箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

教師も生徒も、学ぶ人

2017年11月28日 13時10分59秒 | 教育・子育てあれこれ


本日、期末テストの1日目でした。

生徒たちは、熱心に答案に臨んでいました。


さて、教師は、「教える人」。

でも、教えることは、学ぶことです。

教えるためには、自分がよくわかっていないことを確認します。

また、教えると、「あっ、これは自分がわかっていない点だ」と気づくこともあります。

つまり、教えることは学ぶことなのです。

だから、安易な教えたがりになるよりも、自分が学ばせてもらっていると自覚が教師に必要です。

とかく、教えることで、教師は生徒と教師の関係をとり違えてしまう場合があります。

「教える人が上、教えられる人が下」と取り違える教師は、教師とは言えません。

教師も学ぶ人、生徒も学ぶ人。そこには、どちらも学習者という共通の関係があります。

実際に、私も三中の子から学ばせてもらうことがあります。

弁論大会に出る生徒には、原稿を弁論用に修正していっしょに完成させ、弁論の仕方を「教え」ました。

その生徒は、後日、別の機会で平和作文を読みました。

すると、弁論大会で学んだ弁論のテクニックをいかして、ただたんに朗読するのではなく、説得力のある話し方をしていました。

私は弁論大会の終了と同時に、教えることは完結したと思い込んでいました。

しかし、生徒は、学んだ知識と技術を、ほかにいかしていたのです。

人の学習は終わらない。このことを、その生徒から学ばせてもらいました。


生徒も教師も、どちらも学んでいるのです。

ゆえに、教師と生徒は対等の関係です。

ただ、何が違うかと言えば、教師の方が生徒より少しだけ人生経験が長いということだけです。

その経験をいかして、生徒にどうすべきかを示したり、アドバイスをしたり、考えさせたりして導くことができます。

そういった意味で、やはり教師は「師」なのです。

ただし、こと中学生に関しては、どうするかを決めるのは本人です。

生徒の学ぶ力と成長する力は強くてたくましい。

改めて、こう思います。