ホルムズ海峡の波はますます高くなっていますね。アメリカがイランの無人偵察機を報復攻撃し、撃墜しました。イギリスに対してはイランがまた船舶を拿捕し、それに対してイギリスが有志連合を組んで対抗すると宣言。こうした報復の連鎖は本格的戦闘行為を招く恐れが大いにあります。特にアメリカはオレ様が世界の帝王だというトランプを擁し、イランは妥協のない宗教指導者が率いるという最悪のパターンで、お互いが直接ツイッターで罵り合う。そこにイギリスのジョンソンが首相として加わるので最悪のシナリオも考えておく必要がありそうです。
これだけは見たくないと16年5月に私が引用したのが、今回首相に選出されたジョンソンとトランプのキスシーンの落書きでした。その落書きが書かれた16年5月は、BREXITの国民投票直前で、トランプも11月に向けまだ大統領選を戦っていました。恐いもの見たさで見たい方は以下をクリックすると二人のキスシーンの巨大な絵が見られます。
https://www.afpbb.com/articles/-/3088208?pid=17918904
ホルムズ海峡ではイランは「やめとけ」という私のアドバイスも聞かず(笑)、トランプの挑発に乗り続ける愚を犯しています。負けず嫌いのトランプは選挙を控えているため、なりふり構わずちょっかいを出し続け、直接攻撃のきっかけをつかもうとしているきらいがあります。トランプは「イランとの戦いに勝利した」という勲章を選挙戦で誇示したいがために戦争を起こしかねない、非常に危険なサイコパス男であることを忘れてはいけません。シリアにも突然爆撃した過去があります。そこに同様にサイコパスと言われているジョンソンが加わり、危険性は増します。
以前も掲げましたが、サイコパスについて復習しておきましょう。Wikipediaを引用します。
犯罪心理学者のロバート・D・ヘアは以下のように定義している。
これ以上トランプという人間を表すにふさわしい定義はありません。100%該当します。いままで大量殺人を犯した犯人の多くはこの定義に該当しています。このトランプの危険性が、今後世界の大きなリスクになるという警鐘を鳴らし、今回の話題につなげます。
今回のタイトルは二つの言葉、「トランポノリスク・アベノリスク」です。説明します。これは本来であれば両者の経済政策を示す言葉で、トランポノミクスとアベノミクスです。しかし私のみるところは、これらが今後とてつもない大きなリスクとして世界を混乱に陥れる可能性があるので、両方ともミクスではなく「リスク」だと名付けたのです。
ではまずトランポノリスクから。彼が就任して以来アメリカの株式相場は上昇を続け、NYダウ、S&P500、ナスダックという3大指標はいずれも最高値を更新。現状も最高値に張り付いています。そのどこが悪いのでしょうか。トランポノミクスとはそもそも次の政策により成り立っています。
1.法人税の大幅減税により経済を活性化させ逆に税収を増やす
2.インフラへの財政出動により経済を活性化し、財政出動以上の税収を上げる
3.貿易赤字国への関税引き上げ貿易収支を改善して関税収入を上げ、産業を国内回帰させ雇用増につなげる
4.政策金利を下げることで金利全体を押し下げ、設備投資や住宅投資を増やし雇用増につなげる
減税による経済活性化の大胆な経済政策を最初に実行したのは80年代のレーガン大統領で、その政策をレーガノミクスと呼びますが、トランポノミクスもアベノミクスもそれをもじったものです。
アメリカの経済学者は2年半を経たトランプ政権の評価を、財政検証などを含め数字面で行っています。その検証結果によると、経済はオバマ時代の継続で依然として好調を持続し雇用も強いが、税収は思惑とは違い全く上がらず、財政赤字は大きく増加。自らをタックスマンと呼ぶトランプによる関税上げでも貿易赤字は増え続け、アメリカから製造業は逃げ続けています。
経済メカニズを知らない、あるいは知っていても平気でウソをつくトランプは「関税は中国が払う」と言い続けていますが、そんなことがあろうはずもなく、関税上げによる輸入価格の上昇分は、すべてアメリカの消費者と業界が払っています。「壁の建設費はメキシコに払わせる」と同じたぐいの稚拙なウソです。そしてトランプが重視する製造業界の先行き見通しインデックスは18年の4月をピークに下降の一途をたどっています。
つまり私の見るところアメリカの株高はリスクに目をつぶり、緩和マネーに支えられた「カネ余りによるあだ花」を咲かせているのが実態だということです。
今回はここまで。次回に続きます。