経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

2/16の日経

2012年02月16日 | 経済
 昨日は、サプライズの割には円安・株高が進まずとしたのだが、一日のうちに更に進んだ。相場というのは、変転極まりないものだが、潮目になるやもしれぬ。ここまでは、安達誠司さんの読みどおりかな。買いに出たのは外資だった。まあ、後付けになるが背景を確めておこう。

 一番の理由は、FRBの金融緩和の方針が明確になったことだろう。QE3といった予想外の金融緩和はなさそうだということであり、これに、消極的と見られていた日銀が一段の緩和策を打ち出したことで、更なる円高の進行は薄れたという見方が強まったように思う。

 持論に引き付けて言えば、日本の10-12月期のQEはマイナスだったものの、次の1-3月期以降は、復興予算の執行の進展で緩やかながらプラスに向かうという、財政運営の底入れ感もあるのではないか。あとは、子ども手当減額、年少控除縮小、年金引き下げの一連のデフレ政策に、消費が耐えてくれれば良いのだが。

 懸念材料は、誰もが指摘していることだが、欧州の状況だ。景気の失速は折込済みだが、危機が深まり、FRBの金融政策が大きく変更されることが心配である。今日の日経は、ユーロ圏がQEがマイナス成長になったことを伝えている。緊縮財政は、巡りめぐってドイツまでも失速させたようだ。欧州のマネをしたい人には、この現実をよく見てもらいたいね。

(今日の日経)
 日経平均9200円回復、緩和マネーが株高下支え。ユーロ圏マイナス成長、独も失速。日航再生・公平性に課題・中山淳史。緩和競争・日銀の狭き道、2年債にこだわる・平本信教。国立・労災病院の統合見送り。太陽電池の輸入比率2割台に。10年債0.955%に低下。日経平均買う権利急増。FX利益確定の買い。

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1 コメント

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ドイツのマイナス成長 (KitaAlps)
2012-02-16 10:11:28
>緊縮財政は、巡りめぐってドイツまでも失速させたようだ。

 ドイツのマイナス成長の原因としては、純輸出の減と個人消費のマイナス寄与による一方で、設備投資は堅調ということですから、直接の原因は金融の問題ではなく(金融に問題があるなら設備投資にまず影響するはず)、やはり緊縮財政が原因ですね。
 つまり、ドイツは、緊縮財政を各国に強要して自ら市場を縮小したつけを払うことになっていると思います。

 ちなみに、ドイツの輸出依存度は5割前後(日本は1割強)で、そのうちユーロ圏向けが3分の1弱です。財政緊縮でユーロ圏各国や英国の市場が縮小しつつありますが、そうした縮小の中では、各経済主体は、不要不急の耐久財消費や先延ばし可能な設備投資が選択的に圧縮します。
 つまり、リーマンショック時に、耐久財などの高付加価値製品の輸出に依存していた日本が(金融上の影響が欧米に比べてはるかに低かったにもかかわらず)他の国に比べて最大級の打撃を受けたのと同じで、ドイツが優位にある耐久財その他の高付加価値製品市場が欧州市場で選択的に縮小していると考えられるわけです。

 そうした欧州市場でのマイナスを、(ユーロ安というプラス要因があるにもかかわらず)他のエリアに対する輸出でカバーしきれなかったということだと思います。
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