風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

春祈祷

2005-02-05 | 風屋日記
今日は小雪模様の中、20軒程の家々を廻ってきた。
農村地帯なので、祈祷を依頼してくる家は古く大きな農家が多い。
驚くのは、半分以上の家で、敷地の北西(ほとんどが家の裏)に
小さいながら、my社(笑)を持っていることだ。
家の中の立派な神棚の場合もあるが、大きな農家は外の社の場合が多い。
それも木の皮で葺いた屋根を持つ、かなり年代物の社を
これまた立派な鞘堂で覆って、大事に手入れもしてある。
昔からの家の守り神なのだろう。
こんな社を1軒の家が持っているということは、
都会の人間には想像できないかもしれない。
・・・というよりその地に住む私自身が、初めて見た時は驚いた。
我々は雪の中、その社の前で権現舞を舞い、祈祷を行う。

表は新しくとも、中に入ると太い黒光りした梁が歴史を物語る家もある。
骨組みはそのままに、あるいは昔からの家の外側だけ新しく補修し直して
代々住まっている家だろう。
そういう家では天井の高さに驚くことになる。
床から鴨居までの高さと同じくらい、鴨居の上にも続いている。
普通のたんすを縦に積んでいるところを想像して欲しい。
そういう部屋は大きな家のほぼ中央部にあり、
たいてい薄暗く、神棚や仏壇が備えてあったりする。
そんな家では我々は家の中に入り、その薄暗い部屋で舞う。
黄ばんだ畳の1枚1枚に、黒く光る柱や梁の1本1本に
長い年月続けられてきた人々の生活の息遣いや温もりを感じる。

かなり寒い思いをしながら、
しかも貴重な週末2日を使って行う春祈祷だが、
そういう生活の仕方にこれまで縁のなかった私のこと、
それらに触れる貴重な機会として、毎年結構楽しみだったりする。

明日は残りの10軒と、隣の集落で行われる歳祝い(これも後で解説予定)がある。
権現舞と祈祷を11回で、これまた1日がかりになりそうだ。
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
どの辺に住んでいるのかな想像してしまいます ()
2005-02-06 23:02:55
花巻出身ではあるけれど。

花巻出身だからかもしれないけど、どの辺に住んでいるのかなと想像しています。

私の実家の近くではなさそうです。

そういうことしていなかったから。

それは大事にしていきたい行事ですよね。
返信する
もしかして・・・・あの中に? (お色気)
2005-02-07 07:25:55
某温泉の帰り道

春祈祷をされる一団をみかけました。

春の陽射を浴びた彼達の衣装が目に鮮やか!

色彩に慣れている現代人でも春が来た~っとワクワク

しますね。昔の人の喜びは私達以上だったのでしょうね!   風屋さんお疲れ様でした。









返信する
けっこう辛いけど (風屋)
2005-02-07 09:00:10
楽しい行事でもあります。

終わった後は、お供えとしていただいた魚や野菜であら汁を作って食べ、

体を暖めながら、酒を酌んで心も暖めます(笑)



>和さん

西の方です。

場所的には、私や和さんの母校(中学校)の学区の西の境目あたりですが、

歴史的には西の山まで続く農村 & 鄙びた温泉地帯の文化を持っています。

私も長じてから住み始めたため、はじめは異文化体験の気分でした(笑)



>お色気さん

私もあの中にいました(笑)

大沢に行くとは知ってましたが、やっぱり見ましたか!?
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