kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

出遅れ修正は何の暗示?

2023-06-30 04:07:20 | 日記
日経平均とNYダウの指数の逆転はあるのでしょうか。毎日のように一時5000ポイント以上
開いていた両者の差は今年4月以降急激に縮小して29日の東京市場が引けた時点では600ほど
の開きでした。円相場が年初時点では130円を割り込む場面もありましたが、今週は144円ま
で再び円安が進んでいます。

上場企業の中で輸出企業の利益に占める製造業の割合が高いことを考えれば円安による手取
り額の増加で業績の上方修正が期待できます。中国景気など不安要素もありますが、業績の
上方修正期待が7月の決算発表で高まりそうです。日本企業の業績面での有利性も株高の背
景にありそうです。

もっとも海外投資家はドル建てで日経平均を見ている訳ですから指数の逆転にはさほど興味
を示さないでしょう。まだ日本株はドルベースで見れば割安と判断するのでしょうか。バフ
ェト効果により海外投資家の日本株への関心が高くなったのだけは紛れもない事実のようです。

29日の市場では新高値銘柄が251、10年来高値銘柄も133と幅広銘柄の上昇が続いていること
がうかがえます。業種に偏りがないのは日本株全体にまんべんなく投資資金が向かっているこ
とを暗示しています。日経平均は前場今年の高値(3万3706円)に接近したこともあり伸び悩
み結局小幅高で終わりましたが、特定のセクターや銘柄だけが集中して買い上げられての上昇
よりも持続力は増しそうです。

競争力があり利益率も高く安定性もあり今後株主還元策の強化で増配や自社株買いが期待でき
る銘柄でPBRが0.9倍台の銘柄は今後も水準訂正が期待できるのでしょうか。建設セクターでは
長谷工、自動車セクターではトヨタが今月1倍を超えました。

JR3社の中ではPER、PBRがもっとも低いJR東海だけが今月高値を更新したのはインバウンド
関連でも選別が起こっているからなのでしょうか。自動車セクターで日産やマツダなど高値更
新が続くのは144円台での円安メリットだけでなくPBRが1倍割れという出遅れ修正でしょうか。

企業側としても株価は市場が決めるものとして突き放した対応はもはや通用しません。株主総
会で株価が著しく低いことで取締役の信認率は低いケースが増加しています。やっと欧米のよ
うに株主の期待に応えられない経営陣の続投はNOということが当たり前になってきました。

一昔前のシャンシャン総会は既に過去のものです。株主が唯一経営陣と面と向かって対峙できる
総会本来の姿になってきました。株価は経営陣の通信簿という側面は今後もますます強まりそう
です。


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続くか海外投資家の買い

2023-06-29 06:01:16 | 日記
28日の日経平均は655円高と5営業日ぶりに大きく上昇しました。16日の高値からの下げ
幅の6割を回復しました。市場では「今週は国内の公的年金によるリバランス目的の売り
懸念されましたがそれも一巡した」との見方も出ていました。

午後の取引で一段高となったキッカケは先物の買いだったようです。このところ海外短期
筋による先物売りが市場でニュースになっていましたが、買戻しかあるいは新規の買いか
は不明ですが、海外の短期筋による先物買いで今後も度々急騰する場面がありそうです。

上値では高値警戒感もあり売りが出やすいでしょうが、下値では個人の買いが支えそうです。
個人投資家は3万3000円台まで急騰する過程で利益確定売りを進めました。23日時点で信用
評価損益は8.65%でした。株価上昇で個人投資家の買い余力は十分あるようです。下落すれ
ば逆張りで買いが入りやすい状況です。

しかし上値を買い進む投資家は海外投資家です。先週は海外投資家が先物、現物とも売り越
したとの観測記事も出ています。海外投資家の買い、中でも中長期資金である現物買いが今
後も続くかどうかがポイントになりそうです。

急激な利上げにも拘わらず米国経済は現在のところ踏ん張っています。長短金利差の逆転は
必ず景気後退に繋がってきたとの見方がありました。既に1年近く逆転現象が続いています。
今回は例外なのか、それとも年後半米国経済はやはり景気後退に陥るのか。

米国経済が落ち込めば日本経済もお付き合いしてきました。当然日本の株式市場も影響は避
けられません。頼みの海外投資家の買いが細れば上値追いは難しくなります。7月までは株高
が続くとしても年後半は不透明ということも頭に入れておくべきかもしれません。
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選別色が強まる?

2023-06-28 04:07:25 | 日記
27日の東京株式市場で不動産株の値下がりが目立ちました。国税庁が「マンション節税」や
「タワマン節税」の防止目的で相続税の算定ルールを大に見直すと伝わり、不動産需要が
剝落するとの見方が利益確定売りを誘いました。節税買いの縛りが不動産市況に与える影
響は未知数ですが、市場では大手デベロッパーの業績への影響は限定的との冷静な見方も
出ています。

先々週まで10週間連続で日経平均は上昇しました。半導体セクターや商社セクターほどで
はなくとも多くの銘柄が上昇しました。大きな波に乗って利益を上げようと今期減益企業
も上昇しました。裏テーマであるPBR1倍割れ銘柄が底上げされましたが、市況産業の銘
柄も多く景気減速による影響は避けられません。

AI人気で大きく上昇した半導体セクターや電子部品セクターはパソコンやスマホの販売不
振で二桁減益を予想している企業が多く含まれています。来期の業績回復期待も勿論あり
ますが、急激な利上げの結果米国経済など世界の景気は不透明感が強いままです。業績の
底入れ回復を織り込むとしてもまだ早すぎるという見方もあります。

26日騰落レシオは100を割り込んで99でした。過熱感が収まりつつあると判断するか、相
場の勢いに陰りが出てきたと判断するか。どうやら後者になりそうな印象を受けます。不
動産株に限らず強気相場で見過ごされていた悪材料が表面化して株価急落というケースが
増えるかもしれません。業績面での選別が一段と重要になりそうです。
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EV乱世時代突入

2023-06-27 04:12:37 | 日記
EV新興メーカーの株価が低迷しています。第二のテスラ探しが盛んだった2020年から
2021年にかけて人気だったローズタウンや二コラ、フィスカーなど軒並みピーク時の
1割以下の水準で低迷しています。

株価不振の元凶は何と言っても市場期待を大きく下回る生産、販売です。テスラだけで
なくGMやフォード、VWなど大手メーカーがこぞってEVの販売を本格化してきたため
に競争が激化しています。高級車セグメントでもメルセデスやBYDとの競争でブランド
力の低い新興メーカーは苦戦を余儀なくされています。

しかも2025年かけてEVで出遅れていたトヨタなど日本メーカーも品揃えを増やして販
売を本格化させます。資本力に乏しい新興メーカーは持久戦になればますます苦境が深
まりそうです。

テスラやBYDのように電池を内製化しているメーカーは収益を確保しやすい半面外部調
達に頼るメーカーはコストが高止まりしがちで収益が取りづらい構造になっています。
車両価格の三分の一を占める電池価格の価格が高いままだと収益を取るのは大変です。

電池価格の低下でEV価格は現在の三分の一になるとニデックの永守会長は2年前に見解を
披露していましたが、余程のイノベーションが起こらない限り現状ではその予想は永遠に
実現できそうにありません。

トヨタは少しでも競争力のあるEVを開発しようと製造工程の抜本的な改革に乗り出すと
いうニュースが出ていました。次世代電池の本命と言われる固定電池を搭載したEVを
2027年にも発売するとのニュースは株価おも押し上げました。

雨後のタケノコのように新興EVメーカーが誕生しましたが、2030年には果たして何社が
生き残っているでしょうか。一時はスマホのように新興メーカーは水平分業が進む業界
で市場の革新者になるという期待もありましたが、どうも筋書き通りには事は進んでい
ないようです。

EV1車種開発するには400億円とも500億とも開発費が必要だと言われています。テスラが
高収益をあげられたのは少ない車種(4車種)で大量販売が出来たからというのも理由の
一つです。今後一段と競争が激化すれば多くの車種を開発して他社との差別化を図らなけ
れば需要を乗り逃がします。

体力勝負になってきた時に資金力の乏しい新興メーカーほど苦戦が予想されます。既存の
大手メーカーとの激しい競争にさらされ多くの新興メーカーは今後10年で果たして何社が
生き残れるのでしょうか。
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期待先行から本物を見極めよ

2023-06-25 08:00:45 | 日記
週間ベースの上昇記録は10週間で終わりました。多くの市場関係者が情報番組で予想した
週末の日経平均は3万3500円前後でした。結果は3万2781円でした。3万3000円を割り込む
と予想した市場関係者は確か一人だったと思います。33年ぶりの高値水準まで上昇したこ
とで専門家でも予想は難しくなっているようです。

私ももしも3万3000円を割り込むとしたら月末が到来する今週かと思いました。波乱相場が
1週間前倒しになったと思えばいいのかもしれません。結果論ですが、証券株が賑わうと上昇
相場の転換期になるというアノマリーが今回も当てはまるのでしょうか。

先週日経平均の上値が重くなったのは海外投資家の先物売りが原因だったようです。いち早く
日本株を買い始めた短期筋は利益確定売りのタイミングを窺っていたたようです。英国中銀が
0.5%の利上げを決めたことも影響したのでしょうか。米国でも利上げ停止は先延ばしになっ
ているようです。0.25%の利上げが1回かあるいは2回かまだ中央銀行と市場との見方に乖離が
あるようです。

東京市場が早期に落ち着きを取り戻すかは引き続き海外投資家の動向次第のようです。短期筋
は利益確定に動きました。しかし中長期投資家の現物買いが今後も高水準で続けば日経平均の
深押しはないでしょう。流石に上昇一辺倒という訳にはいかないまでも当面は3万2000円から
3500円のボックスで推移すれば御の字ではないでしょうか。

指数全体の上昇が鈍化すれば個別銘柄物色が盛んになりそうです。単にPBRが1倍割れしている
だけに銘柄よりも還元と成長ストリーのバランスが取れている銘柄が特に有望です。同じセクター
でも企業間格差が広がりそうです。ホンダは株主還元と成長投資期待から今年自動車セクターで
10年来高値を更新しました。

最も10年チャートを見るとやっとボックス圏の上値抵抗ラインを突破したところです。足元の水
準でもトヨタは10年で時価総額が7割増加しましたが、ホンダはほぼ横ばいでした。利益率が10%
を越えている二輪車事業に対して四輪車事業は1%程度です。ホンダ株これまでの不振の元凶は
四輪車事業の利益率の低さです。

24日の経済誌によると四輪車事業はリコールの影響もあり営業黒字から赤字に転落したことで前期
決算の下方修正に追い込まれました。週明けの株価は波乱含みでしょう。ホンダの本格復活は四輪車
事業でかつてのように6%程度まで利益率を引き上げられるかです。トヨタの背中は相当遠いという
のが現状のようです。

次回の更新は27日を予定しています。
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