kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

中央銀行ウィーク後の市場は

2023-07-30 06:47:07 | 日記
28日の日銀のYCC修正発表後、日経平均株価は前日比で一時850円あまり大きく下げる
場面がありましたが、大引けにかけて戻し結局131円安の3万2759円で終わりました。
日銀の政策変更が海外短期筋による先物売りが殺到したのが背景になったようです。
その後の海外市場で先物は2万3000円を越えました。円相場も138円台から141円台に
円安に戻りました。

ダウも反発したことで週明けの市場は上昇して始まりそうです。もっともこれから夏休み
で市場参加者が少なくなり突発的な材料の出現で相場が大きく変動するケースが増えるこ
とには注意が必要です。今回はYCC修正で本格的な引き締めはまだ先のことかもしれませ
んが、世界で日本だけが続けている緩和路線が今後の物価や賃金の上昇率によっては緩和
の旗を降ろすかもしれません。頭の隅に入れておくべきかと思います。

日米中央銀行のイベントを先週通過して市場の関心は再び個別企業に向かいそうです。生成
AIブームに沸いた半導体セクターは4~6月期は厳しい決算だったところが多かったようです。
市況の底入れがいつになるのか当初の想定よりは遅れていることは確かなようです。

また機械セクターも厳しい決算だったようです。ファナックの2024年3月期の連結純利益が
前期比34%減の1131億円になる見通しだと発表しました。従来予想から240億円下方修正と
なりました。キーエンスの決算も事前の市場予想を下回りました。国内の設備投資が増加
するとのニュースで少し前には人気化する場面もありましたが、やはり売り上げ比率の高い
海外市場の減速が足を引っ張ったようです。

特に世界の製造業の中心地である中国需要の落ち込みが大きく全体の足を引っ張りました。
今後中国景気がどの程度回復するのかによって株価水準が決まりそうです。同じ機械セク
ターでも建機大手のコマツと日立建機は好決算でした。値上げと円安効果が大幅増益に寄与
しました。

建機各社は一時期中国関連という位置付けで中国景気に株価が左右されましたが、日系メー
カーの中国市場でのシェア低下で中国の不振をそのほかの市場でカバーできるようになりま
した。中国事業が低迷しているということが果たして本当に会社の将来にとって良いことな
のか判断は分かれるところですが、今回は吉と出ました。

自動車や電機などの輸出関連は円安を支えに春以降上昇していただけに好業績でも株価への
インパクトはいま一つです。市場では業績の織り込みが十分でなく株価が出遅れている銘柄
が人気を集めそうです。インバウンド関連で鉄道各社が発表した決算は好調でしたが、果た
して31日の市場でどんな反応を示すのか注目されます。

次回の更新は8月1日を予定しています。
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夏枯れ相場

2023-07-28 03:55:47 | 日記
東京市場の膠着状態は当面続くのでしょうか。売買高も減少しています。騰落レシオも100を
下回っています。6月までの活況時とは明らかに市場の勢いは衰えています。海外投資家が夏
休みに突入し買いが細っているという見方もあるようです。

中長期投資家は3万2000円台が割安なのか、割高なのか決算を通じて見極める動きになってい
るということなのでしょうか。決算では上方修正が期待されています。期待通りの業績が示さ
れれば決算後、海外投資家の資金流が見込めますが果たしてその通りになるのかどうか。

NYダウが13連騰中に日経平均は膠着状態でした。3万2000円を割り込む場面もありましたが
すぐに回復しました。足元では下値も限定的なようです。新高値銘柄の顔ぶれをみると不動産
紙パルプ、窯業、鉄鋼、サービスなどバリュー株が物色されているようです。

しかも出遅れている銘柄や大型株よりも中小型銘柄が多いようです。相場の手詰まり感を表し
ているのかもしれません。物色の流れを見る限り再び強い上昇トレンドが戻ってくるのは少し
先のことになりそうです。

指数が膠着感を高めている一方、いつものような決算プレイで個別株の値動きは激しくなって
います。決算が振るわず売られた銘柄では日東電工も其の1社でした。4月後半から上昇し上げ
幅は3割近くなり売りが出やすい状況でした。決算悪で改めて売り直されたようです。

サイバーエージェントゲーム事業の不振で下げが止まりません。株価はコロナ禍の2020年3月
から巣籠り消費関連で賑わい2021年7月まで上昇し2.5倍になりましたが、結局2020年3月の水
準に戻ってしまいました。一時は時価総額が1兆円を超え業界最大手の電通を越えましたが
結局ゲーム事業への収益依存度が高くヒットが続かなければ業績が落ち込むという事業構造だ
ったようです。

これまで生成AI関連と囃された銘柄たちには現在の株価が妥当なのか、決算発表で答え合わせ
が始まっています。既に期待から株価水準を切り上げた銘柄はどちらかというと売り圧力が高
まる可能性がありそうです。夏枯れ相場ではこれまで人気の圏外にあった銘柄で割と少ないエ
ネルギーで上昇しそうな銘柄が好まれるかもしれえません。ゲリラ戦は始まったばかりです。
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中国市場は競争条件が激変

2023-07-27 04:24:50 | 日記
FRBは26日開いたFOMCで市場の予想通り0.25%の利上げを決定しました。今回で打ち
止めになるのか次回も0.25%の利上げがあるのか。次回会合は9月19〜20日と先になり
ます。それまでに物価や雇用の経済指標が十分に落ち着けば、結果的に今回会合が最後
の利上げになる可能性もあります。

9月までに発表される経済統計は市場の注目を一段と集めるでしょう。予定通りの0.25%
の利上げであったことで米株式市場の大きな波乱はなかったようです。ダウは既に12連騰
していて過去の高値に接近、戻り売り圧力も高まるでしょう。日本時間4時30分現在では
若干のプラスを維持ていますから最終的には13連騰が実現するかもしれません。しかし
イベント通過で連騰の反動が今後出ることもあるでしょう。さらに高値を追うには今回の
決算でどこまで市場予想を越えられるかです。

日本企業の決算発表がスタートしました。自動車セクターや精密セクターは円安効果とサ
プライチェーンの回復による供給面の制約が無くなったことそれに原材料高などを受けて
の値上げ効果で上方修正期待が高いようです。

一方電気セクターでもPCやスマホ販売の不振で電子部品各社の業績には不透明感が高く下
方修正リスクが懸念されています。決算発表をキッカケに株価変動率が高くなるのは例年と
同じ傾向のようです。富士通ゼネラル株は決算発表を受けて大きく下落しました。

もともと同株は親会社の富士通による売却観測から業績とは関係なく今年4月まで人気を集
めていました。株価水準は10年来高値まで上昇していたこともあり決算がキッカケで売り
圧力が高まった格好です。M&A期待で株価大きく上昇したことで割高感が強まり現状では
買収交渉が停滞している可能性もありそうです。株価の先行きは一段と不透明になってき
たのかもしれません。

円安効果が日本の輸出株中心に上方修正期待を高める一方、当初の期待とは裏腹の中国景気
回復の鈍さが日本企業にも暗い影を落としています。三菱自動車は米国販売の好調と円安効
果で今期業績を上方修正しました。中国市場でのビジネスは瀬戸際にあるようです。

三菱自動車の中国でのシェアは低く収益貢献度は余り期待できないレベルでした。さらにEV
販売の増加でガソリン車の販売は傾向的に減少しています。これはEVで出遅れた日本メーカー
全体の問題でもありますが、三菱自動車のようにシェアの低いメーカーは中国ビジネスを継続
するのか撤退するのかの岐路に立っています。

今後も挽回が難しいようなら業績好調な今のタイミングで市場からの撤退が決断しやすい状況
でしょう。同じく中国市場でシェアの引くマツダも事情は同じではないでしょうか。いち早く
中国市場から撤退したスズキは経営資源を主力のインドに注ぐことにより成長を続けています。


スズキ同様に中堅メーカーは優勢性の高い国でのビジネスを強化する一方競争が激しく利益も
見込めない市場から撤退するのが正解です。特にガソリン車からEV主体に市場が急速に変わっ
たしまった中国市場では新規参入も相次ぎ既に市場はレッドオーシャンになりかけています。
体力の弱い中堅メーカーにとっては世界一の自動車市場であっても将来展望が開けないという
のが現実です。
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日米写真相場

2023-07-26 06:06:35 | 日記
25日の東京市場は軟調な展開でした。市場が注目していたのはレーザーテックの好決算を
受けての市場の反応でした。寄り付きは2万1000円(605円高)と大きく上昇して始まりま
した。しかしザラ場で寄り付き値を一度も越えられず所謂寄り付き天井の日足チャートで
終わったように好業績であっても足元の株価水準そして今後の業績見通しなどで反応が違
ってくるという典型でしょうか。

半導体セクターは生成AIブームに乗り5月以降大きく水準を訂正しました。一方個々の会社
で足元での業績貢献度はまちまちであるという指摘もあります。同じセクターでも20日に
4~9月期の純利益が29%減と発表したディスコは21日の寄り付きは下げて始まりましたが
大引けではプラス圏に浮上しました。

その後3連騰になり10年来高値を更新しました。ディスコは半導体製造の後工程向け製造装
置を手掛けています。回路パターンの工程が終了した後にチップを切り分ける装置や研磨装
置が主力事業です。最近では需要が急拡大するEV向けのパワー半導体向け装置の好調がニュ
ースになりました。

今後も市場が伸びる分野での期待が大きいディスコと最先端半導体マスク検査装置が主力の
レーザーテック株は決算を受け市場の反応は違ったものとなりました。レーザーテックの
PERは41倍、ディスコは37倍ですからそう違いはありません。2社の違いはどこからきてい
るのでしょうか。

25日の市場では建設や原油高で資源関連銘柄が人気を集めました。米国市場で石油メジャー
株が好業績を支えに上昇した流れが日本市場の資源関連株高を誘引したようです。指数に影
響の大きな半導体など値嵩株の下落で日経平均は小幅安で終わりましたが、セクターローテ
ーションは健在のようです。

25日の市場では海外市場の物色人気が日本市場にも波及した形ですが、逆に海外発の悪材料
が特定セクターの下げ材料になる可能性もありそうです。日米の写真相場の様相を呈してきた
東京市場で注目しなければならないのは米国市場の物色の流れのようです。
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東京市場に足りないもの

2023-07-25 06:57:30 | 日記
ダウの上昇が止まりません。24日は183ドル高となり11連騰を記録しました。これまでの
記録である13連騰も視野に入ってきたとの見方もあるようです。ダウは3万4500ドルの節
目を今年3度目の挑戦で抜けてきました。日足でダブル底を形成して上昇したことになり
チャート上からも強気サインが出て来たのかもしれません。

PERなど指標面から割高感も指摘されますが、相場の勢いが勝っているようです。生成AI
関連銘柄が台湾USMCショックで下落しましたが、ダウの構成銘柄では関連銘柄の比率が
少なくハイテク主体のナスダック指数との勢いの差が鮮明のようです。2022年1月に記録し
た高値3万36799ドル(ザラ場高値)を目指す展開になるのでしょうか。

一方6月まで破竹の勢いで上昇してきた日経平均は今一つ勢いがありません。24日は米国
株高や円安を支援材料に369円上昇しましたが、午後の取引で伸び悩んだようにこのとこ
ろの日経平均とダウの動きは6月相場とは真逆の展開です。6月には日経平均とダウの指数
の差は一時500程度まで縮める場面もありましたが、24日時点で比較すると2700まで再び
広がってきました。

日経平均のリード役だった生成AI関連の半導体セクターやインバウンド関連が今月勢いを
失っています。鉄鋼株など見直し買いが単発的に出ていますが、物色範囲が広がり相場の
リード役が出てこないと高値更新は難しいのでしょうか。

PBR1倍割れ銘柄への割安株物色で春以降急騰した日経平均ですが、日本株のバリエーショ
ンが切り上がるにはROEの改善が欠かせません。日本企業全体ではROEの数字は引きあが
ってきていますが、欧米企業のように二桁が当たり前の現状では見劣りします。欧米企業と
遜色のないROEの水準である日本企業はバリエーションも同等まで評価されています。

決算発表で業績面の押し上げが必要です。できれば円安頼みの業績の上方修正ではなく利益
率の改善や競争力の高いところを証明して欲しいところです。決算後に日本株の見直しがあ
るのかないのか夏相場のカギを握っています。
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