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コロナウイルスは何故世界を席巻できたか

2020年04月30日 | コロナショック

  どうやら日本政府は経済優先ではなく、封鎖継続の道を選びそうですね。私としてはとても安心です。そして私の「モラトリアム(支払い猶予)宣言せよ」の声が少し届いたようで、家賃の支払い猶予や減免を国会で審議する可能性が出てきました。封鎖継続にはこうした措置が不可欠です。

  では本題の「コロナウイルスは何故世界を席巻できたか」についてです。

  現在世界でもっとも懸念されているのは、申し上げるまでもなく新型コロナウイルスの蔓延です。一方、世界の政治状況で私が最も懸念しているのは、平気でデマと毒をまき散らす独裁的オレ様政権の跋扈です。コロナショックが世界を覆いつくす今、一番必要なのは各国の連帯によるコロナ阻止です。一国でコロナウイルスの蔓延を防ぐことなど全く不可能で意味をなしません。国境を陸地で接していようが島国であろうが、完璧な鎖国などできない現代の世界では孤立と封鎖は意味をなさないと思います。ましてやワクチンや特効薬の開発なども各国の連携無くしては後れを取ります。

  日本は特に他国との密接な関係により成り立っている国です。エネルギー、食糧という生存に必要な基礎物資のかなりの部分を輸入に頼っています。そして今回明らかになったのは、日本を含め世界がいかに中国に依存していたかでした。マスク一つ国内ではまともに作ってなどいない。より高度な製品であってもサプライチェーンの多くの部分を中国に依存しているため、自動車やエレクトロニクス製品の製造も、中国からの部品供給の停滞により製造ラインをストップせざるを得ませんでした。このことは中国も実は同じで、輸出に頼って国が成立しているため、供給をストップさせることは自分の首を絞めることになるのです。

  グロオーバル化が災いを招いた、それはそのとおりですが、これまで世界人類はグローバル化によって莫大なメリットを受けて、発展してきました。今後も同じです。

 

  こうした相互依存関係が必要であることを多くの国のリーダーもわかっていながら、オレ様独裁者たちは自国優先を主張し他国との連携を拒もうとする。トランプがその最も象徴的リーダーで、彼の最大の主張は「アメリカファースト」です。コロナ感染を食い止めるために必要なリード役はもちろん放棄し、さらにWHOへの拠出金をこの大事な瞬間にストップするという暴挙に出て、人類を破滅の底に投げ入れようとしています。

 

   一方で同じく共産党中国は新型コロナウイルスを初期に隠蔽し、さらにWHOをカネの力で取り込み、感染原因の追求と防止策を遅らせてしまい、人類を破滅に導きかねない状況に追い込みました。こうした愚かな大国のリーダー達により人類全体がどんどん悪い方向に向かって行こうとしています。

 

  こうしたオレ様独裁者の蔓延は大国ばかりではなく、中小国にも及んでいます。核戦力以外では中等国に成り下がったロシアでも、プーチンが皇帝の地位を確立しました。ご存じない方のためにこの3月の出来事を解説します。それはロシア大統領プーチンの驚くべき憲法改正です。3月にロシアは大統領の任期を2回までとする新たな憲法草案を議会で通過させました。

「いままでだって2回なのに、なんでまた?」と多くの方々が疑問に思うことでしょう。

  それにはとんでもない罠が仕掛けられていました。罠とは、次回2024年の大統領選挙から適用される、候補者の資格についてです。これまでの大統領経験者の任期はすべて不問に付す。つまりこれまでのプーチンの任期はノーカウントとされ、新たに2期12年大統領を続けられるとしたのです。

  すでに彼はこれまでの憲法で禁止されていた2期までの制限を、間にメドベージェフをいれることで交して院政を敷いたうえで再選され4期も務め、その後またこんなインチキな憲法改正を通しました。それがいまや皇帝に上り詰めたプーチンなのです。これで2000年から2036年、84歳になるまでロシアの歴史でもっとも長い通算36年に及ぶ独裁政権が成立します。

 

  ウラジミールは友人だと勝手に思っているどこぞの首相など、全く意に介していない独裁者です。反対者がいれば即座に抹殺し、報道の自由を奪い、権力保持のためなら憲法も捻じ曲げる、まさに帝政ロシアの皇帝に成り上りました。すでに正式に終身主席となった習近平と同等です。

 

  さらに中東には親類縁者を含め邪魔者を抹殺するサウジの若きムハンマド王子、フィリピンには法律を超えて殺人を許可するドゥテルテ大統領、コロナウイルスを「インフルエンザと同じだ」とバカにした発言を続けるブラジルのボルソナロ大統領。

 

  何故こうもオレ様独裁者達は判で押したようにコロナウイルスを過小評価しバカにしたりするのでしょう。マスクをしないと宣言したトランプ同様、「自分がコロナより強いところを見せないと気が済まない」のでしょう。そしてきっとコロナ感染が制圧されたあかつきには、「どうだ、マスクなんかしなくてもオレ様が制圧した」と宣伝材料に使うにちがいありません。

 

  私が見るところ、人類共通の敵であるはずのコロナウイルスは、こうした愚かな独裁者たちが争うのを見透かし、その間隙を突いて出現してきたように見えるのです。

 

  以上が今回のお題、「コロナウイルスは何故世界を席巻できたか」への私の回答です。

 

  ではコロナ後に我々がしなければならないことは何か。

 

「我々人類は次なる新たなパンデミックに備え、オレ様独裁者たちを駆除しなくてはならない」

 

 これが私の結論です。

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封鎖継続か経済優先か

2020年04月24日 | コロナショック

  現在のアメリカはコロナ封鎖からの出口を急ぐ選挙優先トランプ対、人命尊重の州知事の争いで大混乱しています。しかも州知事の政策も出口を急ぐ共和党知事対人命尊重の民主党で分裂し、コロナ対策と言うより人の命をもてあそぶようなありさまを示していて、とても懸念されます。この混乱の先は果たしてどうなるのでしょうか。今後の日本も同じ問題に直面することになるので、他人ごとではありません。

  私の尊敬するエコノミストである加藤出(いずる)氏が、4月25日付ダイヤモンド紙上でコロナ対策に関して一世紀前のスペイン風邪の教訓をもとに「出口を急ぐな」という趣旨の投稿をされています。選挙しか頭にないトランプに対する警告でもあります。とても有意義な歴史的教訓で、記事のサマリーを引用しますので、みなさまにもお読みいただきたいと思います。

サマリー引用

 「感染抑制を最優先すべきか? 経済を回すことにもっと注力すべきか?」。これは新型コロナウイルス対策を議論する際に為政者が常に直面する問題である。

 このジレンマを考える上で、米連邦準備制度理事会(FRB)と米ニューヨーク連邦準備銀行、米マサチューセッツ工科大学のエコノミストが最近発表した論文は示唆に富んでいるといえる。題名は「パンデミックは経済を落ち込ませた、公衆衛生介入はそうではない。1918年風邪から得られた証拠」

 内容で興味深いのは、スペイン風邪流行のピーク時だった18年秋の米国の新聞記事が多数引用されている点である。まるで今朝の新聞を見ているかのような類似性を発見することができる。

 以下は当時公衆衛生介入をしっかりと行ったシアトルの新聞と、行わなかったNYなどの新聞の1918年の記事です。

<封鎖継続派>

・「シアトル・スター10月5日、「市長は土曜日の正午に、全ての教会、学校、劇場等の閉鎖を命じた。同午後2時に警官らは街中の劇場、映画館に向かい、営業をやめるよう通告した」。

・シアトル・スター」10月23日、「市の衛生委員会幹部は、感染のピークは過ぎたが、しばらくの間大きな警戒が必要であり、規制の解除はまだ行わない、と水曜日に述べた」

<解除優先派>

・ニューヨーク・タイムズ10月12日の悲観的記事、「五つの劇場が今晩から閉鎖される。来週から合計1ダース以上の劇場がそうなるだろう」。

・ウォール・ストリート・ジャーナル10月25日の悲観的記事、「インフルエンザの感染拡大は今月の小売り販売を深刻に減少させた。小売業団体の幹部は、病気で買い物客が減少しているだけでなく、多くの街で衛生当局が店舗を閉鎖させていると述べた」。

  そしてその後各地域の結果には大きな違いが見られた。スペイン風邪の流行時、強く介入し封鎖を続けたシアトル市と封鎖に消極的だったピッツバーグ市を比べると、死亡率はピッツバーグがシアトルの3倍。その後の雇用の回復は逆にシアトルがピッツバーグの3倍もあった。また、消費支出や銀行の健全性にも同様な大きな差がついた。

  封鎖は短期的には経済に深刻な影響をもたらす。しかしそれを嫌がって早期に解除したりすると感染が拡大し、結果として人々は動けなくなり、生産や消費は長期間停滞した。逆に封鎖を積極的に実施して多くの働き手の健康を守った都市は、パンデミック後の経済の立ち上がりが早かった。

  FRB、ニューヨーク連銀、そしてMITの共同研究者らの結論は、「介入積極派は死者数を減らすだけでなく、パンデミックによる経済への悪影響も和らげることを示している」

引用終わり

  (注)FRBは日銀にあたる連邦準備銀行、ニューヨーク連銀はアメリカ東部における連銀の支店、MITは世界的に有名なマサチューセッツ工科大学でいずれも非常大きな影響力を持つ。

 

  ところが、4月16日のトランプによる性急な段階的封鎖解除政策発表に呼応するように、アメリカの各地でソーシャルディタンスもマスク着用も無視した密着デモが行われています。彼らの掲げるプラカードにはFREE、OPENと並んでTRUMPの文字が目立ち、まるで選挙運動のありさまです。株価もトランプの発表に呼応してだいぶ戻しています。

  歴史の教訓があるのに選挙に勝つためなら死者増加もいとわない愚かな大統領とそれに踊らされるトランプ支持派の選挙民。封鎖継続派と経済優先派のどちらが正しいか、いずれ明らかになるでしょう。

  イギリスではコロナウイルスに感染して懲りたジョンソン首相が、外出禁止をさらに厳しくする罰金制度を導入しましたが、それでも感染者はいっこうに減りません。首相同様、多くの人々が甘く見た結果でしょう。

  では日本はどうか。スローで融通の利かない政府と、目の前に非常事態を抱える地方自治体が争っています。封鎖を巡っても圧倒的に自治体が積極封鎖を唱えているのに対し、政府は手をこまねいているとしかみえません。大人しい日本の国民はデモなど及びもつかず、せいぜいネット上での小競り合い程度でしょう。

  封鎖継続は決して楽なものではなく、多くの経済的犠牲を伴います。そのため前回私が緊急提言したように「モラトリアム」という大胆な手当てが必須です。今後政府の方針が、トランプを踏襲するような短絡的政策でないことを祈ります。

  もっとも私自身はと言えば、もちろん歴史の教訓を大事にし、たとえ政府や自治体が徐々に解除に動いても最後まで自分を律し、安全が確保されるまでは自己封鎖を解除しない方針を貫くつもりです。みなさんはいかがでしょう。

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緊急提言、「モラトリアム宣言」せよ

2020年04月22日 | コロナショック

  毎日の報道や商売をしている友人などの話から必要なのは、いつくるかわからない政府の支援金などではなく、「モラトリアム」(支払い猶予)だと確信した。

 

  モラトリアムとは支払い猶予のことで、例えば家賃をなしにしろというものではなく、支払い期限を延長しろというもの。家賃なしにすることがより有効だとしても、それでは家主は承服できない。であればテナントは支払いを棚上げしてもらい、家主は管理のための電気水道代、ローンの支払いなどを棚上げしてもらう。それだけでなく小売やメーカーであれば商売上の仕入れ代金の支払いや銀行借り入れの返済もすべて猶予する。

  政府は感染防止のため人々のあらゆる活動を停止させるなら、それに対するあらゆる手当をしなくてはならない。政府も保証・補助などは予算の手当てが必要で面倒だが、モラトリアムは宣言すれば済む。スピードも範囲も網羅するのが実に容易だ。これまでの政策は小出し、遅すぎに失していて、効果をちっとも実感できない。

 

  かつて日本でも関東大震災の直後や昭和の金融恐慌では、同じようなモラトリアムによる対処をしている。今はそれらに匹敵する緊急事態のため、躊躇する時間はないのだ。

 

  毎日多くの中小企業が倒産している。企業は大小を問わず、倒産させてはならない。一度倒産してしまうと、そこから立ち上がれる企業はほとんどない。たとえ実質的に倒産に近くとも、企業は停止からの再起動は可能だが、倒産すれば社員、設備、在庫、取引先などがすべてが散逸し、元に戻ることはないのだ。

 

  今回はとりあえずここまで。

ツイッターをされている方々へ、「拡散希望」です!!

 

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恐喝犯トランプと寝ぼけたジョー

2020年04月15日 | コロナショック

  3月27日の記事で私はトランプの支持率と不支持率が接近していると警告しました。よもや史上初の逆転かと心配したのですが、その後は差が広がり始めています。最接近は3月27日のトランプ支持47%、不支持49%、その差2ポイントでしたが、4月14日時点では支持45%、不支持51%でその差6ポイントに拡がり事なきを得ました。

  ところが昨日トランプはコロナで苦しむ世界を、実弾で恐喝しました。WHOへの拠出金を払わないと宣言したのです。これまでも様々な恐喝をしまくっていますので、恐喝慣れしているとは言え、このタイミングでWHOを恐喝するのは絶対に許せません。これから世界はWHOを中心にコロナと本格的に戦わなくてはいけないタイミングなのに、資金という実弾不足になりかねません。

  それに関する最新の時事通信記事を引用します。

【ワシントン時事】トランプ米大統領は14日、世界保健機関(WHO)の新型コロナウイルスへの対応の過ちを検証する間、同機関への資金拠出を停止するよう指示したと発表した。トランプ氏はホワイトハウスでの記者会見で「WHOは中国の誤った情報を押し付け、人との間で伝染しないし、(中国への)渡航禁止は必要ないと主張した」と指摘。「中国寄り」の姿勢が新型ウイルス感染拡大を招いたと訴えた。
  トランプ氏は、WHOが最初に感染が拡大した中国に専門家を派遣した上で客観的に情勢を分析し、中国政府の情報開示に関して透明性の欠如を指摘していれば、「感染拡大を抑え込むことができ、犠牲者も非常に少なく済んだ」と強調した。

引用終わり

  WHOが中国寄りであり、エチオピア人のテドロス理事長の発言と対応策に私も噛みついています。しかしWHOが最も資金を必要とするこのタイミングでのトランプの実弾による恐喝は最悪です。

   世界で最も死者を出しているアメリカの誤りは、そもそもトランプの見当違いなコロナの危険性無視と楽観によるものであり、WHOの責任ではない。その責任転嫁が彼の支持率にどう影響するか、今後アメリカ人の資質が問われます。

 

  ではこのタイミングで政敵であるジョー・バイデンは何をしているのか。

 

寝ぼけています(笑)。

 

  彼のツイッターの今日の話題は、オバマ前大統領がバイデンを支持してくれたということ一色です。バイデンもオバマもタイミングを間違えています。世界中の話題がコロナに集中し、その中でありえない恐喝をしているトランプを非難すべき時に、喜んでいる場合じゃない。だからトランプから「寝ぼけたジョー」と言われるのです。

  せっかくトランプの大失策を責めるタイミングでこれじゃ、先が思いやられます。その点、NY州のクオモ知事は「この国に王様はいない」とトランプを別の点で非難しています。今日のNHKニュースを見てみましょう。

引用

経済活動の再開についてトランプ大統領がみずからにすべての権限があると主張したのに対し、クオモ知事は「間違った発言だ。この国に王様はいない」と述べ知事として慎重に判断する考えを示しました。

ニューヨーク州では、14日の時点で、感染者が20万2208人、亡くなった人は1万834人に上っています。
また感染拡大を抑えるために制限している経済活動の再開についてトランプ大統領が13日、みずからにすべての権限があると主張したのに対しクオモ知事は「間違った発言だ。この国に王様はいない」と述べ、決定の権限は各州の知事にあると反論しました。

そして「経済活動の再開が早すぎると思わぬ影響が出る」として、知事として慎重に判断する考えを強調しました。

引用終わり

  ではトランプと知事のどちらに本当の権限があるのか、BBCニュースにはっきりと記されているので、本日の記事を引用します。

「住民への具体的な行動制限は各州の知事が州ごとに、要請もしくは命令している。こうした知事の要請や命令に反して、大統領が行動制限を解除できるのかと記者に質問されると、トランプ氏は「合衆国の大統領には全面的な権限がある」、「最終的に決めるのは合衆国大統領だ」、「(州知事は)合衆国大統領の承認ガなければ何もできない」などと答えた。

合衆国憲法は、住民の安全と治安を維持する権限は州にあると規定している。連邦制のアメリカでは各州とその知事に幅広い独自権限が認められており、ワシントンの中央政府がすべてにおいて州政府の上位に立つわけではない。

引用終わり

 

   常識と基本的知識に欠ける人間が王様と勘違いしているアメリカと言う国は、まことに不幸です。

   ここにきて大いに評価を挙げている「クオモを大統領に」、という声が挙がっていますが、それは無理。遅すぎです。

  私がNYで暮らしていた80年代後半は、彼の父親であるマリオ・クオモがNY州知事で、彼も民主党から大統領にという声が挙がっていたのですが、出ることはありませんでした。

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巨額の財政出動でも、米国債は安全か

2020年04月09日 | 米国債への投資

   今回のコロナショックでは定石通りアメリカ国債が爆買いされて、巨大リスクに対する強さを証明しました。やはり逃避先は米国債以外ないということです。

  しかし一方トランプ政権は民主党の支持も得て、100兆円以上の巨額の財政支援を決め、さらにそれを倍にするとも言っています。その分の資金手当ては米国債の増発につながります。それが将来米国債そのもののリスクにつながるのではないかという懸念を持つ方もいらっしゃるかと思いますので、私の考えをお伝えしておきます。

  もちろん結論は「懸念を抱く必要は全くなし」です。それは相場が示す通りです。株式相場を見ていてみなさんも気づくと思いますが、コロナショックのために例えばアメリカ株の時価総額は今年付けた史上最高値から3分の1が失われました。しかしコロナウイルスの先行きがいまだにはっきりしない中でその後株価は回復し、ダウは3月23日の18,591ドルから23,433ドルと底値からは4分の1の上昇です。

  相場の典型的パターンである「噂で買って、事実で売る」という状況です。コロナで言い替えるなら「コロナ爆発のうわさが出て売られ、材料が本当に出て感染者がピークに達しつつある時はもう買われている」ということです。

  もちろん現在の感染爆発が収まらず、さらにアメリカを含む世界で大爆発となれば、再度の大暴落は大いにありえます。

  債券も投資家心理は同様ですから株とは売り買いが逆ですが、コロナリスクのうわさで極端に買われ、発行量の増発見通しが出るころにはすでに売られる局面になっているということになります。つまり200兆円の財政出動分はすでに相場に織り込まれている可能性が強いということです。

 

  ただし、債券投資をする投資家がもう一つ注意する必要があるのは、格付けの変更です。今回の財政措置では相当な国債増発が見込まれますので、格付け会社はアメリカの格付けをダウングレードする可能性があります。そのことは売り材料ですから、見通しあるいは発表とともに再度売られる可能性はあるということです。

 

  ですが、その時投資を考えている方は「チャンス到来」と見るべきです。そのこころは、もちろん世界で一番安全な金融資産の地位は揺らぎようがないからです。

  それにもかかわらず金利が大して上昇しなければ、まだオアズケ(笑)の可能性もあると思います。

以上

 

   

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