新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、ナノ炭素材料の産業応用に向け、新たな実用化開発3テーマに着手する。
革新的省エネ部材として、構造材料用樹脂や水処理フィルターの新素材を開発する。
さらに剥離グラフェンの量産技術開発により、高品質で安価なグラフェンの市場供給を目指す。
いずれも事業終了後、数年以内の実用化を目指すことにしている。
採択テーマと助成予定先は、次の通り。
【ナノ炭素材料高強度複合材料の開発】
ナノ炭素材料を水に分散させるためには、分散を助ける添加剤がこれまでは必要であった。同法では分散剤を使用せず水にCNTを分散させ、それを樹脂に練りこんで、軽量・高強度な樹脂を開発する。
<助成予定先>東洋樹脂
【ナノ炭素材料フレキシブル薄膜の開発】
CNTの中空孔を利用した、水ろ過膜を開発する。CNTの中空孔を利用したフィルターの実用化は世界初の試み。この技術が開発できると、水ろ過膜だけでなく、様々な用途に展開が期待される。
<助成予定先>ユーテック
【ナノ炭素材料大量生産技術の開発】
グラフェンは将来大きな市場が予想されているが、量産技術がまだ確立されていない。同法では、酸を使用せず、剥離グラフェンを大量生産する技術を開発する。高品質な剥離グラフェンを安価に市場に供給することを目指す。
<助成予定先>マイクロ波化学