ルーツな日記

フジロックが終わり、サマソニ ブログと化しておりますが、
よろしくお願いいたします。

Preservation Hall Jazz Band @ビルボードライヴ東京

2017-08-13 10:31:53 | ニューオーリンズ
8月11日、ビルボードライヴ東京にてプリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンドのライヴを観てまいりました。

1960年代初頭、古き良きニューオーリンズ・ジャズの伝統を守るべく、プリザヴェーション・ホール専属バンドとして誕生したプリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンド。メンバー交代を繰り返しながらもトラディショナルを演奏し続け、50年に渡ってその指名を果たしてきた老舗バンドです。そんな彼らも近年は、コーチェラやボナルーなどのロック・フェスにも出演し、2014年にはフジロックのため38年ぶりの来日も果たすなど、その活動範囲を大きく広げてきました。アルバム制作でも、2014年には、まさかの全曲オリジナル曲による新作「THAT'S IT!」を、マイ・モーニング・ジャケットのジム・ジェームスのプロデュースによりリリース。そして2017年の最新作「SO IT IS」は、プロデューサーにTV・オン・ザ・レディオのデヴィッド・シーテックを招き、キューバ音楽からの影響を大胆に取り入れた意欲作。こちらは、バンドが2015年にキューバを訪れたことがきっかけに制作されたという、まさに”今”のプリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンドの姿。ニューオーリンズ・ジャズに新たな生命を吹き込むべく、果敢に飛躍を遂げ始めたプリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンド! 私が見たのはこの日の2ndショー。


開演予定時間を少し過ぎた頃、拍手喝采に迎えられステージに現れたメンバー達。ベン・ジャフィ(b)、ロネル・ジョンソン(tb)、クリント・メドゲン(sax)の3人は2014年の来日時から引き続きのメンバー達。そしてカイル・ルーセル(kbd)と、ブランデン・ルイス(tp)は最新作「SO IT IS」から加わった新メンバー。さらにベテラン・ドラマーのシャノン・パウエルは、助っ人的な立場でしょうか? そして本来は長老的存在のチャーリー・ガブリエル(sax)もここに加わる予定でしたが、健康上の理由により来れなくなってしまったそうです。これは流石に残念でしたね…。

ですが、ですが、若手ホーン隊が最高のプレイを聴かせてくれました。1曲目「Over In The Gloryland」は、挨拶代わりにトラディショナルな息吹横溢。テンポを落としたスローな演奏でしたが、愛らしく絡み合う管の音色はこれぞニューオーリンズ! そして歌うはロネル・ジョンソン。時おりゴスペル的な野太いシャウトを交えながら、ふくよかな美声を聴かせてくれました。そして特筆すべきはシャノン・パウエルのドラムス。タメを効かせた、酩酊感のあるビートがえも言えぬ味わいでした。

そしていよいよアップテンポの「Higher Ground」。最新作「SO IT IS」の日本盤にボーナストラックとして収録されている曲。インディアン・ファンク的な掛け声に否が応にも盛り上がる。ここからは”今”のプリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンドの本領発揮です! そして「So It Is」、「Santiago」、「Convergence」、「La Malanga」と、「SO IT IS」からの曲が続く。キューバからの影響をストレートに表しつつも、バンドの醸す雰囲気は流石にニューオーリンズそのもの。それはニューオーリンズの音楽とキューバ音楽の親和性を物語る以上に、音楽地図上におけるニューオーリンズの特異性を肌に感じさせてくれる。

とは言え、ステージはそういった小難しい話を忘れてしまうほどの楽しさに溢れています。何と言っても、丸い体型が印象的なトロンボーン奏者のロネル・ジョンソン。フジロックの時も愛されキャラ的に盛り上げていましたが、今回もとにかく陽気。トロンボーンを客席に向けてブオーン!ブオーン!吹いては満面の笑みを浮かべたり、ステージの端から端へと踊りながら移動したり、コミカルに足をバタバタさせながらソロを吹いたりと、愛嬌たっぷり。もちろん、彼に限らず、サックスのクリント・メドゲン、トランペットのブランデン・ルイスを含むフロントの3人は皆エンターテイナーでしたね。彼らが、立ち位置を変えながら、時に掛け合いしつつ、ソロを回していく様は、古き良きニューオーリンズ・ジャズ以上に、現行ブラス・バンド的な白熱を感じさせてくれました。一方、鍵盤奏者のカイル・ルーセルは終始クールでしたね。ニューオーリンズ・フレイバーなピアノはもちろん、ピッチベンドを用いたファンキーなプレイも印象的でした。彼は若くしてヘッドハンターズやダーティ・ダズンで腕を磨いてきたピアニストで、シャノン・パウエルのジャズバンドでの来日経験もあったりする人。ホーン隊の隙間を縫うように躍動するプレイが光ってましたね。そんなホーンと鍵盤の自由奔放な絡み合いこそ、ニューオーリンズ音楽の楽しさそのものですよ!

そして彼らが自由奔放に出来るのも、要となるリズムがあってこそ。黙々とダブル・ベースを操る、現バンドの頭脳と言われるベン・ジャフィもさることながら、今夜の主役は、シャノン・パウエルでしょう。ハリー・コニック,JR.を始め、数々のアーティストのバックを務めてきた、ニューオーリンズのレジェンド・ドラマーです。彼のタイトでありながら、人間的なおおらかさに溢れたドラミングが、変幻自在なバンド・グルーヴをカチッと締めてましたね〜。その叩き方がまたなんとも魅力的で、私もライヴの半分ぐらいは彼を見ていましたからね。

そのシャノン・パウエルによる観客との「エーメン」のコール&レスポンスから始まったゴスペル「Amen」。ここで一気にニューオーリンズ・トラディショナルな世界へ舞い戻ります。さらに「Down By the Riverside」へ続く黄金のメドレー。ゆったりとしたリズムに乗る、シャノン・パウエルの歌声がまた味わいがあっていいんですよ。終盤になってその歌が教会の説教のような様相を呈してくると、一気にリズムがテンポアップ。ゴスペルの白熱が会場を包み込んでいくと、居ても立っても居られなくなったように、シャノン・パウエルがタンバリンを叩きながらドラムセットから出てきてステージ中央へ踊りでる。もの凄いキレでタンバリンをバシバシ叩くシャノン・パウエルに観客達も大盛り上がり。しかもこのタンバリンのリズムがまた良いんですよ! いやはや、シャノン・パウエルに痺れまくりでしたね!

本編ラストは前作のタイトル曲「That's It!」。現バンドのテーマ・ソングとも言える曲ですね。ゴスペル・メドレーで気をはいたシャノン・パウエルがここでは長尺のドラム・ソロを披露して再度、観客を沸かせてくれました。ベン・ジャフィのベース・ソロも強力でしたね。ベース・ソロ中にメンバー達が「ウナネ〜」みたいな掛け声しているのが、なんともニューオーリンズ的で印象深かったですね。


そしてサプライズはアンコールに。なんと外山喜雄・恵子夫妻がステージへ。プリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンドを見に来るようなお客さんで外山喜雄さんを知らない人はいらっしゃらないのでは?と思いつつ、私の周りにも「あれ?日本人出てきちゃったよ?」みたいな反応している方もいらっしゃって、やっぱり客層はトラッド・ジャズより、現行のニューオーリンズ・グルーヴ好きの方達が多いのかな?なんて思ったり。そんな空気を察してか、外山さん自ら「外山喜雄と申します。日本のサッチモと言われたりしています」と自己紹介して喝采を受けたり。さらに外山さんがニューオーリンズ在住時代にベン・ジャフィのお父さんにお世話になり、プリザヴェーション・ホールに通い勉強したことなどを語る。とりわけ、プリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンド初来日時、ベン・ジャフィはまだ5歳だったという話で盛り上がりました。

そしてお待ちかねの「When The Saints Go Marching In」ですよ。まずはスローなマイナー調でロネル・ジョンソンが歌う。これも何とも味わい深かったですね。そしてアップテンポに華やかに転調すると、我らが外山喜雄さんが、まさしく「日本のサッチモ」な歌声で歌いだす。その本物な歌声に観客達も拍手喝采で応える。バンド・メンバーも嬉しそう。終始クールなカイル・ルーセルも恵子さんと連弾してましたし。外山さんが「ラ・ラ・ラ〜」で観客達とコール&レスポンス。バンドメンバー達も一緒に歌ってアット・ホームな盛り上がりは最高潮に。これぞニューオーリンズですよ。やっぱりニューオーリンズって最高だな!!

演奏が終わって、拍手と歓声の中、ステージを後にするメンバー達。ロネル・ジョンソンは最後までステージに残り、バックに流れるドクタージョンの「アイコ・アイコ」に合わせて、踊ったり、変なブレイク・ダンスしたり、最後の最後まで観客達を楽しませていました。

いや〜、冒険を続けるプリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンドの”今”の姿をたっぷりと、古き良きトラディショナルな息吹も伝えながらのおよそ1時間半弱。ホント、笑顔の絶えない素晴らしいライズでした。ニューオーリンズ万歳!!!



この日のセットリスト↓

Over In The Gloryland
Higher Ground
So It Is
Santiago
Convergence
La Malanga
Amen / Down By the Riverside
That's It!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
When The Saints Go Marching In





ベン・ジャフィ / Ben Jaffe (Bass, Tuba)
クリント・メドゲン / Clint Maedgen (Saxophone)
ロネル・ジョンソン / Ronell Johnson (Trombone)
シャノン・パウエル / Shannon Powell (Drums)
カイル・ルーセル / Kyle Roussel (Piano)
ブランドン・ルイス / Branden Lewis (Trumpet)


ゲスト 外山 喜雄・恵子





シャノン・パウエルがプレイしたドラム・セット。バンドのロゴが格好良い!!



何処かでベン・ジャフィが使うことを楽しみにしていたスーザフォンでしたが、結局、この夜は使われることはありませんでした…。



メンバーの足下に貼られていたセットリスト。全然この通りじゃないし…。



チャーリー・ガブリエルのキャンセル告知。御高齢ですので、健康上の理由というのは心配ですね。早く元気になってもらいたいです。
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Go To The Mardi Gras !!

2017-02-27 11:16:14 | ニューオーリンズ
ニューオーリンズではマルディグラ真っ最中ですね。マルディグラとは、フランス語で「太った火曜日」を意味する謝肉祭のことで、今年は2月28日だそうです。世界三大カーニバルの一つに数えられるニューオーリンズでは、そのマルディグラの日に向けて連日パレードが街を行き交っているとか。あの巨大な山車が連なるカーニバルは一度生で観てみたいですけどね〜。という訳で、今回はニューオーリンズにおけるマルディグラの定番ソングを集めてみました。巨大フロート、仮想、仮面、ビース、かの地の賑わいに思いを馳せて。



Professor Longhair - Go To The Mardi Gras

まずはこれ。1959年、ロンに残された長髪教授の大名曲。


The Hawkettes - Mardi Gras Mambo

ネヴィル・ブラザーズの長兄アート・ネヴィルのデビュー曲としても知られるホウケッツの「Mardi Gras Mambo」。55年のリリース以降、後々までマルディグラのスタンダードとして親しまれています。


Iko, Iko - the Dixie Cups

ドクタージョンでも有名な「Iko, Iko」。オリジナルはこのディキシー・カップスのヴァージョン。さらにその原曲はシュガー・ボーイ・クロフォードの「Jack-A-Mo」であり、さらにその原泉はマルディグラ・インディアンのチャントにあるという。マルディグラのスタンダードを超え、ニューオーリンズを代表する曲。


Carnival Time-Al Johnson

こちらもマルディグラのカーニバルを代表する愛らしき名曲。1960年リリース。


Earl King - Street Parade

私の大好きなアール・キンング!! これもマルディグラのパレード・ナンバーとして定番化しているという名曲。ミーターズをバックに72年の録音。


BILL SINIGAI & THE SKYLINERS Second line part I

73年のStop Inc. によるカヴァーもマルディグラ・スタンダードとして有名なこの曲。こちらはオリジナルのビル・シニガルによるヴァージョン。1962年の録音。これぞニューオーリンズ!って感じですよね。なにせ曲名が「セカンドライン」ですから!




*昨日、ニューオーリンズのマルディグラ・パレードの最中、見物客にトラックが突っ込み、28人が負傷するという事故があったそうです。とても心配ですね。飲酒運転だそうですが。最終日まで、また事故がないように、無事に終わりますように。
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グラミー賞 ノミネート 『Best Regional Roots Music Album』

2017-02-11 11:06:32 | ニューオーリンズ
ルイジアナ南部の文化に欠かせない、ケイジャンとクレオールって御存知ですか?

カナダ南東部アカディアに住むフランス系住民がフレンチ・インディアン戦争により追放され、ルイジアナ南部に辿り着きました。1750〜60年代のお話。彼らがケイジャンと呼ばれるそう。そしてクレオールとは、植民地時代に大陸へ渡ってきたフランス人、スペイン人達の子孫のこと。とは言え、クレオールやケイジャンの詳しい定義や成り立ちとなると、難しい世界史の話になってしまうので、実は私も漠然とルイジアナに根付いたフランス系住民、ぐらいにしか理解出来ていません。なにはともあれ、彼らクレオールやケイジャン達が、音楽や料理など独特の文化を花開かせたのです。



なんて、ちょっぴり堅苦しく始まりましたが、グラミー特集です。グラミー賞の部門の中で、「ルーツな日記」的に最も気になる部門が『Best Regional Roots Music Album』です。いまいち分らない部門ですが、「Regional」は直訳すると「地域」とか「地方」ということのようなので、つまり地域色の濃い米ルーツ・ミュージックってことでしょうね。ここに、ハワイアンとかネイティヴ・インディアン系に交じって、ルイジアナ土着の音楽も入ってくるんです。つまりケイジャンとか、ザディコとか。という訳で、今回の気になるノミネートは以下の5組。

Barry Jean Ancelet & Sam Broussard / Broken Promised Land
Northern Cree / It's A Cree Thing
Kalani Pe'a / E Walea
Roddie Romero And The Hub City All-Stars / Gulfstream  
Various Artists / I Wanna Sing Right: Rediscovering Lomax In The Evangeline Country

期待通りに、ルイジアナ原産の興味深いアルバムが3点ノミネートされました。


Barry Jean Ancelet & Sam Broussard / Broken Promised Land

まず、Barry Jean Ancelet とSam Broussard による「Broken Promised Land」。ケイジャン文化研究の第一人者という Barry Jean Ancelet と、ケイジャンを代表するグループの一つ、スティーヴ・ライリー&ザ・マムー・プレイボーイズのギタリスト、Sam Broussard 。Barry Jean Ancelet の作詞にSam Broussard が曲を付けたというこの作品。オープニングの「Conte De Faits」からSam Broussard のアコースティック・ギターが素晴らしい!まるで生き物のように6本の弦が縦横無尽に響き渡る。

「Promised Land」や「Trop De Pas」でのスライド・ギターも味わい深い。ルイジアナと言えばサニー・ランドレスが有名ですが、このSam Broussard も、確かなテクニックと型にはまらないユニークさではひけをとりません。何せこのアルバムでは、3曲のみにゲスト・ミュージシャンを加えただけで、他のアコースティック・ギター、エレクトリック・ギター、ラップ・スチールはもちろん、フィドル、ベース、ハーモニカ、フルート、サックスまでを一人でこなし、さらにパーカッションのプログラムまで。すべて彼のホームスタジオで録音されたそうです。

ヴォーカルは2人で分け合っていますが、その歌心の違いも面白いですし、ルイジアナの風土を伝えてくれるフランス語詩もまた味わい深い。「Cœur Cassé」ではケイジャン・グループのFeufollet のメンバーだったAnna Laura Edmiston が美声を聴かせてくれています。

Sam Broussard のメロディアス且つ想像力豊かなギター・ワークが、しっとりと聴かせるルイジアナの物語。最後は伝説的なザディコ・オリジネイターである、アメディ・アルドワンを歌った「Une Dernière Chanson」で、Barry Jean Ancelet の朗らかながら飾らない歌声が胸に沁みます。





VA / I Wanna Sing Right: Rediscovering Lomax In The Evangeline Country

こちらは1934年に、ジョン・A・ロマックスとアラン・ロマックスの親子がルイジアナで行ったフィールド・レコーディングに関する、著書、ウェブサイト、新録CDによるプロジェクトだそう。もちろんグラミーにノミネートされているのはCDです。ちなみに著書は「Traditional Music in Coastal Louisiana: The 1934 Lomax Recordings」というタイトルで、CDのプロデューサーでもあるJoshua Clegg Caffery が著わしています。ちなみに、はしがきを書いているのはBarry Jean Ancelet だそう。そしてウェブサイトは多分こちら→「John and Alan Lomax in Louisiana, 1934」。いにしえのルイジアナそのものを録音したようなフィールド・レコーディングを大量に試聴出来る素晴らしいサイトです。

さて、肝心のCD。こちらは多彩なケイジャン・アーティストが参加していまして、パート1〜パート4の4種リリースされています。写真はパート3です。4枚組のボックス・セットもあるようですが、なかなか手が出ないので、とりあえず iTunes で、ジャケが美しいパート3のみを買いました。マグノリア・シスターズのAnn Savoy が歌う「Aux Illinois」、元スティーヴ・ライリー&ザ・マムー・プレイボーイズのDavid Greely によるフィドル・ソロ「Wayne Perry Tunes」、ケイジャンの代表ボーソレイユのMichael Doucet がフィドルを弾き歌う「Je M'ai Fait une Maîtresse」、Zachary Richard がアカペラで歌い、最後にRoddie Romero のスライドが遠くで唸る「Tout un Beau Soir」など。プロデュースはJoel Savoy とJoshua Caffery の2人。どのトラックもトラディショナルな香りが濃厚で素晴らしい!

やっぱり他の3枚も買いたくなっちゃいますね。



Roddie Romero And The Hub City All-Stars / Gulfstream

そしてもう1枚。Roddie Romero And The Hub City All-Stars です! 先の2枚がアカデミックな作品だったので、最後は楽しいアルバムで締めましょう。とは言え、正直、このグループがグラミー賞にノミネートされたのには驚きましたよ! だってルイジアナ・ローカルなイメージが強かったですからね。ですが実は、07年度のグラミーでも『Best Zydeco or Cajun Music Album』部門にノミネートされていたんです。実はその部門は07年度に新設された部門でして、その時はケイジャンとザディコの部門が出来た!と喜んだものですが、わずか4年で無くなってしまったんです…。まあ、無くなったと言うより、おそらく、ハワイアンやネイティヴ・アメリカン等の部門と統合されて現在の『Best Regional Roots Music Album』部門になったんでしょうけどね。

まあ、それはさておき、ケイジャン文化の残るラファイエット出身のRoddie Romero And The Hub City All-Stars による最新作「Gulfstream」です。ニューオーリンズのOFFBEAT MAGAZINE による「The 50 Best Albums Of 2016」でもアーロン・ネヴィルに次いで第2位に選ばれていたアルバムですからね。まさに大躍進。ですがそれも頷ける快作です!

タメの効いたグルーヴに南部の風を感じるミドル・テンポのロック・チューン「My Baby Is the Real Thing」に始まり、ヴードゥー風味の妖しげなニューオーリンズ・ファンク「The Creole Nightingale Sings」、スワンプ・ポップなロックン・ロール「Rock 'n' Roll & Soul Radio」、Roddie Romero の弾くアコーディオンがルイジアナのローカル臭を醸す「Donne-Moi, Donc」や「Po' Boy Walk」。またRoddie Romero はアコーディオンとギターの両刀使いなのですが、スワンピーにハネる「Ma Jolie」や豪快なサザン・ロック「Windmill in a Hurricane」で聴けるキレの良いスライドギターが格好良い!!そしてニューオーリンズ流スローの「I Hope」や「I Must Be in a Good Place Now」の味わいも格別。

アコーディオンやエレキギターとの絡みでルイジアナ流のミクスチャー・グルーヴを作り出す鍵盤奏者は、Roddie Romero とならぶもう一人の重要人物Eric Adcock 。彼の鍵盤がまた良いんですよ! また多彩な楽曲群も多くがRoddie Romero とEric Adcoc との共作だそうです。

プロデュースは名匠ジョン・ポーター。ポップでロックでファンキーなルイジアナ・グルーヴ満載の傑作。ちなみに南部の哀愁豊かなタイトル・トラック「Gulfstream」は今回のグラミー賞『Best American Roots Song』にもノミネートされています。



さて、では本命はどれなのか?グラミー賞にはアカデミックな作品が好まれそうな気がするんですよね。ですが敢えてRoddie Romero And The Hub City All-Stars の「Gulfstream」を本命としたいと思います。やっぱり1枚のアルバムとしての完成度はこれが抜き出ているように感じます。そして単純に私が大好きだから!! そして対抗はBarry Jean Ancelet & Sam Broussard の「Broken Promised Land」しておきます。やっぱりね、「I Wanna Sing Right: Rediscovering Lomax In The Evangeline Country」は1/4しか聴いてないのに偉そうに選べないですからね…。


ですけど、この部門、先にもちらっと触れましたが、2011年度に創設された新しい部門なんです。そして創設以来、昨年まで連続してルイジアナ勢が受賞しているんです。ちなみに今回ノミネートされているNorthern Cree はインディアン系、Kalani Pe'a はハワイアンのようですので、そろそろそっち系が受賞しないと色々問題になりそう…。




↓宜しければこちらもぜひ!


グラミー賞 ノミネート 『Best Americana Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Folk Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Roots Gospel Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Traditional R&B Performance』
グラミー賞 ノミネート 『Best R&B Performance』
グラミー賞 ノミネート 『Best Urban Contemporary Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Traditional Pop Vocal Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Rock Album』
グラミー賞 ノミネート 『Best Rock Performance』
グラミー賞 ノミネート 『Best Rock Song』
グラミー賞 ノミネート ビヨンセ!!
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ジョン・ブードロー R.I.P.

2017-01-30 19:31:45 | ニューオーリンズ
少し前の話になりますが、1月14日、ニューオーリンズの偉大なるドラマー、ジョン・ブードロー(John Boudreaux)が亡くなられたそうです。享年80歳。ニューオーリンズR&B創世記を代表するドラマーの一人であるはずなのに、その訃報があまり大きく取り上げられていないので、本当のことなのかいまだに信じられないのですが…。

亡くなられたことを伝える記事はこちら→ http://www.nola.com/music/index.ssf/2017/01/john_boudreaux_drummer_has_die.html


プロフェッサー・ロングフェアの「Go To The Mardi Gras」、ジェシー・ヒルの「Ooh Poo Pah Doo」、クリス・ケナー「I Like It Like That」、アーマ・トーマス「Cry On」、リー・ドーシー「Lottie Mo」、アーロン・ネヴィル「Show Me The Way」、アーニー・ケイ・ドゥ「A Certain Girl」、クラレンス・ヘンリー「But I Do」、バーバラ・ジョージ「I Know」などなど、数多くのニューオーリンズR&Bクラシックのリズムを担ったレジェンドです。また、03年には初のソロ名義アルバムもリリースしていました。






PROFESSOR LONGHAIR GO TO THE MARDI GRAS

1959年、ロンに残された長髪教授の大名曲。49年の「Mardi Gras In New Orleans」を含むアトランティックのセッションでもジョン・ブードローが叩いていたと言われますが、やはりこの曲が極めつけでしょう。



The Hawkettes - Mardi Gras Mambo

アート・ネヴィルのデビュー曲としても知られるホウケッツの「Mardi Gras Mambo」。実はこのホウケッツがジョン・ブードローにとって最初のレギュラー・バンドだったそうで、後々までマルディグラのスタンダードとなるこの曲のリズムも彼によるもの。



Jessie Hill "Ooh Poo Pah Doo—Pt. 1"

ニューオーリンズR&Bの新しき60年代の幕開けともなった名曲。この曲を始め、アラン・トゥーサンのプロデュース曲の多くでドラムスを務めています。



Barbara George - I Know (You Don't Love Me No More)

ハロルド・バティステが中心に立ち上げたAFOにも参加しています。こちらはAFOからのバーバラ・ジョージのヒット曲。



ジョン・ブードローさん、安らかに。
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ヘンリー・バトラーの平癒を願って

2017-01-14 20:21:30 | ニューオーリンズ
HENRY BUTLER & STEVEN BERNSTEIN & THE HOT 9 / VIPER'S DRAG

私の大好きなニューオーリンズのピアニスト、ヘンリー・バトラーが癌に冒されているそうです。しかもステージ4とのこと。ステージ4っていわゆる末期癌ですよね? もう67歳ですし、とても心配です。


ヘンリー・バトラーは盲目の黒人ピアニストで、ニューオーリンズを代表する鍵盤奏者の一人。その自由奔放に黒いフィーリングが溢れ出るような感性は、個性派揃いのニューオーリンズ・アーティストの中においても、常に異彩を放ち続けてきました。それ故にここ日本ではマニアックな人気に留まってしまっているかもしれませんね。

私が初めてヘンリー・バトラーを観たのは、2000年のパークタワー・ブルース・フェスティヴァルで、この時はバンド・セットでした。2度目は2006年のコットンクラヴでピアノ・ソロ、3度目は08年のビルボードライヴで、なんとシリル・ネヴィル、ジョージ・ポーター・JRとの豪華共演でした。3度とも素晴らしいライヴでした。どんなステージでも圧倒的な存在感を放ち、驚異的な鍵盤プレイと、太く黒光りする歌声に感動させられました。まったくもって偉大なるピアニストです。

なんとか、病気を克服して、また元気な姿を見せてもらいたいものです。




OffBeat Magazineの記事→ Henry Butler Diagnosed With Stage 4 Cancer, Fundraiser Launched To Assist With Treatment

上の写真は、OffBeat Magazineの記事にもあるスティーヴン・バーンスタインとのコラボ作で、こちらが今のところの最新作。スティーヴン・バーンスタインはラウンジ・リザーズ、セックス・モブでの活躍でも知られるニューヨークのトランぺッター。この奇才どうしの共演は意外にもトラディショナルに根ざしつつ、やはり一筋縄にはいかない多彩な魅力に溢れています。オリジナル曲はもちろん、ファッツ・ウォーラーやジェリー・ロール・モートンのカヴァーも味わい深い。当ブログの2015年ベストアルバム企画の第10位に選ばせて頂いた、私も大好きなアルバム。







HENRY BUTLER / PiaNOLA Live
こちらは08年のライヴ盤「PiaNOLA Live」。ビルボードライヴでサインを頂きました。片方の手でペン先を支えながら、両手でゆっくりと書いてくれました。右側に丸っこく書かれたのがそのサインですが、何て書いてあるのでしょうか?「HB』ですかね? 実はサインを頂くためにこのCDジャケをヘンリーに手渡した時、目が見えないヘンリーは私に何か話しかけてくれたんです。でも英語が全く駄目な私は、ただオロオロするばかりで、なにも答えられませんでした。結局無視してしまったようなものなのです…。ヘンリーはそのまま鼻歌まじりにサインを書いてくれましたけど…。私はただありったけの気持ちを込めて「サンキュー!」と言うのが精一杯でした。 この時のことが、今も心残りです…。
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リバース・ブラス・バンド @ブルーノート東京

2016-06-02 19:50:29 | ニューオーリンズ
5月31日、ブルーノート東京にて、リバース・ブラス・バンドのライヴを観てまいりました!!

リバース・ブラス・バンドと言えば、ニューオーリンズのファンキー・ブラス・バンドとしてはダーティ・ダズンに次ぐ老舗。結成は1983年。以降、新陳代謝を繰り返しながら、ダーティ・ダズンと並び、かの地を代表するトップ・バンドに君臨し続けてきました。近年も、2011年の「REBIRTH OF NEW ORLEANS」がグラミー賞『Best Regional Roots Music Album』部門を受賞するなど、その勢いは増すばかり。

今回の来日メンバーは、グレゴリー・ヴィールズ(トロンボーン)、ヴィンセント・ブルーサード(サックス)、シャドリック・オーノレー(トランペット)、デスモンド・プロヴォスト(チューバ)、ジェナード・アンドリュース(スネアドラム)、キース・フレイザー(ベースドラム)の6人。ベースドラムとスネアドラムのコンビがリズムを受け持つ、トラディショナルなブラスバンド・スタイルです。(当初はスタッフォード・エジー(トロンボーン)もアナウンスされていましたが、体調の都合により、残念ながら出演キャンセルとなっています)。


さて、私が観たのはこの日の2ndショー。客電が落ち、拍手に迎えられメンバーがステージに上がる。ステージ上に雑然と並べられていた、ベースドラム、スネアドラム、チューバ、トロンボーン等を各々がおもむろに手にし、始めた演奏は「jambalaya」、ハンク・ウィリアムスがルイジアナのバイユーを舞台に歌った名曲ですね。続いてニューオーリンズが誇る偉大なシンガー、ファッツ・ドミノの「I'm Walking」、さらにニューオーリンズが生んだジャズ巨人、シドニー・ベシェでお馴染みのスタンダード「I've Found A New Baby」と続く。

セカンドラインなビートにホーンが飛び交うごった煮グルーヴ。いやはや、これぞニューオーリンズですよ!ですが、そのグルーヴは思いのほか渋いと言いますか、緩い感じ。もっと前のめりにグイグイ攻めてくるかと思ったんですけどね。リバース・ブラス・バンドと言えば、昔はダーティ・ダズンに比べて随分やんちゃなイメージを持っていたもんですけど。そう言えば、最新作「MOVE YOUR BODY」も、グラミー受賞の前作「REBIRTH OF NEW ORLEANS」も、モダンと言うよりはトラディショナルな雰囲気を強く感じさせる愛すべき作風でした。頻繁なメンバー・チェンジで若い血を入れつつ、しっかりと伝統を受け継いで行く、それが今のリバースのスタイルなのかもしれません。もちろん”緩い”と言うのはニューオーリンズ特有の味であり、堪らない旨味なのです。そしてそのグルーヴの懐の深いこと!やっぱ本物は違うな~と、感慨もひとしお。

そのリズムの根幹を担うベースドラムのキース・フレイザーこそ、このバンドの創立者の一人で、今回の来日メンバーにおけるまさにバンドの柱心。シンバルをマイナス・ドライバーで叩いてるそう。流石レジェンド!そして若きスネアドラムのジェナード・アンドリュース。この彼はかの地を代表するトランぺッターの一人、ジェイムス・アンドリュース(トロンボーン・ショーティの兄)の息子さん。2人とも決して派手なことはしませんが、ハネたリズムを堅実に積み重ねて行く。そしてそのリズムにうねりを加えるチューバがデスモンド・プロヴォスト。この彼は、ジェナード・アンドリュースと供にNEW BREED BASS BANDという若手ブラス・バンドを組んでいる逸材。このリズムを担う3人がステージ後方に陣取る。

ステージ前方には、向かって左から、バンドを引っ張るトランペットのシャドリック・オーノレー。彼はトランペットだけでなく、歌も歌うし、MCもやる。そしてヴィンセント・ブルーサードのサックス、グレゴリー・ヴィールズのトロンボーンと並び、この3人のホーンが煌びやかに絡み合う。その瑞々しくも自由奔放なアンサンブルはまさにニューオーリンズ! まあ、前面に3管しかないのはブラスバンドとしてちょっぴり寂しい感じもしましたが、それがかえってトラディショナルな魅力を際立たせていたかもしれません。

さて、中盤はブラスバンドらしく、「Keep That Body Shakin」~「It's All Over Now」~「Hot Venom」へと切れ目無しに繋がれる。しかも「It's All Over Now」辺りからバンドもエンジンがかかってきた様子で、グルーヴもギアが一段上がった印象。続く「Hot Venom」での次から次へとスピーディーにリフを畳み掛けて行くファンキーなノリも強力。サビを観客に歌わせたり、コール&レスポンスで盛り上がったり。

「Texas Pete」、「Take 'Em to the Moon」と最新作からの曲が続き、お待ちかねの「Rebirth Got Fire」。この曲のホーンリフが始まると、自然にテンション上がりますよね。そして観客達でサビを歌って大盛り上がり!さらに「Tornado」、「I Feel Like Funkin It Up」とキラー・ソングが続き、会場もパーティー・ムードになってくると、そのまま「Do Watcha Wanna」へと雪崩れ込む。シャドリック・オーノレーが「これからセカンドラインだ!」みたいに呼びかけると、いよいよ観客達も総立ちに。そしてリバースのメンバーは全員が演奏しながらステージを降りて行く。さあ、パレードだ!!観客達も白いナプキンを振り回しながらついて行く。会場内は一気にニューオーリンズのカーニバルな空気に満たされる。メンバー達は一列になって会場の後ろの方まで巡って行く。やりますね~。堪りませんね~。

熱狂のうちに一旦メンバー達はステージを降りる。もちろん熱気はまったく下がらない。アンコールは「Take it to the Street」。先ほどまでのパレードの熱をそのまま引き継いで、観客総立ちのまま駆け抜ける、必殺のニューオーリンズ・ブラス・バンド・ナンバー。ファンキーこの上ない演奏で終了。やっぱニューオーリンズはいいですね!


↓この日のセットリストはこんな感じだったかな?

01. jambalaya
02. I'm Walking
03. I've Found A New Baby
04. Keep That Body Shakin
05. It's All Over Now
06. Hot Venom
06. Texas Pete
07. Take 'Em to the Moon
08. Rebirth Got Fire
09. Tornado
10. I Feel Like Funkin It Up
11. Do Watcha Wanna
---------------------------
12. Take it to the Street


*間違ってましたらごめんなさいね。



終演後はサイン会。私もシャドリック・オーノレーと、ヴィンセント・ブルーサード、グレゴリー・ヴィールズの3人からサインを頂きました。ジェナード・アンドリュースとデスモンド・プロヴォストのお二人はツアー・メンバーでしょうから仕方ないとして、キース・フレイザーがサイン会に来てくれなかったのは残念でしたね~。
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リバース・ブラス・バンド

2016-05-31 20:56:25 | ニューオーリンズ
ステージに並べられた楽器達。シンプル。まさにブラス・バンド! ワクワクしますね!
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@ブルーノート

2016-05-31 20:37:49 | ニューオーリンズ
リバース・ブラス・バンドのスペシャル・カクテルは「ファンキー・ジャズ」。ま、私はお酒ダメなので、飲みませんけど…。
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@ブルーノート東京

2016-05-31 20:22:15 | ニューオーリンズ
今日はブルーノートにて、リバース・ブラス・バンド!ニューオーリンズ物は久々なので、超楽しみ!
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グラミー賞 ノミネート『BEST REGIONAL ROOTS MUSIC ALBUM』

2016-02-13 16:02:09 | ニューオーリンズ
Jon Cleary / Go Go Juice

グラミー賞ノミネート特集の第6回。毎年「ルーツな日記」的に最も気になる部門『BEST REGIONAL ROOTS MUSIC ALBUM』。とは言えこの「REGIONAL ROOTS MUSIC」という括りがいまいちよく分からないのですが、「REGIONAL」は直訳すると「地域」とか「地方」ということのようなので、つまり地域色の濃い米ルーツ・ミュージックってことですかね? ここにハワイアンやネイティヴ・インディアン系のアーティストに交じって、ルイジアナ/ニューオーリンズ周辺、特にブラスバンドやザディコ/ケイジャンのアーティストがノミネートされるんです。という訳で『BEST REGIONAL ROOTS MUSIC ALBUM』部門のノミネート作品は以下の5組。

Jon Cleary / Go Go Juice
Natalie Ai Kamauu / La La La La
Keali'i Reichel / Kawaiokalena
The Revelers / Get Ready
Windwalker And The MCW / Generations

英国出身ながら、今やニューオーリンズの顔と言っても過言ではないピアニスト、ジョン・クリアリー。90年代からアブソリュート・モンスター・ジェントルメンを率い、ニューオーリンズの新しいファンキーなR&Bを牽引して来た彼。2012年にアラン・トゥーサンのソング集となるニューオーリンズ愛に溢れたソロ作「Occapella!」をリリースし、ソロ・アーティストとしてのマルチな才能を遺憾なく発揮。そしてその「Occapella!」に続くソロ作が「Go Go Juice」。前作とは打って変わって自身のオリジナル曲を瑞々しいバンド・サウンドで聴かせてくれます。今作のためにジョンが集めたバンド・メンバーは、テレンス・ヒギンス(ds)、カルヴィン・ターナー(b)、ダーウィン・パーキンス(g)、シェイン・テリオット(g)、ナイジェル・ホール(kbd)という、決して派手ではないですが、これぞニューオーリンズな強力布陣。これにパーカッションやホーン隊もつき、ジョン・クリアリーらしい弾力抜群のファンキー・ソウルが全9曲。プロデュースは名匠ジョン・ポーター。

1曲目、いきなりスカのビートで始まる「Pump It Up」に驚かされますが、それがごく自然にニューオーリンズのグルーヴにシフトして行き、またスカと交差し、R&Bとブレンドされて行くようなアレンジに、聴いてるだけで思わず笑顔になってしまいます。カーク・ジョセフを含むダーティ・ダズン・ブラス・バンドのホーン隊が参加した「Boneyard」はインディアン風味のニューオーリンズ・ファンク。おそらくダーウィン・パーキンスと思われるアダルトに揺れるギター・フレーズが印象的なメロウ・ソウル「Brother I'm Hungry」、ミーターズの流れを汲む隙間ファンク「Getcha GoGo Juice」、ヘヴィー且つ夜の香り漂う「9-5」などなど。全編で冴え渡るジョンの鍵盤と渋めの歌声も味わい深い。もちろん鍵盤だけでなく、ベースやギターも弾くマルチなセンスも相変わらず健在。そして特筆すべきは、収録曲の多くで故アラン・トゥーサンがホーン・アレンジを施していること。特に「Bringing Back The Home」でのブラスはいかにもトゥーサンな響きで、特に前半のバラード調の部分は曲調やピアノの響きすらもトゥーサンっぽく聴こえて、なんかしみじみしてしまいます。


対抗は、まったくもって個人的な趣味で申し訳ありませんが、ルイジアナのケイジャン/スワンプ・ポップ・バンド、THE REVELERSの「Get Ready」。こちらはレッド・ スティック・ランブラーズ のメンバー達が結成したグループで、これが3枚目のアルバムになるのでしょうか? ルイジアナらしい”いなたい”リズムとメロディー、アコーディオンやフィドルの音色、そして素っ頓狂な味わいのヴォーカルが最高にラヴリー!! 彼の地の空気がムンムンに漂ってくるごきげんな1枚です。そして残りのアーティストは、失礼ながら私の守備範囲ではないのですが、Natalie Ai KamauuとKeali'i Reichel はハワイアン、Windwalker And The MCWはネイティヴ・アメリカンのアーティストのようです。




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