経済(学)あれこれ

経済現象および政策に関する意見・断想・批判。

中央銀行の役割なるものに関して

2022-06-01 03:00:52 | Weblog
中央銀行の役割なるものに関して
 今日の新聞に安部元総理の中央銀行は政府の子会社という意見とこの考え方への反論が載っていた。ここで若干私の意見を述べさせていただく。日本では大隈重信の積極財政への危惧感から松方財政が起こり、やがて日本銀行が設立された。米国では中央銀行の存在に対する嫌悪感が強く、FRBが実際起動しだしたのはあの有名な大恐慌(1929年)以後だ。日米ともこれらの中央銀行が経済発展に積極的役割を果たしてはいない。中央銀行の始まりは1790年代にできたイングランド銀行だが、この機関の氏素性も怪しい。名誉革命で迎え入れられたWiliam3世はオランダ人でイギリス人の信用は低く、当時の欧州国際戦争であるスペイン王位継承戦争の費用を英国は持てず、当時の銀行中比較的大規模なロンドン銀行に債権を引き受けさせて戦争を遂行した。この王様とモンマス(?)公は軍人として極めて有能で戦争に勝ち領土を拡大した。それで国債を消化した。この国債はコンソール
公債と言い、元金は返す必要がなく、その代わりに利子は永久にもらえるとされた。利子率は2,5%だから悪い投資ではない。
 国債の発行つまり貨幣量の増大はデフレ対策(景気振興)には意味があるがインフレ対策(景気冷却)に意味があるのか否かと言えばわからない。英国はかっての成功にとらわれ安定財政に徹しすぎて覇権を失った。元凶はチャ-チルだ。
 そういういきさつを考慮すれば、はたして日銀には政府からの独立性がありうるのかと疑問に思う。                          2022-5-31
(付)アメリカのように膨大な国際債務を抱えてなお経済覇権を維持しようという新たな計略には有効だが。


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