日常のあれこれをそこはなとなく

料理、わんことの日々、海外ミステリを中心とした読書、ソフトバンクホークス、JAZZなどを書いていきます。

2018-02-14 05:46:10 | 読書
アーナルデュル・インドリダソンの『声』を読みました。



アイスランドの作家インドリダソンの『湿地』『緑衣の女』に続くエーレンデュル捜査官シリーズの第3作です。サンタクロースの扮装をした初老のドアマンが、レイキャビックのホテルの地下室で殺害されているのが発見されました。エーレンデュルたちは捜査を開始しますが、クリスマスシーズンで多くの客が到着するホテルの人たちは捜査に協力的ではありませんでした。



調べていくうちに、誰とも交流なくひっそりと暮らしていたドアマンの過去が明らかになります。彼は少年時代天才的なボーイソプラノの歌手で、レコードも2枚出している事がわかります。いよいよこれからという時に声変わりしてしまって、そのまま彼は人々の記憶から消えてしまいました。

それにしても北欧ミステリーの主人公たちの私生活は、徹底してさえないものに描かれています。エーレンデュルも離婚して独り身で、クリスマスに盛り上がる中、寂しい自宅に帰りたくなくて捜査の間事件のあったホテルに宿泊します。ドラッグ漬けだった娘も登場します。リアルで人間臭いところが魅力ではありますが、ここまで悲惨に描かれなくてもと思いながら読みました。ミステリーとしては超一流でした。
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