対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

マクスウェルの電磁場

2016-09-14 | εとμの複合
広重徹氏は『物理学史Ⅱ』でマクスウェルの電磁場を次のように位置づけている。
(引用はじめ)
このようにMaxwellにあっては、電磁場とは、エーテルを特殊の場合として含む誘電媒質のある力学的状態として把握されていた。Maxwellの考えた電磁場は、物質的実体のとる一つの状態であり、つねに物質(エーテルを含めて)にになわれてのみ存在する。電磁場は、いわばある実体の属性であって、こんにちのわれわれが考えるように、それ自体が独立の物理的実体ではなかったのである。
(引用おわり)
次に英文と和文を引用する。
英文はA Dynamical Theory of Electromagnetic Field(電磁場の動力学理論)で、マクスウェルが提起する理論を電磁場の動力学理論とよぶ理由を説明している個所である。和文はその広重徹氏の翻訳である。
The theory I propose may therefore be called a theory of the Electromagnetic Field, because it has to do with the space in the neighbourhood of the electric or magnetic bodies, and it may be called a Dynamical Theory, because it assumes that in that space there is matter in motion, by which the observed electromagnetic phenomena are produced.
The electromagnetic field is that part of space which contains and surrounds bodies in electric or magnetic conditions.
…この理論は、それが電気的または磁気的物体の周囲の空間を扱わねばならないから、電磁場の理論とよばれ、観測される電磁現象を生みだすような運動をしている物質がその空間に存在することを仮定するから、動力学的理論とよぶことができるであろう。
電磁場とは、電気的あるいは磁気的条件にある物体を含み、かつそれをとりまく空間の部分である。

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