経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

7/4の日経

2014年07月04日 | 今日の日経
 今日の日経は、「法人減税の財源綱引き、税収上振れ1.6兆円、剰余金1.4兆円」というのがおもしろいね。税収の上ブレの要因分析が記者にできるとは思えないから、税収上ブレのうち、法人税0.3兆円と所得税0.3兆円の計0.6兆円だけがアベノミクスによるという図式は、財政当局からもらったものなのだろう。

 こうして議論の土俵は作られるわけで、この範囲で1%だけ法人税を下げましょうという意図が透けて見える。理屈だけで言えば、前年度決算額からの法人税の増収額7400億円がアベノミクスの成果のような気もするが、政治は理屈ではないからね。理屈はともかく、先に土俵を作った者が勝ちだ。

 それより、法人企業の経常利益が25%増なのに、法人税収が前年度決算比7.5%増だけというのが謎だ。その差額の1.3兆円は企業に残ったはずで、これだけ手元資金を増やしてあげた上に、0.4兆円も上ブレした1.2兆円の復興法人税も廃止してやり、加えて法人減税までしようというのだから、気前が良い話だ。

(今日の日経)
 厚生年金の加入逃れ阻止を納税情報で。米雇用28.8万人増。米雇用増が景気に追い風。国内航空は値上げの夏。大機・低調な経済政策論議・与次郎。産業資材在庫の在庫増続く、減産始まる。経済教室・起業支援・本庄裕司。

※在庫増は素材に波及しつつあるようだ。着実に1997年と似てきたね。

※ガジェット通信さん、すまないが今回は辞退させてもらうよ。

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1 コメント

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Unknown (基礎固め)
2014-07-04 21:05:14
硬直化を情報の効率性や誘因両立性で崩すいい意味での市場の資本主義機能ではなく、悪い意味で市場における資本主義機能が働いてますね…ここでは政治という市場ですけど。
市場ではそれぞれの複数主体や複数団体が、余りにも不利ならないよう対抗しますが、経路依存…歴史的に…日本のマクロ政治では中小企業団体や労働組合の組織力が弱く、対抗が弱いように思います。
正に濱口さんが言ってた岩盤規制の話で。経路依存的に現状強い大企業団体の意見の方にバランスを欠いた市場によって収束するようになってる。法の機能より、政治における資本主義機能としての圧力団体やロビイングのほうが岩盤規制として働いる訳ですね…
政治における法と言えば選挙制度ですが、献金という資本主義機能は排除してないのも関係はあるでしょうね…一概に悪い訳ではないですが、全体的バランスが悪いかと、、
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