kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

米中首脳会談 市場の評価は

2019-06-30 06:49:13 | 日記
※ 都合により1日早めに更新します。

先週は終値ベースでは僅か17円の上昇に止まりました。日々の値動き
は多少あっても方向感に欠ける展開で指数は完全に膠着状態です。日
銀が最後にETFを購入したのは6月13日です。日銀が買いに出てこない
ということは相場が荒れていないということでもあります。

6月第3週は個人投資家も海外投資家も売り越し基調は続きました。買
い越しが目立ったのは投信と自社株買いで存在感を示した事業法人で
した。その場の水準に関係なくコツコツを買い続ける事業法人が目立
つようでは相場の方向性も出ません。日経平均の騰落レシオは28日現
在104で売られ過ぎでも買われ過ぎでもなく中途半端な水準です。

信用評価損率は21日現在15.9%で5月中旬から15%の高水準が続いて
います。経験則からは相場は陰の局を示していますが、今年の日本株
については過去のアノマリーが必ずしも当てはまらない場面もあり判
断迷うところです。先週の動きからは「閑散に売りなし」という格言
だけは当てはまったようですが。

さて注目の米中首脳会談では協議再開が決まり、関税第4弾の先送りも
示されました。ファーウェイへの部品販売も認めるということも伝わ
っています。最終合意への道のりは尚も険しそうですが、トランプ大
統領が大きく譲歩した形です。短期決戦に持ち込みたいトランプ大統
領に対して来年の大統領選挙を睨んで長期戦も覚悟している習国家主
席の戦いでした。

新聞記事を見る限り結果は予想以上にトランプ大統領が譲歩したなと
いう印象を受けます。しかしあの大統領の事ですからまたいつ状況が
一変するか分かりません。市場もこれまでの経緯からある程度は抵抗
力はついてきたでしょうが、シストレが主導する市場ですから言葉が
独り歩きし瞬間大きな値動きは今後もあり得るでしょう。

さて米中首脳会談の結果を受けて最初に開く市場は東京です。交渉継
続は事前の予想ではメインシナリオでしたが第4弾発動見合わせやファ
ーウエイとの取引容認は一方踏み込んだポジティブな内容です。間違
いなく日本株にはプラスに働きそうです。中国関連や半導体関連銘柄
中心に買いが入る可能性は高いと思います。

もっともブレグジットや米国大統領選の番狂わせが伝わって最初に開
いた東京市場の結果と欧米市場の反応は真逆でした。しかし今回は東
京市場の反応が世界市場の流れと同じになるように思われます。既に
企業は以前から言われていたチャイナプラスワンという生産拠点を中
国以外にバックアップとして設けるという方針を加速させるでしょう。
市場にとって一番厄介なのは様子見です。

企業が覚悟を決め困難な道でも歩み始めたら希望は繋がります。米中
貿易戦争はまだ続くとして市場は次第に打たれ強くなり次の相場のテ
ーマを見つけるでしょう。さてそのテーマが5GなのかCASEなのか或い
はまだ市場に出ていないテーマなのかは分かりませんが、市場とはそ
ういうものなのです。ブレグジット問題だってまだ先行きは見通せま
せんが、以前ほど市場では深刻な影響は出ていません。

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さあ米中首脳会談

2019-06-28 04:55:23 | 日記
後1営業日残っていますが、何とか6月月間ではプラスで終わり
そうです。欧米市場に比べれば大きく劣っていますが、贅沢は言
えません。107円台まで進んだ円高を考えれば2万円そこそこま
で下げても文句は言えません。

27日の大幅高は米中首脳会談で何らかの合意が出来た場合に備
えて売り方が買戻しを急いだためかもしれません。工作機械な
ど中国関連銘柄と言われる企業の株価は比較的大きく上昇しま
した。その裏には市場の期待が高くない分、僅かな好材料でも
急騰する可能性もあり売り方の買戻しを誘ったのかもしれません。

ドルベースで投資成果を判断しているドル建て日経平均は196
ドル(6月27日現在)であり年初来高値近辺で推移しています。
この水準だと積極的に投資を増やすのか、あるいは大きく保有
株を減らすのもどちらともつかずです。現状はモメンタムの強
い欧米市場で稼ぐというのが海外投資家の基本方針でしょうか。

日本株が大きく上昇する条件は中国景気が復調して円相場が円
安に反転して自動車を中心に輸出関連銘柄が水準訂正する。そ
のうえで今後成長が見込まれる5G関連の半導体や設備投資関連
銘柄に見直し買いがはいるという株高シナリオです。

その為には米中通商協議が何らかの決着が成立し投資を躊躇っ
ていた企業が積極策に転換するということが必要です。景気の
善し悪しに拘わらず世界で稼げるGAFAのような大型ハイテク銘
柄が見当たらない日本では強みを持っている半導体製造装置や
精密加工が可能な高性能な工作機械銘柄が相場をリードしなけ
れば指数全体は大きく上昇しません。

どちらに転んでも週明けには米中首脳会談の結果が判明します。
市場の基本シナリオは交渉継続で合意、その間は制裁関税第4弾
の発動は延期するというものでしょうか。それ以上のビッグサ
プライズがあるのか、あるいは米中間の溝の深さを改めて市場
に印象付けてしまうのか

大統領再選の為なら朝令暮改も厭わないトランプ大統領にはあ
る程度予想されたとはいえここまで翻弄されるとは思いません
でした。FRBが利下げに追い込まれることになったのは元はと
言えばトランプ大統領が仕掛けた米中貿易戦争の影響で好調だ
った国内景気の雲行きが怪しくなったからです。

中国への関税引き上げという自分の政策で世界的な景気悪化を
招きました。トランプ大統領がここまで過激な行動に出なけれ
ば少なくとも米国経済の急激な落ち込み懸念はなかったでしょ
う。政治の責任で景気悪化を招きながらFRBに利下げを迫ると
いう何とも都合の良い大統領の言動です。それでも世界の市場
はまだしばらく予想不能な大統領と付き合わなければなりません。

29、30日の更新はお休みします。
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ガバナンス不全

2019-06-27 05:40:32 | 日記
株主総会シーズン真っ盛りです。ガバナンス強化が一つの大きな
流れになってきたこともあり問題を抱えている企業には一段と厳
しい株主の意見が多いようです。

日本を代表する日産と東芝は日本経済の2大産業である自動車や
電機業界に属することもあり世間の関心も強いようです。日産と
ルノーの関係は今後どんな経緯を辿るか分かりませんが、日産の
業績が回復しなければ有利な交渉は出来ません。

日産の不振は世界販売の四分の一を占める米国市場での不振です。
前CEOのゴーン氏主導で無理な販売台数を追ったことから販売奨
励金が増加しブランドイメージが低下して中古車価格も低迷しま
した。販売奨励金の増加は魅力的な車がなく値引きで販売を伸ば
す方針に傾斜しました。

自動車販売の肝は何といっても魅力的な新車を開発し余り値引き
しなくても売れることです。値引きしなくても売れる車は中古車
市場でも値崩れが少なく消費者にとっては次の新車に買い替える
時に有利に働きます。

日産を巡るニュースは昨秋のゴーン前CEOの逮捕と永くトップを
務めたカリスマ経営者の退場でした。瀕死の日産をV字回復させ
たカリスマ経営者は日本でも人気が高くそれだけに大きなニュー
スになりました。しかし水面下では既にその時期には米国市場で
日産の販売低迷は静かに進行していました。

自動車業界にはCASEとも言われる100年に一度というような劇的
な変化が起きています。いずれも多額な研究開発費と設備投資が
必要です。多くの自動車メーカーは投資負担が重荷になっていま
す。そんな状況で日産はガバナンスの問題もあり業績低迷と先端
技術での出遅れが不安視されています。西川氏にとって残された
時間は余りありません。

東芝の危機は当面回避されましたが、代償も大きかったようです。
東芝が電機業界で誇れることはフラッシュメモリー事業を世界の
大手に育て大きな収益源にしたことです。またCTやMRIといった
医療事業も日本のトップに成長させました。しかし前者は投資フ
ァンドに後者はキャノンに売却しました。

虎の子の事業を売却しなければならないほど過去の不正会計や
原発事業の巨額な損失が会社の存続を一時危うくしました。
両事業の巨額な売却益がなければ東芝はとっくに海外勢の買収か
法的整理に追い込まれたでしょう。

日産も東芝も結局はガバナンスが上手く機能しなかったというの
今日の事態を招きました。貯蓄から投資への流れが叫ばれもリス
ク資産への投資が増えないのは長期投資にふさわしい利益成長が
期待できる企業が少ないからでもあるようです。名門と言われた
日産や東芝の不祥事が決して2社に限った特殊なケースと言い切れ
ないところが問題です。
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日米の差は人材の差

2019-06-26 00:17:41 | 日記
25日付の経済紙はこのように伝えています。アベノミクス以降確か
に日本企業は円安や世界的な好景気の追い風を受け業績を伸ばしま
したが、急成長した上場企業は少なかったという内容です。

今年の日米株式市場の明暗は様々な理由があるでしょうが、米国の
GAFAに代表されるような大型の高成長企業が見当たらないことです。
円相場の水準や中国をはじめとする世界景気の影響を強く受け数年
単位で大きな利益成長が期待できる企業はほとんど見当たりません。

PBRやPERといった指標面での割安感だけでは世界の投資家から選
ばれる銘柄にはなりません。原因は上場企業の多くが生え抜きの
サラリーマン経営者でありオーナー企業のような積極的にリスクを
取って成長を目指す経営が出来てないからでしょうか。

SBGやファーストリテイリング、日本電産はいずれも才能もあり
個性豊かな創業者ばかりです。しかし偉大な創業者の眼鏡に適う有
力な後継者が見つからないという共通の問題を抱えています。

米国では大型IT銘柄の老舗企業でありGAFAの大先輩であるマイクロ
ソフトは創業者のビルゲイツは既に第一線を退いています。ビルゲ
イツからバトンを受けたバルマー氏時代には業績低迷が続きました
が、3人目のCEOであるナデラ氏の元で見事に復活しました。

GAFAの一角をなすグーグルは創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・
ブリンからバトンを受けたエリック・シュミットが高成長の土台を
築き、現在はピチャイCEOが舵取りをしています。創業者からバト
ンを受け取った人物が優秀だったから成長を続けられているのです。

アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏は業績不振から一度は会
社を追われましたが、復帰後はiMAC、iPODを世に送り出しiPhone
で大ヒットを飛ばしアップルを時価総額1位を争う企業に成長させ
ました。志半ばでジョブズ氏は病に倒れ帰らぬ人になりました。
後を受け継いだクックCEOは巨大企業となったアップルを無難にコ
ントロールしています。

天才肌で次々に革新的な商品を世に送り出したジョブズ氏のような
カリスマ性はクック氏にはありませんが、その代わりに手堅い経営
手腕は評価されてもいいかもしれません。

米国にあって日本にない物は偉大な創業者の後を引き継ぐ豊富な人
材がいるかどうかでしょうか。マイクロソフトやグーグルは創業者
がいなくなっても成長が止まることはありません。ファーストリテ
イリングも日本電産も偉大な創業者の後継者探しでは苦労している
ようです。

期待された経営者でも実績を残せず短命に終わる米国の経営者もい
ますが、それでも次々に新たな人材が出てくるところが米国企業の
強さの秘密です。人材の層の厚さがまだまだ不足しているのが日本
経済のウィークポイントです。
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今週末G20

2019-06-25 05:45:10 | 日記
24日の東京市場は売買代金が1兆4000億円弱と4年半ぶりの薄商い
でした。107円台の円高水準で輸出企業中心に業績懸念が高いこと
や今週末に予定されている米中通商協議を控え見送り材料にはこと
欠きません。

今週末には市場注目のG20が日本で開かれますが、やはり目玉は米
中首脳会談で通商協議に進展があるのかどうかです。市場の大方の
予想は継続協議を続け対話の窓口は閉ざさない。協議中は対中関税
第4弾は実施しないというものです。

これ以上或いはこれ以下の内容になれば市場は大きく上にも下にも
動く可能性が高まります。最近の米国の経済指標には弱めの内容が
目立ちます。もし第4弾を発動すれば一層の経済の下押しに繋がり
株式市場も大きく調整する可能性があります。

イランとの緊張も高まり米国としては中国とさらなる関係悪化は避
けたいところです。トランプ大統領が最優先するのは来年の大統領
選挙での再選です。その為には手のひらを返したような言動は今後
も増えそうです。

今週末のG20で波乱なく通過したとしても7月5日には米雇用統計発
表があります。この内容が今回特に注目されるのは7月FOMC(30
31)の利下げに直結するからです。市場は既に利下げ100%を織り
込んでいます。

雇用統計の結果に拘わらず市場の混乱を懸念して7月に利下げに踏
み切ると市場関係者の一部にはありますが、やはりどんな内容に
なるのか蓋を開けてみないとわりません。今月米国株高に日本株が
追随できなかったのは円高進行が大きな理由です。

FEDが今年後半どんな金融政策をとるのか。それによっては円高が
長期化する。或いは再び110円台の円相場に戻るのかやはり日経採
用銘柄には輸出企業が多く為替相場が業績に与える影響の大きな
日本の市場は米国の金融政策の行方に左右されます。




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