kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

まだあるTOB急騰銘柄

2019-12-29 12:53:14 | 日記
※年内最後の更新です。

明日は東京市場の大納会です。今年の大発会は2万円割れスタート
で悲観で始まりました。紆余曲折はありましたが、大方の予想を裏
切る形で9月以降4カ月連続の上昇で有終の美を飾れそうです。

もっとも一気に2万4000円を回復した月の前半と上値の重さが目立
った後半と相場の勢いに陰りが出ました。特に後半は連日で米国株
高が進んだにも拘わらず日本株は追随できませんでした。米中合意
という追い風だけでなく株高効果もあり年末商戦が好調な米国経済
と10月の消費税引き上げ後の反動減が予想以上に重しになっている
日本経済の差かもしれません。

その米国株も年初から先週までS&P500種株価指数は29.2%上昇と金
融危機以降最高だった13年の29.6%に迫る上昇です。特に10月以降
の一本調子の上昇はやや出来すぎのようにもみえます。大統領選挙
の年は株高になり易いというジンクスもありますが短期的には過熱
感も出てきています。年明け1月相場では何かのキッカケで調整する
リスクを高まりつつあるようです。

ネズミ年の2020年はどんな相場が待ち構えているのでしょう。2019年
は終わってみれば年初からの上昇率が2割でしたから結果から言えば
悪い年ではありませんでした。しかし年初から順調に戻りを試してい
た相場は米中合意が土壇場でひっくり返されGW明けから急落し低迷
は8月まで続きました。

悲観論が支配する中で9月以降再び上昇相場に戻りましたが、多くの
投資家は5月の急落の記憶が忘れられず、この波乱相場を上手く泳い
だ投資家は少なかったのではないでしょうか。2020年も引き続き米中
の摩擦で相場が振り回される展開は続きそうです。予想不能な相場は
今後も続くと考えて行動した方が良さそうです。

相場の不確実性は消えなかった2019年相場でしたが、株式市場での
勝ち組はTOB関連だったのではないでしょうか。ユニゾHGや東芝と
HOYAのTOB合戦に発展した東芝上場子会社のニューフレアテクノロ
ジー株また三菱ケミカルも上場医薬品子会社のTOBが表面化しました。

なかでも日立は事業の選択と集中を押しすすめたこともありここ数年
上場子会社を次々に手放しました。高いプレミアム付きで必ず買って
くれるTOBは既存株主にとって最も安心できるケースです。例えば
日立子会社4社の年初から先週までの上昇率は日立化成2.7倍、日立
金属1.4倍、日立建機28%、日立ハイテクノロジー2.2倍と軒並み
高パーフォーマンスです。

実際にTOBまでたどり着いたのは日立化成だけで他の3社はまだどんな
展開になるのかは不明です。しかし株価上昇は市場に何にTOB期待
が株高材料として魅力的かを証明しています。日立だけでなく2020年
は今年以上に多くの企業が親子上場解消に動きそうです。親会社が
完全子会社化を目指すにせよ外部企業に売却するにせよ高いプレミ
アムが期待でき経済情勢に関係なく買い取っても貰えるTOB銘柄は
上手く仕込むことが出来れば投資物件として最高です。

どの企業がTOBの可能性が高いのか正月休み中に研究するのも面白い
かもしれません。私は老舗企業のM社の上場子会社にきな臭さを感じ
ています。今年も1年購読ありがとうございました。良いお年を。
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PBR1倍割れの現実

2019-12-27 06:36:17 | 日記
クリスマス当日の25日には1部市場の売買代金が7年ぶりの低水準と
なる1兆992億円となり開店休業状態の東京市場でした。米国市場に
じり高を続けていますが、クリスマス休暇を終えた投資家が戻って
くる週明けも上昇が続くのかそれによって東京市場の新年相場の行
方も見えてきます。

日本が正月休みの間も開く海外市場で大きな動きがあるのかどうか
月初には重要な経済指標の発表もあり東京市場の膠着状態もいずれ
どちらかに動くかもしれません。閑散相場の中でも今週は日産自動
車やSGH、コニカミノルタや青山商事年初来安値を更新する銘柄が
散見されます。

SGH株以外は企業の解散価値のPBR1倍を大きく割り込んでいます。
日本株全体では1倍割れは底値かもしれませんが個別銘柄では必ず
しもそうではありません。本業の厳しさが株価に表れているようで
す。どこかの時点で見直し買いがあるかもしれませんが、経営者は
成績簿である自社の株価の水準をよく噛みしめながらこれまでの延
長線上の経営では展望が開けないことを感じなければなりません。

市場は落ち着きを取り戻しても固有の問題を抱えている企業の株価
の低迷は止まりません。相場水準が高いからといってすべての銘柄
が水準を切り上げている訳ではありません。逆張り投資の個人投資
家は多いでしょうが、投資を決断する前に当該企業の置かれている
状況をよく吟味する必要はありそうです。

世界の工場と言われている中国が製造業中心、米国は既にサービス
業主体の経済構造です。日本はその中間でしょうか。一般的にサー
ビス業は利益率が高く製造業は価格競争が激しく一部の製品を除い
て利益率が低い状態です。

米国のように巨大IT企業の象徴であるGAFAのような企業が日本では
育っていないのが現状です。製造業に軸足を置いた経済構造はそう
簡単に転換できません。ならば少しでも付加価値の高い製品にシフ
トしたり製造業とサービスと組み合わせたビシネスモデルを目指す
しか方法はありません。

2020年相場のスタートは2019年と違って発車台が高い水準からスタ
ートします。どんな銘柄でもある程度は利益を上げられた2万円割れ
相場とは違います。銘柄選択の善し悪しが問われる1年になりそうで
す。PBR1倍割れが銘柄が多いということはTOBの標的になる企業も
多いということです。魅力的な事業を持っている企業は狙われる可
能性が高いかもしれません。
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ファナック

2019-12-26 06:40:16 | 日記
ファナックに吹く逆風は日本株の足枷になるのでしょうか。中国関連
或いは設備投資関連銘柄と言ったら多くの投資家の頭に浮かぶ代表銘
柄の一つがファナックです。自己資本比率が9割近い強固な財務体質
稼ぎ頭のNC装置では世界シェア5割を握り高い利益率を上げています。
ロボット分野でも世界の4大メーカーの1社で安川電機とともに設備投
資関連では外せない企業です。

しかし事業内容をよく見てみるとロボット事業の利益率は10%台であ
りNC装置が20%から30%の高い利益率が続いているのとは雲泥の差で
す。ロボットはNC装置ほど市場シェアが高くなく新規参入も後を絶ち
ません。またロボットの需要先がハイスペックを要求される自動車業
界から食品や日用雑貨向けに人との協業が重視され、しかもそんなハ
イスペックが必要ない業界に広がる傾向があります。

この分野では日本のデンソーや不二越それに中国企業も力をつけてい
ますから競争激化は必至です。また数年前にスマホのアルミケース向
けに需要が急増したロボマシンも需要低迷が忍び寄っているようです。
今後本格普及が始まる5G向けスマホでは電波の特性からアルミケース
の需要は激減するとの指摘もあります。

NC装置は工作機械に必要不可欠な頭脳部分を担っています。しかし最
大のお得先の自動車業界では100年に一度の大変革期を迎えています。
特に電動化が進めば内燃機関が必要なくなり部品点数は三分の二に減
少すると言われています。

内燃機関に使う部品を切断したり穴をあけたり磨いたりする工程で
様々な工作機械が使われますが、今後電動化により景気循環ではなく
構造的には工作機械需要が減少することがあるかもしれません。

短期的には工作機械受注が底を打ちファナックのNC装置は一旦回復す
るでしょうが、中長期的需要が減少するのであれば今まで高い利益率
を上げてきた事業なだけにファナックには特に大打撃です。イノベー
ションとともに様々な製品が生み出されまた需要の無くなった製品は
市場から消える運命です。

自動車の電動化はエンジン回りの部品が不要になり工作機械業界に対
しては逆風です。自動車以外の分野の伸びでカバーできれば影響は抑
えられるのですが。高収益のNC装置需要の先行き不安やロボドリルが
需要喪失でファナックは次の柱を探さなければなりません。

景気は循環しますが、製品自体の需要減少が構造的要因によるもので
あれば当然業績の低迷と株価の低迷は続くことになります。ファナッ
クの試練は多くの日本企業の課題でもあるようです。

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TOB

2019-12-25 07:22:17 | 日記
従業員による買収を発表したユニゾHDでしたが今度こそ一件落着と
なるのでしょうか。まだ紆余曲折を予想する市場関係者もいます。
ユニゾHDは7月に敵対的TOBを仕掛けたエイチ・アイ・エスに対抗し
友好的な第三者であるホワイトナイトとして米投資ファンドのフォ
ートレスを迎えましたが、従業員の扱いを巡って対立することにな
りました。

フォートレスの今後の対応は現時点では不明ですが、会社側がいっ
たん受け入れたホワイトナイトと対立するという余り例のないケー
スに発展した今回のケースは相次いでTOBを表明する企業やファン
ドが相次ぐのもユニゾHDが魅力ある投資対象だからです。

都心3区中心にオフィスビルやホテルを展開するユニゾは含み資産
の豊富さやインバウンド需要が見込めるホテル事業の将来性が評価
されて今回の買収合戦が始まりました。まず最初に目を付けたのが
旅行代理店大手のエイチ・アイ・エスでした。

旅行代理店事業はネットによる価格破壊から収益低迷が今後も続く
と懸念されていました。そこでエイチ・アイ・エスは本業との親和
性が高く成長が期待できるホテル事業に力を入れています。しかし
国内外の有力なホテルチェーンが進出してきて既に好立地な物件は
数少なくなっています。

都心部で立地の良い場所で数多くのホテル事業を展開しているユニ
ゾはエイチ・アイ・エスには魅力的な対象だったようです。しかし
会社側がTOBの対抗策を出してきたことで早々とエイチ・アイ・エ
スは買収を断念しました。

ホワイトナイトとして登場した米投資ファンドのフォートレスとも
交渉が決裂し最終的には従業員による買収で一件落着するのでしょ
うか。当初エイチ・アイ・エスは1株3600円を提示しましたが、そ
の後ホワイトナイトの出現で4000円に跳ね上がりさらに5100円まで
上昇しました。

魅力的な案件なら買い手が多く表れ競い合えばドンドンと価格は跳
ね上がります。含みが多く安定株主が少なく割安に放置された銘柄
の中にはユニゾ同様にひとたびTOBが表面化すると大化けする銘柄
探しは来年も活発になりそうです。

5G関連とか2020年の有望企業がしばしば市場で取り上げられます。
しかし期待から前もって人気化して株価が高騰し蓋を桁ら年明け以
降軟調な展開になるというケースはこれまでもありました。指数が
高値圏にあり9月以降4カ月連続で上昇したこともあり年明け以降は
当面の個別物色という展開も考えられます。

経済情勢に左右されることなく突飛高も期待できるTOBは隠れた有望
なテーマとなる可能性は少なくありません。ユニゾHGを巡る一連の
流れはその前哨戦かもしれません。
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日立の勝負はこれから

2019-12-24 04:57:32 | 日記
今年の取引もあと5営業日を残すのみとなりました。海外投資家
がクリスマス休暇したことで東京市場は閑散な一日になりました。
しかし贅沢は言えません。クリスマス暴落でお先真っ暗な昨年に
比べれば2万4000円近くまで上昇したことは前向きに受け止めまし
ょう。

もっとも問題はこの先です。過去2回は2万4000円越えが高値とな
りその後急落し、しばらく低迷する相場展開でした。三度目の正
直で今回は2万5000円台を目指すことになるのでしょうか。もっと
も9月以降急ピッチで上昇してきただけに既に上昇期間は3カ月を
越えました。

「小回り3月」という相場格言にもあるように米中合意という好材
料の織り込みもあらかた終わり一段高に向かうには材料が乏しくな
ってきたのかもしれません。世界経済の回復が確かなものになるの
か日米とも投資指標面でのPERは既に過去の上限に達しているだけ
に何かのキッカケで一旦調整するリスクは考えておかなければなり
ません。

今回の上昇相場では半導体関連が業況の回復が確認でき大きく上昇
したのが目立ちました。しかし同じ設備投資関連でも工作機械受注
の底入れから回復は未だ見通せません。一番のお得意先である自動
車業界に不振が影響しているようです。工作機械業界の業績回復が
半導体業界に続けるのか来年前半のポイントでしょうか。

電機大手の株価も明暗が分かれました。家電ではソニーの完全復調
とパナソニックの低迷、重電ではかつての優等生だった三菱電機の
モタツキと日立のこのところの上げっぷりの良さが目立ちます。も
っとも日立株の上昇はかつての負の遺産の処理と子会社売却で選択
と集中が進むといった期待からです。

昭和電工に日立化成株を売却し、富士フィルムには医療機器事業を
売却することになりましたが、いずれもかなりのプリミアムが付き
結果的に日立は多額の利益を上げることが出来ました。5000憶円と
も言われる巨額な金額を支払い永く続いた三菱重工との火力発電合
弁会社の損失に絡む案件を処理できたのも高値で事業を売却できた
ことも大きかったのではないでしょうか。その意味では日立に追い
風が吹いたのかもしれません。

ここまでは低収益事業の売却で事業の選択は出来つつあります。し
かしいずれも黒字事業の売却で日立本体の営業利益は減少してしま
います。スイスのABBから買収する予定の送電線事業が加わります
がそれだけでは足りません。今後は利益の質と規模を追わなければ
なりません。日立の本当の勝負は来年かもしれません。
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