“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

★炭素ニュース★NEDO、ナノ炭素材料の産業応用に向け新たな実用化開発3テーマに着手

2015-12-24 07:21:07 |    ★炭素ニュース★

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、ナノ炭素材料の産業応用に向け、新たな実用化開発3テーマに着手する。

 革新的省エネ部材として、構造材料用樹脂や水処理フィルターの新素材を開発する。

 さらに剥離グラフェンの量産技術開発により、高品質で安価なグラフェンの市場供給を目指す。

 いずれも事業終了後、数年以内の実用化を目指すことにしている。

 採択テーマと助成予定先は、次の通り。

【ナノ炭素材料高強度複合材料の開発】

 ナノ炭素材料を水に分散させるためには、分散を助ける添加剤がこれまでは必要であった。同法では分散剤を使用せず水にCNTを分散させ、それを樹脂に練りこんで、軽量・高強度な樹脂を開発する。

<助成予定先>東洋樹脂

【ナノ炭素材料フレキシブル薄膜の開発】

 CNTの中空孔を利用した、水ろ過膜を開発する。CNTの中空孔を利用したフィルターの実用化は世界初の試み。この技術が開発できると、水ろ過膜だけでなく、様々な用途に展開が期待される。

<助成予定先>ユーテック

【ナノ炭素材料大量生産技術の開発】

 グラフェンは将来大きな市場が予想されているが、量産技術がまだ確立されていない。同法では、酸を使用せず、剥離グラフェンを大量生産する技術を開発する。高品質な剥離グラフェンを安価に市場に供給することを目指す。

<助成予定先>マイクロ波化学 

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★科学技術ニュース★奈良先端科学技術大学院大学など、マグネタイトの新たな電子状態を発見

2015-12-24 07:20:31 |    物理

 奈良先端科学技術大学院大学は、理化学研究所、物質・材料研究機構と共同で大型放射光施設SPring-8の世界最高性能のX線光電子分光装置を使用して、世界中の研究者を80年にわたり悩ませてきた磁石「マグネタイト(Fe3O4)」の謎に迫つた結果、マグネタイトには分厚い表面が存在することを突き止め、その奥に隠れていたマグネタイトの室温での電気伝導を担う電子状態を初めて観測することに成功した。

 この謎は、磁石や砂鉄として知られるマグネタイトが、なぜ極低温で絶縁体になるかという課題。

 今回の発見は、これまでの実験データの解釈を覆し、現象の仕組み解明の突破口を開く可能性がある。
 

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●科学技術書<新刊情報>●「ホンダジェット」(前間孝則著/新潮社)

2015-12-24 07:20:02 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:ホンダジェット~開発リーダーが語る30年の全軌跡~
 
著者:前間孝則

発行:新潮社

 航空ショーに出展されるや一躍、アメリカの航空ファンを虜にした超小型機、ホンダジェット。エンジンから座席シートに至るまで自社設計にこだわった「創業者・本田宗一郎の夢」を乗せた機体が、いま離陸する! 無謀だ、ドン・キホーテだと揶揄されながらも、決して諦めなかった30年の苦闘に迫るビジネスノンフィクション。

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