経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

5/30の日経

2018年05月30日 | 今日の日経
 1-3月に棒上げだった労働力調査の就業者数は、4月がわずかな減にとどまり、単なる上ブレではなかったようだね。男性雇用者数も最高を更新した。雇用拡大は、今年に入って一段と進み、労働需給は引き締まっていると見るべきだろう。若年層や高齢層には一時的な就業による季節変動があり、1-3月は落ちるものだが、今年は、人手不足の中で抱え続けることになり、季節調整値では特に強く出たようだ。最後の「予備兵力」を使い切った形かな。

 また、3月毎勤の状況からして、所得の勢いが増していることは確かであり、いつ頃、消費と物価に出てくるかが楽しみだ。ちなみに、5月の東京都区部の消費者物価は、全体としては冴えない結果だったが、サービス(除く帰属家賃)については、2月以来の前年同月比+0.5以上を保ち、運輸、外食、家事などが堅調である。今年に入り、雇用と所得は高まった。物価は一部に限られ、消費はこれからというところである。

(図)



(今日までの日経)
 骨太原案に消費税10%明記。ROEが初の10%超え。欧州景気にブレーキ。
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ケインジアンが読む「そろそろ左派は経済を語ろう」

2018年05月27日 | 経済
 マルキストの経済書を手にするなんて、滅多になくてね。でも、ブレイディ・みかこさんの気風の良さが好きで『そろそろ左派は<経済>を語ろう』を読んでしまったよ。筆者も齢で、まさにオールド・ケインジアンだから、資本主義の擁護者になるわけだが、世の中がどんどん右へ行ってしまい、昔は保守本流のど真ん中にいたのに、いつしか左に位置するようになった。国民のための経済を語らなくなったのは、右派も同じだと思うな。

………
 筆者の信条は「経済成長を実現し、福祉国家を建設する」である。これは、高度成長期には、自民党の党是だった。今の世の中は、「経済成長はムリだから、福祉国家を抑制する」になり、果ては、「経済成長のため、福祉国家を圧縮する」なんて倒錯した主張まである。筆者は、経済成長も、少子化克服も政策次第と考えるから、敗北主義にしか思えない。若い人たちが将来を悟って達観するなんて、おかしくないか。

 ポイントは、どうすれば成長させられるかだ。最初の社会主義の経済政策、すなわち、レフト1.0と言うべき産業国有化は失敗だった。明らかな供給不足の状況にあって、生産力増強のため、権力を使って資本と労働を動員すれば済む時代ならともかく、多様なニーズに合わせて供給しなければならなくなると。経営の自由さや柔軟さが不可欠になるからだ。日本なら、国鉄からJRへの改革を思い浮かべたら良い。

 レフト2.0に当たる英国のブレア労働党政権の1997~2007年は、ちょうどバブル景気で欧米が沸いていた時期である。この時期は、景気の波に乗るために、金融の緩和と自由化が進められ、そのために物価の抑制が必要とされた。好景気の中、能力主義に立ち、就労促進型の社会福祉に変えていくのも時宜に合うものである。むろん、調子の良さには、膨らませた債務の後始末を、バブル後に負わねばならないという代償が伴っていた。

 それで、レフト3.0である。課題は、金融緩和と緊縮財政に、規制改革の組み合わせでバブルを発生させた新自由主義の経済政策の代案を作ることだ。バブル後は、過剰な設備と建設の投資が残っているので、極端な金融緩和をしても、なかなか効き目が出ない。あとは、輸出に活路を見出すことだが、バブル後が世界的だと、通貨安競争になって空回りする。結局、財政出動をして、過剰投資の傷が癒えるのを気長に待つほかない。

 ところが、財政出動が長引くと、財政赤字の累積に余計な不安を持つ人が現れる。そして、傷が癒えないうちに財政を退き、不況を長引かせてしまうのである。バブルの後始末で国が負債を肩代わりした上、緊縮財政で苦しめられることへの抵抗が現在の反緊縮運動の原点と言える。時期尚早の失敗は、大恐慌の米国、1997年の日本、そして、リーマン後と、幾度も繰り返されてきた歴史的愚行で、特別なものではない。

………
 新自由主義の経済政策は、とにかく企業や投資家に甘くする。金利を下げ、法人税を低くし、補助金を出し、規制を緩めれば、投資するはずと説く。ところが、現実には、そんな追加的利潤より、需要リスクに強く支配されているため、大甘政策に、緊縮財政を組み合わせると、まったく効果が出ない。多少、マシになるのは、輸出に恵まれた時に限られる。1997年以来、20年を失った日本は、その証明である。

 どうすれば良いかは簡単で、成長が回復するまで財政を退くのを待ち、物価と賃金がある程度の水準に達してからにすることだ。成長が回復し、人手不足になり、賃金が上がって初めて、労働者に分配がなされる。それは、消費増から物価高となり、金融緩和ができなくなるということでもある。こうして、経済は正常化する。あとは、国債の利払いに備え、利子配当課税を強化し、インフレが進んだら、すかさず消費増税で冷やせば良い。

 実は、こうした経済政策に新しさはない。半世紀も前のオールド・ケインジアンのものだからである。違いは、投資は需要リスクに支配されることへの透徹さだけだ。安定的な需要管理によって、投資できる環境を整え、規制改革とは似て非なる競争促進で投資を刺激する。不況時の金融緩和は、「ヒモで押す」ものでしかなく、それで物価を上げられるなんて、机上の空論に過ぎぬことは、トウの昔に分かっていた話だ。

………
 アベノミクスは、登場時の2013年に、金融緩和で極端な円高を是正し、財政出動で景気を好転させた。その後の消費増税は失敗だったが、責任の半分は、路線を決めた民主党政権にある。これに懲り、ずるずると緊縮をしつつも、消費増税を先送りし続けたことが選挙での大衆的人気と今の景気回復へつながった。憲法や安保に関心が薄く、政治の信義より目の前の暮らしという人々にとっては、こんな「反緊縮」で十分なのだろう。むしろ、問題は、他には緊縮をしそうな政治家ばかりであり、野党と言えば、地べたの人のための反緊縮でまとまれず、ハイポリティクスでの離合集散に忙しいことかもしれない。

 経済を語り始めたばかりのようで、『そろ左派』に具体策は見られないが、そこはブレイディ・みかこさんの務めではあるまい。「反緊縮」と言っても、消費増税の先送りくらいなら、現政権がカードとして使って来ることは容易に予想がつく。これを超えたければ、魅力ある社会保障でも考えてはどうか。第二次世界大戦に勝利したチャーチルから、労働党が政権を奪えたのは、ビバレッジ報告があればこそだろう。保守を自任してきた筆者が、地べたの人たちのための策を編むようになるとは、思えば遠くに来たものだが、本コラムで財源付きの策を示しているように、リアリストたらんことに変わりはない。左派のみならず、右派までが「改革」と称する空論を弄ぶようになったことが、この国の衰退の元に思えてならない。


(今日までの日経)
 外食に広がる値上げ。中国EV規模で優位。バイト時給 上昇続く。中国の隠れた引き締め。大機・無謬性の原則と全体主義。夏ボーナス4.62%増・本社中間集計、非製造業20年ぶり高水準の賃上げ。
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1-3月期GDP1次・緊縮の地金が出たマイナス成長

2018年05月20日 | 経済
 一時的な要因が重なって、1-3月期GDPは、わずかながらマイナス成長になった。しかし、たまたまで済ますだけでは、経済を説明したことにならない。こうなる必然性があることを明らかにしておくべきだろう。それは、「どうすれば、デフレという病を治せるのか」という問いへの答えに通じる。経済学者にありがちな「栄養と休養を取りなさい」といった万能の処方ではなくてね。

………
 今回のGDP速報は、物価や季節調整で揺れがあるようなので、名目成長率を前年同期比で見ることにしよう。すると、2017年度の各期は、+1.2、+2.0、+1.9、そして、今1-3月期が+1.4と推移していることが分かる。それなりの減速ではあるが、実質成長率の前期比が年率-0.6であるのとは、印象が違うと思う。中でも、消費は、名目と実質の差が大きく、名目が前年同期比+1.1であるのに対し、実質は-0.0にまで下がる。むろん、その差は物価の上昇にあり、2017年度の名実差は、0.2、0.4、0.7、今期の1.1と推移してきた。なにやら、デフレを脱出する勢いである。

 GDPの項目のうち、住宅投資、公共投資、輸出の三つは外挿的に決まり、当前ながら、これらが増えた分だけGDPは多くなる。また、それによって所得が増えるに連れ、消費も増える。そして、経済成長の原動力である設備投資は、需要を見ながらなされるため、パラレルに動く。この関係を示したのが下の図だ。ポイントは、設備投資は、低金利や低税率といった投資を甘くする「養分」で動くのではなく、需要動向というリスクに強く支配されているということだ。要は、いかに投資に甘くしたところで、需要を抜くような経済運営をしていては、なかなか成長しないのだ。

 もう少し、動きを見ていこう。現行の景気回復は、2016年後半からの輸出の急増が大きな要因である。そして、今1-3月期の成長が落ちたのは、輸出が鈍ったからと、ストレートに言える。むろん、今後、成長が回復するかどうかも、輸出次第だ。他方、住宅投資は3期連続の減で足を引っ張っており、鈍化した輸出がカバーし切れなかった。加えて、公共投資は、まったく成長に貢献していない。それは、政府消費も同様だ。結局、公的部門は、税収が上ブレる中で、緊縮を続けており、頼みの輸出が鈍ったために、「成長は二の次」という経済運営の地金が出てしまったというわけだ。

 財政には、それなりの意味があることは、過去の消費の動きが示している。公共投資が固まって執行された2017年4-6月期は、輸出が低下する一方で消費が伸び、次の7-9月期は、公共投資の剥落と住宅投資に減少に伴い、輸出の上昇があっても消費が落ち込んでいる。公共や住宅は、輸出よりボリュームが小さいものの、効き目があって、疎かにできない。アベノミクスは、これに無頓着で、成り行き任せなため、せっかくの外需到来のチャンスを活かせず、なかなか自律的成長へ移行できないでいる。

(図)



………
 本来、経済は、ある程度、景気が回復してくると、輸出等の外挿的な需要ではなく、消費や設備投資自身の需要に反応して、自律的に設備投資が盛んになり、成長が加速していくものである。けれども、日本は、そうした事態から、あまりに長く遠ざかっている。自律的になる前に、緊縮財政でブレーキを踏み、そのうち輸出が力尽き、成長を失うことを繰り返してきた。こんな経済運営が、国内に投資しようとする企業の意欲を損い、負担を軽くしてもらうことだけを望むようにさせている。

 今1-3月期は、自律的成長へ移行できるかの境目にある。たまたまかもしれないが、名目では、外挿的需要が低下する中でも、消費は増勢を保った。雇用は引き締まり、賃金も上り坂にあって、5/17の3月機械受注では、非製造業(除く船電)でも底打ちが観測され、4-6月期の見通しは、民需(除く船電)が前期比+7.1%になったりと、極めて好調である。公的部門は、まったく成長に関知せず、財政再建を最優先にするアベノミクスの方針の下、民力だけで、よろめきつつ、次のステージに進もうとしている。


(今日までの日経)
 社会保障抑制 数値明記せず。荷主と運送業者 崩れた関係。米長期金利6年10か月ぶり高水準。消費増税後に需要喚起。介護 周辺サービスも提供 保険外併用の基準。検証・値上げの春。海外子会社の設備投資減、売上高との連動薄れる。ドンキは小売りへのアンチテーゼ。
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消費速報・名目の消費は極めて好調

2018年05月13日 | 経済
 来週、公表される1-3月期GDPでは、消費は低調という結果になるだろう。ただし、それは、実質で見た場合であって、名目では極めて好調だ。名実の乖離は、天候不順に伴う生鮮食品の上昇による一過性のものだから、むしろ、基調は強い。この背景には、雇用と賃金の伸びがあり、少しずつ物価にも及んでいる。「実感がない」と言われ続けてきた景気回復も、様相を変えてきている。

………
 5/11に、GDPの消費に近い内閣府・消費総合指数が公表され、3月は前月比-0.5と大きく落ち、1-3月期は前期比-0.3となった。これでは、1-3月期GDPがマイナス成長になるとの見方が強まるのもやむを得まい。また、日銀・消費活動指数+も、3月が前月比-1.0もの急落となり、これにより1-3月期の前期比も-0.3に下がった。2月公表時での1,2月の平均は前期比+0.4であったから、かなり大きな変動だ。

 興味深いのは、消費活動指数(旅行収支調整済)の前期比が名目で+0.5であるのに対して、実質は-0.4と、その差が0.9もあることだ。名目なら年率2%成長なのに、実質だと大きなマイナス成長に変わる。他方、統計局・総消費動向指数の実質は、3月は前月比+0.1で、1-3月期の前期比も+0.1だった。これが名目だと+0.5となる。おそらく、GDPの消費は、物価を調整するデフレーター次第で、相当、違いが出るだろう。

 活動指数、動向指数が共に名目で前期比+0.5と言うのは、極めて好調と言える。この背景には、雇用と賃金の伸びがある。前回、記したように労働力調査の就業者と雇用者の伸びは驚くほどのものだった。ただし、2,3月の毎月勤労統計の常用雇用は、特段、大きな伸びはないので、割り引いて考える必要があろう。その3月毎勤では、特別給与が急伸し、現金給与総額が前月比+1.3と、意外なほどの増が見られた。

 この結果、3月の総雇用者報酬は、前月比が+2.2にもなり、1-3月期の前期比は+1.6という異常とも言える高さだ。毎月勤労統計の対象が1月から変更されているといった調査上の要因も含まれることや、統計間のズレにも留意しなければならないが、名目における消費の高い伸びの理由には十分と考えられる。これが4月の東京都区部のサービス物価の高まりにも結びついていると見るべきだろう。

 4月については、消費者態度指数は、前月比-0.7と、引き続き振るわなかったが、いわば供給側の景気ウォッチャー調査は底入れを果たした。季節調整値で見て、家計関連については3月に、企業関連も4月に底入れし、雇用関連のみが下げる形である。その雇用関連も「先行き」は+2.1と底入れをうかがわせる。仮に1-3月期はマイナス成長になろうとも、次の4-6月期については、明るい展望が持てる。

(図)



………
 雇用と賃金については、出来過ぎの感はあるので、もうすこし様子を見る必要はあるが、一段の伸びが確認されれば、景気は次の段階、すなわち、内需による自律的な成長に入ったという判断になる。こうなると加速は急になり、あれよあれよの内に、実感が伴って来る。前回の例だと1987年くらいの状況かな。もう30年前の話なので、現役の皆さんは、ほとんど覚えがないだろうね。筆者だって記憶の彼方だよ。


(今日までの日経)
 今期、企業業績は足踏み。街角景気 先行き改善。認可外補助 無償化 世帯絞り込み。米企業制裁の威力と問題点。社会保障費抑制で攻防。
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財政再建計画は間抜けさが利点

2018年05月06日 | 経済
 日経によれば、基礎的財政収支の赤字をゼロにする財政再建の目標を2025年度に設定するようだ。『中長期の経済財政に関する試算』では、自然体だと到達が2027年度であり、2025年度時点では、GDP比で0.5%のギャップがあったから、2019年度以降、概ねGDP比0.1%の緊縮の積み増しをする必要がある。自然体では、社会保障費の伸びが毎年1兆円の設定なので、これを5000億円程度に抑制すれば、可能となる。つまり、この3年間にしてきたことを、そのまま続けることを意味する。そして、間抜けなのは、ここからだ。

………
 ベースになっている『中長期試算』の税収は、2018年度予算額を出発点としている。そのため、2018年度の税収が上ブレすると、2025年のギャップも縮む。実は、2017年度の税収は大きく上ブレすることが確実で、そこから計算される2018年度の税収も上ブレする。どのくらいかと言うと、国だけで2兆円弱だ。すなわち、2025年度のギャップは、大半が解消されるということだ。すると、緊縮の積み増しをしなくても、財政再建の目標は達成できてしまう。これでは、一体、何のための緊縮であり、計画なのだろう。

 他方、日銀は、2019年10月の10%消費増税の純増税額は2兆円どまりと計算している。つまり、消費増税は、2兆円分の財政再建を行うためのものだ。仮に、社会保障費の毎年の増加幅を従来どおり5000億円に抑えた上で、2017年度の税収上ブレを勘案すると、2025年度の財政再建目標を2兆円ばかり過剰達成してしまうため、消費純増税は、見送っても差し支えないことになる。なるほど、そういう利点があるわけだ。すなわち、目標年次を2025年度にするのは、消費純増税を見送る布石と考えれば、間抜けさも、あっさり了解できる。

 この秋には、自民党総裁選があり、年末の予算編成までに、10%消費増税の最終決断をしなければならず、それを翌年夏の参院選で問う形となる。候補には増税堅持派もおるようだが、「過剰達成になるから、純増税は見送る」という秘策を現首相が土壇場で出してきたら、太刀打ちできまい。「景気腰折れの危険を犯しても、純増税で財政再建を2年早めるべき」という主張では説得力が乏しく、とても国民に受けないからだ。総裁選のライバルには、今のうち財政規律を叫ばせておき、ここぞの場面で論拠を折る。筆者なら、そうするよ。

(図) 



………
 もっとも、一番ありそうなシナリオは、ライバルに脅威を感じなければ、秘策を使うまでもなく、社会保障費の抑制と10%消費増税は、そのままに、税収の上ブレを補正予算でバラまくというものだろう。緊縮と増税にバラマキを並行させるいつものパターンである。日本にとっての最大の不幸は、こうした矛盾に満ちた経済政策を超えるような魅力ある代案を、誰も出してくれないことかもしれない。


(今日までの日経)
 米失業率、4月3.9% 17年ぶり低さ。肩車型社会の回避なるか 就業者1人が支える非就業者 1980年の0.62人が2010年には0.77人まで増えたものの、直近の17年は0.69人に減少・小川和広、島本雄太。オフィス賃料上昇 2年ぶり。大機・伸びる税と課する税・和悦。

※小川さん、島本さん、良い記事ですね。

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5/3の日経

2018年05月03日 | 今日の日経
 4月の消費者態度指数が「弱含み」に下げたね。確かに、「暮らし向き」が下がり続けているので、物価高の影響はあるだろう。しかし、「雇用環境」の低下も結構大きい。実は、ハードデータの新規求人の増加速度がこの3か月程で明らかに落ちている。もちろん、増えつつある中での減速ではあるが。つまり、消費者態度の動きは、気分だけの問題ではないということだ。

 背景には、追加的需要の衰えがある。建設投資がようやく底入れした一方で、輸出がこの2か月停滞しており、全体として小康状態になっている。2016年10-12月期に建設投資が息切れしたときも、消費者態度は、一旦、落ちている。今後は、緩やかであれ、輸出が上向くだろうけれど、早いところ、内需の自律的成長に移行してもらいたいな。4月は、クルマや主要百貨店は良さそうなだけにね。

(図)



(今日までの日経)
 日米金利差 円安圧力に。消費者心理「弱含み」。財政黒字化25年度に 5年先送り。技術者枯渇 東芝の苦悩。10%への消費税率上げ、家計負担「2兆円どまり」日銀分析。
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