アメリカの軍事的諜報活動はかなり正確な能力を有していることが今回判明しました。であれば、軍事支援はもっと早くできたはずです。
アメリカがただ一つ見誤ったのは、キエフへのロシアの侵攻スピードです。ウクライナの窮鼠猫を噛む必死の抵抗が功を奏し、アメリカの見込みを狂わせたのでしょう。ゼレンスキー大統領が死を覚悟して「私も家族ともどもキエフから逃亡しない」という言葉を国民に向け明確に示したことも大きく貢献しているのだと思います。
そして私がもっとも印象に残っているのは彼が演説で言った「われわれは孤立無援で防戦している。共に戦ってくれる者はいないようだ」という言葉です。
世界中の民主主義勢力は、なんとしてもウクライナを支援しなければならないと思います。
では一体なにができるのでしょうか。今回のロシアの侵攻の様子をテレビ見ているとロシアのヘリコプターが何機も自由に飛び回りミサイルで地上を攻撃していました。それに対してウクライナ側は全く反撃することなく、攻撃を許しているように見えました。地対空ミサイルくらいあるだろうと思われるのですが、欧米から武器の支援は十分にしなかったのでしょうか。ニュースでは何機かは撃ち落としたようですが、目に見えるような反撃はなされていません。武器が十分にあれば、もっと反撃はできるはずです。手持ちの地対空ミサイルでも十分撃墜できる低空飛行です。
アメリカがあれだけ的確な予測をしていながらNATO加盟国ではないという一点で武器を支援していないとしたら、片手落ちどころか両手落ちです。ウクライナと国境を接する国々も明日は我が身。難民の受け入れだけでなく武器を早々に供与すべきで、ロシアの報復など恐れている暇はありません。
今からでも遅くはない、民間人が殺されるのを見捨てずに有効かつ優秀な武器を大量に供給し、支援すべきです。大統領も覚悟を決めているのですから、支援しないこと自体、プーチンに負けたことになります。
日本もロシアの封じ込めに対抗し、協力できることはあるはずです。まずはウクライナ難民を受け入れている国に対し、自衛隊機で大量の支援物資を送ることは可能です。どうせ旅客の少ない民間航空機も借り上げて支援に使ってあげれば一挙両得です。そしてロシアからの輸入をストップすべきです。主な輸入品は原油、LNG、非鉄金属、魚介類などですが、どうやらSWIFTから排除されるのでロシア側からストップする前に日本から輸入しないという宣言をぶつけて覚悟を示すべきでしょう。
日本の首脳はいつも周囲を見渡し決まり文句、「状況を見極めながら適切な策を講じます」と言います。見極めているうちに何十人、何百人の犠牲者がでることを忘れないで欲しいのです。