「永遠平和のために」
イマヌエル・カント:著 池内紀:訳
綜合社:発行 集英社:発売
高校時代、二ーチェやサルトルなどとともに
乱読の本の山にカント「純粋理性批判」もあったが
この本の存在は知らなかった。
カント71歳の時に出版されたものだという。
原典も薄っぺらい小冊子らしいけど
有名写真家のイメージ写真とともに編集されたこの本は
とても読みやすく、言葉がじんわり沁みてくる。
「この小さな本から国連や憲法9条の理念が生まれた」
というのが帯のコピー。
世界中の政治家や各界のリーダー達はもちろんのこと、
できるだけたくさんの若い人達にこそ読んで欲しいと思う。
“平和というのは、
すべての敵意が終わった状態をさしている”
“戦争状態とは、
武力によって正義を主張するという
悲しむべき非常手段にすぎない”
“国家は所有物でも財産でもない。
国家はひとつの人間社会であって、
みずからで支配し、
みずからで運営する。
みずからが幹であり、
みずからが根をもっている”
“殺したり、殺されたりするための用に
人をあてるのは、人間を単なる
機械あるいは道具として他人(国家)の
手にゆだねることであって、
人格にもとづく
人間性の権利と一致しない”
(以上、同書より)
今朝(27日)の朝日朝刊に、この本の訳者、池内紀さんが文章を寄せています(『私の視点ー今に通じるカントの想像力』)。それを読んでからパソコンに向かったら、いきなりこの話題が出てきたので、ビックリ。しかも風屋さんのUPは昨日(26日)ですね。
情況に流されぬ意思の力といったようなものを、私もカントに学びたいと思っています。
私も今朝びっくりしました。
ちょうど一昨日買って読んだばかりだったので。
あの思想をナポレオンの時代に語ったというのが驚き。
現代そのままですから。
池内さんのあとがきもなかなか良かったですよ。
この本お勧めです。