「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

著者と語る『新型コロナの不安に答える』宮坂昌之・大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授 2022.3.31

2022-03-31 23:26:42 | 各論:新型インフルエンザに備える

➝ https://www.youtube.com/watch?v=Zjfy_MiVxgs


*****毎日新聞2022.4.25******
https://mainichi.jp/articles/20220425/ddm/013/070/046000c

学校とわたし
疑問発見、答え自らで=免疫学者・宮坂昌之さん

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予算特別委員会論点から見えた論点6-3:企画総務費、都市整備費:築地市場跡地再開発 方針の詳細を都が発表。隅田川スーパー堤防が繋がります!!

2022-03-31 11:42:48 | 財務分析(予算・決算)

 中央区の最重要論点のひとつ、築地市場跡地再開発。

 東京都が、その方針の詳細を2022年3月30日に発表しました。

 ➝ https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/toshi_saisei/data/saisei08_r4_03.pdf

 市場跡地の中に何を作るかも重要ですが、隅田川スーパー堤防が整備され、堤防が繋がり、歩ける回遊性が増すことも、とても重要なことです。

 湊や明石町から伸びてくるスーパー堤防が、勝鬨橋の下をくぐり築地市場跡地周辺へとつながり、さらに、環状2号線である築地大橋の下もまたくぐり、浜離宮近くまで行き、さらに、堤防づたいに竹芝まで歩けるようになる図が描かれています。

 隅田川を眺めながら、ゆったりと散歩やジョギングがさらに楽しめそうです。

**********東京都資料********
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/toshi_saisei/saisei08.html

令和4年3月
(2022)「築地地区まちづくり事業」事業実施方針の策定
 築地地区のまちづくりについて、事業者募集に向けた具体的な条件等を示す事業実施方針を策定しました。募集要項等の公表は、令和4年秋頃を予定しています。
「Tsukiji District Community Development Project」Project Implementation Policy(English version for reference)
* The original copy of the Implementation Policy was prepared in Japanese language, and this English version was prepared for reference purpose only. In the event of any inconsistency, the Japanese version shall prevail.





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予算特別委員会から見えた論点25:福祉保健費:新型コロナウイルスを正しく恐れ、開かれた区政を維持していく。学びの保障を行っていく。

2022-03-30 08:58:24 | 財務分析(予算・決算)
 予算特別委員会では、議会も行政も、新型コロナウイルスは、医学的知見を参照しつつ、正しく恐れることをお願いして参りました。
 不安が先に立って、過剰な対策(開催されるべき会議が開催されないこと、傍聴・出席が許されるべき会議が傍聴・出席が禁止されること)のあまり、知る権利等がないがしろにされないことを願っています。





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「再犯の防止等の推進に関する法律(再犯防止推進法)」

2022-03-29 22:09:00 | 心理学・カウンセリング

https://ampmedia.jp/2022/03/11/retaction-ryukoku3/

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築地市場跡地再開発に向けた「築地エリアマネジメント組織」の構成員となるべき「中央区都市整備公社」の経営戦略

2022-03-29 13:44:27 | 築地重要

 本日3/29、築地魚河岸を運営する「中央区都市整備公社」の評議員会が開催され、評議員のひとりとして出席をして参りました。

 令和4年度の予算案がテーマです。 

 各評議員から、さまざまな問題提起がなされ、たいへん有意義な時間をなったと思っています。

 私の方からは、

1、赤字(-400万円)と、予算ベースで、令和2年度の赤字3000万円、令和3年度の赤字2000万円から、たいへんな経営努力で改善されてきているが、今後のリスク要因はなにかあるか?

2、築地魚河岸の入居者の家賃負担への軽減策の今後。

3、すでに、コロナ禍から立ち直り、にぎわいを取り戻しつつあるが、築地場外市場活性化に求められているものは何かあるか?

確認をさせていただきました。
理事者側からは、

1、赤字策について、
 軽減策のない100%の家賃をいただく形で予算を組んでいるため、今後の軽減策の分、事業収入が減少する。

2、家賃負担軽減策について、
 当初、家賃軽減策を組んだのちに、100%へ戻していく。

3、今後の築地場外市場活性化策について
 区内や周辺区から、小口のプロのニーズを満たしつつ、一般客の取り込みもアピールしていく。
 築地の歴史と伝統をアピールする取り組みにも力を入れる。
 晴海フラッグなどの新たな区民へのPRも進めていく。

以上のような趣旨の答弁をいただきました。

 1、2については、家賃軽減策をとって、店子からの家賃収入が減ったとしても、都市整備公社が、土地所有者の中央区へ支払う賃料も減額をしていただける分、影響が少ないが、維持管理費は、減額の余地がないため、その負担増は注視をお願いしました。
 
 3については、一般客とりこみのためには、人の流れを作る必要から、
 ①江戸バスの抜本的なルート変更における、日祝だけでなく平日を含めた築地場外市場停留所の設置、 

 ②築地市場跡地において、まず、東京都が整備をしようとしている舟運船着場は、極力勝鬨橋よりにつくり、舟運で訪れたかたがたに場外市場を利用しやすくする。

 ③築地市場跡地周辺の隅田川沿いテラスの連続性を整備し、歩行者の回遊性を高め、場外市場を利用しやすくする。

 ④そもそも、築地市場跡地再開発にあたり、事業者が中心となって構成する築地エリアマネジメント組織には、メンバーとして、都市整備公社も参加する。

 以上の提案を行いました。

 食文化の拠点である築地を、まちの皆様と、都市整備公社が一緒になり、にぎわいを作り出せていければ幸いです。

 なお、他の評議員からは、

1、サイクルポートの設置

2、マンション管理における防災の取り組み強化

3、築地場外市場のユーチューブなどを使ったPR

4、同PRのための中央区観光協会との連携

5、観光客とプロの客とのバランス

6、新築マンションの入居者の町会参加

7、事業報告におけるPDCAサイクルに資する指標の提示

の非常に大事な指摘が多数なされました。

<令和4年度 収支予算書 資金計算ベース>  左から令和4年度 423万3千円赤字、令和3年度 1228万4千円赤字


<一年前の同じ個所、令和3年度 収支予算書 資金計算ベース>  左から令和3年度 1959万6千円赤字、令和2年度 2931万9千円赤字

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予算特別委員会論点から見えた論点6-2:企画総務費、都市整備費:築地エリアマネジメント組織の形成

2022-03-29 00:10:10 | 財務分析(予算・決算)

 東京都が、築地市場跡地開発の方針として2021年11月に発出した『築地地区都有地活用事業の実施方針の方向性について』には、たいへん大事な内容がちりばめられて書かれています。

 そのひとつが、築地エリアマネジメント組織の立ち上げです。

 築地を盛り上げる主体となる組織がきちんと入り、形成されることを望みます。

******東京都HP********


『築地地区都有地活用事業の実施方針の方向性について』

https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/toshi_saisei/data/saisei08_r3_11.pdf?2=







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仲間との勉強会で、「100年後を描いて、1分でプレゼンせよ。」とのお題で、考えたこと。

2022-03-28 22:22:03 | 遊んで学ぶ 『学びの宝箱』

 仲間との勉強会で、「100年後を描いて、1分でプレゼンせよ。」とのお題で、考えたこと。

 科学技術が、ゆとりを取り戻し、余暇を楽しめる100年後が来てくれるのではないかと、夢描いてみました。

 晴耕雨読で、農業をしつつ、自給自足での生活を皆、田舎でやるようになっているのではないだろうか。

 なお、「都会の廃墟化」と書いていますが、このままの状況を放置すればということであって、その方向転換により、廃墟化を防ぐ手法は、100通りあると考えます。
 このまま放置すれば、気候変動による自然災害で、100年後には、都会どころか、人類の生存そのものが危うい…

 

 

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予算特別委員会から見えた論点24:教育費:地域と学校をつなぐ者の存在、社会教育士。地域連携のかなめ。

2022-03-28 08:46:02 | 財務分析(予算・決算)

 学校と地域の敷居がなくなることがとても大切だと考えます。

 防災拠点運営員会や、部活動支援員など、その敷居がない取り組みが中央区でもなされていますが、どんどん地域とつながりを育んでいく者(文科省は「社会教育士」と命名されるようです。)がおられるとよりスムーズに進むと思います。

****文科省の取組み*****

【社会教育士PR動画第3弾公開‼】<その1>
文部科学省ホームページに、「社会教育士」のPR動画第3弾<その1>を公開しました!
今回の動画では、【学校×社会教育士】として、岡山県浅口市の寄島小学校校長の安田隆人先生の事例を紹介しています。
様々な場所での活躍が期待されている「社会教育士」について、より多くの方に知っていただければと思います。ぜひ、御覧ください!
▼YouTube動画(本編)はコチラ
・【学校×社会教育士】学校を起点とした地域連携と「学び」の循環
▼「社会教育士」特設サイトはコチラ
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言葉が風通しの良い、光の通りやすいエリアを自由に行き来してこそ、僕たちは自治における「決めごと」を公平に実行できる。自治とは言葉。『政治学者、PTA会長になる』より

2022-03-27 12:48:02 | シチズンシップ教育

 「情報公開は、民主主義の基本中の基本である。」といい、そのことが少しでも実現できますように議会で取り組んでいます。

 現在、楽しく読んでいる岡田憲治氏著、『政治学者、PTA会長になる』において、たいへんわかりやすく述べられていたため、抜粋し、共有します。

 「役割を担う人の適性や期待は、政治においても同じように、「言葉」によって表現されなければならない。言葉が風通し良い、光の通りやすいエリアを自由に行き来してこそ、僕たちは自治における「決めごと」を公平に実行できる。自治とは言葉なのだ。」

 :同著144頁より

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農泊、大事な取組だと思います。キャンペーンビデオ鑑賞。

2022-03-26 13:32:37 | 財務分析(予算・決算)

➝ https://www.youtube.com/watch?v=mimm2YzS_L0

  農泊の体験が、農村・漁村を盛り上げると同時に、都市での温暖化防止の行動変容へとつながっていくものと期待をします。

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『政治学者、PTA会長になる』岡田憲治著、身近な、わかりやすい政治の教科書、登場!それも実践編といった感じです。読み出したら止まらない。

2022-03-26 11:23:10 | 教育

 身近な、わかりやすい政治の教科書です。それも実践編といった感じです。

 途中ですが、いろいろ頷きながら読んでいます。

 PTAという任意団体の具体的なお話から始まっています。

 その特殊性、すなわち、

 ・任意の活動団体のお話であって、企業のお話ではない。

 ・子どもの命を守るという共通の使命を有している。

 ・任意の団体だけれど、会費を徴収している以上、お金の管理は、失敗が許されない。

 ・学校にはあるけれど、学校とは、異なり、先生の指導は受けない。

 ・役員らは、優先すべき家族の暮らしを持ち、生活の延長線上で活動をするボランティア

 などの事情のある場であることを認識しながら読み進める必要があります。

 とっても、おもしろいです!!!読み出したら、止まりません。




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勉強の本質、キャリア形成の本質とは?内田樹さんの場合。

2022-03-25 10:45:10 | 教育

 内田樹さんが、勉強の本質を語られています。キャリア形成の本質も述べられています。

 自分の専門ではないところへの興味をもっていくことが、人生に役立つという考え方には、同感です。

 その興味の抱き方は、内田さんは、「純粋な好奇心というよりはむしろ「これを知らないと世界の成り立ちや人間の本質がわからない」という切迫感に追い立てられて勉強してきたように思います。」という風に、切迫感からきていると述べられています。

 私は、単に知ることが、楽しいからということで、切迫感まではもっていないなと気づかされました。

******朝日新聞2022.3.25******

https://digital.asahi.com/articles/ASQ3S6G3XQ39UZVL005.html

――文章を書く際、「想定読者」と位置づける存在がいるそうですね。

 想定読者というのは「この人がOKと言ってくれるか」と思い浮かべる相手のことですが、私の場合2人いて、1人は小学生の頃からの友人である文筆家の平川克美君(71)。もう1人が2歳上の兄・徹です。兄は6年前に亡くなりましたが、とても仲良い兄弟でしたね。今でも、兄が読んで納得してくれるものを書くということを心がけています。

――お兄さんとはどんな関係だったのですか。

 小さい頃はやたら構ってくるので、「うっとうしい兄だな」と思っていましたけれど、僕が中学生になるくらいからだんだん仲良くなりだしました。特に、兄がギターを始めて、ロックに熱中してからですね。兄がシングル盤を買ってきて、僕を部屋に招き入れて、「とにかくこれを聞け」とうるさく勧めるのです。キャロル・キングも、エルビスも、ビートルズも、ジョン・コルトレーンやマイルス・デイビスも。

 さらに親密になったのは20代の終わりころです。兄は大学の水にあまり合わなかったようで半年ほどで行かなくなりました。そのあと父が経営していた建設機械の会社で数年間働き、30歳ごろに一人で起業しました。

 横浜に小さなオフィスを構え、大学院生だった僕は電話番を頼まれました。博士課程に進学したころで時間の自由がきいたので、週3回ほど通いました。電話番といっても、起業したばかりで電話はほとんどかかってきません。これ幸いと、無人の静かなオフィスでひたすら本を読み、翻訳をし、論文を書いていました。昼になると兄が外回りから戻ってきて一緒に昼食に出かけ、話が盛り上がると、そのまま夕方まで話し込んでいたこともあります。

 兄は、僕の話を実に愉快がって聞いてくれる人でした。僕はその頃すごくマイナーなフランスの政治思想や哲学を研究していたんだけど、自分に全く関係のない話でも熱心に聞いてくれました。「なかなかおまえの言うことはうがっているな」と。だからついこっちも図に乗ってどんどん話してしまう。何を言っても受けてくれるという「甘い客」だったんですね。だから後に本を書くようになったときにも、自然と兄を想定読者にするようになりました。

「おまえは『弟子上手』だよな」

――お兄さんから言われた、印象的な言葉があるそうですね。

 「おまえは『弟子上手』だよな」と言われました。十数年前のことだと思います。20年ほど前から兄や平川君ら仲良い友人たちと、年に2回くらい箱根温泉の宿で集まって、温泉に入って、おいしいものを食べて、飲んで、マージャンをしてという催しを始めました。そのおしゃべりの間に何かのはずみで兄が口にした言葉でした。「おれとおまえで一番違うところは、おまえには先生がいたけれど、おれにはいなかったということだ」と。

――その言葉が心にとまった理由は?

 「なるほどな」と思いました。それまでそんなこと一度も意識したことがなかったのですが、言われてみるとその通りで、腑(ふ)に落ちた言葉でした。

 私はちょうどその頃に「先生はえらい」(ちくまプリマー新書、2005年)という本を書いているのですが、兄の言葉の影響もあったかもしれません。その本に書いたのは、「師」というのは弟子の側が自分で作り出すある種の教育的な幻想だということです。「この先生は自分が一生かけて努力しても足元にも及ばないほどの叡智(えいち)と技芸を会得している人だ」と信じて学ぶ人間と、「この先生ははたして全幅の信頼を寄せるに足るだけの器量の人物なのだろうか」と疑いのまなざしを向けながら学ぶ人間とでは、同じ時間だけ努力した場合に身につくものが決定的に違ってくる。「偉大な師に仕える弟子」という位置取りは、自分の成長のためにきわめて有効だと僕は自然に理解をしていたのですけれど、兄に言わせると、「そんなことを思うやつはめったにいない」ということでした。

 世の中は僕が知らないこと、僕がそれを知らないということさえ知らないことに満たされているわけです。ですから、ある意味で、「人生至るところに師あり」ということになる。

――相手を選ばず教えてもらう姿勢が重要だということですか?

 「相手を選ばず」じゃありませんよ、もちろん。「この人は師とするに値する人だ」と直感を抱いた場合だけです。ただ、「師とするに値する」かどうかを判定する基準を僕の側であらかじめ用意しているわけではないということです。

学び続ける姿勢をやめない理由、そして天職との出会い方。さらに話は深まります。

 師に就くというのは、ある意味ではそれまでの自分とは別の人間になると決意することです。師弟関係は絶えざる「自己解体」や「自己刷新」をもたらすものです。よく勘違いされますけれど、僕は「自分らしさ」とか「オレなりのこだわり」とか全然ない人間なんです。

――むしろ「内田樹」というあり方を確立されている人、という印象がありました。

 全然違いますよ。「自分らしい生き方」なんて僕は興味ないんです。

 私はとにかく勉強すること、人にものを教えてもらうことが好きなんです。専門家に話を聞くときには、口をぽかんと開けて、ひたすら聞いています。「人の話を自分の知識の枠組みに落とし込んで」とか「ああ、それなら知っている」とか思うことはできるだけ自制する。話の中の自分がこれまで知らなかったことに注目して、「それについて、もっと教えて下さい」とお願いする。

 だから、誰からでも話を聞きます。たまたましばらく一緒に時間を過ごすことになった人からでも、できるだけ「僕の知らない話」を聞き出します。以前、僕のゼミの卒業生の結婚式に呼ばれたときに、隣に座ったのが新婦の勤め先の上司の方でした。貴金属業界の方でしたけど、「最近、貴金属業界の景気はどうですか」と水を向けたら、30分くらい実に詳しく業界動向を教えてくれました。途中で先方がふと我に返って「あの、こんな話、おもしろいですか」って聞いたのですけれど、「すごくおもしろいです」とお答えしました。本当におもしろかったんです。

――そうした蓄積が論考の土台になっているのですね。

 別に話のネタを仕込むつもりで聞いているわけじゃなくて、本当に興味があるんです。その分野の専門家に対して、私が知っていることはすごく限られている。ただ、人の話を聞いていると「自分が何を知らないのか」についてはだんだんわかってくる。

 だから、僕がいまいろいろなかたちで発信しているのも「知を授ける」という趣旨のものではありません。僕自分がこれまでさまざまな先生について知識や技術を授かってきたわけですから、今度はご恩返しにそれをできるだけ多くの人にお伝えする。先人から受け取ったものを後からくる世代に「パスする」という感じですね。

――分野を問わず学び続ける姿勢はどこから生まれるのですか?

 純粋な好奇心というよりはむしろ「これを知らないと世界の成り立ちや人間の本質がわからない」という切迫感に追い立てられて勉強してきたように思います。

 大学院では反ユダヤ主義のことを集中的に勉強していたのですが、それは紀元前から続く反ユダヤ主義というものをどうして西欧文明は清算できなかったのか、その理由を知りたかったからです。この世にはさまざまなレイシズムがありますけれど、最も歴史が古く、規模が大きく、残忍なのは反ユダヤ主義です。なぜ人間はある種の集団に対してこれほど憎しみを抱くのか。それを理解しなければ、怖くて生きられないという切迫感が動機だったと思います。

――なぜ、自身を「壊す」という勉強を重視するのですか。

 勉強をするのは自我を強化するためではありません。逆なんです。自己解体、自己刷新のために勉強するのです。自分が知っていることを人に誇示するのって、まったく意味がないと思うんです。だって自分がもう知っていることなんだから。そんなことをしても自分の成長には1ミリも資することがない。そんな暇があったら自分が知らないことについてもっと勉強して、自分を壊していきたい。

 「自分の立場を強めたい」という気持ちがあると、相手の懐に飛び込むことができなくなります。自分のディフェンスを固めるようなことには時間を使いたくない。それが兄からすれば「よくそれだけ無防備になれるな」ということだったのでしょうが。絶えず変化し、より複雑なものになっていくというのは、生物の本質なんですから。

「夢」が人生を限定するリスク

――人生の早い段階からキャリア形成を意識させる教育観とは対照的だなと感じました。

 いまはもう中等教育から自分のキャリアについて精密な「キャリアプラン」を子どもに作らせていますね。将来どういうところに進学して、どういう資格をとって、どういうところに就職して……ということについての具体的な見通しを、できるだけ早い段階で決定させようとしている。僕はそんなことはしてはいけないと思います。

 だって、中学生の子どもが知っている職業なんて、本当にごくわずかでしょう。実際には子どもたちがその名前も知らないような無数の職業が存在する。そして、かなり高い確率で、今の子どもたちがそうした名も知らなかった職業にいずれ就くことになる。アメリカでは、いま小学校に入学する子どもたちの65%は大学卒業後に「今はまだ存在しない職業」に就く、という予測もされているそうです。そうだろうと思いますよ。今の子どもがなりたい職業の1位は「ユーチューバー」だそうですけれど、20年前にはそんな職業存在しなかったじゃないですか。

 だから、子どもたちに「将来、何になりたいの?」というようなことをうかつに聞くものじゃないと思います。先日、ある中学校の講演で「子どもに『将来の夢は?』というような質問をうかつにしないように」という話をしたら、親たちも先生たちもかなり驚いていました。

――私がそこにいても驚いただろうなと思います。

 でも、子どもに将来の夢をうっかり語らせてはいけないと思います。あまり深い考えなしにであれ、一度「将来は……になりたい」というようなことを口にしてしまうと、子どもにとってそれが呪縛になって、自分の人生を限定してしまうリスクがあるからです。子どもたちはこの世の中にどれほど多様な仕事があるか、ほとんどぜんぜん知らない。その時点でうかつに「自分の夢」を語らせると、子どもたちはそれ以外の可能性を視野から遠ざけてしまうかも知れない。子どもたちには、できるだけ開放的な未来を保証してあげることのほうがずっと大切だと思います。

――社会の先行きが見えず、しっかりした将来設計を持てないと不安という意識もあるのでは?

 今の子どもたちが将来どんな仕事に就くことになるかなんて、誰にもわかりませんよ。だから「しっかりした将来設計」なんか立てることもできないですよね。ただ一つ言えるのは、人が仕事に就くときというのは、だいたいは向こうから声がかかるものなんです。「ねえ、ちょっと手を貸して」と言われて、つい「いいよ」と返事をして、気がついたらその道の専門家になっていたということって、実際によくあるんです。別にその仕事が「将来の夢」だったわけでもないし、自分にその適性や能力があるとも思っていなかったけれど、他にやる人もいないみたいだから、じゃあ自分がやるか。というふうにして人は「天職」に出会う。僕自身、これまでやってきた仕事はだいたいそうでした。気がついたら教師になって、翻訳家になって、物書きになって、武道家になっていた。

――キャリアの可能性を広げるためにも、常に心を開いた状態にしておくことが大事だと。

 そうですね。僕は仏文学の教授の助手を8年間やっていました。たいして仕事なんてなかったんですよ。電話番とコピーとりくらいで。でも、せっかく「やるかい?」と声をかけてもらって「はい」と即答して始めた仕事ですから一生懸命やりました。だから、就職が決まって辞めるときには、先生たちから惜しんでもらえました。研究成果で褒められたわけじゃなくって、幹事役が評価されました。「内田君は本当に宴会の仕切りがうまかった」って。

 でも、それだって侮れないもので、僕が関西で就職できたのも、大学院に集中講義にいらした関西の大学の先生の接待を命じられて、1週間、毎晩院生たちを引き連れて先生を接待したせいなんです。その先生が僕の研究業績なんかよく知らないまま「宴会の座持ちがよい」点を高く買ってくれて、「うちの大学にこないか」と呼んでくれたんです。あのときに「集中講義の先生の接待なんか僕の仕事じゃありません」と断っていたらその先はなかったわけで、人生先に何があるかなんて本当にわからないです。(聞き手・佐藤啓介)

 
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2022年3月24日、雲一つない青空が、子ども達の門出を、祝福しています。月島では、咲き始めた桜も祝福。

2022-03-24 13:16:30 | 教育

 2020年3月24日、関東を中心に高気圧が日本をおおい、雲一つない真っ青な青空が広がりました。

 月島では、桜も、咲き始めています。

 コロナ禍に最終学年をがんばった子ども達に、最高の祝福の日が訪れました。

 今日を迎えた6年生の皆様、小学校、ご卒業おめでとうございます。

 この日を待ちにまった親御さんの皆様、おめでとうございます。

 コロナ禍の難しい環境下、ICT技術なども駆使しつつ、育ち、学びの場をつくってくださった先生方、その先生方を支えてくださった用務の皆様、給食室の皆様、学童・プレディの皆様、ボランティアの皆様、学校にかかわりをもってくださった全ての皆様、おめでとうございます。

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コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)

2022-03-24 08:01:03 | 財務分析(予算・決算)

⇨ https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/community/?msclkid=33cde311aa9d11ecb8742f656a984a18

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「東京都市計画道路都市高速道路第1号線(新京橋連結路)建設事業」環境影響評価調査計画書に関する意見書

2022-03-23 22:35:38 | 意見書提出

東京都環境局総務部環境政策課 御中

 お世話様になり、ありがとうございます。

 意見書を提出いたします。
 よろしくご査収のほど、お願い申し上げます。
 
 

●氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、代表者の氏名及び都内に存する事務所又は事業者の所在地。都内在学・在勤者はその旨)
小坂和輝 東京都中央区月島3−30−3−2F

●対象事業の名称
「東京都市計画道路都市高速道路第1号線(新京橋連結路)建設事業」
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/assessment/information/toshokohyo/publishdetail/380_shinkyobashi_tosho_kei.html

●環境保全の見地からの意見

1、温室効果ガスの評価について(103ページ)
 温室効果ガスを本件事業の環境影響評価調査にいれていないことが、大問題で、きちんと評価項目に位置付けることを求めます。
 本件工事によって、工事車両が用いられるが、その工事車両の通行に伴に温室効果ガスが多量に発生します。
 なお、「工事の施行中については建設機械の稼働がありますが、最新の燃料消費基準を達成している建設機械を使用することでエネルギー消費量を抑えるため、影響は小さいと考えられます。」(106ページ)とありますが、トンネルを掘削するには、それ相応のエネルギーが必要なわけであって、決して温室効果ガスの発生が少ないとは言えません。
 工事車両による発生、建設機械による発生をそれぞれ、分析をお願いします。

2、自動車交通から排出される二酸化炭素について(106ページ)
「「東京都環境影響評価技術指針(付解説)(平成26年3月、東京都環境局)」では、道路の供用に伴う自動車交通から排出される二酸化炭素については、環境影響評価の対象外としています。」とあります。
 参考値として、自動車交通から排出される二酸化炭素を算出いただけますようにお願いします。
 中央区もまた、2050年カーボンニュートラルを目指しています。
 二酸化炭素排出は、たいへん重要な課題であり、その量を詳細に見積もる必要性から、要求します。
 あわせて、今後は、「東京都環境影響評価技術指針(付解説)(平成26年3月、東京都環境局)」を改定し、道路の供用に伴う自動車交通から排出される二酸化炭素についても、環境影響評価の対象とすることを求めます。

3、大気汚染の評価項目の追加(107ページ)
 大気汚染では、二酸化窒素と浮遊粒子状物質(一次粒子)を評価するとありますが、自動車の排気ガスはそれだけではなく、一酸化炭素 (CO)、炭化水素 (HC)、窒素酸化物 (NOx)、硫黄酸化物 (SOx)などもあり、これらも、評価項目としていれることを求めます。

以上

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