対話とモノローグ

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マクスウェルのひらめき

2016-04-26 | εとμの複合
インターネットにはマクスウェルの論文が公開されている。例えば、1865年の“A Dynamical Theory of the Electromagnetic Field”(「電磁場の動力学的理論」)、1873年の“A Treatise on Electricity and Magnetism” (『電磁気論』)がある。もちろん、読んでもわからないのだが、自分の関心がある個所があると立ち止まって考えてみる。
マクスウェルは『電磁気論』のなかでnを「number of electrostatic units of electricity in one electromagnetic unit」と仮定してnが速度になることを導いていた。それを参考にして記事(「光の電磁波説」の誕生)を書いた。この「number of electrostatic units of electricity in one electromagnetic unit」(1・Qm=n・Qs , 1電磁単位=n静電単位)は「電磁気論」の中だけかと思い込んでいたが、同じ表現が「電磁場の動力学的理論」の中にも出ていた。ただこちらではnではなくvと設定してある(1・Qm=v・Qs)。当然、なくてはならない設定である。この設定から電磁波の速度の式と1856年の実験を結びつけている。
「電磁場の動力学的理論」に次のようにある。
By the electromagnetic experiments of MM.WEBER and KOHLRAUSCH,
     v=310,740,000 meters per second
is the number of electrostatic units in one electromagnetic unit of electricity,and this,according to our result,should be equal to the velocity of light in air or vacuum.
電磁単位と静電単位の比は光の速度である。これがマクスウェルのひらめきだったのではないだろうか。

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