1977年に聴いたコンサートより
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1977年9月22日(木)19:00
東京文化会館
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武満徹/グリーン
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プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第2番
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ラヴェル/道化師の朝の歌
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ラヴェル/ダフニスとクロエ、第2組曲
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ピアノ、野島稔
井上道義 指揮 日本フィル
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当時の感想はというと。
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日フィルはやっぱりうまかったのかなぁ。グリーンはいい曲に違いないのだろうが。。
後ろの席で、海賊盤でも作ろうとしているのか、中年はげおやじが、ひたすらラジカセで録音している。非常に不愉快になったので、あとで係りに言いつけて死刑にさせた。(死刑はテープ)
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非常に指揮がいい。体型もスリムで軽い感じ。蝶が舞っているようだ。その羽の先から音が出てくるようだ。
プロコフィエフの第2番ははじめて聴いた。面白い曲。
日フィルに足りないのは音色だ。
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といった感想でした。
当時も隠し撮り(音だけ)をする聴衆がいた。大きめの紙袋にいれて持ち歩いているけれどでかいラジカセで、また機械音もあるのですぐに発覚する。録音はだめですといったアナウンスがあったかどうか記憶にないが、罪悪感に苛まされながら録音していたようなので、たぶんあっただろう。
32年後の今、ライブ録音の発掘が盛んだが、発掘したもの全てが、筆舌に尽くしがたい名演、みたいなキャッチコピーのもと売られているのはどうかと思う。名演奏なんてそんなにはなかった。骨董品的価値を求めようとしているのかもしれないが、録音というのは物品と性格が異なる。骨董的価値があるのは、初めて世に出た一本だけ。あとはコピーの山を聴くことになる。それも名演であればいいが。。
まだ髪の毛があった井上の棒は、というより体は軽く漂う感じ。余計な肉が付いていないというのはいいことだ。思いっきり棒を振れるし、普通に健康であれば早死にもしない。現在も似たような体型で軽やかに振り続けている。
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