kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

9月相場振り返り

2023-09-30 08:29:15 | 日記
9月の日経平均は節目の3万2000円を割り込んで終わりました。やはり米国で金利上昇、株安
が急激に進んだことが影響しました。FRBの金融引き締めの長期化観測や米政府機関の閉鎖
リスクの高まりが米国債売りを誘い長期金利の9月間上昇幅はおよそ0.5%と2022年9月以来1年
ぶりの大きさになったそうです。

金利上昇が株価の重荷になり、ハイテク株中心のナスダック総合株価指数の9月の月間下落率は
今年最大になり東京市場でもグロース株の低迷が続きました。鉄鋼や自動車、海運、商社など
バリュー株は中旬まで相場活況の立役者でしたが、配当落ちがあった今週は大きな反動安に見舞
われました。

一方半導体関連など先週は相場全体が大きく下くする状況でも一定の底堅さがみられました。
これで下げ止まりから反発に転じるかは現時点では拙速な判断は避けるべきかもしれません。
ファンドによるバリュー株買いもハイテク株売りの解消があり買戻しで底堅かったのなら市場
の流れが再びバリュー株に戻れば売られる可能性もあります。もう少し時間をかけて状況を
判断する必要がありそうです。

相場の先行き不安が高まった9月相場でした。米国では投資家へのアンケートで調整リスクが
まだ続くという結果が出ています。しかし見方によれば投資家の心理は相場の後追いの可能性
もあり悲観と楽観は交互に訪れます。相場のアノマリーでは9月の下落確率が高い反面10月以
降の相場は上昇確率が高いというのが過去のケースです。

世界経済が減速しているのは事実です。今後はセクター単位ではなく個別企業の業績で株価の
明暗が分かれるのではないでしょうか。決算発表では好材料が出尽くしで反落する銘柄と好業
績を十分に株価が織り込まれていなかった銘柄の急騰が毎回繰り返されます。

迷った時には株価は市場に聞けということです。これといった好材料が出ていないにも拘らず
上昇を続けている銘柄は往々にして後で好材料が出てくるものです。一方業績予想は良いのに
株価が軟調な銘柄には下方修正の懸念があるかもしれません。個別銘柄の吟味が勝負というこ
とになりそうです。

次回更新は10月3日を予定しています。
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EVの課題先進国②

2023-09-29 05:48:47 | 日記
EV化の流れは止まらないでしょう。問題はスピードです。欧州委員会はガソリン車(HVも
含む)の販売を2035年以降に禁止する方針を転換し条件付きで認めるという決定をしました。
イギリスも2030年から2035年に従来の販売禁止年限を先送りしました。

ところが自動車大国のドイツが反対を表明、イタリアや東欧諸国もドイツに同調したこと
から2035年に先送りが決定しました。欧州でも自動車産業が盛んで自動車関連の雇用の多
いドイツで急激にEV化が進むと雇用問題が課題になります。

最近では中国からのEV輸入が急増して欧州メーカーのシェアを奪っています。急激なEV化
は結果として中国を利するだけに終わる可能性も出てきました。中国市場でもEV市場で国
内勢のシュアが高まり欧州勢も目論見通りEV販売を拡大できていません。

EV化が急速に進むとガソリンスタンドの淘汰が進みガソリン保有のユーザーも給油場所が
減少して不利益をこうむります。また急速充電設備の整備がEVの普及スピードに追い付か
なければ充電難民が発生するかもしれません。EV先進国の中国ではこのような問題がニュ
ースとしてまだ伝わってきません。

急速充電設備はEVの普及が遅れれば採算が取れず新規の設置が遅れます。またEVが急速に
増加すれば充電するために渋滞が発生するかもしれません。乗用車に比べてEV化が難しい
トラックはガソリンスタンドが減少すれば軽油を給油する場所が限られてしまいます。

EVを推進するために各国は購入補助金を設けています。しかしEV中古車の価格はどうなる
のでしょうか。EVバッテリーの寿命は7年か10万キロ走行と言われています。中古車で購入
した場合はバッテリーを交換する時新車の車両価格の3分の1を占めると言われる交換費用は
補助金を受けられず高額になることが予想されます。

実際にテスラの中古車を購入したユーザーからバッテリー交換で高額な費用を請求されたと
いう記事もありました。新車市場と中古車市場は強いつながりで成り立っています。中古車
市場でEVの下取り価格はどんな具合にあるのでしょうか。

EV普及が遅れている日本では大きなニュースとなっていません。ここ数年急激にEV販売が
伸びた中国市場ではまもなくEVの中古車が大量に出るでしょうその際下取り価格がどうなる
のか。日本でも参考になりそうです。
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EVの課題先進国①

2023-09-28 06:45:07 | 日記
「再生エネルギーこんにちは、化石燃料さようなら」株式市場は石油や石炭の開発、販売する
企業やCO²を多く出す企業や投資対象から外されました。日本の市場でも石油元売りや石油開
発している企業や鉄鋼や化学などは年金などの機関投資家から投資資金が逃げ出しました。

皮肉なもので2023年は資源企業や鉄鋼などオールドエコノミーが市場の熱い視線を集め大きく
上昇しました。自動車セクターでもEVを手掛けている企業が持てはやされました。米国のビッ
グスリーでもEV開発に巨額な資金を投入するといったニュースで株価が急騰する場面もありま
した。

反対にEVに出遅れているという理由で日本の自動車メーカーの株価は業績に比べて著しく低評
価でした。時価総額でテスラに抜かれるまでダントツのトップだったトヨタさえ永くPBR1倍割
れの状態が続きました。

トヨタは2010年代半ばから既に毎年のように増配と自社株買いを実施していた株主還元では優
等生でしたが、EVに消極的だという評価からなかなか2022年の超円安局面でも株価に追い風は
吹きませんでした。

世界一の自動車市場でもある中国でEVが急激に普及したのは政府の様々な優遇策の後押しがあ
ったからです。それまで現地メーカーは擦り合わせの技術が必要な内燃機関では日本や欧米企
業に太刀打ちできませんでした。しかしモーターと電池で走り構造が簡単なEVでは中国企業が
得意とする巨額投資で安価な製品を大量に市場に投入し一気にライバルを凌駕するという作戦
が功を奏しました。

中国政府は国産メーカー育成が国益ですからEV市場を税制面や政策で支えました。不正により
環境車としてのレッテルが剥げたディーゼル車主体の欧州メーカーが日本車に太刀打ちできな
いHVではなくEVを欧州の環境規制もあり推進したのも中国メーカーには追い風になりました。

しかしEVにはここにきて不穏な動きが出てきました。中国からのEV輸入が急増した結果、欧州
の現地メーカーの市場を侵食されるという事態が発生しました。欧州では中国製EVに関して政
府の多額な補助金が公正な競争を阻害しているということを問題視しています。EVを巡って欧
州と中国の対立が深まるということもあるかもしれません。

また欧州の自動車大国ドイツではEVを購入した多くのユーザーが公開しているというニュース
でも出ています。ロシア産天然ガスを輸入禁止にしたドイツでは電気料金が高騰しました。EV
への充電でもの電気料金も大きく上昇しているようです。この問題はドイツに限らず欧州全般の
問題かもしれません。

また道路の維持管理にはガソリン税が充てられていますが、EVの普及が一段と進むと税収不足
になります。一般的にはガソリン車よりもEV車の重量は重くなると言われていますから道路の
損傷も増えるでしょう。EV車時代にあった道路財源をどのように賄うべきか。EV普及の旗を掲
げた状態で安易に税金をかければEVの普及を阻害してしまうことにもなります。

ものすごいスピードでEVが普及している中国ではEVの課題先進国でもあります。何事にも熱し
やすく冷めやすい国民性が中国の特徴でもあるようです。シェア自転車、無人コンビニなどは
典型的なケースです。一時は中国発のトレンドが世界に広がるかと思えましたが最近では中国
からも関連したニュースは伝わってきません。

中国では家電量販店大手が店舗の9割を閉店するというニュースが今月流れました。仮に日本で
ヤマダ電機が店舗の9割を閉店するというニュースが出れば大騒ぎになることは想像に難くあり
ません。EVの技術はまだ過渡期です。技術革新でより性能が良くて安価なで使いやすい製品は
まだ出てきていません。再生エネルギーのようにEVシフトの反動がでることも考えるべきです。
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どう乗り切る秋相場

2023-09-27 06:51:25 | 日記
3月期決算企業の権利最終売買日の今日の東京市場はどんな動きになるのでしょうか。やは
り気になるのは米国の動きです。全米自動車労組(UAW)のストライキへの行方も気にな
ります。一部にはストライキの影響で日本車には追い風という見方もあるようです。短期的
にはそうかもしれません。

しかしUAWの要求が100%取ればビッグスリーの人件費はざっくり今の水準の2倍の負担と
なるとの見方もあります。問題は他の産業の労働者の賃金も上昇圧力が増し結果的に物価
が下がりにくい状況が生まれFRBの政策金利が高止まりする懸念が増してしまうことです。

GDPの7割を占める個人消費が落ち込めば自動車販売にも影響してきます。そうでなくとも
学生ローンの返済猶予措置が終わり、10月から返済が再開されることで消費が減少するとの
見方があります。またFRBのパウエル議長は20日米景気に不確実性をもたらす大きな要因の
ひとつとして原油高や大規模ストライキなどと並べて政府閉鎖を挙げました。

懸念材料が目白押しになりやすい秋は市場が混乱しやすい時期でもあります。米国市場の混
乱は日本株にも大きな影響が出ます。やはりこの水準から上値を積極的に買い進めてくれる
投資セクターは海外投資家しか見当たりません。相対的に日本株には好条件が整っています
が、株式がリスク資産である以上米国市場が混乱すれば日本株の足を引っ張る可能性は高い
でしょう。

今日は権利付き最終売買日です。配当取りの買いに期待したいところですが、米株安で軟調な
一日になりそうです。シカゴ先物は3万2000円を割り込んで終わりました。3万2000円を挟んだ
動きに今日はあるのでしょうか。

9月相場も後3営業日を残すのみとなりました。まだ結論は出ていませんが、やはり9月相場は
下落する傾向が強いというアノマリーは今回も当てはまりそうです。日経平均の8月末の終値は
3万2619円でした。配当落ち分を埋めて上回るのはかなり厳しい状況です。ダウの8月末は3万
4721ドルでした。26日は3万3618ドルでした。26日時点では少なくとも日経平均の下落率は
小さく収まっているようです。

ゼロ金利を据え置いている日本と金利高止まりが懸念されている日米の金融政策の違いや円安に
よる企業業績への期待、PBRの引き上げへの市場からの期待などが日本株優位の背景にありそう
です。今後は株価を最終的に決める企業業績が日本株の行方を左右しそうです。市場の期待通り
或いは期待以上の業績を示せるのか。株主還元策の強化も合わせて注目されます。


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決算発表の注意点

2023-09-26 06:39:22 | 日記
27日が3月期決算企業の中間配当の権利付き最終売買日となります。市場の関心は今後、配当
から24年3月期業績予想の上方修正の有無に移ると指摘する市場関係者もいます。148円台に
乗せた後も円安基調は当面続きそうな予想もあります。

代表的な輸出産業である自動車セクターはもっとも円安メリットを受けると見られています
から上方修正期待は高まっています。また電機や機械銘柄の一角も円安で上方修正がありそ
うです。

一方機械株でも中国景気回復が予想ほど進まなかったことで工作機械やFA関連の銘柄には円
安メリットを帳消しにしてしまうほどの売り上げ減もあるかもしれません。電機セクターでも
スマホやPCの売り上げ減で電子部品各社の苦戦が予想されています。

もっとも上方修正期待の高い自動車セクターでも中国での販売不振がある程度足を引っ張る
銘柄もあるかもしれません。円安効果ばかりに目を奪われると思わぬ躓きがあるかもしれま
せん。しかも自動車セクターは年初来や10年来高値を直近で更新した銘柄も多く好業績発表
が材料出尽くしになる可能性もあるかもしれません。

一方業績悪化が予想されている電子部品などの銘柄は足元が業績の底という流れが出来れば
決算発表が底入れのサインになるところもあるかもしれません。ケースは違いますがSBG株
はアームの新規公開が日程に上ってきた時に上昇トレンド入りしました。

しかしIPOの1ヶ月前には既に好材料を織り込み下落トレンド入りしました。公開1日目には
予想以上の好調なスタートを切ったことからSBG株も反発しましたが、アーム株が下落に転
じるとSBGも再び下降トレンドに戻ってしまいました。

「噂で買って真実で売る」という株式市場の格言通りの展開でした。ある程度先が予想でき
るのであれ既に株価上昇が進んでいれば好材料でも出ても多くの投資家が知ってしまえば株
価は一段高する可能性は少なくなります。むしろ噂で買っていた投資家の売りで株価が下落
する確率は低くはありません。

ポイントは好材料が株価にどこまで織り込まれていたかです。その判断は決して簡単なこと
ではありませんが。決算発表時にもっとも活躍するのは多くの投資家がノーマークだった銘
柄の好材料です。

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