平昌オリンピックは日本選手の大活躍で、とても見ごたえがありましたね。2週間、けっこうかじりついて観ていました。みなさんはどの競技に感動しましたか。私が感動したのは、順不同で
羽生と宇野の金・銀
羽生選手が痛み止めを飲みながらの金。連覇の滑りは圧巻でした。もし羽生がダメでも、宇野が金だったかもしれませんね。
痛み止めと言えば、ノルディック複合の渡部暁斗も同じだったそうです。実は彼は12月に白馬のジャンプ台で転倒し、肋骨にひびが入ったままオリンピックに参加。ジャンプは一瞬のがまんですが、クロスカントリーはそうはいきません。私も10年ほど前にスキーで転倒し、肋骨にひびが入ったことがあるのでわかるのですが、3か月間くらいは深呼吸ですら痛い。クシャミをすると激痛が走りました。その中で息も絶え絶えに走り続けた渡部。彼はクロスカントリーが得意で走りはもっと強いはずなのに、何故最後にドイツの選手に抜かれたのか、不思議に思っていました。しかし終わってから初めて怪我を知り、納得でした。
スピードスケートの女子
500mの小平奈緒、そして団体パシュートとマススタートに出た高木姉妹。小平を地元から陰でサポートし続けた相澤病院は、レジェンド葛西を支え続ける土屋ホームを思い起こさせます。そして小平にも高木美帆にもオランダ修行など、感動のストーリーがありました。
新種目マススタートはすごくおもしろかったです。あの位置取り争いは、家内に引きずられて毎年7月に観ているツールド・フランスの自転車競技と全く同じです。逃げ切り狙いの先行組と、優勝候補のいる大集団の争い。その中で国別グループの先頭交代もあれば、国を超えた協力関係もある。今回、最後はでっかいオランダ選手にくっついていたコバンザメ走法のちびっこ高木選手が最終コーナーで抜け出し、シナリオ通りの完全勝利。まさに、してやったりでした。
スキーとボードのアルペン競技で両方とも金メダルを取ったチェコのレデツカ
解説者が、「夏のオリンピックで言えば、テニスと卓球の両方で金メダルだ」と言っていましたが、まさにその通りで、絶対にありえないはずの勝利だと思います。二刀流、大谷もガンバレ!
カーリング女子 そだねー!
銅メダルながら最後まで戦い抜き、金メダルに匹敵する嬉しい結果でした。
1ゲーム約2時間で、テレビ観戦にはほどよい競技時間ですね。しかも観戦側も回数を重ねるごとに作戦の立て方がわかるようになってくるので、面白さが増します。もう一つ私の興味を引いたのが、選手全員がマイクを付けているので、作戦過程がわかるようになっていることです。まるで将棋の棋士の頭の中を覗けるような面白さがあります。
北見ロコ・ソラーレの活躍でカーリングのブームが起こるかもしれません。たった一人でチームを始めたリザーブのマリリンこと本橋麻里に、敬意を表しましょう。
でも一つ大きな問題があるそうです。それはあの「石」です。カーリングに使う石についてウィキペディアを引用します。
『国際大会で使用されるものは、高密度で強度と滑りやすさに優れたスコットランドのアルサクレッグ島特産の花こう岩が主流である。他産地の石では密度が低く、氷の上で石が水を吸い、吸われた水が再び凍ったときに石が膨張して割れてしまう。アルサクレッグ島産の「粘りと弾性に優れた石」を衝突が起こる胴体部に、「硬く滑りやすい石」を滑走面に使う。資源保護の観点から、採石は20年に一度しか行われない(近年では2002年)。また100年以上使用できるとされているほど耐久性が高い。需給のバランスなどから、1個10万円以上(1セット16個で160万円)する高価な物である。しかし、日本カーリング協会では「ストーンは個人で所有するものではなく、会場にあるものを使います。」とアナウンスしており、基本的に選手が購入することはない。』
そうなんだ、初めて知りました。でも北見LSやSC軽井沢が練習をするためには、自分たちの石をたくさん保有しないとできませんよね。是非早めに人工の「石」の開発をお願いします。
私は冬はスキーヤーで、いつも5-6回のスキーツアーに行きます。昨シーズンは5回でしたが、最後にコロラドのヴェイルまで行ったので、今年は海外には行かず国内で5回のツアーをしています。ここまで石打・湯沢、白馬・八方尾根、野沢温泉スキー場に行き、明日から4日間、オーストラリアの植民地ニセコ(笑)に行って滑ります。もっとも白馬も野沢温泉も最近はオーストラリアの植民地になりました。スキーはますますマイナーなスポーツになりつつあるので、スキー場がどこまで維持されるのか、とても心配です。いまやどこに行っても日本のスキー場を支えてくれているのは海外のスキーヤーです。
オリンピックでも滑走の速さを競うアルペン競技では、日本選手の出番が全くありません。なんと1956年、コルチナダンペッツオで猪谷千春が回転で取った銀メダル以来、メダルを取ったことがないのです。寂しい限りですが、いったい何故こうもダメなのか、答えを知っている方、教えてください。
ではニセコに行ってきます。