「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

皆様の中央区政に関する課題は何ですか?

2011-04-10 12:14:16 | マニフェスト2011
 さて、来週火曜日12日、東京青年会議所主催の区長選挙公開討論会が開催されます。

 以下、主催者から事前質問をいただきました。

******事前質問*****

2011東京都中央区長選挙公開討論会 立候補予定者に対する事前質問


質問内容
質問1
(1) 貴殿が考える「将来の中央区」のあるべきビジョンをお示しください。そのビジョンについて「テーマ(表題)」を25字以内、ビジョンの内容を300字以内でお書きください。

テーマ:

ビジョンの内容:

(2) その実現のために、特に重要と思われるテーマを1点挙げて頂き、それぞれ300字以内でお書きください。(テーマ25文字以内)

テーマ:

内容 :



質問2 東北地方太平洋沖地震により甚大な被害が発生しております。貴殿が考える中央区の防災のあり方について、その「基本方針」を示し、必要な「取り組み」についてお書きください。(400文字以内、基本方針25文字以内)

[基本方針]:
 
[取り組み]:



質問3
(1) 現在の中央区政の課題を2つ挙げてください。300文字以内




(2)その課題の解決策について具体的にお答えください。300文字以内





以上。


*********

 皆様は、いかに回答なさいますでしょうか。

 以下、自分の回答を掲載致します。

 字数の制限(わずか300字での回答)や、課題の選択が2つということで、限られた中で回答せざるを得なかった状況は、ご理解願います。


*********小坂の回答*******

質問1
(1) 貴殿が考える「将来の中央区」のあるべきビジョンをお示しください。そのビジョンについて「テーマ(表題)」を25字以内、ビジョンの内容を300字以内でお書きください。

テーマ:子どもは地域の宝、子どもが健やかに育つ社会(25字)

ビジョンの内容:子どもが身も心も健やかに育つこと、障がいのありなしに関わらずに、本来持った可能性を最大限のばすことができる、その伸びていくなかでなんらかの障害が社会の中で生じたならば、その障害を取り除くべく先頭に立って即座に対応する中央区でありたいと考えます。今、子どもを取り巻く現代の環境はたいへん厳しいものがあり、核家族化の進行で最も重要な家族の機能でさえ低下してきています。「子育てと仕事の両立が当たり前の社会」「子どもの病気や学校行事などの事情で、仕事を休むことが許され、それが当たり前の社会」でもあるべきです。子どもの目線に立ったまちづくりは、すべてのひとにやさしいまちであり、これを目指します。



(2)その実現のために、特に重要と思われるテーマを1点挙げて頂き、それぞれ300字以内でお書きください。(テーマ25文字以内)

テーマ:子どもの成長を一貫して支える子育て・子育ち支援策(24字)

内容:
 母親が孤立して子育てすることをなくすために、まず、安心して子育てできる環境整備が必要。子ども達には、早くから感性が豊かになる場を提供、特に、本との触れ合いが大切。学童期には、食習慣や運動習慣をみなおし、休まずに学校に通える丈夫な体作りを目指します。学童期も、読書を大切にするとともに、子ども達一人ひとりの可能性が伸びる教育をいたします。学童期・思春期にはこころの悩みが生じる時期でもありますが、十分対応できる体制作りを行います。また、社会参加の準備期として様々なきっかけ作り(職業体験、ボランティア体験、シチズンシップ教育)を行います。
 このように発達段階に合わせた重要課題に区が率先して取り組みます。



質問2 東北地方太平洋沖地震により甚大な被害が発生しております。貴殿が考える中央区の防災のあり方について、その「基本方針」を示し、必要な「取り組み」についてお書きください。(400文字以内、基本方針25文字以内)

[基本方針]:最悪の状況も想定し、命を必ず護る減災のまちづくり(24字)

[取り組み]:
 私も被災翌週から3度石巻市に入り災害医療活動を行う中で、現在の区の想定を遥かにこえた事態に備える必要性を実感しています。区の緊急総点検を、原発事故悪化等あらゆる危機の想定も入れまず実施すべきです。
 防災拠点の再点検が最重要課題。地域住民の避難所である防災拠点が、震災時帰宅困難者であふれる可能性があり、企業自体の帰宅困難者対策強化も盛り込んだBCPの配備徹底が必要。防災拠点の運営自体も地域―行政―学校―消防団そして周辺企業の連携のもと、日頃からの活動強化も重要。自助共助で命を守るため、救命救急講習を充実強化し、この点では、医師である私自ら住民の皆様にご指導させて頂きます。
 医療面で個人開業医は機能せず、聖路加国際病院が野戦病院化することが最悪想定されます。地域中核病院と開業医との連携強化と災害防災協定を結ぶ市との日頃の交流からいざというときのスムーズな医療を含む相互連携体制の構築が求められます。
 




質問3
(1) 現在の中央区政の課題を2つ挙げてください。300文字以内
①(課題1)
 中央区の民主主義のありかたそのものが重要課題です。以下二例。
 「計画ありき」でまちづくりがなされ、住民の声が届かないと、少なくとも7つの地域でご相談を受け、請願で議会に届けもしました。住民の合意形成のひとつの場である「まちづくり協議会」自体も開催日程や会議の内容が広報されるべきがされていません。
 地域のシンボル的な存在となり、日本建築学会等から重要文化財相当と高く評価をされている明石・中央小学校が昨年取り壊されました。もともとの堅牢なつくりゆえ、耐震性・耐久性の面から、現存のままでも安全性が確保されている以上は、「計画ありき」の安直な解体は慎み、賛否両論を十分検討すべきでした。


②(課題2)
 築地市場移転問題では、議会は、意見書を石原都知事に提出し、総意をもって現在地での再整備を求めています。
 移転候補地である豊洲6丁目東京ガス工場跡地は、日本最大規模の土壌汚染地であり、生鮮食料品を扱う市場を開場するには適切な場所とはいえません。民主党政権交代後の平成21年9月24日築地市場を視察した当時農林水産大臣は、移転について、「安全について納得できなければ認可しない」と明言、改正土壌汚染対策法上の土壌汚染指定区域とされる場所への新市場開設認可がなされることはないと考えられます。
 また、二兆円規模の経済効果の市場移転は、売り上げや消費の減少で、区内商店街に大きな打撃を与えるものと考えられます。

(2)その課題の解決策について具体的にお答えください。300文字以内

③(課題1の解決策)
 「知らしめず、拠らしむべし」の体質から脱却し民主主義での大切な以下のプロセス、1科学的な裏付けのもと政策をつくり、2それを早い段階から情報公開し、3議会・審議会で十分に議論し、4少数意見を尊重しつつ多数の合意形成(区の方針策定)5施策を行った後の再評価、そして6施策の見直し、を再点検することがまず重要。
 また、民意をきちんと把握するため「全区民アンケート方式」や、インターネットを用いた大規模な母集団による区民モニター制度を導入すべきです。JCの提案する「住民討議会」にも期待。
 さらに、最重要事項には、有権者に意向を直接投票の形で問うことができるよう「常設の住民投票条例」を制定すべきと考えます。

④(課題2の解決策)
 食の安心安全、築地の食の文化、築地のブランドを守っていくために、築地市場の現在地再整備実現に向けた行動を今こそとるべきです。築地を日本一の観光地にしましょう。
 1現在地再整備に向けた基礎調査や、住民の意思を確認する住民投票実施
 2現在地再整備について都議会では、継続審議の状態。都議会で検討された現在地再整備の手法3案それぞれの実現に向け、中央区としてどのような支援を行うことが可能かの検討
 3「現在地再整備案」提示。都知事へ提示の移転した場合の「中央区案」では、人工地盤や立体道路制度をもちい再開発業務ビルを描いたが、業務ビルを描いた場所に卸のスペースをとり、現在地再整備の案とすることは可能である。

以上、
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放射線被ばくから区民の皆様を守るために取るべき施策

2011-04-10 02:14:50 | マニフェスト2011

 放射線被ばくから区民の皆様を守るために取るべき施策を、以下、考えています。

1正確な情報を区民の皆様に迅速に提供
①今、福島原発で起こっていることの情報を迅速に伝える

②放射線被ばく関連の講演会開催

③プルーム(放射性物質をチリに含んだ空気の流れ)通過時の対応を啓蒙

④相談対応窓口の設置(妊婦、乳幼児の被ばくの問題等対応)


2きちんとモニタリング
①空間線量率モニタリング

②ダストサンプラーによるモニタリング

③飲料水・食品の暫定規制レベルであることの確認
 食物連鎖に特に注意

④SPEEDI の予測、または、予測情報の入手



3医療体制の整備
①被ばく患者受け入れ それに対応した訓練

②安定ヨウ素剤の提供体制の再確認



4乳児への飲料水提供体制の構築



5原子力発電所事故も想定した『中央区国民保護計画』『中央区防災計画』の見直し

など
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緊急被ばく医療の基礎知識 『福島原発事故と今後の課題』 国際医療福祉大学 鈴木元先生

2011-04-10 00:13:37 | 防災・減災
 1)福島原発は、多重防護機能喪失が起きました。臨界自動停止は作動しましたが、燃料棒を冷やすことや封じ込めることに失敗しました。


 燃料ペレット(一部融解)
 ジルコニウムの燃料被覆管(一部破断)
 圧力容器(おそらく損傷、1と2号炉)
 格納容器(圧力抑制プール等損傷、2号炉)
 原子炉建屋(水素爆発)

 2)放射性物質の環境中への漏洩は、以下、3つの経路からなされています。
 1、ベント開放(高圧による圧力容器の破壊を防ぐ)
   放射性希ガスおよびその娘核種 
   揮発性の高い放射性ヨウ素等
 2、圧力容器・格納容器の損傷
   放射性セシウム等、非揮発性の放射性物質も飛散
 3、汚水の漏洩
   溢れ出した冷却水。圧力容器内の水?

 3)法射線防護の目標は、
 第一の目標 放射線急性障害を防止:全身急性被爆線量が500mSvを超さないように管理(とくに防災作業者)
       急性放射線障害
       しきい線量 1Sv以上の急性全身被爆で発症
       放射線感受性の高いリンパ節や造血組織の障害が先行
       皮膚(3Sv以上で1度熱傷、12Sv以上で2度~3度熱傷)
       消化管 6Sv以上で一時的下痢


        
  

 第二の目標 放射線発がんリスクを合理的に達成可能な限り低く管理(防災作業者と住民)
       急性被ばく 全身約100mSv(小児甲状腺50mSv)以上で将来の発がんリスク上昇
       可能限り、発がんリスクの上昇しないレベルに低減
       一回数mSv未満の被ばくを繰り返し合計100mSvを超しても、発がんリスクは検出不能なレベル

 
 4)緊急対応期の住民防護対策
4-1緊急時:放射性希ガスや放射性ヨウ素を含むプルーム(放射性物質を含むチリの入った空気のながれ)からの防護
     超短半減期の核種が多い 
     外部被ばく線量を減らす
     放射性ヨウ素の吸入を減らす
     安定ヨウ素剤を服用する

 プルームからの被ばく対策
  域外退去(避難);予測実行線量50mSv以上
  コンクリート屋内退避:予測実行線量50mSv以上
  屋内退避:予測実行線量10mSv~50mSv、予測小児甲状腺線量100~500mSv
  安定ヨウ素剤内服:予測小児甲状腺線量100mSv

<風下方向対策地域以外での被ばく低減措置>希釈されたプルーム通過時(最初の数日)
*不要不急の外出を控える
*露出部分を少なくする(帽子、多重マスク、レインコート)
*屋内への放射性物質持ち込みを少なくする
 (外側の衣服をビニール袋に入れて保管、靴の保管)
*雨に当たらない
*外出後に手洗い、洗顔、シャワー

<プルームが去った後の被ばく経路とその監視>
*地表に降り積もった放射性核種からのガンバ線(空間線量率のモニタリング

*舞い上がった放射性のチリの吸入(ダストサンプラーによるモニタリング

*汚染された飲料水・食品
 (流通の制御

*雨風により地表面から洗い流されるため、放射性物質の物理的半減期より短い時間で減少して行く

   

4-2飲料水・食品の摂取制限
  放射性ヨウ素・セシウムの摂取制限

<放射性物質の経口摂取の低減>
*暫定規制レベルを設定して、経口摂取を低減する

*放射性ヨウ素 乳幼児の甲状腺の線量が50mSvを超さないように設定

*放射性ヨウ素I131は半減期が短い(8日間)ので、最初の1~2ヶ月が勝負時期

*放射性セシウムCs137(半減期30年) 全身の線量として5mSv/年以下になるよう設定


5)放射線の発がん影響
*放射線被ばくにより、組織を再生する幹細胞・前駆細胞に遺伝子損傷が起きる結果、将来白血病やがんになる確率があがる

*1回に約100mSv(小児甲状腺50mSv)以上の被ばくで発がんリスクが検出されるようになる。

*原爆被爆者の疫学調査により、被ばく線量あたりの発がんリスクの大きさが分かってきた

*低線量長期間被ばくでは、総被ばく線量が同じでも原爆被ばくの瞬間的被ばくに比べると、発がんリスクが低下し、リスクが検出されなくなる。


6)放射性ヨウ素の内部被ばくによる小児甲状腺がんリスク


*チェルノブイリ事故数年後から、小児甲状腺がんの罹患率上昇

*悪性度の低い乳頭状腺がん(死亡は少ない)

*内部被ばくによる甲状腺がんリスクの大きさは、外部被ばくの約半分

*1万人の子どもが100mSvの甲状腺被ばくを受けた場合、数年後より毎年0.2名の甲状腺がんが増加する大きさ

*白ロシアやウクライナは、元々ヨウ素欠乏地域であり、その寄与もあるか?


7)急性被ばくと遷延被ばく
*急性被ばく6000mSv以上→重症 急性放射線障害

*急性被ばく1000mSv~6000mSv→軽症~中等症急性放射線障害

*急性被ばく100mSv(小児甲状腺50mSv)以上→発がんリスク上昇

*一回10mSvを繰り返し受ける→放射線感受性の高い組織でがんリスク上昇。線量あたりのリスクは半減

*一回3mSv素線量→すべての標的細胞にはヒットしなくなる線量

8)放射線の胎児影響・2世影響
 原爆胎内被爆者:胎児期8週~15週(25週)
0.1Sv以上で頭囲減少。

0.4Sv以上で小頭症、脳発達障害、」知能障害

*チェルノブイリ事故後の堕胎の増加
→放射線に対する過剰不安が国民を不合理な健康行動に走らせる

9)国民に対する情報発信
*守られているという安心感を与えることが肝要

*飲料水・食品の安全を担保

*非汚染を保証するのではなく汚染レベルは安全なレベルというメッセージ

*常に食品は放射性カリウムなどの放射性物質を含んでいる


10)放射性セシウムー137
*半減期が30年

*雨風により半減時間は短い

*食物連鎖により体内へ

*体内に入ると、カリウムと同じような動態
 消化管から吸収され、細胞内へ取り込まれる

*一方、退社に体内から約100日の半減期で排泄される

*<暫定規制値>
 飲料水       200 Bq/kg
 牛乳・乳製品    200 Bq/kg
 野菜類        500 Bq/kg
 穀類         500 Bq/kg 
 肉・卵・魚・その他   500 Bq/kg
 上記5群の食品を平均なメニューで1年間食べ続けた場合に、各群から最大でも1mSv(5群で5mSv)の被ばくに収まるレベル
 5mSvの被ばく、あったとしても10歳児で最大0.1%生涯がんリスクが上昇するかどうかという安全レベル。

11)日常的な被ばく線量(世界平均)
宇宙線            0.39 mSv/年
ラドンガス          1.26mSv/年

原始放射性核種/経口 0.29mSv/年
原始放射性核種/外部被ばく 0.48mSv/年

     小計        2.4mSv/年

医療被ばく          0.6mSv/年 一部の国 約3mSv/年

すべての核爆発実験       0.01mSv/年


12)緊急対策期から中期対策期へ

*屋内退避、一時避難の解除に向けた準備、及び疎開しなければならない地域の指定

 IAEA解除の指針あり

*農業・酪農、漁業再開の指針

*チェルノブイリ事故後の施策も参考になる

13)キーワードは、リスクの認知と受容
*年5mSvの放射性セシウム全身被ばく 10歳の子どもで最大でも0.1%リスク上昇

*肥満(BMI5増加)のがんリスク 20~60%増加


14)最後に
*放射性物質が環境中に放出されたという現実を受け入れるところから始まる

*放射性物質フリーの生活を望むのではなく、どう放射性物質と安全につきあって行くのかが問われている

*チェルノブイリ事故後の田畑再生、土地改良、国民の合意形成手法等、私たちが学ぶべきことは多くある

以上


『緊急被ばく医療の基礎知識 福島原発事故と今後の課題』
国際医療福祉大学 鈴木元先生 
ご講演を参考に。
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