kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

決算序盤から

2021-10-30 08:08:41 | 日記
29日の米国市場ではNYダウ、ナスダック指数、S&P500種の3指数とも過去
最高値を更新しました。東京市場では総選挙の結果にもよるでしょうが、寄
り付きから高く始まる可能性は高そうです。選挙はみずもので結果が出るま
で分かりません。

自民党が単独過半数を上回れるのか、あるいは割り込むのか接戦区が多いだ
けに見方が二転三転して市場も振り回されてきました。余程悪い結果が出な
ければイベント通過で不透明要因が一つなくなったことで株価にはプラスと
いう見方もあります。

英国がEUを離脱するか否かを決める国民投票との時にも予想に反して離脱と
いう結果になりましたが、振り返ってみれば市場に大きな混乱はなく市場は
堅調さを取り戻しました。トランプ大統領の初当選の時も不規則な言動や過
激な政策で市場が混乱するという見方もありましたが、企業の大幅減税など
前向きな政策が好感されて市場は急騰しました。

昨年の米大統領選挙でも富裕層や大企業への増税など反ビジネス面のあるバ
イデン氏が当選すると市場はネガティブ反応を示すという見方もありました
が、結果は正反対でした。いずれもイベント通過による不透明感の解消を前
向きな材料としました。

9月月末からの日米の株式市場は真逆の推移でした。米株は多少の下げはあり
ましたが、ほぼ一貫して上昇し高値を更新し続けています。一方日経平均は
9月中旬までは軽快に上昇し年初来高値を更新しましたが、上昇局面は短命に
終わりました。結局10月は559円の下落で終わりました。

政治面の不透明感に加え、企業業績がここまで明暗が分かれた原因でしょう
か。今回の決算でGAFA+Mでも明と暗が分かれました。半導体不足や労働力
などで制約を受けたアップルやアマゾンと個人情報規制で影響が出たファイ
スブックは今回は負け組でした。一方グーグルやマイクロソフトはハードで
の売り上げ規模は小さくソフト主体の収益構造が好調に繋がりました。

巨大IT企業でも半導体不足やサプライチェーン混乱の影響は無視できなかった
ようです。上場企業に製造業が多い日本企業は米国市場以上に混乱の影響を受
けるのは仕方ないのかもしれません。コンテナ市況高騰という大きな追い風と
なった海運3社は例外中の例外です。大手電機の中ではハードからソフトにビジ
ネスモデルを代えたソニーはグーグルやマイクロソフトに近い収益構造がやは
り業績好調の要因でした。

次回の更新は11月2日を予定しています。
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経済再開

2021-10-29 06:30:15 | 日記
緊急事態宣言が明けても国内での人出はそろりそろりという状況のようです。
国内では感染者数が激減しました。目を海外に転じると4月には30万人を越え
て世界最悪の状態だったインドも足元での感染者数は1万3000人程度で落ち着
いてきました。

米国も8月にピークを付け足元の感染者数は減少傾向が鮮明です。タイもベト
ナムなども感染者数は既にピークを付け減少傾向を辿っています。一方ロシ
アは感染数数が激増しています。イギリスも再び波がきているようです。お
隣の韓国もワクチン接種率は日本同等の水準ですが、日本と反対に感染者数
は過去の比べても高水準です。世界を見渡せばWHOが言っているようにコロ
ナ克服はまだ途上です。

インバウンド再開の期待は高いようですが、コロナ前に最も多く訪日客を送
り込んだ中国人観光客の復活は夏以降だろうという見方があるようです。2月
の北京オリンピックを何としても成功させたい中国にとって感染の抑え込み
は絶対条件です。

ゼロコロナの旗を降ろしていない中国では厳格な都市で感染拡大を防ぐ方針
です。現在の感染者は単発的な発生に止まっていますから経済に大きな影響
は出ていませんが、もし全国規模で感染が広がるようだったら経済活動に大
きなブレーキがかかります。当然海外との往来再開も先延ばしになってしま
います。

これから冬を迎えインフルなど感染症が良好しやすい季節を迎えます。ユニ
クロや良品計画のように消費ビジネスを展開しているところは中国要因で下
押し圧力がかかる懸念は少なくありません。特に北京オリンピック前後は要
注意でしょう。

日本のようにオリンピック閉幕後に感染者が急増したことも記憶にあるでし
ょう。閉幕後も感染者数の推移を見ながらの判断になりそうです。インバウ
ンドの主要な対象国である韓国や香港それに台湾も往来再開したとしても当
初は手探り状態でしょう。

国内旅行は感染者数が抑えられている状況が続き、政府の何らかの振興策が
出てくればある程度の回復は期待できます。しかしインバウンドに関しては
順調にいっても来年後半まで待たなければならないかもしれません。コロナ
前のインバウンド客は中国から5割、韓国や台湾、香港から3割程度だったと
記憶しています。

現地の感染状況もまだまだ不透明な部分が多く本格的な往来の再開はまだま
だ先の話になりそうです。旅行関連などの企業はまずは国内客に期待したい
とことです。海外との往来再開が見通せないことや燃料高もある空運株より
電鉄銘柄はやや経済再開銘柄としては一歩リードできるのでしょうか。

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悲喜交々

2021-10-28 06:26:47 | 日記
決算発表のスタート二日目は悲喜交々だったようです。キャノンは21年
12月期通期の連結営業利益見通しを前期比2.5倍の2720億円と従来予想
から110億円引き下げました。半導体や樹脂材料の値上がりでコストが
上昇することが下方修正の要因です。

日本企業の中でも輸出比率が高く114円台まで進んだ円安メリットで業
績への期待から20日には2938円まで上昇していました。しかし26日と
27日の2営業日だけで1割近くも下落しました。9月以降の上昇分を吐き
出した格好です。

懸念されていた半導体不足や原油高に端を発した原材料高が円安のメリ
ットを上回った格好です。キャノンだけでなく9月までは好調でも下期に
急ブレーキがかかる企業が今度も出てくる可能性は高くなったのかもし
れません。

日本電産も業績が市場予想に届かなかったことが影響したのでしょうか
小幅高でスタートした株価は寄り付き天井でその後下げ幅を広げました。
一方日東電工や日立建機は市場予想を越える決算で寄り付きから上昇し
ました。

高値が続く米株は市場予想を越える決算が多いことが安心材料になって
いるようです。やはり製造業が多く中国への依存度が高い日本企業のケ
ースでは中国経済の落ち込みや原材料高の影響をより強く受けるようです。
しかも半導体不足やエネルギーや化学製品などの原料高は下期も続きそ
うです。

決算が一巡して改めて日本企業の業績を精査した結果、日経平均の年内
の高値目標が変わるかもしれません。決算はまだ始まったばかりです。
上方修正が多くなるのか、それとも下方修正が続出してしまうのか総選
挙の結果とともに今後の東京市場を占うことになりそうです。


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GDPの4割

2021-10-27 06:06:03 | 日記
26日の日経平均は大きく上昇しました。寄り付き前の予想レンジよりも上
振れしたのはまだ東京市場の主要プレーヤーが先物を手掛ける海外短期筋
だからでしょうか。上にも下にも振れが大きな展開はもう少し続くかもし
れません。

25日のNYダウ、S&P500種とも最高値を更新しました。2万9000円台に乗
せると上値が重くなる日経平均とは大違いです。日本株の出遅れがずっと
言われていますが、原因が総選挙を控えた政局にあるのか中国経済への不
安が底流にあるのかすべてをひっくるめた複合要因なのでしょうか。

世界を見渡してもコロナ感染者数がこれ程急減した国はないでしょう。第
6波感染を心配する向きもあるでしょうが、ワクチンの接種率の高さや治療
方法の選択肢の拡大もあり6波が例え到来してもこれまでのような厳しい行
動制限の可能性は低いのではないでしょうか。

日本株が本当に出遅れなのであれば年末までの残り2ヶ月で3万円回復や高
値更新があっても不思議ではありません。総選挙では自民党が苦戦している
という悪材料を一旦織り込みました。議席数のある程度の減少は避けられな
いとしても事前予想よりも少しでも良い数字が出れば株価へのインパクトは
大きくなります。

そもそも市場に影響しそうなイベントがある場合は事前にある程度の織り込
みが終わり結果の有無よりもイベント通過での不透明感の解消が好材料とし
て作用します。

中国の中堅不動産・当代置業(モダン・ランド)は26日、25日に期限を迎え
たドル建て社債2億5千万ドル(約280億円)の元本と利息を支払えなかった
と発表し事実上デフォルトになりました。もっとも社債価格は既に額面の2割
まで下落しておりある程度デフォルトは想定されていました。

中国経済の牽引役となってきた住宅投資は政府の共同富裕のスローガンとと
もに役割を終えたのかもしれません。住宅は住むためのモノであり投機の対
象ではないというのが中国政府のメッセージです。富裕層のマネーゲームの
結果北京では住宅購入は一般国民では高嶺の花になりました。政府の政策が
変更になったのなら崩壊はなくても市場縮小は避けられません。

住宅も鉄道や高速道路も実需が見込めなければ後世にツケが残ります。これ
までの中国の政策は景気浮揚のための固定資産投資でした。日本でも以前は
全国への新幹線整備計画が採算度外視で進められました。しかし採算の取れ
ない整備計画は頓挫しました。

中国のGDPに占める割合で個人消費は4割と言われています。米国では7割
日本でも6割です。個人消費が拡大して成長が続く経済構造にもっていくの
が理想なら今後中国が目指すのは米国を抜いて世界一を闇雲に突き進むので
はなく均衡のとれた経済成長を目指すべきです。

市場注目の日本電産の決算が昨日発表になりました。業績は会社予想を上回
り過去最高の利益でした。もっともPERは50倍を超える水準です。EV分野で
の高い成長率を期待された株価です。市場がどんな反応を示すのか注目され
ます。
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明けない朝はない

2021-10-26 07:23:08 | 日記
日本株は当面は悪材料出尽くしを待つしかないような展開になってきました。
総選挙で自民党はどこまで議席を減らすのか、最悪の場合でも単独過半数は
死守できるのか。接戦になっている選挙区が多そうなので結果は最後までも
つれそうです。

また原油高は現在がピークで次第に落ち着くのか、ラニーニャ現象で北半球は
厳しい寒さも予想されます。暖房需要の増加から天然ガスの不足で原油需要が
高まり年明け以降も高値が続くという予想と米国でのシェールオイルの生産回
復やOPECプラスの減産緩和で年明け以降は70ドル台まで下がるという見方も
あり専門家の間でも意見が分かれているようです。

天然ガスや原油をほぼ輸入に依存している日本では今後のガス料金や電力料金
ガソリン代に始まり石油由来のプラスチックやフィルムなどの価格が上昇しま
す。それに加えて数年ぶりの円安が重なり円換算ではダブルで価格上昇が避け
られません。

企業がエネルギーや原材料のコストアップがどこまで業績に影響するのか、ま
たエネルギー価格やあらゆるものの価格が上昇すれば国民の可処分所得は低下
します。以前なら原油などのエネルギーが上昇した場面では円高が進行して価
格上昇を緩和するケースが多かったようですが、エネルギー価格と円安が同時
進行する今回のような状況は余り経験していません。

資源高とエネルギー高それに円安は輸出で稼ぐ大企業よりも国内産業が多い中
小企業により大きな負担になります。政府の政策でどこまで支えられるのかが
重要になりそうです。自民党が総選挙で大敗すれば政権交代はなくても弱い政
権になり法案が通りにくくなるかもしれません。それでも明けない朝はありま
せん。今は悪材料出尽くしを待つしかありません。

騰落レシオ25日移動平均は日経平均で85台、東証1部では77と既に売られ過ぎ
ゾーンに近づきつつあります。テクニカル的にはこの先さらに一段安した場面
は買いシグナルが灯っても不思議ではありません。年末高を信じるなら今後の
下落局面では買い向かってもいいのかもしれません。

もっとも個別銘柄投資ではどんな銘柄に照準を絞るかで明暗が分かれそうです。
既にここ数年大きく上昇した銘柄は大相場が終わった可能性もあります。

戻りは小さく再び下落する可能性も捨てきれません。信用買い残高が高水準で
戻ればヤレヤレの売りが出る銘柄は避けた方が無難なのかもしれません。個人
投資家に人気のあるSBG銘柄などが高水準な信用買い残高を消化して戻るには
かなりの好材料が出なければ難しそうです。テクニカル的に売られ過ぎだとい
ってもやはり個別株では買いの根拠が必要です。
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