対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

千両の実色づく

2017-10-31 | 日記
千両は半日蔭の場所を好むという。庭の千両は蜜柑の木の下と柿の木の下に生えている。たしかに直射日光も西日もあたらず、絶好の場所といえる。今年は千両がよく育っている。実のならなかった蜜柑の下の千両が一番である。大半は実(み)に朱色が差し始めたところだが、北側の一角はすでに濃い朱色になっている。

茶の花咲く

2017-10-30 | 日記
みかんの実も千両の実も色づきはじめている。みかんの木に隠れて遠くからは見えないが、今年も茶の花の咲く時期となっている。たわわに実をつけたみかんの木の枝をくぐっていくと、茶の花が静かに咲いている。白い花片(はなびら)、黄色の蕊(しべ)。もうすぐ咲く丸い蕾(つぼみ)。

樒の実

2017-10-27 | 日記
今年は樒(しきみ)の種を採るつもりである。今日見にいくと実(み)はだいぶ色づいていた。褐色のすきまの中に種が入っている。実(み)は8角形が標準らしいが、7角形の実があった。

2つの観測データ

2017-10-26 | 楕円幻想
エカントを導入するときの2つの観測データをみておこう。
山本義隆は次のような数字の列(表の一部)に整理している。『世界の見方の転換』1付記A2より。
データ番号、年月日、金星の黄経の観測値、平均太陽の黄経の計算値、平均位置からの離角(正は東、負は西)の順に、

D7、134-02-18、281+11/12、325+1/2、-43-7/12
D8、140-02-18、13+5/6、 325+1/2、+48+1/3

2行に要約されている。ここは『アルマゲスト』(プトレマイオス著、薮内清訳、恒星社厚生閣)では次のようになっている。
(引用はじめ)
しかし周転円の等速運動が点D(離心円の中心のこと、引用者注)のまわりに行われるかどうかは不確実であるから、平均の太陽が遠地点から両側に90°の所にある場合に、反対方向にある二つの最大離角を考えた。その第一はAdrien18年エジプトPharmouthi月2日から3日(A.D134年2月18日)に観測された。東空の金星は太陽への最大離角にあって、アンタレスと呼ばれる星に比較して摩羯宮(やぎ座、ふつうは磨羯宮と書く。引用者注)11°11/12を占め、そのときに平均太陽は宝瓶宮(みずがめ座、注)25°1/2にあったから、平均位置からの西方最大離角は43°7/12であった。
Antonin3年エジプトPharmouthi月4日から5日の夜(A.D140年2月18日)に他の一つの観測を行ったが、金星は太陽への最大離角にあった。平均太陽はやはり宝瓶宮25°1/2にあって、ヒアデスの輝星に比較して金星は白羊宮(おひつじ座、注)13°5/6にあった。従って平均位置からの西方最大離角は48°1/3であった(山本義隆が指摘しているように、東方最大離角の誤りである。引用者注)。
(引用おわり)
『世界の見方の転換』1付記A2の表で
西方最大離角は(281+11/12)-(325+1/2)=-43-7/12
東方最大離角は(13+5/6+360)-(325+1/2)=+48+1/3
である。
『アルマゲスト』の記述だけから最大離角を求めるには、黄道十二宮の配列と1宮は30°のはばを持つことから求める。
西方最大離角43°7/12は、摩羯宮(やぎ座)と宝瓶宮(みずがめ座)は連続しているので、
(30°-11°11/12)+25°1/2を計算する。
東方最大離角48°1/3を求めるには、宝瓶宮(みずかめ座)と白羊宮(おひつじ座)の間に双魚宮(うお座)があるので、
(30°-25°1/2) + 30°+13°5/6を計算する。


紅葉葵、発芽165日目

2017-10-25 | 紅葉葵、栽培記録
10月初めに開花した後、花は地面に落ちて溶けてしまった。しばらくして、開いたままのがくの中をのぞくと中央に小さな突起のようなものが見えた。日がたつにつれ、どんどん成長してきた。若い実である。背は1メートル弱のままで、成長は止まっている。2度の台風で茎の方は少し斜めに傾いた。茎の下の方の葉は枯れて黄色くなっている。上の方の葉もだいぶくたびれてきている。若い実だけが青々としている。

柿の実

2017-10-24 | 日記
今年、柿はアメリカシロヒトリの餌食になってしまった。甘柿も渋柿も。葉は喰いつくされ、丸裸になった枝に青い実がついていた。その後みていると再び葉が出てきた。渋柿の方はそのままだったが、甘柿の方は新しい葉もふたたび喰われてしまった。それでも柿の実は色づき熟してきた。二三の完熟した実はすでに鳥(主にヒヨドリ)が啄んでいる。昨日、完熟前の実を1個とり、食べてみた。甘い実である。今日は、5個ほど実のついた枝を切り落とした。甘柿はかなりの数実っている。しばらく楽しめるだろう。それに較べれば渋柿の方は数が少ない。昨年は何度か干し柿を作ったが、今年は1度だけ作ってみようと思う。

シジュウカラ錯視

2017-10-23 | 庭に来る鳥
台風の影響でまだ風が強い。庭に出ていると、数羽、鳥がユスラウメやハナモモ、ナンキンハゼを飛び回っている。シジュウカラだと思って追いかけた。鳴き声のする方を見ると、枝に止まっている。しかしなかなか撮れない。しばらく粘っていると何枚か撮れた。シジュウカラは撮れている。黒いネクタイが目印である。しかし、中に次のような鳥が写っていた。

ネクタイを締めておらず、腹が白い。側面に黒い模様がある。シジュウカラとは違うのだろうか。ヒガラの喉の模様は首までで、蝶ネクタイが特徴だという。ヒガラだろうか。しかし、他の特徴が合わない。そのうち、これは頭をねじって横を向いているシジュウカラだとわかった。足と尾羽の位置に着目すれば、側面の黒い模様と見えたのは、腹の中央を通る黒いネクタイ模様であった。

2つの不等性

2017-10-20 | 楕円幻想
惑星の等速円運動からのずれ(不等性)は、非等速な楕円運動に由来する第一の不等性と太陽系の構造(天動ではなく地動)に由来する第二の不等性の2つがある。この2つのずれをプトレマイオスは、第一の不等性に対しては離心円と等化点を導入することによって、第二の不等性に対しては周転円によって補正した。
金星の軌道と位置は次のように表現された。

任意の時刻の惑星の位置をP、周転円の中心をQとする。ABが離心円の長軸線、Cはその中心、Tは地球、Eがエカントである。
また、θは平均太陽の黄経、λは金星の黄経である。λaは遠地点の経度である。
∠EQT=φ(中心の加減差)、∠QTP=ψ(偏角の加減差)とすると
λθの関係は次のようになる。
λ=θ-φψ

ここで平均太陽θは等速円運動、中心φは第一の不等性の補正、偏角ψ位は第二の不等性の補正に対応する。
天動説から地動説に変わることによって、周転円ψは不要となる。また、離心円が楕円に変わることによって離心円φが不要となる。
しかし、周転円ψと離心円φを結びつけることによって導入された等化点は、離心点とともに楕円の2つの焦点として残る。
プトレマイオスはどのように周転円ψと離心円φを結びつけたのだろうか。エカント(等化点、虚心点)の導入に立ち入ってみよう。

ひよどり、雨やどり

2017-10-19 | 庭に来る鳥
鳥も雨の日は動きに制約がでてくるだろう。飛び回るわけにはいかない。今日は朝から雨。外でヒヨドリの鳴き声がする。どうやら柿の木にいるようだ。2階から試みたがうまく撮れない。庭に出てみる。鳥も寒いのだろう。羽を膨らませている。

プトレマイオス・モデル

2017-10-18 | 楕円幻想
惑星の運動のプトレマイオス・モデルを確認しておこう。山本義隆著『世界の見方の転換』1より。
(引用はじめ)
ところで内惑星でも外惑星でも、惑星Pを表す獣帯上の輝点P’の実際の運動は一様ではなく、その見かけの不規則性は「不等性」(アノーマリー)と言われる。顕著な不等性としての逆行現象は周転円のメカニズムで表されるので、それを均すことで周転円の中心Qの運動が見えてくる。このQ点の運動が「平均運動」である。しかし地球から見たQの運動にも不等性(等速円運動からのずれ)が観測される。そのため誘導円が離心円で、地球Tは誘導円の中心Cからすこし外れた位置Fにあると考え、さらに直線FCの延長線上に点Eを導入し、Q点はそのまわりに等速回転すると仮定する。点Eは後に「等化点(エカント)」と呼ばれる。また点Fについてはとくに名前がないが、本書では「離心点」と呼ぶ。

結局、プトレマイオス理論において惑星運動の示す不等性は、誘導円の離心性と等化点の存在にもとづく平均運動(周転円の中心Qの運動)の地球から見た非等速性(第一の不等性)と、惑星Pの周転円運動に由来する逆行運動(第二の不等性)の重ね合せとして説明される(図1.6、1.7)。これがプトレマイオスの等化点をともなった離心誘導円・周転円モデルである。
(引用おわり)
図1.6は内惑星の運動のプトレマイオス・モデル、1.7は外惑星のモデルである。図1.6だけ示した。