ホリー・ジャクソンの『受験生は謎解きに向かない』を読みました。
高校生のピップは、友人宅で開催された謎解きゲームに招待されました。参加者は、それぞれ1924年に孤島に建つ大富豪の邸宅で起きた殺人事件の関係者に扮装して、それぞれの役を演じながら犯人探しをするというゲームです。同級生とその兄の7人は、案内書に従って役になりきって事件に臨みました。
『自由研究には向かない殺人』のシリーズで名推理を見せるピップの、最初の推理、前日譚となる中編小説でした。大富豪の遺産相続をめぐる殺人事件を、関係者それぞれが手がかりをもとに推理していくという凝った構成の作品でしたが、破綻なく描かれていて楽しめました。シリーズではピップは大学生になってしまって、もうおしまいかと思っていたので、この前日譚は、そう来たかと嬉しくなりました。さらに続編が来ないかなと思いました。