kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ウィズコロナの銘柄選び

2020-07-31 04:53:43 | 日記
今日は7月相場最後の立ち合いです。今月の東京市場は底堅かったのか
、それとも上値は重く期待された2万3000円回復は8月以降に先送りされ
たのか。ここ1週間の日経平均の日足チャートは頭が丸くなり下方向に向
っているような印象を受けます。注意が必要かもしれません。

また少なくとも業種、銘柄では指数以上の変動があったようです。景気の
波に比較的左右されにくく、為替相場の影響も受けにくい日用品業界は
相場が先行き不透明になると選好されるセクターです。しかし30日の市
場では業界最大手の花王が決算を受けて大幅安一方ライバルのライオ
ンは10年来高値更新と明暗が分かれました。

日用品業界の優等生の花王は化粧品部門がインバウンド消費の蒸発と
マスク着用が日常になり化粧を控える女性が増えたことが逆風になった
ようです。一方ライオンは化粧品事業を手掛けておらずしかも国内シェア
首位のハンドソープの需要急増だけでなく、歯磨き粉など「オーラルケア」
も追い風が吹きました。

ウィズコロナが日常になり手掛けている製品群の違いが両社の明暗を分
けたようです。花王は化粧品部門の苦戦は予想されていました。それでも
ハンドソープや家庭用洗剤の需要拡大でカバーできると市場でも予想し
ていただけに予想外の減益で失望売りが増えたようです。

日本では感染者数の上では既に第2波が発生しているといって間違いな
いでしょう。しかも以前から第1波よりも第2波の感染者の山は高くなると
言われていました。新型コロナには季節性は関係ないという発表もあり
第2波が収まっても秋から冬にかけて第3波、第4波にも警戒が必要にな
りました。

30日も下げ止まらず年初来安値を更新したJR4社の株価が市場に発し
ているメッセージは飲食、宿泊、運輸、レジャーなど内需系の業界を取り
巻く環境は当面厳しい状況が続くということではないのでしょうか。勿論
ワクチンが実用化されれば急反発する場面もあるでしょう。

しかし5年10年かかるといわれているワクチンの早期実用化は安全面や
効果など懸念するところも多いと一部の感染症専門家は話しています。
2月に中国の武漢で感染爆発が発生した時には感染力及び致死率は今
現実に起きているよりもずっとずっと低いというのが定説でした。コロナ
ウイルスは季節性ウイルスとまた違った特徴を持っているようです。本当
の姿が解明されるのはまだまだ先のようです。

コロナウイルスに打ち勝ち以前のような日常が戻るのはずっと先なのか
もしれません。ウイルスの本当の正体が解明されていない状況では今逆
風が吹いて下げている銘柄への投資も余程慎重に吟味しないと取り返し
のつかないことになりかねません。


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日銀の御威光いつまで

2020-07-30 04:43:14 | 日記
29日の東京市場は久しぶりに終日右肩下がりの一日でした。これまでは
寄り付きは大きく下げても日銀期待で下げ渋るケースがほとんどでした。
先週から顕著になってきた円高も国内での感染者拡大も無視するような
相場でした。しかしそんな相場にも転機がやってきたのでしょうか。

注目の日本企業の決算発表が本格化してきました。ファナックやオムロン
など自動車の設備投資関連での苦境が改めて鮮明になったようです。コ
ロナウイルスの蔓延で世界的な自動車販売の低迷を受けて自動車メーカ
ーも設備投資を抑制する動きは当然です。

中国市場はコロナを封じ込めることが出来たことからいち早く販売は回復
しましたが、このまま回復基調が続くかは現時点では分かりません。やはり
自動車販売が底打ちして回復に向かわなければ設備投資の低迷は続きま
す。

国内販売ではリースやカーシェアリング業界もコロナによる外出自粛で需
要が低迷していることから新車の導入計画を原則凍結するところも出てい
ます。少なくとも国内の自動車販売の本格回復にはかなり永い時間が必要
かもしれません。

精密業界は業界トップ企業のキャノンが4~6月期に赤字転落して減配に踏
み切ったようにデジカメ、複写機分野は構造的な需要減にコロナが拍車を
かけた格好です。テレワークやオンライン会議それにオンライン授業などが
今後定着することになれば複写機市場縮小は一過性ではなくトレンドとし
て定着する可能性が高くなります。

デジカメや複写機事業は参入障壁が高く日本企業の独壇場でしたが市場
そのものが今後縮小に向かうとなれば日本企業の中でも脱落する企業が
出てくるかもしれません。市場縮小を考えれば将来的には再編もあるかもし
れません。

他にもコロナ禍で働き方改革が一気に進むようなことになればこれまでの
風景は随分変わるかもしれません。JR各社の株が年初来安値を更新したの
はインバウンド需要の消滅、国内旅行の回復の鈍さそれにテレワークやオン
ライン会議の推進で通勤や出張の減少を先取りする動きなのでしょう。

ここまでの株価の戻りに対して企業収益の戻りは鈍く乖離は広がるばかり
です。それでも株式市場が大崩れしないのは下げたら日銀がETFを購入し
て支えてくれるという安心感があるからです。しかし業績悪を織り込んで下
げる場面がなければ将来的に歪は大きくなります。

2万円を割れてさらに下落するような極端な株安場面ならともかく2万2000円
台で日銀が1000億円もETFを買う必要があるのかどうか世界を見渡しても
中央銀行が株式を市場から買うという行為は日本だけです。日銀のETF買い
にはメリットと同様デメリットもあります。

日銀に依存する市場は官製相場そのものです。株価は企業の通信簿だとす
れば市場からの警告が届きにくい官製相場は危うい要素を含んでいます。
日本市場の問題点は時価総額上位銘柄で銀行や自動車など旧来型の企業
が多く新陳代謝が進まないことです。

日銀が好業績な企業も不振企業もまんべんなく買ってしまうため業績を加味
した企業の本当の姿がだんだん見えにくくなってしまっていることです。日銀
期待で下げ渋るという相場はやはり正常な姿とは程遠いものです。
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値ぼれ買いの成否

2020-07-29 05:50:59 | 日記
日本株にサマラリーはやってくるのか?現時点ではイエスともノーとも言え
ないくらい難しい事項です。米国市場ではナスダック市場の過熱感が指摘
されています。コロナ禍でも影響は限定的あるいは恩恵を受けるあるいは
代表格がGAFAに代表される大手ハイテク銘柄です。

GAFA以外でもテスラの時価総額は一時トヨタの1.5倍まで膨らみました。
確かにEV市場では圧倒的な知名度と四半期連続黒字を記録するなど目
に見える形で業績が安定してきました。量産体制が軌道に乗らずなかなか
黒字転換が見えなかった2年前から見れば市場からの評価は一変しました。

しかし流石にトヨタの1割以下の生産台数のテスラの評価額が日本円で30兆
円を超えるというのが正当なものなのかというと評価は分かれます。環境問題
を考えればEVで先頭ランナーのテスラは魅力的なのかもしれませんが、自動
車業界自体が市場は大きくても既に成熟期に突入している可能性もあります。

アマゾンやグーグルなどのように全く新しい市場を開拓し既存勢力に置き換
わろうとするビジネスモデルとはいささか違いようにも感じます。しかもアマゾ
ンやグーグルは祖業のEコマースや検索サイトの運営から事業領域を広げて
WEBサービスや基幹ソフトを収益の柱にしました。

テスラにそこまでの将来性があるのかどうかまだ黒字基調が定着しただけで
どこまでEV周辺を収益化できるか評価するには時間がもう少し必要です。

テスラに限らずWEB会議のズームなどGAFAやネットフリックスなど新興企業
が次々に高成長する米国はやはり日本よりも二歩も三歩も先を走っています。
コロナ禍では露呈した行政のIT分野での立ち遅れなどとてもIT先進国ですな
どとは恥ずかしくて言えない日本は余程頑張らないと世界から遅れるばかり
です。

Jパワー、三菱自動車、ニコン、西武HG、JR九州は28日に10年来安値を更新し
た銘柄です。Jパワーは石炭火力への依存度が高く効率の悪い石炭火力発電
の廃止方針が影響しています。

三菱自動車は3社連合での身の丈を超えた拡大路線が裏目に出ました。アジ
ア市場以外赤字という厳しい現実があるようです。ニコンは大黒柱のデジカメ
市場の急激な縮小が止まらないことや次の主力事業が見当たらないことです。

西武は私鉄各社の中でも鉄道収入の割合が小さくホテルやレジャー事業など
コロナ禍で大打撃を受けている事業への懸念です。JR九州も上場JR4社の中
で最も経営基盤が弱くインバウンド需要の蒸発も痛手だったようです。業種は
違っても10年来安値を更新したこれらの銘柄は同業の中でも収益基盤や財務
が脆弱な企業です。割安に見えても安易な値ぼれ買いは再考が必要だという
ことのようです。
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カリスマは強し

2020-07-28 04:41:06 | 日記
週明けの東京市場はお互いの領事館の閉鎖から米中対立の激化を嫌気
した米国株安を受けて朝から売り優勢の展開でした。また半導体大手の
インテルが新製品の発売遅れで大幅安だったことから半導体関連銘柄も
売られました。

もっとも米中対立という構図は目新しい悪材料ではありません。ファーウ
ェイへの制裁に端を発した米中のハイテク摩擦は今後も激化することは
あっても和らぐことはありません。軍事分野に関係する情報通信分野は国
の最重要分野であり両国とも譲ることはできません。たとえトランプ政権
が代わって次の政権になっても大きな改善は望み薄です。

インテルの新製品発表の遅れで売りがインテルだけに止まらず半導体関
連の銘柄まで広く売られたのはコロナショックからの回復相場でハイテク
銘柄が大きく上昇したことで高値警戒感も出ていたことも無関係ではあり
ません。コロナ前の高値を更新する銘柄も出るほど一部の銘柄には過熱
感が出ていたのも事実です。

半導体関連のように利益確定売りで下げた銘柄よりもむしろ警戒しなけれ
ばならないのは内需系銘柄の一角に下げ止まらない銘柄があることです。
27日の市場では上場JR4社が揃って年初来安値を更新しました。指数が3月
安値から6000円も戻していることを考えればJRの下げは突出しています。

インバウンド需要の消滅に加えコロナ禍で国内の旅行需要も低迷していま
す。また働き方改革でテレワークやオンライン会議が一過性ではなく多くの
企業で定着すると長期的な輸送需要の減少も現実味を増してきます。ここ
数年JR各社は輸送事業だけでなくエキナカ需要の取り込みにも熱心に取
り組んできました。

都市部中心に人の往来が減少すればエキナカでの物販や飲食需要の低迷
は続きます。固定費の高いJR各社がコロナ禍でどのように収益を上げてい
くのか未来図が描けないので下げが止まらないのかもしれません。感染症
の蔓延という新たな脅威は様々な分野でこれまでと違った景色が広がるの
かもしれません。

一方日本電産やSBG株は27日も年初来高値を更新しました。上げ材料は違
っていてもやはりカリスマ経営者が率いる企業の評価は市場では高いよう
です。コロナ禍という未曽有の困難だからこそ経営者の資質が問われるの
でしょうか。的確な手を迅速に打てるオーナー経営者であり経営手腕の高い
ところが再評価されているのでしょうか。

この2銘柄を筆頭にコロナ前の株価を大きく上回っていることが指数を持ち
上げています。27日の市場も一時300円ほど下げる場面がありましたが、次
第に下げ幅を縮め大引けは35円安と連休前の22日とほぼ変わらないところ
まで戻しました。日銀のETFの買いを市場では材料に挙げていましたが、国内
で感染第二波ともいえるほど新型コロナ感染者は増加しています。

国内景気に影響が出る可能性は否定できません。株価と企業業績の乖離は
開くばかりです。年初来高値と安値銘柄の顔ぶれを見る限り人気銘柄と不人
気銘柄が一段と鮮明になってきたようです。不人気銘柄を値ごろ感だけで買
いづらいところです。ただ人気銘柄の高値警戒感も無視できません。この水準
から中長期投資で買うには少々勇気が必要です。
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風向き変る?

2020-07-24 06:51:41 | 日記
日経平均2万3000円が壁となっているようにNYダウの2万7000ドルは
壁になっているのでしょうか。23日のNY市場はハイテク株中心に売られ
353ドル安でした。アップルとマイクロソフト2銘柄で下げ幅の半分を
占めていました。

ナスダック市場もGANG銘柄は軒並み3%を超える下げでした。今春以降
市場のスター銘柄となったテスラが5%近い下落、ズームも4%近い下落と
軒並み下げました。決算シーズンを迎えている米国市場ですが、少なくと
も今週の動きはこれまでのような勢いは感じられません。市場でも決算を
キッカケに利益売りが増加するのではないかと警戒しているようです。

ワクチンの開発進展期待と経済回復期待がこれまで米国株を引っ張って
きましたが、足元ではコロナ感染者増加は続いています。いったんは飲食
店再開を許可していた州でも再び閉鎖を命じるところも出てきています。
5月以降の経済回復に重点を置いた政策にも曲がり角が迫っているので
しょうか。ここへきて新規失業者数の増加もあり先行きは混沌としてきまし
た。

日本でも7月になり東京都中心に感染者の増加傾向が続いています。特
に今週は東京だけでなく愛知や大阪なども過去最高の感染者数を記録
するなど感染第二波は予想以上に早くやってきました。おそらく政府が
Go To キャンペーンの前倒しを決めた時点では感染状況が落ち着いて
いる間に疲弊が進んでいる地方の観光業を支援することを急いだから
でしょう。

しかしコロナの再拡大で政府の政策は裏目に出てしまったようです。7月
の感染者急増は背景を探るには2週間前をさかのぼらなければなりません。
政府は5月GW明けを目指していた外出自粛要請を1ヶ月延長しましたが
5月末までの期限を1週間前倒しで解除しました。

コロナが沈静化して自粛解除された5月末から6月にかけて多くの繁華街
や人の動きが戻ってきました。普段はマスク着用が厳格に守られていたと
しても飲食の現場などではどうしても厳密に防ぐことは難しかったようです。
自粛疲れもあり人々の気のゆるみもあったでしょう。

夜の街で若者中心に増加していた感染者は次第に中高年そして高齢者に
も広がりあっという間に広がりました。新型コロナウイルスの厄介なところ
は一旦感染者が広がり出すと歯止めが利かなくなり短期間に感染者が急
増することです。

東京市場では先週から今週前半にかけて相場が堅調に推移していたこと
で市場からは海外に比べたら日本の感染者が急増して言うといってもまだ
マシなほうだという見方も出てきたようです。株高が言わせた強気論の相
場の曲がり角を示すサインだったのでしょうか。

確かに日本電産のように逆風下でも市場予想を超える業績を発表する企
業も出ていますが、日本企業の全体像を示している訳ではありません。
好スタートを切ったからと言って今後発表する企業も市場予想を超える
決算を発表できるかは分かりません。

米国のハイテク株高に支えられてきた東京市場も来週は正念場を迎えそう
です。市場に警戒心が高まってきた局面では改めて国内でのコロナ感染者
数が株価に与える影響が高まるかもしれません。

次回の更新は28日を予定しています。
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