kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

最後は稼ぐ力

2021-10-03 04:55:24 | 日記
9月は1363円上昇しました。月末の株価水準は1989年のバブル経済期に次い
で2番目の高値だったそうです。おそらく目線を数ヶ月後ではなく数年後に
置くならばバブル経済期の高値に挑戦する場面があるかもしれません。

しかし現状では日本株は米株の補完的な位置づけを脱したとはいえず、世界
第3位の経済規模に見合った評価にはなっていないようです。日本株でも自
同社セクターではトヨタ、電機セクターではソニーG、東京エレクトロン
機械ではダイキンなどの企業は同業の米国企業並みの収益率を上げている
企業もあります。

キーエンスやエムスリーなどバブル経済崩壊後の低成長期でも高成長を実現
している企業もあります。しかし業界の2番手、3番手銘柄の多くはこの10年
で株価が低迷するなどまだら模様です。自動車セクターではホンダや日産の
10年チャートを見れば明らかです。重電業界2位の東芝は経営危機に陥ち入り
物言う株主との対立もあり未だに成長路線の絵が描けません。

政治が変わるとの期待から急騰した9月相場でしたが、海外投資家は9月第3週
には現物株を500億円売り越しに転じ第4週には2691億円に売り越しは膨らみ
ました。降ってわいたような政治トレードは市場期待の河野氏が総裁選挙で
敗北したこともあり足元で熱狂は急激に下火になりました。

政治と株価との関係は無視できません。しかしアベノミクスで円安や金融緩和
それに日銀の大量ETF買いがあったにも拘らず低迷している銘柄も少なくあり
ません。一部の銘柄は大きな上昇が指数を押し上げらことになります。

稼ぐ力が高まらなければ少なくとも海外投資家の評価は高まりません。オリン
パスは不正会計もあり一時経営危機に陥りましたが、世界シェア首位の内視鏡
事業が会社を救いました。不採算だったカメラ事業を売却し強みのある医療分
野に経営資源を集中することで評価を高め精密セクターの勝ち組になりました。

また化学のJSRは祖業の合成ゴム(エラストマー)からは撤退を決めさらに
半導体事業分野で海外企業の買収を発表したことで株価は一段高になりました。
成長分野の半導体関連という側面もあるでしょうが、株価はこの1年少しで2倍に
なりました。オリンパスもJSRも物言う株主から役員を受け入れ事業の選択と集
中を推し進めたことが市場の評価を高めました。

両社以外にも技術力や競争力のある事業がありながら低収益事業を抱え収益力が
高まらない企業は多いでしょう。総花的な経営をしている経営者は多くの事業を
抱えていることで業績のブレが抑えられている利点を言いますが、経営資源が
分散して成長期待の高い事業も十分な投資が出来なくて結果的にライバルに負け
ているケースも多いようです。

企業が収益力を高めなければ従業員の収入も増えません。国の経済成長もおぼつ
きません。バブル期前までは経済は一流、政治は二流と日本は揶揄されました。
その経済がバブル崩壊とともに2流になり日本経済は低迷期が続きました。この間
高成長した企業は環境に左右されない経営を実践した企業です。その代表が日本
電産でありファーストリテイリングです。

海外短期筋の買いで一過性の上昇に終わるのではなく持続的な株高に繋がるには
一にも二にも企業が稼ぐ力を磨くことです。そんな企業が一つでも多く出てくれ
ば再び日本株は海外投資家の関心を高められるでしょう。

次回の更新は5日を予定しています。
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