傷だらけのカミーユ

ピエール・ルメートルのカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ三部作の３作目、『傷だらけのカミーユ』を読みました。



『悲しみのイレーヌ』で、最愛の妻イレーヌを失ったカミーユは、その後アンヌという恋人と知り合い、付き合っていました。ところが、そのアンヌが強盗事件に巻き込まれて瀕死の重傷を負います。カミーユ警部は、犯人を追うべく事件を担当します。

カミーユ警部をめぐる三部作は、事件の解明という側面に加えて、登場人物、特にカミーユ警部の人生を描く部分に特徴があります。事件の捜査が進展するに連れて、カミーユ自身の人生も描き出されて行きます。強引な捜査を強行するカミーユ警部は、最愛の妻を失った後悔もあり、暴走気味に突っ走って、自身の地位も危うくなって行きます。



後半部分は、すごい展開でした。いやあ、ピエール・ルメートルすごいです。海外ミステリーの分野はすごい裾野がありますね。今年もどしどし読み進んで行こうと思います。