシャル」の生みの親)、ドナ・サマー、ホイットニー・ヒューストン…。


ああ、2012年も本当に沢山の方々が亡くなられましたね。残念でなりません。

みなさま、安らかに。
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2012年ベストライヴ

2012-12-31 01:07:40 | 2012年総括
2012年も、貧乏なりに色々なライヴを観ました。その中でも印象的だったのは以下のような感じ。

CSS@新木場STUDIO COAST 1/14
ダニエル・ラノワ@ビルボードライヴ東京 1/18
テデスキ・トラックス・バンド@渋谷公会堂 2/09
DR. JOHN@ビルボードライヴ東京 2/15
ボビー・ウーマック@ビルボードライヴ東京 2/22
レオン・ラッセル@ビルボードライヴ東京 3/07
ボビー・ラッシュ@ビルボードライヴ東京  4/20
アーロン・ネヴィル@ビルボードライヴ東京 5/15
JAPAN BLUES & SOUL CARNIVAL 2012@Zepp DiverCity Tokyo 5/26
キャンディ・ステイトン@ビルボードライヴ東京 7/01
MOUNT SUGAR@銀座ときね 7/08
プリシラ・アーン@ビルボードライヴ東京 7/18
チック・ロジャース@蓮田 スタジオJazz 7/22
FUJI ROCK FESTIVAL@苗場スキー場 7/26~29
SUMMER SONIC 2012 @QVCマリンフィールド&幕張メッセ 8/19
MEIKO@ビルボードライヴ東京 9/07
東京JAZZ2012 International Showcase @東京国際フォーラム地上広場 9/08
TEDER TELAVIV TOKYO 2012@原宿Lapaz&Creme de la creme 9/04
ジョー・サンプル&クレオール・ジョー・バンド@ブルーノート東京 9/11
WORLD BEAT 2012 @すみだトリフォニーホール 9/30
アラン・トゥーサン@ビルボードライヴ東京 10/15
ジョー・ヘンリー&リサ・ハニガン@渋谷 Duo Music Exchange 10/16
ノラ・ジョーンズ@日本武道館 11/08
上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト@赤坂BLITZ 11/14
シェウン・クティ&エジプト80@渋谷クアトロ 11/20


ベストアクトは?と聞かれるとなかなか難しい。総合評価ではやはりフジロックですが、アーティスト単体で選ぶとなると、悩みますね~。圧倒的だったのは上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクトと、シェウン・クティ&エジプト80。この両者はホント素晴らしかった! そしてもっともうっとりしたのがプリシラ・アーン、もっとも感動的だったのがアーロン・ネヴィル。どちらも私の心を鷲掴みでした。この4組は甲乙付け難いですね。あとはダニエル・ラノワ、ボビー・ウーマック、キャンディ・ステイトン、MEIKO、アラン・トゥーサン、ジョー・ヘンリー&リサ・ハニガン、ノラ・ジョーンズなどなど、今年も素晴らしいライヴの目白押しでした。それにしてもビルボードライヴ東京にはお世話になりっぱなしですね。特にアーロン・ネヴィルのソロ公演が実現したのは本当に嬉しかった! あと年間を通じて癒してくれたMOUNT SUGAR。特に10人限定の銀座ときねは極上の時間を過ごさせて頂きました。それと「ルーツな日記」的にはあれですが、年明けに観たCSSは最初から最後まで興奮しっぱなしで、ホント最高でした!!!

しかしこう並べてみると、お金もないのにライヴ行き過ぎですね。来年はもう少し控えます。とは言え、既にそそるライヴが続々決定していて、かなり参ってます。どうなることやら。
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